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偽悪志向と悪の許容

俺はあんまり偉い人間にはなりたくなかった。昔から。

と、いうのもどーにもこの世の中で偉いとされている人間も私欲で動いているようで、内実は大したことないようにみえて、早い話が嘘つきに見えたからだ。

<自分は上品で、賢くて、他者のことを考えてる人間ですよ>なんてツラをしてても結局は自分の慾で頭がいっぱい。せいぜい考えるのは日本国内の、自分に関係のあることだけ。

海の向こうで起きている悲劇なんかは自分とは関係ありませんよ、と無視をする政治家や経済界のお偉いさん、一般庶民をみるにつけ、俺は<品がある>ことに何の価値も感じなくなった。だって嘘なんだもん。全然聖人君子じゃないんだもんよ。

そういってる俺自身をみてみると、確かに俺も例えばスーダンで起きている悲劇のために何をしてるかと言えば、何もせずにTVのお笑い番組で笑ったり、酒呑んでくだをまいたり、性欲を発散したり、全然ちゃんとしてないクズ人間だ。俺は正直、一番いやなのは、クズの癖にまるで自分はまともですよみたいなフリをすることなんだ。例えば原発を田舎に押し付けてのうのうと都会で暮らしてるのに聖人君子面してる奴とか。

キリスト教で言う<原罪>というのを認識していない人間が余りに多すぎる。自分はちゃんとしているなんて想っていそうな奴らばかりだ。とんでもない。自分が生きていく為に他者の命を蹴落とし、すり減らし、踏みにじってるという意識を持ってないように見える。その上で<自分は上品でござい>なんて顔をしてやがるんだ。

だから俺はいわゆる通り一遍の社会的ルールにはあまり興味はない。自分が礼節を重んじているという意識を持ちたくない。なぜなら、みな平等にクズだからだ。クズならクズらしくしろよ。と想う。逆にいえば、高潔な人ならば、自分の財産全てを擲ってでも貧困に苦しんでる人を救済したりだとか、今だったら震災に苦しんでいる人を助けたりだとかすればいい。

俺は自分が安全圏にいる癖に危険な目に遭ってる奴らを生温かい眼でみている奴らが一番嫌いなんだ。そーいう奴らに限って自分の中に悪をみとめていないから。要は普通の市民が嫌いなんだよ、普通にクズだから。

だから俺はクズらしい言動をしようといつも心がけている。自分がクズであると認識する為に。

しかし、最近は俺も大人になってきて、こーいう突っ張った態度だけでは社会を生きていけないんだなぁと悟り始めた。というか、<お上品ごっこ>というのも遊びの一種なんだなと想って、ごっこ遊び、一種の言語ゲームとしてやることにした。

だから昔は他人が偉そうな面して上品ぶるのをみると虫唾が走っていたが、最近は他者がせっかく上品にやりたいんだから上品にやらせてやろうと想っている。多分中身は獣なんだけど、人の皮を被ること自体は悪いことではないなと。そして社会を維持していく為には、安定志向の人間が多くないといけないなと想うから、安全圏にいる人達を責めるのは止めようと想。あとは悪を自覚してない人に悪だというのもなるだけ差し控えてる。敵を作るだけだから。

しかし、やはり俺自身は俺自身への戒めの為にも、<周りからクズだと想われる言動>を常にしていきたいと想っている。あぁ、だから俺はいつからかディズニーランドへ行けなくなったんだなw


Blankey Jet City ディズニーランドへ
by wavesll | 2011-03-18 22:44 | 私信 | Comments(0)
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