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Ukiyoe志向 『江戸の悪』展@太田美術館+Alpha

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今日は表参道の太田美術館で開かれている『江戸の悪』展へ行ってきました。石川五右衛門、鼠小僧といった盗賊や、お岩さんや玉藻の御前等の悪女、吉良上野介等の権力者、その他侠客、喧嘩屋、はては妖術使いまで悪人どもが鮮やかな気迫を放っていました。

一癖も二癖もある悪人どもの酷(クール)な顔つき。これはしびれました。発色が良いものが多くて、牛若と弁慶の浮世絵なんかアメコミかと想うようなヴィヴィッドな色使い。他にも絢爛たる艶やかさで、安土桃山から日光東照宮を経て、日本人の派手な感性が江戸に花開いていたのだなぁと想わされました。

以前北斎の『神奈川沖浪裏』を見た時は、「案外小っちゃいし、地の紙が変色しちゃってるなぁ」とちょっと残念だったのですが、(その時に太田美術館の規模も把握できたことも有り)今回の作品群には大満足しました。

また、歌舞伎をモチーフにした作品も多く、当時の松本幸四郎の絵なんかもありましたね。ほんとお勧めの展覧会です。次の展示の「浮世絵に描かれる戦争」展も面白そうでした。

処で常々思うのですが、現代アート界でも演劇とか時事ネタをモチーフにした絵画って現役なのですかね?浮世絵だけでなく西欧でもロートレックやミュシャなんかポスターで出世したように思いますが、映画の手書き看板も廃れた今、個人的な観測範囲内で確認できるのはビッグコミックオリジナルの表紙位ですかね。

昔は絵画が担っていた役割は今は写真が担当するようになり、そしてさらに今は画像修正という形で写真にデジタル処理を加える形に変化している藝能画像ですが、もう一度芸能人を題材にしたステージ絵のシーンが生まれたら面白そうだなぁと思いながら太田美術館を後にしました。

その後代官山まで歩いて、帰宅したらTVでAKB総選挙が放送されていました。暫く見て、テレ東の特急旅番組へ行った後、もう一度フジテレビをみてました。

何考えてたか、想像つきますよねwそう、これこれ、このAKBの総選挙なんか画題にしたら面白いのにwなんて思いながら見ていたのですw

ただ、見ている内に上海に行った子とか、複数のグループを兼任している子とか、「与えられた立場を守れなかった」とか、、なんか転勤、左遷、職責とかいうワードがもたげてきて、この子達キャバ嬢かと想ってたけど実は企業戦士じゃね?とほとほと経済力には感服してしまいました。何しろ一億円プレイヤーガンガンでてましたからね。

そういう風な目で見ると、なんか彼女たちが『島耕作』のビジュアルで見えてきてしまったのですw弘兼絵の女性たちw浮世絵スタイルでなく弘兼スタイルでのAKB同人誌なんか出たらおもれーなーなんて思いましたwストーリー的には『キャプテン』ですが、そっちより『島耕作』で。さいとうたかおの『歴史劇画 大宰相』ならば合いそうだけど、池上遼一の絵じゃないな、等とおそらく自分でやらなければ誰もやってくれない企画が頭もたげてました。(こういう時が「私以外私じゃないの」の使いどころなんですかね)

そんな総選挙番組が終わった後、ゴッホの『星月夜』がテーマとラテ欄でみて楽しみにしていた『美の巨人たち』にチャンネルを回すと、なんと『星月夜』は『神奈川沖浪裏』に着想を得たとな!確かに絵を重ねるとあの空のぐるぐるが波浪にぴったり重なってました。

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浮世絵で使われた平遠、深遠、高遠と西洋の遠近法を組み合わせた北斎の構図を、ヨーロッパの架空の夜空に翻案したゴッホ。絵画の歴史は相互に技術を盗みあい、技の改善をしてきた歴史なのですね。しっかり一作品を技術的にも解説する美の巨人たち、良い番組だなぁ。と同時に今の音楽のシーンでCEROがやってるようなまんまな引用や技術的な面から音楽を創っていく姿勢、面白いなぁと想起しました。CEROはもっともっと剛腕を振るえると想うけれど(そしてあえて今のシェイプに今はしていると想うけれど)。

そういえばミュージックマガジンの表紙もアーティストの絵でしたね。CEROが表紙の最新号、シティポップでくくられるミュージシャンが広すぎだけど、あの記事結構面白かったな。彼ら、別の雑誌で、「最近の音楽シーンで、例えばドラムがマシンを人が模倣し更新するのは人形浄瑠璃を人が模倣して歌舞伎になったのとも通じる」とも言っていて、なんだか浮世絵を核に色々拡がった日でした。
by wavesll | 2015-06-06 23:47 | 展覧会 | Comments(0)
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