シルヴィ・ギエムのボレロ 於 東京バレエ団創立50周年 祝祭ガラ

c0002171_21552667.jpgNHKホールへ東京バレエ団創立50周年祝祭ガラ公演を観に行ってきました。

目当ては、ギエムのボレロ。先日15年末での引退を発表したときはびっくりしました。
NHKホールは初めてだったのですが、3階席でも十分見れる感じ。流石に表情までは見れませんが、普段ロックフェスやらなんやらいってるとこんなものだろうと。

それより生オケとは!3F席だとオケピもみれて嬉しい。と、いうよりこの生オケが非常に良かった!開演前に音合わせか調整か各自が音出ししていたのですが、その各自バラバラなのか流れがあるのかわからない音出しの感じがめちゃくちゃいい感じに響いていました。"まるでワーハピでみたCEROを格式アップしたような上質かつ実験的な音だな"と思いました。と、いうか最初はそういう曲だと思っていて、公演後にスタッフに聴いたら全然バラバラにそれぞれ演奏してたんだといわれてしまいましたwでもだからこそ音源化してないし、いいもの聴けました。

そんな流れで始まった第一演目、ペトルーシュカ。
街の人々と人形?のファンタジックでユーモラスな演目。初めてみるバレエは、ストーリーをダンスと音楽から類推する、無知な異邦人のような心持で探りながら楽しみながら見ていました。

そもそもバレエに興味を持ったのは曽田正人さんの『昴』からなのですが、その中で囚人がバレエにストーリーがある事に気づき、筋を探る楽しみに気付き始める一幕があって、自分もその立場だなと思ったりしながら見ていました。この後も昴の一つ一つの記憶がふっと湧いてくる瞬間が何度もあり、あの漫画改めてよくできていたなと思いました。



またしても音楽の話になりますが、ペトルーシュカの音楽が本当に良かった!生音の素晴らしさと楽曲の良さ、音自体の楽しさが相まって本当に素晴らしかった。今検索したらストラヴィンスキーなのですね。ここら辺からクラシックへ入っていくのもありだなぁついにクラシックコンサートとか行くか!?なんて考えていました。

実際、バレエ演目はクラシック音楽に視覚的な面白味を与えて相乗効果を生むし、ガラだと色んな演目のベスト盤的な内容でもあるので、中高の社会科見学でバレエのガラ公演なんかも情操教育的にありなのではないかななんて思ったりしました。

情操教育的に、というか、最初バレエをみて、非常に健全なエンターテイメントだなと強く思いました。音楽もアコースティックだし、真摯に鍛錬を積んだ成果として演舞をするのは真面目に頑張ればこんな魅力を発せれる、として生徒に親や先生の立場なんかだと見せたいんじゃないかなと、アラサー的には思ったり。勿論、その楽しいエンタメをするためには裏で血のにじむ鍛錬がいるという意味で心身もタフになりそうですしね。部活に良さそう。

バレエ、というといかにもお高く留まっているように見えますが、品のいいユーモアなんかもあって、間口を広くしようとしているんだなと思うと同時に、やっぱり客層も品が良さそうなおじさんおばさんとお嬢さんが多かったので、突っ張っている若いのが惚れこむような穏やかでない危険さもあってもいいのかなと思ったりしていました。

さて、第二演目までの間の休憩時間にロビーへ出ると、なんとシャンパンを売っていてこりゃあハイソだなwとやっぱり思ってしまいましたw私はヱビスでのどを潤しました。

第二演目はスプリング&フォール。コンテンポラリーで、より非言語な、おそらく男女の触れ合いを画いた演目。ダンスと音のシンプルな響きを愉しみました。

コンテンポラリーダンスの方が自分にはとっつきやすいのですが、どちらかと言えばストーリーを類推する楽しみもあるクラシックの方がより、"非言語で伝える"という意味では複雑に強いのかなと少し思っていました。

さて、第三目のオネーギン、このソリスト2人の表現力が凄かった!
愛、一方的になった愛とその別れ、個人的な記憶の想起と共に、凄まじく盛り上がるクライマックスの音楽の力も相まって大変感動しました。会場も拍手が鳴りやみませんでした。

第四演目を前に隣の方と少し話したら、彼女もバレエが初めて見たそうで、でも感動しますねと共感できましたw自分も駅のポスターを見てチケットを買ったのですが、その方もそうだったそうで、駅ポスターって結構リーチするんだなと思ったり。

第四演目は、いかにもバレエ!と言った趣のシュシュを付けた群舞が魅力のラ・バヤデール
群舞の一人が少し動きを乱してるなって気づくくらい整った群舞に、またしても昴の挿話を想起。
ちょっとしたマジックのような演出もあったりして、古典的なバレエの中に新しさを感じたり若さのエナジーを感じる演舞でした。


そして、、、そしていよいよシルヴィ・ギエムのボレロ。

これは段違いに凄かった。

まず、ギエムの身体の優美さ。手足の長さからくる幽玄な柔らかな力が、目を赤い円の中心に釘付けにさせます。もう、このダンスを、ずっと、2時間でも、3時間でも、5時間でも見ていたい。本当のカリスマがそこにありました。余りに圧倒された、というより、もっと優しく、内発的に引き出されたうえで高められるような、そんな体験でした。こんな水準のものが見れたのは、そして根源的なエナジーが暴力的ではない形で提示されたのは、今後の自分の人生の角度を少し変えてしまうかもしれないと、今振り返って想います。

c0002171_2255743.jpg素晴らしい時間でした。ありがとうギエムさん。そして東京バレエ団のみなさん。裏方のスタッフも凄い。全然転換の時音しなかったのは感動。そして開演前の音出しで音源出してくれw!
by wavesll | 2014-08-30 22:07 | 私信 | Trackback | Comments(0)
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