【オピニオン】砕け散った日本の鏡(WSJ)が非常に興味深かった。特に天災に関しては<水に流す>という意識。これを<責任を考えない>という問題と<復興へ邁進する>という美点に分けたところが印象的だった。
日本人は人智を超えた力は全て天災とみなす考えがあると想う、原爆にも適用されているように想えるし、 例えば平安時代には疫病は誰かの呪いだと想われ大仏建造がなされていた。
辛い思いをした後は必ず救済される。という考え方はおそらく天災から来ているのだろう。天災によって過去が清算されるという禊の意識があると想う。
あと、記事中で想ったのは、日本人は<助けられたがらない人種>だということだ。自分の事は自分でやりますという意識が強くて、天災並の人智を超えてるものでようやく助けられる立場に身を置けるという感じだ。これは逆に言えば人智でどうにかなるものは自分でどうにかしろという姿勢。だから社会的な出来事について日本人は救済を求めないし、しないんだなぁと想った。これは正直良くないと想う、俺は。人間はそんなに強くはない。まぁ<日本人>は強いのかもしれないけど。その点で俺は日本人じゃないんだろう。
死生観にも天災が影響を及ぼしてると記事は言う。生の儚さを前提に生きていると。これが余りに行きすぎて、死ぬことに対する違和感が薄い人が多いのかもしれない。<あっさり死ぬ>っていうか、自分の生に対する執着が薄い点も日本人が自殺しやすい一因なのかもなぁ。
天災に立ち向かうため日本人は一致団結する。全体を救うために何でもするようになる。特に男は命を懸けることに憧れすら感じているところがあると想う。死に場所を求める美学がある。しかし、俺は個々の生を慈しみたい。生きる勇気を持つ人間になりたい。女流詩人の言葉がふとよぎった。
「私が『君死にたまふことなかれ』と歌ひ候こと、桂月様たいさう危険なる思想と仰せられ候へど、当節のやうに死ねよ死ねよと申し候こと、またなにごとにも忠臣愛国などの文字や、畏おほき教育御勅語などを引きて論ずる ことの流行は、この方かへって危険と申すものに候はずや」-与謝野晶子
同じ夜 椎名林檎
東京事変 スーパースター