第三回 酒と小皿と音楽婚礼 ― Astor Piazzolla/Maria de Buenos Aires

小春日和の夜、胃一仕事終え、駅傍のまいばすけっとでチリワインを買ってきました。

サンタ・ヘレナ・アルパカ カベルネ・ソーヴィニオン/メルロー。雑誌一個人の1500円以下で楽しめる極旨ワインの第三位。これ、結構まったりと美味くて、なんと売値が599円なので重宝してるんです。ちなみに白はあんま味しなかったなwおススメするなら赤ですね。ハウスワイン的に使うにはありだと思います。

そんな安ワインを音楽でエクスクルーシヴにできないかと。いつもこの企画は曲先ですが今回は酒先で、ほろ酔いで書いています。月曜から飲んじまってどうしたものか(苦笑

只実は、どんな安ワインも格式高い葡萄酒にしてしまう魔法の音楽が存在していると確信させる円盤があるのです。

1968 - Astor Piazzolla - Maria de Buenos Aires

それがこの『ブエノスアイレスのマリア』です。タンゴの第一人者にして革新者、アストル・ピアソラがスランプから起死回生↓オペリータ(タンゴ・オペラ)。こいつがかかればどんな酒でも深紅の味覚が広がること請け合いです。

アストル・ピアソラとオラシオ・フェレールによって1968年にブエノスアイレスに捧げられた、吟唱そして器楽によって創られた、生まれながらに既に破滅への道を辿り夜の世界に生きたヒロインの生と死と再生の物語。

後にピアソラの第二夫人となるアメリータ・バルタール演ずるマリアが生きたブエノスアイレスの場末でも、Alpacaのような安ワインが飲まれたいたのかなと、熱っぽいバンドネオンを聴きながら飲んでます。そしてこの娼婦と聖母が重なる歌曲は、サウンドの面でも特別美しいものがあり、これは叶うる限り良い音質で、そして満足できる音量で鳴らしてもらいたい。音の美味に酔う、美しい感動を味わうことが出来ます。現在は残念ながら少しプレミアがついてしまっていますが、払う価値のある、素晴らしい円盤であることは太鼓判を押せます。PCで聴くときはヘッドフォンで鳴らしてほしいですが、酒飲んでる時に耳圧迫されるのもあれですものね。出来ればオーディオで聴いてもらいたい逸品です。

特にDisk1二曲目TEMA DE MARIAの打音と弦楽器が入るところと五曲目FUGA Y MISTERIOの美しさと言ったら!悪魔に魅入られたような麗しき音楽。これ、コテコテのタンゴでもない、ドラムが結構効いているサウンドなので、「ピアソラ苦手なんだよなー」という人にもイケるんじゃないかな。インストゥルメンタルに半分セリフの如き詠唱が入るので、ポエトリーリーディングものとしても聴けるし、そのままタンゴ・ミュージカルとしてブロードウェイのサントラをきくつもりで聴くもよし、酔いに脳を委ねれば、そこは色とりどりの壁、ブエノスアイレス、ボカ地区へ誘う、耽溺盤ですね、これは。



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# by wavesll | 2015-01-26 21:37 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

薄藍暮


芭蕉が57577を575に削ったように、さらに詩をソリッドにできたら面白い、なんて思った。
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# by wavesll | 2015-01-25 17:08 | 私信 | Trackback | Comments(0)

入江陽インストアライヴ@渋谷タワレコ & 『仕事』 ― 今最も優れたポップスとして街の営みに寄り添う音

今、最も面白い邦楽ミュージシャンは誰か?
この問いは今大変難しいものとなっています。というのも、現在邦楽シーンには粒ぞろいな才能が次々と佳作を生み出しているからです。森は生きている、オウガ・ユー・アスホール、水曜日のカンパネラ、ゲスの極み乙女、毛玉、ハチスノイト、shotahirama,etc...

そんな中、最も優れたポップスとして街の営みに寄り添う音をやっているのは誰だろう?と思った時、私はそれは入江陽だと思います。

まずはこの曲を聴いてみてください
入江陽 - やけど [feat. OMSB (SIMI LAB)]


大谷能生がプロデュースしたサウンドに乗る入江さんの現在形のヒップホップを経過したネオ・ソウルな歌唱。そして歌詞がとてもいい。なんでも医学部卒らしい彼の洗練された詞には、2014-2015年の先端であり真芯をついた詩情が滑らかに伝わります。この動画の終盤に流れる『JERA』(soundcloud link)という曲の艶やかな調べは、彼がメインストリームで勝負できる逸材であることを予感させます。

そんな彼が渋谷タワーレコードでインストアライヴをすると聴き、昼下がり行ってきました。



大体50人程の人出に最終的になったのか、自分は最前列に陣取っていたのですが、青田買いと今後の成長とブレイクを期して、アルバムも購入しました。

これだけの近さで見れたこと、それも大谷さんのサックスとのコンビで生で聴けたのはとても贅沢だったのですが、まだライヴで練り上げていなかったのか、特にファルセット以外の部分の歌唱がCD音源を越えていなかったように思えたからでした。

ただ、ライヴよりCDの方が良く聞こえるというのはこの間のPIKA☆さんのインストアではライヴがあまりにも良すぎてCDが大分見劣りして聞こえてしまい購入に繋がらなかった、なんてこともあったので良し悪しですねw

改めて生でキーボード弾き語りで聴くとその歌詞の鮮烈さが沁みて、そのサングラス姿から連想したわけではないですが、歌の実演の技能熟達が図られれば、10年代の井上陽水になれるポテンシャルがあるのではないかと思いました。特に一曲目に歌われた1stアルバムに入っている『地震』という曲は、特に切実に響きました。

セットリストは
1.地震
2.Lemonade
3.JERA
4.たぶん山梨
は演っていました。中盤でもう1,2曲やっていたかもしれません。全体で20分前後のインストアライヴでした。最後の『たぶん山梨』では"たぶんタワレコ"と連呼するサーヴィスもありましたw

「地震」入江陽

『地震』はこの音源よりもライヴの方が魅力的に歌い上げられていたので、練達で高水準まで質を上げた状態のパフォーマンスで、ミュージックステーションに『やけど』とかで殴り込みして欲しいななんて思います。何しろ自分、「10年代の陽水になるポテンシャルを感じた」とまで褒めちゃってますからねw実際、入江さんの無人島に持ってく10枚には井上陽水のアルバムもあったようで、やっぱりこういうの好きなんだなぁと納得しました。

で、今2ndアルバム『仕事』を聴いているのですが、捻りが効いた詩と今を切り取ったサウンドが、"あぁ、これこれ、こういうの聴きたかったんだよ"としっくりきながら期待をちょい越えてくるのがいいですね。

"やけど"の
悔しいことも 照れくさいことも おんなじ?
がむしゃらに午後を しゃにむに 余生 さまよい

いやらしい夜も 目覚ましい夢も あるのに
お寿司を食べても 顔を拭いたら 朝だよ

なんて、日常の風景を切り取る視点が上手いと思うし、

"フリスビー"の
ソラリスの海辺では クソガキが手づかみで
クラゲを食い荒らしてる ポン酢かけ旨そうに

なんてシュールで面白い。生活感と異世界感が入り混じるのが面白いですね。

いいアルバムでした。タワレコ特典なのかな、CD-Rには『未発表&Remix音源』として、
1.Chakra or Makura NAGE(demo) feat. tones or sounds
2.やけど (hikaru yamada Remix)
3.卒業(hiaru yamada & Awa Remix)
4.JERA (wa Remix)
とアッパー目にMixされた楽曲が入っていました。

それこそこのアルバム、マーヴィン・ゲイとか好きな人でも面白く聞けるんじゃないかな。今後も含めて、気になる楽しみなミュージシャンが出来ました。
入江陽 - 鎌倉 [duet with 池田智子(Shiggy Jr.)]

仕事/入江陽

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# by wavesll | 2015-01-24 21:34 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

"わかっている人"以外に伝えることの難しさ

昨日『エル・トポ』の感想を書いていて、自分の表現力の乏しさをまざまざと感じました。

あの映画から受けた、砂と風に流れる血、妖しい天啓を授けられるような一種のイニシエーションの感覚を全然伝えられない、それが残念でありません。

カルト映画というと非常に重い、ごちゃごちゃ暗い映画なのかと思ったら、かなりシンプルに感動させられ十分にサービス精神にあふれたいい映画だったのです。他人に伝えるにはこれくらいのシンプルさが必要なのか、と感じ入りました。

つくづく、私は他人の言っていることを理解はできるが、他人に自分の伝えたいことを理解させられてはいないなと思います。相手に前提知識理解を求めてしまうのは、己の弱点ですね。だから"分かってる人"としか話が出来ない。自分は"分かっている人"でありたいと想うがそれを他人に求めるのはエゴだなと、改めて『エル・トポ』に感じた次第です。

自分はどちらかというと"面白みが分かっている奴がいるのに自分がその面白味が分からないのはなんかむかつく"というタイプで、できるだけ読み解いたり、想像を触発させ面白がりたいと思う人間なのですが、それでも面白がれない分野もあるので、興味のないことに巻き込まれる人の気持ちもわかるつもりです。

例えば世間的に超駄作とされた『大日本人』なんかも芸人松本人志による自身の栄枯盛衰の暗喩なんだなとみれば、一つの時代を切り取った面白い作品だと観れますし、一方でスポーツの"上手さ"を楽しむというのは私にはできません。それでもヴィジュアル的、文化的にスポーツを楽しんではいますが。

ただ、私の"分からない人には分からなくていいや"という分からない人の気持ちを無視した話は、ともすると表現力の貧しさに繋がってしまうのではないかとも、思ったりします。少なくとも、話そうとしているものを本当は理解できるポテンシャルを持っている人には訴えかけられるようなプレゼンテーションをしなければいけないなと思います。

一方で商業主義の為に妥協することと、研ぎ澄まされた表現をすることは考慮しないといけないなとも、思います。『エル・トポ』のコメンタリーでホドロフスキー監督は「映画業界を悪くしているのは役者だ。彼らのせいで金もかかるし、映画に口出しもされる、役者が映画を一番悪くしている」と言っています。

これは私は現代のTVで感じます。企画の面白さではなく、視聴率の保険の為にタレントを多用する日本のTVは、金の無駄遣いしているようにしか見えないし、視聴者自身がそういったものに飽き飽きしているというのは昨今のテレ東の評価にもつながっていると思います。

一方で、尖った面白いものは、大衆に広く受け入れられないのだなとも思います。今夜もMステで凛として時雨がライヴをしていて、カメラワークや演出も含めこのバンドの魅力が十分伝わる好パフォーマンスだなと思いました。しかし2chには「これは95%の人間には受け入れられない」等といった書き込みがあって、おいおい、これくらいの前衛さが受け入れられないなんて、世間様はどれだけ感受性の幅が狭いんだ。それじゃ俺が聴いてる音楽なんか、0.01%も聴いていないんじゃないか??なんて思ってしまいました。

「音楽を求める人の規模は、寧ろこれくらいが本来のものだったんだよ」と音楽を創っている友人がいっていました。それは事実なのかもしれません。本もまるで売れなくなってきているという話を聞きますが、多くの人にとって活字を求めるのは暇つぶしのためであって、書籍・雑誌による質の高い読書体験を本当に求めていた人はそれくらいの規模だったのかもしれません。TVを作っている側も、如何に馬鹿に分かるようにつくるか苦心していると言っているそうですし、全てが「ながら」で消費される"コンテンツ"時代、文化の質は変容しているのだなぁと思います。

人は自分が理解できないものには基本的には敬意は払えません。この間も旧友に「カール爺さん面白かったよ」と言いましたら「あんなのクソだよ!ベイマックスみろって、ベイマックスをあんなのと比べんな!」と言われ、あぁこいつ話通じねぇなと私は会話を諦めてしまいました。

ただ、こうした時に"分かる人"だけとしかコミュニケーションできないのを克服し、「カール爺さんは、"過去の思いに囚われることは、生きてきた時間が長いほど起きてしまう。けれどもその重みを越えて今を生き未来へ種まくのは、いつからだってできるんだ"というテーマを鮮やかでユーモラスに、そして滋味深く描いた映画だよ、俺は名作だと思う」と言えれば良かったなと思います。

これがすぐ出てくるよう頭の回転、瞬発力の鍛錬が私には必要ですね(苦笑

また、狭い世界で同好の士がみつからずとも、広い世界へ飛び出れば"分かる人"と会うことはあるかもしれません。実際私もtwitterでフィールドレコーディング好きの方と出会ったことはできましたし、自分が本当に面白いと思う尖った(と"普通(に無理解)な人"に思われる)作品も、網を張る範囲を広げれば、センスを同じくする仲間が見つかることはあると思います。

と、同時に、そういった人に届くよう、あるいは"体験すればわかる人"に訴えかけられるような表現で、プレゼンテーションをすることは1bloggerとして心がけたい。このブログは全く自分に金が発生するわけではない、個人ニュースサイト時代からやっているアナクロなblogですが、質の高い表現と、売り文句はいろいろ考えていきたい。アクセス数に魂は売らないが、内輪受けにはならない、よりよい表現に高めたい。

その為に自分に必要なのは読書inputではないかなと思います。評論や、作品、記事といった質の高い文章を摂取するのが今の自分には必要なのではないかなと、紆余曲折を経た今、改めて謙虚に学ぶ気になりました。
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# by wavesll | 2015-01-24 00:28 | 小噺 | Trackback | Comments(0)

エル・トポ感想(ネタバレほぼなし)

El Topo, Alejandro Jodorowsky - Original Trailer


未明にみたホドルロフスキーの『エル・トポ』。

ジョン・レノンが激賞した伝説のカルト映画という通り名は良く聞いていたのですが、70年代の南米サイケデリックの名盤の様な、渇いた魔術的映像に、死と性と異形が色濃く焼き付いていました。そしてそれだけでなく、今の目線で言えばきちんとオーソドックスな物語作りというか、寓話的、神話的な普遍性を持っている点が素晴らしかった。

ただ奇抜な映像を作ってやろうというよりきちんと観客に理解させ心を動かそうとしている点で、凡百のカルト映画の枠を超えた名作になっていると感じました。

この作品をみていて、まず思い出したのが井上武彦の『バガボンド』でした。
『バガボンド』は日本版エルトポをやりたかったのかもしれません。殺人の螺旋からの解脱を目指すが、運命の輪廻は回り続けてしまう。血みどろの決闘の果てに、人としての慈しみを知る。その人間的成長と無残な運命。その原色で描かれる対比が、打ち寄せる風によって描かれた砂紋のような感動をもたらします。

ただ、『バガボンド』では薄目に描かれている異性間、同性間の性愛が『エル・トポ』では作品の根幹をなすレベルでフィルムに焼き付いているのは、ラテンの国と日本の相違点かもしれません。

男を惹きつける女(コメンタリーによれば正体不明の現地でスカウトした女らしい)の、権力にぎらついた力ある男を愛す感じ、自分に転ぶ男を軽視し、自分を愛す男を愛せず、圧倒し自分など歯牙にもかけない男に求められるのを望む感じに、二村ヒトシ『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』を想起させられました。そういう女性像は現実をまま切り取っています。野心溢れたホドロフスキーの青年期にはそういった女が多く周りにいたのかもしれません。

実際、二周目にコメンタリーを流しながら見ると監督が面白い説を述べていました。曰く自己愛が肥大すると自分を愛してくれる人を愛す様になる。女性の自己愛は肉体に押し込められ、男は精神に自己愛があるそう。肉体的に自信がないと知的な方向で満足しようとする事はあるかもしれません。

コメンタリーは裏話が満載で、ホドロフスキーがこの映画を撮るためにカバラから禅からヒンドゥーからキリストから、古今東西の宗教を研究し、そのエッセンスを注ぎ込んだことが分かります。ムハンマドやブッダが新宗教を作ったかのごとく、既存の宗教的知見から触発され、新たな聖典を作ったという点で面白いし、私小説的な心象風景が投影されている点はエヴァンゲリオンにも通じると想起させられました。

また、その場のありあわせの人たちをキャストに使ったりだとか、撮影現場の状況でどんどん映画に活かしていったりする点は、きっと脳内麻薬ドバドバの為せる力技なのだろうと思います。あるある、そういうこと。実際、監督も「撮影中はずっとトランス状態だった」と語っていました。

そもそも、老人が支配する映画組合の目をごまかすために長編ではなく4本の短編として騙し討ち的に撮影したり、制作費用の4000万は先付小切手で支払い、売れなかったら破滅という状態で作ってしまう蛮勇ぶりはもうなかなかこんな破天荒な映画、作れないだろうなと思います。映像的にも動物の死や奇形の人々の扱い方など今では横やりが入りそうな画が満載でした。勿論、愛があった上での撮影でしたが、監督自身も「あの時は未熟だった」と言っていました。そして、それが故に弩級の映画になっていて、古い時代を打ちこわし、新たな時代を切り開いたのだと想います。

自分のそれまでの人生すべてをぶつけたような、会心の一撃。センセーショナルでセクシャルな要素が満載なのに、淀んでいないドライヴ感。

あの時代、あの土地の感性を凝縮したような、現代に作られた神話。70年前後の南米が好きな自分には、愛してやまない映画となりました。これを機に他のホドロフスキー監督の映画もみていきたいなと思いました。この映画を撮ってから、彼がどのような歩みを成していったのか、強い蠱惑を嗅がされた、素晴らしい作品でした。


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# by wavesll | 2015-01-22 22:33 | 私信 | Trackback | Comments(0)

Close to You

昨夜から今朝にかけて渋谷Jpop Cafeで行われたNew YEAR The CAMP!!へ行ってきました。
クラブは本当に未だに慣れなくて、今回も誰か誘っていこうかとしたのですが、平日のオールナイトイベントなこともあり誰も捕まらず…でもこの屋内で行われる仮想野外フェスというのが楽しそうだったのと、The Sunpauloがみたくて一人東横線に乗って赴いたのでした。

実際ついてみるとDjがレコードを流す空間が、テントが張ってあったり薪を模したライティングがあったり野外フェスな感じで、確かにライジングサンみたいな装飾がなされていて、あぁこれはルーパナイトみたいでいいなぁと体を揺らしながら、やっぱクラバーみたいには踊れないし、煙草が煙いし、なんかみな友達やカップル同士で来てるみたいで肩身狭いなぁと思いながら2ndフロアの禁煙スペースでリクライニングに腰掛けながら音を聴いていたら、隣で一人っぽいお姉さんがカオマンガイ食べてたので、声かけてみました。

するとなんとロック好きの人でROVOとかブランキーとか生でライヴ体験していた話を聞けて、さらにミッシェルのアベの墓参りに広島へ行き、お母さんがやってる料理屋の壁にTMGEの写真が貼ってあったとか、スゲーいい話聞けて、酒もまわってきて楽しい気分になってきたところでThe Sunpaulo!

シアターブルックの佐藤タイジがヴォーカルギター、音楽プロデューサーとして多くのアーティストを手掛ける森 俊之がキーボードの、エレクトロロックユニット、The Sunpaulo. 何度かYoutubeでみて、かっこいいなぁと思っていたのですが、なかなかライヴで見れる機会がなく、これはみたいと馳せ参じたのでした。

もうね、ライヴ、最高でしたよ。クラバーで込み合ったフロアでダンスロックの突き抜けたかっこよさ!ラストソングの"Close to you"の後でアンコールのコールが起こり(でも乾杯した白人の兄ちゃんは聞き取れなかったENCORE!だったけどw)、さらにOne More Song!!ロックが持つユースカルチャーの調子に乗った感じが本当に最高で、音も太いんだけれどもロケンローな、パーティを盛り上げるのに最高なパフォーマンスでした!

結構タイジさん普通にフロア歩いてて、挨拶して握手してもらっちゃいましたw

その後Shhhhhさんのトライバルな音聴いていたのですが、やっぱりビート主体だと踊れないと間が持たないですねw2ndフロアでゆったりしてました。だからヨーグルトさんはみれなかったwあまりにゴリゴリあげてて久々オールナイトにはハイカロリーでしたw

No9とKENKOHの音で、眠たさを刺激され、そんな話から隣り合った人たちと話しました。クラブに来る人はみんな笑顔で対応していて、あぁ、この人たちにとってパーティは本当に幸せな時間なんだなぁと、ほんとフェスのいい人タイムだなぁとこちらのクラブへの違和感がだんだん溶かされていったところで1stフロアでSunrise Player。夜明けまで踊りました。日の出の時間にはシャボン玉が降ってきて、フロアも空いてきてて空間使って体揺らせて、あぁ、いいなぁ、楽しいなぁなんて思いながら完全にクラブ苦手がほどけた状態で朝の渋谷を帰っていきました。



で、帰宅し風呂浴びて眠りから覚めると、もう日本代表がサッカーしてました(苦笑

と、同時にTLがイスラム国から日本人人質の身代金要求のニュースについての呟きで埋まっていました。
そんなニュースを見ながらも半ば、いや八割がた他人事としてアジア杯を眺めている自分、The Sunpauloの調子に乗ってウェーイしていた気分をblogに書こうと思っていたのに、なんか後ろめたい気持ちを感じざるを得ない気分を感じて、試合後ニュースが見たくてBSフジにチャンネルを合わせたり、今はTBSラジオでの特集を聴いています。

この件は単純に眺めれば、安倍政権の失策だと想います。イスラエルとの関係を深め、イスラム国との戦いに資金を提供することをすれば、既に昨年捕えられていた日本人人質のカードを切られるのは当然のことです。「十字軍に参加した」と言い放たれ、これに対し更に対抗措置を取らざるを得ませんから、アメリカ・イスラエルと共に戦い国だというイメージが、原爆を落とされたアメリカと戦った国というイメージを更新し、日本人を対象とするテロが起きる流れが起きるきっかけを作ったというのは国益を損なったと想います。

と、同時にこれをきっかけに中国と共闘し関係修繕に持ってくのもありかなとも思います。かの国も内部にイスラム教過激派を抱えていますからね。とは言え、軍事力を持たない日本がわざわざ紛争に首突っ込んで火傷するのは阿呆だなぁと思うし、逆に狙いはこれで恐怖心を煽って正式に軍事力を持つ方向へ持ってきたいのかもしれないとも思いました。

そもそも今回は難民支援での人道支援の資金供与ですから、ISISが言うような対ISISのものではない、と言えるかもしれませんが、『テロ対策』と銘打っている以上、彼らの意見を変えられるとも思いません。

安倍首相が言う「国際社会と協調し、テロと戦っていく」の国際社会の面々は、米欧の人々で、彼らが支配する国際資本構造の中でまともな戦い方では実力差で抑え込まれてしまう苦しみ・辛さから憎悪が生まれて、弱者の一撃であるテロへアラブ系の若者が駆り立てられる、或は欧米の若者が惹き付けられるのは、みていて本当につらくなります。

人と人が競い合い、フェアにスポーツのように結果に悔しがりながらお互いを称えあえればいいのですが、実社会では、立場が上の人間が下の人間を不当に扱ったり、あるいは学校でのスクールカーストのようなもので、溜まりにたまったストレスが、この国では自殺に向かうことが多いですが、他殺に向かうこともあるでしょう。

個人では殺人、組織ではテロ、暴力の行使は様々な名前が付けられます。これで、例えばISISが優勢な歴史になれば、これらの暴力は聖戦、あるいは欧米流の言い方で言えば革命と呼ばれるかもしれません。

この世界は弱肉強食だよ、個人の判断は自己責任で個人に帰されるのだという指摘はその通りで、個人としても、国としても、自らが得たい状況を手に入れるために自己研鑽することはどこまでも称賛されるべきことだと想います。

一方で、世の不公正を正す為に、理想を掲げ実行していくことも称賛されるべきだし、或はそれが現在の資本主義をブラッシュアップすることでもあるかもしれません。

その意味で、テロの口実となった資金供与がアラブの難民支援であったというのはプレゼンテーションの下手さからくる悲劇だなと、虚しさを覚えます。

資本主義のルールの中で、社会をよりよくしていく、という点で、思い出す本があります。今一生著 『社会企業家に学べ』です。
経営を通じて社会問題を解決していこうとする社会企業家を取材した本です。企業家の中では、カンボジアで売春を行わなければならなかった少女などにIT技術を身に付けさせて、オフショア開発の仕事で日本から見ると割安だけれどもカンボジアでは十分な給料を稼げるようにする企業なんか素晴らしいなと思いました。

この本を読んだ時に思ったのは、「あぁ、これは今の時代の政治運動なのだ」という意識でした。社会の"かっこ悪いところをかっこよくしたい"という女性企業家の言葉に、はっとさせられたのでした。

年を取るとだんだん"かっこいいこと"を求めなくなる気がします。それよりも"心地いいこと"であったり”安心できること”を求めたり。自分自身が三十路を迎え、自堕落な生活から腹が出てきて、社会に対する熱意よりも自分の身内を守ることの方がかっこいいのかもしない、との流れを感じる今、彼女の言葉にはがつんとやられました。と同時に、日本の平均年齢が今後どんどん上がって行ってしまったら、どんどん日本社会の心も醜く老いて、この地域はダサくなってしまうのではないか、と空寒い気がします。


そんな中で、話は渋谷に立ち戻ります。
渋谷は良く行く町なのですが、何が好きだって若者が多く、常に祭りのように賑わっているところなんですよね。とは言え行くのはタワレコやレコード屋ばかりなのですがw

タワレコから駅へ戻るとき、スクランブル交差点の上方ガラス越しに岡本太郎の巨大壁画『明日の神話』がみえるんです。あの光景は渋谷を象徴していると想います。燃焼している街。実際、仕事帰りにスーツで行ってしまうと消耗してしまって「うへぇ」ってなりますからね。あの活気が一種の参入障壁となってユースカルチャーの集積地になっているのだと想います。

前に、金曜21時にTSUTAYA前でドラマーがパフォーマンスしているのを見ていたら、通行人がいきなりラップかましはじめ、マイクリレーでガンガン盛り上がり、ダンスする人達も現れ始め、場が人だかりになって、やっヴぇーとなったことがあります。そして警察が止めに入って解散した後でドラマーの人に「あれ、打ち合わせだったんですか?」と聞いたら「いや、全然!完全に飛び入りで」と。そんな野生のユースカルチャーのきらめきがある渋谷という町は、改めて面白いなと30になって思います。

遅いですね(苦笑 今更クラブ行きはじめてるし(大苦笑 でもまぁ私はこのペースで、人生のビートを刻んでいきたいなぁなんて最近は逆に覚悟が定まりつつあります。

渋谷のTV局が流していたNEXT WORLDという番組では、今後平均寿命は延びていく、あるいは若返りも起きるかもしれないという話でした。実際、NMNという物質を投与されたマウスは寿命が十数パーセント伸びているそうです。

長期にわたる青き春が生まれるのか、それとも老いない老人によるディストピアが生まれるのか、番組が想定する2045年には私も61になっているのですが、30年後、冒険心を失いたくはないなぁ。できれば若い奴をフックアップしたいな、社会貢献になるかはわからないけれども、どこかで文化を支える人間になりたい、なんて思います。

30年後といわずとも、数年後の近未来、またThe Sunpauloでウェーイとパーリーできる、そんな渋谷の一人でいたいな、学生にも、生徒にも、社会人にも、遊び人にも。アラブの人にも、欧米の人にも、在日の人にも、中韓の人にも、歴史上の人にも、これから生まれてくる人にも、打ち鳴らされる音楽の中で、顔を近づけて、親しげに話ができる。そんな朝が迎えられますように。


第5回_THE SUNPAULO @ WAREHOUSE702

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# by wavesll | 2015-01-21 00:38 | 小噺 | Trackback | Comments(0)

にほんのうた

「楼門五三桐」

先日の『オリエント急行殺人事件』6時間ご覧になられた方はいらっしゃいますでしょうか?
自分なんかまんまと6時間みてしまいました。やぁ、かなっり趣味性が高い贅沢なドラマでしたね。悪くいうと金の無駄遣いというかw

前半終わったところで後半は犯人側の視点を描くという所で「おぉ!三谷はこっちがやりたかったのか!」と期待させといて、後半が前半以上につまらないというのはなかったですねー。ポワロが神業的に犯人の正体を当てていくところで、もっと裏側の慌てっぷりをスラップスティックに描いてくれることを期待していたのですが…。これなら4時間で纏めてもいいんじゃないか?いや3時間で纏められるだろと思ってしまいました。

それでも野村萬斎扮する勝呂探偵のエルキュール・ポワロの吹き替えの様な喋り方は、邦楽の外国語カヴァー、そう、JKT48のインドネシア語版『ヘヴィーローテーション』のような面白みがあって面白かったです。

まぁそれはともかく、音楽劇として歌舞伎って面白いんだろうなぁと思っていた所、twitter経由でYoutubeに歌舞伎動画が結構あることを知り、ちょこちょこみていました。

冒頭に載せた「楼門五三桐」。石川五右衛門の「絶景かな絶景かな」で有名なこの一幕も、初めの三味線立弾き速弾きから心つかまれ、歌舞伎な台詞回しの発声と体の動きと同期する打音の非連続さはまるでエクスペリメンタル・ミュージック。いいなぁ、今年は生で歌舞伎が見たいですね。

日本の伝統音楽も実に魅力的なもの、多いですよね。
個人的には出雲の神在祭にいった時の奉納神楽の横笛のアシンメトリーな響きには脱帽しましたし、高円寺の阿波踊りにいった時はそのグルーヴに脳天やられましたし(つべだと低音が効いてなくて残念)、ちょっと変わり種では恵比寿駅前の盆踊りで流されていた民謡調POPSなどには腰とろとろにやられちまいましし石垣島の民謡酒場で「ハイ!シーサー!」でカンパイしましたよ。地の歌ってのもありますよねー。

出雲大社神在祭の奉納神楽

2012年 高円寺阿波おどり<高音質編集>初日16連 35~49番、徳島合同連(HD)

2014第62回「恵比寿駅前盆踊り大会」

石垣うさぎやライブ/オジー自慢のオリオンビールメドレー

個人的にはその内レコーダーを買って日本各地の祭りの音や雑踏の音なんか録音する暮らしもいいなぁなんて思います。毎朝築地の競りを録音してsoundcloudに流すとか。まぁ、採算つかないですがw

日本の音というと、最近は女性のアーティストが元気な印象があります。
アイドルだけでなくても、大森靖子とかきのこ帝国とかは『無罪』の頃の椎名林檎を感じるし、水曜日のカンパネラの日本語ラップには浪曲を感じさせるものがあるなぁなんて面白がっています。

大森靖子 呪いは水色

きのこ帝国 - 海と花束

水曜日のカンパネラ『千利休』


今日の夕方に渋谷タワレコでインストアライヴをしたPIKA☆も素晴らしいミュージシャンでした。

あふりらんぽ解散後初のソロ・アルバム『龍の棲家』発売記念?のインストアライヴ。ギターヴォーカル、ベース、ドラムス、そしてスティールパンという編成でのライヴでした。

あふりらんぽは実は良く聞いてはいなかったのですが、何やら凄いバンドがあるぞという風の噂だけはよく聞いていたのでインストアライヴに来てみたら、やー、最高でした。

PIKA☆さんの人間としての総合的な魅力やキュートさが放出された歌と、ラウドな中にスティールパンのコロンコロンした響きが香料になっているサウンドは「あぁこういうロックが聴きたかった」という感じで、一つ違いの人が作り出すリズムの感じが丁度合うなぁと思いました。

PIKA☆ 『龍の棲家』

このMVをみるとちょっとボアダムスっぽいというか、始源の女神の様な趣もありますが、はっきりとききとれる歌い方と言葉の強さは、プリミティヴな清志郎という感覚がありました。

明日六本木Super Deluxeでライヴするそうなので、ご興味があれば、お勧めです。期待以上のものを鳴らしてくれると思います。

そしてもう一人ご紹介したいのが渋谷塔ジャズフロアの奥地で試聴したMIFUMAです。

このアルバム(soundcloudの試聴に飛びます)、非常にいいなと思いました。
特に01. Out Put
05. HiJack
そして15. U [Sabi Remix]
などはかなりいいと思いました。心地よいBGMと集中して聴く音楽の境というか、そのハイブリッド感が良いなと。今後の活動が楽しみです。一回この人の現場にも足を運びたいなぁと思いました。

まぁ、後から代々木公園でセカオワがフリーライヴやってたと知り、ダーゴナイだけ拝んでも良かったかなと思いましたが、PIKA☆とMIFUMAで大満足な一日でした。

ムーン・ママ Moon♀Mama a.k.a. PIKA☆(あふりらんぽ)- うたうひと


最後にもう一曲だけ。声のみで超絶音響アルバムを作ったArt Space Bar Buena発の歌姫ハチスノイト。彼女のライヴも一度生で体験したいなぁ。今年は歌舞伎とハチスノイトが取り敢えずいきたい場ですね。

ハチスノイト/kamuy mintar (short ver.)Music Video

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# by wavesll | 2015-01-17 23:09 | 私信 | Trackback | Comments(0)

Natural Fashions

Natural Fashions of the Omo Valley, Ethiopia

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# by wavesll | 2015-01-16 16:27 | 私信 | Trackback | Comments(0)

ZAZ インストアライヴ@新宿タワレコ 2015.1.12

平成27年の成人式、街をゆく数多の振り袖に、あぁ、結構20歳の人っているものだなぁと横浜、新宿を行きながら思った新春でした。

20年位前に会田誠が群娘図なんて絵を描いていたのだなぁ、その時今の俺の歳くらいの世代の子が今の新成人達か、振り袖や 群狼達が 繚乱図 なんて詠みながら向かったは新宿Flags. 今夜はパリから同時代のシャンソンの歌姫、ZAZがやってくるのです。

ZAZを知ったのはNHKBSのAmazing Voiceという番組でした。モンマルトルで歌う彼女は世界の錚々たる驚異の歌声の中で、番組が実施した視聴者投票一位を掴みました。そしてフランス本国ではエディット・ピアフの再来だと言われ、2013年に出した2ndアルバムは海外で最も売れたフランスのレコード(ダフト・パンクはアメリカのレコード会社だった為)となりました。そんな押しも押されぬ綺羅星、ZAZの歌声を聴く機会が、しかもインストアライヴであったのは僥倖でした。

私は時間があるときはタワレコのインストアは1時間位前に現場に行きます。そうすると大抵リハーサルやってるんですよね。この時も楽団が音合わせしていました。そしてちょっと場を外して戻るとZAZが!思わずお辞儀をしてしまいました。何か話せよ!俺(苦笑 フランス語出来ないにしてもこういう時英語で一言言えるようになりたい。できれば仏語で話せるようになりたいです。ただZAZさん、お辞儀を返してくれました。

その後ちょっとみていたら、ZAZがBabymetalのブースをみて隣のスタッフに語りかけていました。ベビメタ、面白いものなぁ、エキゾ・ジャポネだものなぁ。こないだ出たライヴ盤もライヴ盤らしい勢いある音で良かったですものね。

で、いよいよライヴ。ピアフの歌から、2ndのリード曲On Ira、そして最後は1stのJe Veuxで〆るという大満足な30分間でした。トランペット、ドラム、ウッドベース、ギター、アコーディオンの編成のバンドも上手いなぁ、そして日本の観客は(俺も含め)騒ぎ下手だなぁ、なんて煽られながら思っていました。トランペットのおじさんあんなに頑張ってたのにwニホン語も交えたMCが可愛かった。そしてCD音源よりも上手いんじゃないかという歌に惚れ惚れしました。

今パリは大変な事態になっていますが、それを感じさせない笑顔で歌ってくれたZAZに感謝。早くPARIS SERAのような巴里に戻って欲しいものです。

そうそう、ZAZのこのインストアライヴ、明日のスッキリ!にて放映されるそうです。スタジオ生ライヴもあるそう。楽しみですね◎


Zaz - On ira


Zaz - Je Veux


ZAZ - "PARIS SERA TOUJOURS PARIS"


ZAZ - Concert Les Francofolies 2014 - Robe Colibri par Les Petites Mains


追記

スッキリ、みました。でてました。
番組では『バラ色の人生』をアカペラで、『オー・シャンゼリゼ』をバンドで歌ってました。良かった。
ZAZはシャンソンの歌詞を良く聞いてほしいといっていて、『バラ色の人生』だと特に"好きな人の前だと目を伏せてしまう"部分がいいといってました。
Allez ZAZ!

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# by wavesll | 2015-01-12 20:44 | 私信 | Trackback | Comments(0)

第二回 酒と小皿と音楽婚礼- Egberto Gismonti / Dança das Cabeças

今日は原美術館 開館35周年記念コレクション展に行ってきました。横尾忠則、草間彌生、アラーキー、李禹煥、杉本博司などがきらりと光る、面白い展示。なかでも榎本康二『干渉(Story - No16)』、野口里佳『潜る人』、名和晃平『Pixcell-Bambi #2』が気に入りました。

特に榎本康二さんの作品は薄いクリーム色に塗られたカンヴァスの左に、黒々とした長方体がぬらりと光っていて、右下中方には薄茶に紙魚のような楕円が横に伸びて配置されていた。そのコンポジションが、その大きさ(部屋の端の壁一面)も相まって、立体的な感動があって、とても魅力的でした。検索したのですが、画像は見つからず…12日までなので、是非品川でこの連休にご覧ください。

そして、webでは容易に手に入らないという意味では、今日マリアージュする音楽もそうかもしれません。

エグベルト・ジスモンチ/輝く水
ブラジルの音楽家、凄腕のギタリストでありピアニストであり、作曲家のEgberto Gismonti.彼は幾度か来日公演を行っており、東京フィルとの共演は動画サイトにもあったりします。

私自身は数年前のブラジルEMI盤の再発の時期辺りに知り、一気にハマってしまい、渋谷シアターオーブでの息子さんとのコンサートに行きました。こんな音ギターから出るんだというようなギタープレイと、神の御業を思わせるソロピアノの響きに、心の底から驚嘆させられた夜でした。

一昨年、アントニオ・ロウレイロのライヴの際に話した方が、エグベルトさんの家にも行ったことがあったそうで、今は若い人たちを教育してオーケストラを組んでいるそうで、是非オケで来日公演なんて実現してほしいなと思います。

そんなジスモンチ氏ですが、今回取り上げるのはEMI盤ではなく、ECMが出している『Dança das Cabeças』。直訳すると『頭領の踊り』ですが、『輝く水』という邦題がつけられています。

鳥の鳴き声からフルートとビリンバウで始まり、アマゾンの密林の中で響くエクスペリメンタルな序盤から、徐々に精緻且つ勢いのあるブラジリアン・ジャズになるこの盤は、EMIの奔放さとECMの静謐さ双方を兼ね備えた名盤だなと、改めて今聴いていると惚れ惚れしてしまいます。

さて、この音源なのですが、実はYoutubeに上がってはいるのですが、どうにもこういう生楽器が効いた繊細な音源はYoutubeでは音が悪すぎてCDと比べると魅力がまるで伝わらないように思います。東京近郊の方は渋谷TSUTAYAにあるので借りるか、内容では損はさせない本当にいい出来のアルバムなので、是非お買い求められることをお勧めします。

ジスモンチ氏はヨーロッパでクラシックを学ぶのですが、その時師事したナディア・ブーランジェ女史に「あなたの音楽のどこにブラジル人らしさがあるのでしょう」と言われ、故郷の音を研究します。その際ジャングルで原住民と暮らしたこともあったそうです。その上で数々の名曲を創るのですが、この一枚もブラジルの原生林に響くジャズといった趣で、とても味わい深いです。

ちなみにナディア・ブーランジェさんはあのアストル・ピアソラも教えていたそうです。彼女を起点に音楽を探るのも、ちょっと面白いかもしれませんね。

さて、この一枚に合わせる一品は、京都、おうすの里の献上梅です。

蜂蜜に漬けてある梅干しなのですが、この甘みと酸味の味わいが口に広がるのがエクスペリメンタルブラジリアンジャズの密林の響きと相まってたまらなくβエンドルフィンを放出させてくれます。

案外、合わせる酒は焼酎なんかも行ける気がしますし、凍頂烏龍茶なんかも合いそうだなと思います。

まぁ、とはいえ、聞いて良いと思わなかったら買う気はしないよ、という方のために、Youtubeにある、そしてこの『輝く水』のテイストにも近い派手すぎない動画を、貼っておきます。




このレーザーディスクからリッピングされた動画が一番エグベルトのライヴ音源で好きな動画かもしれません。是非楽しんでください!ただ、曲のタイトルが間違っているので、そこだけは注意です。これで気に入ったら是非『Dança das Cabeças』と献上梅のマリアージュを楽しんでみてください^^
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# by wavesll | 2015-01-11 00:49 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(5)
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