エリス・レジーナとも共演し、日本におけるフレンチボサノヴァブームに火をつけた映画俳優ピエール・バルーの娘さん、マイア・バルーのライヴをみに渋谷WWWへ行ってきました。
日仏ハーフの彼女は、普段はパリに住んでいて、日本の民謡などのエッセンスを活かした歌を歌っているそうです。今回のレコ発ライヴではフランス人ドラマー、パーカッショニスト、KORG、コーラス、とベトナム人エレクトロニクスでのライヴでした。
初っ端からソーラン節がクラブバンドアレンジで朗々と歌い上げられ、一種演劇的な空間が展開されていきました。途中で福島や相馬の歌も歌われ、
昨日書いた"誰かのための歌"の事なんかも想いながら見ていました。
ただ、凄いクオリティ高いし、民謡とEDMは相性良いし、コーラスのミッシェルはめちゃ可愛いんだけど、凄い努力というか、秀才って感じで圧倒されることはないかもしれない、非常にいいライヴではあるのだけれど、とちょっと思いながら見ていました。芸術家にはどこか自分の想像を遥かに超える天才性を求めてしまうところが自分にはあるのかもしれません。
しかし、本編ラス2のマイヤさんのフルートがインスパイアされたインスト曲にはときめかされました!
ここで私の中で閾値を越え、ただの"いい音楽家"から、"素晴らしい、好きな音楽家"へと圧倒されたというか、ラインを越えました。スキャットとフルートが入り混じる演奏は刺激的で魅力的。その後の民謡EDMも、前とは違って心から楽しめました。
自分の中で、全く新しい体験、高次元の感動に圧倒されることで、相手を特別な存在だと認めること、ありますよね。自分の中でも一種の発見になりました。
いい鍛錬を重ね、年齢を重ねることで、感動水準までパフォーマンスの質を上げる。また人と触れ合うこと、繋がりを作ることで、自分の表現活動を成り立たせる。大人に成ることは表現にとっては悪いことばかりでもないなぁと想わされました。
昨日は同世代の旧友と話してもちょっとあれに感じることもあるよなぁと書きましたが、じっくり話を聞くと彼らの感性の魅力に気づかされますし、美味しい食事やいい服なんかの楽しさも、いいなぁと最近思ってきてしまう自分の変化を感じます。大人の愉しみに興じながら、いい人生を積むのも悪くねーなーと想わされたライヴでした。