第二回 酒と小皿と音楽婚礼- Egberto Gismonti / Dança das Cabeçasとおうすの里の献上梅

今日は原美術館 開館35周年記念コレクション展に行ってきました。横尾忠則、草間彌生、アラーキー、李禹煥、杉本博司などがきらりと光る、面白い展示。なかでも榎本康二『干渉(Story - No16)』、野口里佳『潜る人』、名和晃平『Pixcell-Bambi #2』が気に入りました。

特に榎本康二さんの作品は薄いクリーム色に塗られたカンヴァスの左に、黒々とした長方体がぬらりと光っていて、右下中方には薄茶に紙魚のような楕円が横に伸びて配置されていた。そのコンポジションが、その大きさ(部屋の端の壁一面)も相まって、立体的な感動があって、とても魅力的でした。検索したのですが、画像は見つからず…12日までなので、是非品川でこの連休にご覧ください。

そして、webでは容易に手に入らないという意味では、今日マリアージュする音楽もそうかもしれません。

エグベルト・ジスモンチ/輝く水
c0002171_23595373.jpgブラジルの音楽家、凄腕のギタリストでありピアニストであり、作曲家のEgberto Gismonti.彼は幾度か来日公演を行っており、東京フィルとの共演は動画サイトにもあったりします。

私自身は数年前のブラジルEMI盤の再発の時期辺りに知り、一気にハマってしまい、渋谷シアターオーブでの息子さんとのコンサートに行きました。こんな音ギターから出るんだというようなギタープレイと、神の御業を思わせるソロピアノの響きに、心の底から驚嘆させられた夜でした。

一昨年、アントニオ・ロウレイロのライヴの際に話した方が、エグベルトさんの家にも行ったことがあったそうで、今は若い人たちを教育してオーケストラを組んでいるそうで、是非オケで来日公演なんて実現してほしいなと思います。

そんなジスモンチ氏ですが、今回取り上げるのはEMI盤ではなく、ECMが出している『Dança das Cabeças』。直訳すると『頭領の踊り』ですが、『輝く水』という邦題がつけられています。

鳥の鳴き声からフルートとビリンバウで始まり、アマゾンの密林の中で響くエクスペリメンタルな序盤から、徐々に精緻且つ勢いのあるブラジリアン・ジャズになるこの盤は、EMIの奔放さとECMの静謐さ双方を兼ね備えた名盤だなと、改めて今聴いていると惚れ惚れしてしまいます。

さて、この音源なのですが、実はYoutubeに上がってはいるのですが、どうにもこういう生楽器が効いた繊細な音源はYoutubeでは音が悪すぎてCDと比べると魅力がまるで伝わらないように思います。東京近郊の方は渋谷TSUTAYAにあるので借りるか、内容では損はさせない本当にいい出来のアルバムなので、是非お買い求められることをお勧めします。

ジスモンチ氏はヨーロッパでクラシックを学ぶのですが、その時師事したナディア・ブーランジェ女史に「あなたの音楽のどこにブラジル人らしさがあるのでしょう」と言われ、故郷の音を研究します。その際ジャングルで原住民と暮らしたこともあったそうです。その上で数々の名曲を創るのですが、この一枚もブラジルの原生林に響くジャズといった趣で、とても味わい深いです。

ちなみにナディア・ブーランジェさんはあのアストル・ピアソラも教えていたそうです。彼女を起点に音楽を探るのも、ちょっと面白いかもしれませんね。

c0002171_041733.jpgさて、この一枚に合わせる一品は、京都、おうすの里の献上梅です。

蜂蜜に漬けてある梅干しなのですが、この甘みと酸味の味わいが口に広がるのがエクスペリメンタルブラジリアンジャズの密林の響きと相まってたまらなくβエンドルフィンを放出させてくれます。

案外、合わせる酒は焼酎なんかも行ける気がしますし、凍頂烏龍茶なんかも合いそうだなと思います。

まぁ、とはいえ、聞いて良いと思わなかったら買う気はしないよ、という方のために、Youtubeにある、そしてこの『輝く水』のテイストにも近い派手すぎない動画を、貼っておきます。




このレーザーディスクからリッピングされた動画が一番エグベルトのライヴ音源で好きな動画かもしれません。是非楽しんでください!ただ、曲のタイトルが間違っているので、そこだけは注意です。これで気に入ったら是非『Dança das Cabeças』と献上梅のマリアージュを楽しんでみてください^^
by wavesll | 2015-01-11 00:49 | La Musique Mariage | Comments(5)
Commented by 妹尾 真吾 at 2015-01-11 21:32 x
はじめまして。yorosz(よろすず)さんのリツイートで貴ブログを知りました。gismontiparkerと申します。 『Dança das Cabeças』ですが、僕も大好きなアルバムです。
ただ、タイトルを「直訳すると『踊りの指導者』」と書かれていますが、『頭の踊り』ではないでしょうか?
Commented by wavesll at 2015-01-11 22:48
はじめまして。ご指摘ありがとうございます。

直訳の件なのですが、私もweb辞書でポルトガル語を調べまして、当初は『頭の踊り』という意味かなと思ったのですが、Head of Danceという意味なのかなと判断し、『踊りの指導者』という訳にしました。
指導者と訳すより単に頭と訳した方が、あるいは指揮者、頭領と訳した方が正しいかもしれませんね。
Commented by wavesll at 2015-01-11 22:57
あぁ!すみません。Dança das CabeçasですからDance of Headですよね!訂正させていただきます。

頭の踊り、あるいは頭領の踊りが直訳でしたね。

ご訂正、ありがとうございました<(_ _)>
Commented by 妹尾 真吾 at 2015-01-12 16:45 x
頭は「こうべ」と読んでください。
近年何度か来日されています。また来日していただきたいですね。
Commented by wavesll at 2015-01-12 23:16
承知しました。

また生で彼の音楽を体験できる日が来るのを心待ちにしております。期待したいですね。
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