君が生きた証→J-WAVE ROCKS→Coachella2015→George Clinton live at ビルボード東京で想うロック徒然

Rudderless - Official Trailer (HD)

先月末、渋谷UPLINKで『君が生きた証』をみました。大学構内での銃乱射事件で息子を亡くし、世捨て人になった父親が、息子が遺した歌を歌うという物語。別れた妻から渡された息子の歌を、ライヴバーで歌ったら、そこにいた若造に見込まれて口説き落されてロック・バンドを組むという筋書き。

なかなか面白い、魅せる映画でした。ちゃんと筋に仕掛けがあるし、音楽が良かった。そして音楽がいいという事が逆に色々考えさせられてしまった点でもありました。

作中の登場曲(主人公の息子が遺した歌)はYoutubeに『君が生きた証』 01:STAY WITH YOUのように字幕付きで上がっているのでcheckされると気付くと想うのですが、本当に弩直球のフォーキーなロックなのです。そもそも主人公サムが歌うライヴバーの歌い手たちの歌もそうなのですが、みていて、本当にロックというのは己の魂の叫びをメロディに載せて伝えるには最適な音楽だなという思いに駆られました。

ロックにはその人間の生き様が乗りますよね。この映画はその歌い手たちのステージを降りた部分での人生も伝えますから、"あぁこの人生にこの曲ありか、こいつなら確かにこの曲が響くなぁ"と相乗効果を上げるわけです。

と、同時に、これは映画の筋でもあるのですが、これらの作曲者がサムではなく息子が創ったものだと判明し、バンド仲間を裏切る形になってしまうのです。つまり、ロックンロールっていう音楽の中で、魂の部分で重要なのは自作自演という部分だという事。

でもこれって、視点を拡げれば、この曲を作ったのはサムでも息子でもなく、プロの作曲家と作詞家なんですよね。それでここまできちんとしたものを作られてしまうとは、ロックのメソッドってのは解明されきった、枯れた技術なのかなぁ…などと考えてしまったわけです。ただ、今改めて曲を単独で聴くとそこまでではない感じも。やはり映画の物語が見せたマジックの面も大きかったのかもしれません。

そんな事を考えた翌週、J-WAVE ROCKS!〜SPRING“BEAT PLANET” LIVE Vol.2へ行ってきました。初っ端のオカモトズのベースはやっぱり聴きものだったし、パスピエはまぁ今っぽかったし、ボウディーズはこの日一番楽しかったし、チャットモンチーには一番魂を感じました。

ただ、その日一番インスピレーションを受けたのはいわゆるロックな上の面々とはちょっと毛色の違う水曜日のカンパネラだったんですよね。まぁ一番見たかったというのもあるのですが、オカモトズやボウディーズの"まともなあんちゃんがやってる真面目に爆ぜるロック"といった風情に比べ、なんともヤバいコムアイの調子の乗り方が、今まさに起きている昇竜の勢いというか、こういう勢いやヤバい感じこそがかつてのロックが持っていたものではないかなぁなんて思わされました。

コムアイはその数日後のDOMMUNEでも良かったですね。ただ、水カンって3人だったんじゃないかなって思って調べたら、やっぱり作詞作曲してるメンバーとプロデュースしてるメンバーがいるんですね。おもろいんで、頑張って欲しい。新曲の『シャクシャイン』と風呂の曲も良かったw

さて、そんな靄靄をロックに関して感じながら、先週末はCoachella 2015のweb中継を見ていました。で、特に初日(金曜分/日本だと土曜放送分)が音響の具合かEDM>HIPHOP>POPS>ROCKの順に音が好くて、何しろCh3のEDM勢はめちゃめちゃ盛り上がってるし、一方期待してたRIDEはイマイチだしで、今の潮流、今ヤヴァイのはEDMなのかなぁ。去年の中継でもかわいい子ばっかだったし、ULTRA JAPAN今年はいってみっかね…。と思っていました。オーケストラが電気楽器の登場でバンドになったように、DTMはバンドを必要としない個人の時代を造ったなと。もうロックバンドの時代ではないと、いよいよ俺も認めざるを得ないかと。

しかし夜中にみたファン撮影の(権利関係からか公式中継はされなかった)AC/DCのライヴが良かった!
AC/DC - Live At Coachella 2015

この、質の悪い荒削りすぎる音質とスマホの回線が切れたのかぶつ切りの音楽がなんかヤバめのブートレグカセットみたいな風情があって良かったのです。(その後まともな音源もYoutubeでみつけましたがあえてこちらのリンクを張っておきます)。何より音楽がこれぞロックミュージックだぞという感じで、そうだよ!これが俺が大好きなロッケンロールじゃないかという気分に真夜中奮い立たされ、まだもう少しロックを信じてみようかという気にさせられたのでした。

ちなみに最新の連中もいいですよ。翌日の土曜(日本だと日曜放送)のアクト、ROYAL BLOODは昨日とは打って変わったいいロック向けの音響もあり、素晴らしく良かったですし、勿論JACK WHITEはいわずもがなのパフォーマンスでした。

ただ、個人的には今回のCoachellaでの一番の発見はRun The Jewelsでした。昨年の音楽誌の年間ベストで幾つも上位に位置したこのヒップホップクルー、Youtubeでアルバムを聴く分にはピンと来なかったのですが、いざこうしてライヴをみると、破格に楽しい◎こんなんやられたらそりゃ盛り上がるわという感じでした。コーチェラのヒップスター共も盛り上がってましたねw

フェス中継にはこういう形でwebで幾つか平行してチャンネル作ってザッピングできると、現地でのフェス体験に近くてTVよりいいかなとも思ったのですが、PC周りの音響が弱いとちょっとあれかもなーとも想いました。

FKAtwigsなんかも、最後の曲なんかはとても良かったのだけれども、低音が全然Youtubeでは出ないから、その日の午後にみた(((さらうんど)))の艶めくデジタルビートの低音を思い浮かべて脳内補完しながら見ました。まぁ、Youtubeが音までよくなっちゃうと本当に音源買わなくなってしまいそうだから今くらいが落とし処なのかもしれませんね。

そして、徒然と最近の音楽体験を綴って来たのですが、愈々真打というか、年明けてから最大の至高感を得たライヴを書かないわけにはいきません。

George Clinton Parliament Funkadelic live in Billboard Tokyo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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みてきましたよー!伝説を!!!
日曜の1st Setをカジュアル席なのに12000円という全然カジュアルじゃない値段だったのですが、そんなんまるで問題にならないくらいの熱狂がそこにありました!

P-FUNKはLIVE盤を持っている位だったのですが、フラッシュライトとか、聴きたい曲は全部やってくれて、何しろ初っ端の曲からクライマックス!フロアはほぼ総立ちでした!自分は4Fから座ってみていたのですが最後には立ち上がってはしゃいでしまいました。

最近のアルバムからの曲なのか、ラップが組み込まれた曲もあって、ブラッシュアップされているのだなぁと感心したり、スーツでびしっと決めたクリントン爺をみて、そうか、2015年は背広で宇宙へ行く時代かと想ったり。手練ればかりの最強の音の洪水に、途中までは「あぁ、プロの仕事っていいなぁ、俺もこの体験を活かして俺の仕事頑張ろう」とか考えていたのですが、もう最後はなーんも考えず高揚して最高に興奮の坩堝へ身体を委ねてしまいました。

サイッコーでした!うーん、やっぱり大御所はやべーなー、コーチェラでもAC/DCヤバかったし。
自分(アラサー)の世代は、もしかしたら文化の再生産しかできないかもしれないけれど、腹決めてとんでもなくクオリティの高い再生産を成し遂げてやらねぇと、上の世代を見返せないなぁ、なんて、今振り返ってみて思いました。ロックの世代としてはほぼアラサーがラストで、その内DTMだらけに日本の音楽界もなるだろうし、それは健全な事だと想うし、多分自分自身で音楽やることになったらDTMになると想うのですが、そうなったときにもロック幻想の魂が通底する何かを、自分も遺したいなぁ。

P.S. それにしてもBillboard、最高ですね。先日のTropicsで初めて行き、今回が二回目だったのですが、この近さで美味しい料理とお酒を飲みながら、この音響で、座って見れるなんて、ほんと大人に成って良かったなーと想わされるハコでした。生で聴いたP-FUNKはCDよりも音が爆音なのに、CDよりもずっとまろやかな音でした◎
by wavesll | 2015-04-15 23:07 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)
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