他人に期待する時代じゃない -安保法案デモの盛り上がりに寄せて

安保法案が通りましたね。

昨晩と、この明け方に、ニコニコ生放送で中継されていた国会前デモ中継をみていました。
大学時代の私が思っていた日本の学生の政治行動の乏しさへの寂しさと不満からすると、今の状態は隔世の感があります。

昨晩のTBSラジオ荻上チキSession22でゲストで出た高橋源一郎さんが、今回の「普通の人によるデモ」は何も安保法案でのぽっと出ではなく、311のボランティア→反原発→秘密保護法→安保法制と連綿と続く中で、政治行動に参加する層が一般層へ浸透していった結果だと述べられていました。

今回の件が特にクローズアップされているのは運動のアイコンとなるSEALDs、奥田さんの登場も大きかったように思えます。

このニコニコ生放送で奥田さんのアジを初めて見たのですが、今まさに時代の勢いがある男が持つ昇竜があるなぁと、客観的には想います。彼らのデモは私が知っているモノの中ではロックに近い。精神性が形骸化しレジャーになったロックフェスよりもロックンロールしているなと想いました。

この行動的なアジテーションの波は、確かに心地よく、実体が伴わない精神の加速という面でもロックが持っていた政治性に近いと思います。私は「実体性が伴わない」ことが意味がないとは思いません。デモというのは第一に国民が政治家やその他の人々に、自分たちが不満を持っていることを表明する機会だと想っているからです。

とはいえぬぐえない靄々が生まれたのは、このメディア総ざらいの安保法制の報せの嵐に自分がどこか醒めた気分を持っているからかもしれません。感覚としては311の時もこんな感じだったなと想います。

端的に理由を述べれば、みなさん自分が戦争に巻き込まれることには声高に声をあげるけれど、毎年東日本大震災の死者数以上に日本人が自殺している事はやっぱり大した問題ではないと想っているのだなぁ。「今は戦前」という話を聴くと、毎年2万人超の自殺者が出ている現在も戦争中みたいなものだよなぁと思うことは想います。結局経済的敗者や精神的敗者は「普通の日本人」とは認められないのだなぁ。労道の思想にも、政治の季節にも、どこか醒めた感覚をもってしまうな、といった感じです。

自分自身鬱に成ったり自殺をほのめかす人間が身近にいた私からすると、結局政治運動が盛り上がっても自分はその中にも該当しないのか、という疎外感を感じたのが本音です。自分で突っ込みを入れれば、構ってちゃんのダダに近いですね(苦笑

エボラ出血熱のワクチン研究が先ごろのバイオハザードで大きく進んだように、マイノリティだけの問題とみなされている内はマジョリティは動かず、彼らに当事者意識、もっとはっきり言ってしまえば恐怖を感じさせなければ、物事は動かないんだなぁ、かといってテロルに走るわけにはいかないし、どうしたものか。と思います。

特に自殺問題は自殺志願者の話を聴くだけでも大きな精神力が要りますし、デモと違ってただ不満を吐き出すだけではなく結果が伴わなければ意味がない話ですから。只これは失礼な発言かもしれません、現に今回のデモも、来年の参院選での法案賛成議員落選運動になっていきそうですし、デモ当事者としては結果を出そうとしていると思います。

更にいえば民主党時代の生活保護緩和政策や、今回のアベノミクスでの雇用改善によって自殺者数は3万を切りました。そうした政策を引き出すためのデモ活動は必要だし、今デモの機運が高まり参加がカジュアルになってきている今、他人に任せるだけでなく私自身もデモに汗を流すことも大事なのだろうと、思います。

SEALDsが新しいのは、彼らのWeb活動のクオリティが面白いという事もあります。あかりちゃん動画や、デモの生放送、或いはDOMMUNEへの出演などと、TVをみない若年層から盛り上がって、TVどっぷりの高齢層へも存在感を発揮しているのは大したものだなと思います。

私も、彼らとは違う形ですが、やれることを行動していきたいなと思います。体力が持てばwここ数日体調を崩して感じたのは、優しさの70%は体力のあるなしですねw眠りが足りないとカリカリするし、体力落ちると気も使えなくなるし(苦笑

そんな体力落ちた状態でここ数日TVをみていたのですが、洪水・地震・凶行・安保法案と喧しさが311の時を想い起すというか、これでストレス感じてしまっている方も多いのではないかなと思いました。

そんな方へ、ささやかながら、静かに心落ち着ける音像をご紹介したいと思います。
第23回酒と小皿と音楽婚礼 Strawberry Fields Forever [800% Slower] & EMBORG Danabluから。

01 Chris Watson & BJNilsen - No Man's Land [Touch]


Strawberry Fields Forever - The Beatles [800% Slower]


夏目漱石が『草枕』で芸術とは精神の安寧を呼び起こすために在るものだと書いています。また或る研究によると、ひどく傷ついている人は、破壊的な音楽を聴くと落ち着くそうです。シルバーウィークにみなさんが心休まることを願ってやみません。気力充実して、また日々へ還っていきたいですね。

最後に、私自身の今回の政局への意見を述べると、安倍さんは正々堂々と改憲を試みるべきだったなと思います。その点でもう安倍さんは支持できません。せっかく国民投票法案も創ったのだから、文字通り国民が納得するまで説明を尽くして、9条2項を改憲することをすれば応援できたのに。今回の解釈改憲では、米国の顔色を窺ったと同時に、祖父を超えるという自己顕示欲、ヒロイズムを(ある意味奥田さんと同種かもしれませんが)感じて、こりゃ駄目だなと思いました。民主にもあまり期待はできませんが、光明が見える経済政策を出して、中国へ毅然とした態度を取れば、或いは次の選挙である程度盛り返せるのではないかなと思っています。民主も、SEALDsもこれからが寧ろ本番、頑張って欲しいと想うと共に、何より私自身がやるべきことやりたいことへ行動しなければな、今はwebでいくらでも個人で動けるのだから、人任せにして不満を言うだけでなく、動こう、と思いました。
by wavesll | 2015-09-19 06:15 | 小噺 | Comments(0)
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