年末年始の小噺 笑いと音楽の創作構造について

 あけましておめでとうございます。元旦も更新っす。やー、明けましたね。僕は弘明寺で友人とその時を迎えました。皆さんはどうでしたか?まぁ、どうでもいいや。

 年末年始の特番といえばお笑いと音楽番組ですね。今朝もお笑い番組が流れっぱなしでしたね。TVに突っ込みいれながら見ていたんですが、ちょっと思いついたので書きます。

 僕は芸術家には2種類あると考えているんです。それはアーティストとマイスターです。アーティストというのは岡本太郎さんが言ったように、自分の中からほとばしるモノを具現化していくヒトです。マイスターというのは自己研鑽により客の要望の完遂を目指す職人です。

 思うに、お笑いには職人タイプ、ミュージシャンにはアーティストタイプが多いのではないでしょうか?

 はがき職人や落語における師匠という名称等、お笑いは極めて職人的な世界です。それはお笑いというものが一般的に「論理的な業(わざ)」であることに由来します。演者と客は「お約束」といわれるルールに沿って芸を愉しみます。演者はそのルールを突き詰めるも良し、壊すも良し、ルールをうまく使ってネタを披露します。自分だけのルールでは、まず観客にそれを理解させる労力を双方が使わなくてはならないのです。限られた時間の中で、その道を選ぶのは非効率です。そのため笑いは「お約束」の道を進みました。古典落語に代表されるように、決められた演技を自分の技量と客の空気で作り上げるのが笑いです。笑いは生理現象ですから、客は演者のエネルギーにカラダで反応します。そのため演者は客からのフィードバックで演技中に方向を変えていくことができる、このことを僕は職人的だと思うのです。

 一方、音楽とは「感情の業」です。現在クラシックといわれる曲も元々は作曲家の想像力による革新的な芸だったのです。常に新しい楽曲、新しいミュージシャンが求められる世界です。主題は「客に衝撃をあたえること」ですが、即レスポンスが返ってくる舞台ではないので、基本的には演者自身の才能によって演技は支配されます。そのエネルギーを客は心で受け取るのです。むろん演者も客からのフィードバックで演奏を変えたりもするでしょうが、ジャズのフリースタイルを見るように、基本的にはやはり舞台は演者に支配されています。一方的なエネルギーの放出、これを僕はアートだと考えます。

 しかし、もちろんお笑いでもアーティストはいますし、ミュージシャンにもマイスターはいます。例えば松本人志やラーメンズは新たな笑いの地平を開拓しました。自分でルールを作り上げています。またヒップホップのフリースタイルはかなり客からのフィードバックによって内容が一曲のなかで変わっていきます。これらの中間点といえるような第三の方式が生まれるかもしれませんが、僕はまた笑いは職人芸に、音楽はアートに分かれていくのではないかな、と思っています。ただ今年、来年くらいは音楽と笑いの融合の流れはまだまだ続くのではないかと睨んでいます。ま、流れを読めない人も好きですけどね。
by wavesll | 2005-01-01 17:13 | 小噺 | Trackback | Comments(0)
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