BLANKEY JET CITY / VANISHING POINT

c0002171_1102115.jpg渋谷シネクイントにて『VANISHING POINT』を観た。

BLANKEY JET CITYが2000年に行ったラストツアーLOVE IS DIE DIE IS A CHANGEとLAST DANCEを捉えたドキュメンタリー。

この手の音楽映画は、作り手の存在というか、自意識がノイズに感じられるところがあって、この作品もただ単にカメラの先だけを淡々と写し、カメラの持ち手は存在を感じさせない作りにした方がいいと思うのだけれど、ついつい自分はどう思ったか語り始めてしまうくらいの強烈なカリスマがブランキーにはあったのだと思った。

何より魅力的なのはライヴシーンだ。映画館の音響でブランキーを楽しめたのは本当に良かった。あのグルーヴは中低音が鳴り渡る環境でこそ真価を発揮する。前述の語り手の自意識も、3人の演奏がぶっ放していく。

何度もライヴの日付のテロップが出るのだが、あぁ、ブランキーは20世紀のバンドだったんだなぁと今更ながら感慨に耽った。中高生の頃の一番ロックが面白い時に出会ったバンドで、21世紀になって十数年経った今聴いても、あぁ自分にとってのロックンロールってこれだなぁと思った。

変わったのは自分の方で、高校生当時はベンジーのヴォーカルとギターに多くの魅力を感じていたけれど、今聴くとリズム隊が物凄いグルーヴで演奏を築いていたのだと分かる。達也のドラムも凄いが照さんのしなやかなベースが物凄いという事が分かったのが今回映画を見て得た一番の収穫だった。

3人は、野生の獣のようだ。その純粋さは目をそらすと殺されてしまいそうな魅力を放って、観客も人殺しの目になってモッシュして、苛烈な熱でライヴハウスを焼き尽くす。その炎の中で、本物の自由と興奮を観客は感じる。まさにロックンロール空間がフィルムの中に広がっていた。

ステージ裏での様子が写っているのがこの映画一番のウリだろう。3人の仲の良さ、「セッションから自然に生まれた時が一番いいんだわ」などの言葉。解散の理由にもなったであろう3人の求める音がそれぞれ変わってしまってきたことで生まれる軋轢。そしてブランキーらしい音を出そうという3人のスピリットが、荒馬が力の限り走り抜ける様な全力を出し尽くすライヴに繋がっていくんだなと思った。

10代に響くようなあの燃え盛る魂が変容していったからブランキーは解散したんだなと思った。私自身もほとんど失いつつあるようなあの少年の魂がこの映画を見ることで熱を帯びだした気がした。
by wavesll | 2013-02-11 01:12 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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