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終わりなき遷移 Transformation展@MOMAT

風の情景


清澄白河の東京都現代美術館にいってTransformation展をみてきた。
『変容・変身』を主題に、様々な展示が行われていた。

人にものを教える際には<考えさせるスタンス>っていうのが一つ有効なやり方としてあるが、藝術っていうのは考えさせるスタンスの極致だ。素晴らしい藝術にはその意図を読み解く魅力がある。逆に全てが解説されてしまったら、興ざめと言う事もあるだろう。俺の場合は、ART展の解説も、一つ観方の視点が面白くて、解説読むの結構好きなんだけどねー。

トランスフォーメーション、という切り口では、例えば波や森の風景の非同質な循環が流れていたり、サウンドスケープがあったり、狼男や人魚など、変身・擬人的なキャラクターの展示もあった。

俺がそれらの展示をみながら想ったのは、自然と人間のことだった。
本来、自然界に属する生き物、特に動物は、雄の方がみためが派手で、雌の方が地味だ。LIONのたてがみ、孔雀の羽根、鹿の角、すべて、<雄が雌を惹き付ける為の身体的特長>であり、その<変容>こそが少年から大人の男性への動物の社会における個体の性的成長を意味していた。

しかし、人間の場合はメスの方が派手だ。メスがオスを誘惑する形になっている。ここが普通の動物と人間がジェンダー的に異なる点だ。つまり、人間の雄は雌を性的に誘惑する必要性というか、本能を失ってしまっているのかもしれない。SEXよりも面白いGAMEが、人間社会にはあるんだ。経済だ。

おそらく、狩猟採集生活から農耕畜産生活に移行した段階で<STOCK>という概念が発生したんだと想。それまで、暮らしの中には<FLOW>しかなかったし、必要な分だけ自然から借り暮しすればよかった。しかし農産物は<貯め込む>ことができる。ここから経済は始まったと想。その後数千年後に産業革命として花開く人口増加の魔力は、生産をストックできるという発明から生まれ、それでできた余裕から村が町になり、都市になったんだ。

この<STOCKを増加させるGAME>はヒトという種族の雄にとって雌と交尾するより楽しいゲームだったのではないだろうか?俺はヒトのメスが他の一般的な動物とは異なり、オスの気を惹く為に化粧までしたりカラダを美しくしようと努力してるのは、ここら辺からきてると想。ヒトのオスは生物的な進化から、経済的な進化へ変容の道筋を変えたんだ。数万年前に。

しかし、ヒトもAnimalの一種、本能がある。性がある。抑えきれない欲望がある。この気持ちが、ヒトにも生物的な変貌が欲しいと望ませて、例えばヒトに羽が生えた天使だったり、ヒトに角が生えた鬼を生んだんじゃないだろうか?パプアニューギニアのある部族の成人男性は、精霊の力を得るために鰐皮の入墨を肌に彫り込む。ヒトには自然と一体になりたい願望があると想。

俺は、ホモサピエンスは霊長類の長として、より霊的に進化していくべきだと想うんだけどなぁ、

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by wavesll | 2011-01-30 14:04 | 展覧会 | Comments(0)
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