舞台『プルートゥ』感想

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Eテレで浦澤直樹の『PLUTO』の舞台が放映されていました。
プロジェクションマッピングを使い、舞台上でアニメーション表現、SF表現をしている部分は特筆すべきものがありました。特にゲジヒトが打ち抜かれるときの破壊痕と、ゴキブリに襲われるときの描写、ペルシア絨毯へのプロジェクションマッピングなんか面白くて、漫画を上手く舞台に落とし込んでいました。こういう演出での舞台化はどんどんやって欲しい。

他にもセットが漫画のコマの様だったり、キャストも漫画のキャラに近かったり、浦澤の絵をそのまま使ったり、原作への愛を感じました。キャストではアラフォーとみられるゲジヒトの奥さん役と小学生だろうウラン役を違和感なく演じた永作博美が凄かったです。

一方で、和風なBGMが使われたり、能面のような演出があったのは、海外の演出家っぽいなと思いましたがこれは特になくても良かったかなと思いました。

また、これは浦澤漫画自体の問題なのですが、キャラの『悟り化』が起きてしまうんですよね。賢くなり過ぎというか。ただこれは今作の場合は"人間味を会得しなければならない立場のロボットらしさ"に繋がり面白い効果を生んでいたように思いました。

戦争、殺人による憎しみの連鎖。それへの赦しとは。感情とは何か、人間とは?といったテーマはまだ掘り下げの余裕はあるように思いました。

それにしても浦澤/長崎のあの長大な原作を上手いこと纏めたのには脱帽。面白かったです。舞台、いいですね。TVで放映されるもの、今後もチェックしていきたいです。

追記:この中で、明らかにイラク戦争を思わせる"本当は大量破壊兵器なんてなかった"とのエピソードが大きく打ち出されるのですが、折しも集団的自衛権の論議が国会でなされる中で、"国民に危険が降りかかるかもしれないので相手を叩く為に国軍を動かせる"という議論が立ち昇り、そう言えばあの戦争もアメリカが自国に危険性が及ぶといういちゃもんで始めたのだなぁと想うと、イラク戦争に対して総括と反省がこの国では行われていないという意味で、現在的な意味のある演出構成だったのだなぁと思いました。

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by wavesll | 2015-05-24 17:50 | 舞台 | Trackback(1) | Comments(0)
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