極渋楽園憂歌

Sonzeira - Aquarela do Brasil


先日、アースガーデン秋へ行く前に、渋谷UPLINKにて映画『ブラジル・バン・バン・バン』を観ました。

レコーディングの為、そして幻のレコードを求めてブラジルへやってきたジャイルス・ピーターソンと新譜の為に組んだバンド Sonzeiraの風景を追った映画『ブラジル・バン・バン・バン』。レコーディング風景以外にも、軍事政権下で自由に演奏できなかったサンバが生まれ育ったスラムの地や、ブラジル人アーティストを訪ねる等、単調になりやすいレコーディング映画に飽きさせないリズムがあるのは流石WorldWideなDJ出演作だなと感心。

そのジャイルスが訪ねたブラジルのミュージシャンが素晴らしかった。Ed Mottaにまず惹きこまれWladimir Gasperにがつんとやられました。Edgeの効いている新進気鋭から円熟のヴェテランまで、ブラジル音楽の豊饒さにwkwkさせられっぱなしでした。この二組はレコーディングに参加していないとは、これはUPLINK行くしかないですね!(上映は30日までだそう。Harry Upです。)

映画にはブラジルの凄腕ミュージシャンから、数々のスターが鏤められていました。マルコス・ヴァーリ、ナナ・ヴァスコンセロス、ウィルソン・ダス・ネヴィス、セウ・ジョルジetc etc...そんな星々によるアルバム制作の中でも白眉だったのが冒頭に載せたエルザ・ソアレスによる「ブラジルの水彩画」です。

こんな「ブラジルの水彩画」が在るとは。まるで近年のディランによる「ライク・ア・ローリング・ストーン」のような、いや、それ以上の崩し方。エルザ・ソアレスはブラジルで最も影響力のあるシンガーで、彼女の壮絶な人生の逸話が唄うシーンの前に入り、そこで感情の波頭が来たところにこの歌。素晴らしかった。

ジャイルスはちょっとリア充過ぎるなwと劇中感じてしまったのですが、良い音が鳴った時の彼の驚喜の表情に思わずこっちもにっこりさせられてしまいました。『ブラジル・バン・バン・バン』、オススメです。

そして、第34回酒と小皿と音楽婚礼 ものんくるにホットワイン→sow→negoでジンジャエ酎ハイ@アースガーデン秋終わりで行ったのが盛島貴男インストアライヴ@渋谷タワーレコード。

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盛島貴男さんの奄美竪琴。奄美竪琴は、沖縄の島唄よりも、或いはアフリカのコラよりも、ハワイアン・ミュージックにも通じる様な楽園な調べ。そこに極渋の歌唱が入ることで、なんとも滋味深い音が奏でられていました。

盛島貴男 奄美竪琴 Takao Morishima Amami Tategoto


ライヴでは富岡製紙工場の仕事歌や安来節の他、奄美の民謡が唄われました。盛島さんの人柄も伝わる温かいライヴでした。盛島さんは下北沢でのライヴが奄美の外では初ライヴで、この日が2回目だったそう。そこら辺勘案してね、とおっしゃられてました。奄美竪琴、案外小さいのだなと想うのと、名物店員カツオさんの勢いに合わせて「今からはじまる!」と声を上げたりおちゃめな盛島さんの本当にブルージーな歌声と竪琴の煌めく音に酔いしれました。

エルザ・ソアレスの壮絶な人生の果てからブラジルの賛美歌が極渋な憂歌と、盛島さんの奄美竪琴の憂歌。楽園の翳と光が歌に真実の深淵をあふれさせていました。人生には、苦味もある。歌声に琴線を震えるとともに、こんな歳の重ね方をしたいものだと背筋が伸びる様な歌が聴けました。
by wavesll | 2015-10-27 21:13 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)
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