昨日の『God Bless Baseball』に続き、フェスティバル/トーキョーの演劇、
地点X空間現代のマヤコフスキー『ミステリヤ・ブッフ』を観に、にしすがも創造舎に赴きました。
すっげーーーーー劇でした!!!こーーーーれは凄かった!誘ってくれてありがとう!!!!
1917年のロシア革命を背景に、方舟にのった労働者たちが地獄や天国をめぐり、約束の地へとたどり着くまでを描いた、マヤコフスキーの戯曲『ミステリヤ・ブッフ』。聖書の物語をパロディー化し、豊かな詩性と笑いで彩ったロシア・アヴァンギャルドを代表する祝祭劇に、地点と空間現代、共にジャンルの先端を行くグループがタッグを組み、挑みかかる。
というこの舞台、会場に入ると、360°の円形のステージを囲むように客席が配置してあり、中心には白い煙をが立ち昇る。
そして客席の間にドラムが置いてあり、そこから60°ずつの処にまた隙間が。
開演時間の19:30になると、空間現代の3人が出てきて、音が出ると、中央のステージが音に反応して光る。天井からはミラーボールが幾つも吊る下がってるし、ここら辺からもう既にこの演劇の魔術にかかりかかってました。
そこから始まる椅子を頭に載せて狂人の様な区切りのリズムで怒鳴りながら政治談議?宗教談義をする男女。もうね、上演時間100分らしいですが、全く退屈する隙間もなくあっという間にクライマックスに辿り着く凄まじい舞台でした。最高級チャオ!すげー面白かったアモーレ!あの走るのが最高でした。あと昨夜の舞台よりも抜群にネタに笑えたw
この舞台をみて想ったことの一つは、「あぁ、これは逆側から見た
『ホーリーマウンテン』なのだな」ということ。
自由の極致の様な南米で創られたあの映画も、不死の秘術を求めホーリーマウンテンへ登るも、九賢者は張りぼての人形で、ラストでは監督自身によって「これは映画だ。みな現実をやりきれ」という劇場版エヴァの様なシーンが入りましたが、抑圧の極みの様な帝政ロシア末期を舞台とするこの劇でも「アララト山はただの山だ」という印象的なセリフが出てきます。本当に革命を起こすべきは、本当にやり切り目指すべきは現実の社会行為というメッセージが『ホーリーマウンテン』を補助線として私の中で強く浮かび上がりました。
そしてもう一つが"2015年に鳴らされた新しいリズムを持ったデモの理念を具現化したもの"。
今年、SEALDsのデモが結構ヒップホップとか音楽的に取り上げられていて、デモに新しいリズムを音楽的に進化させたっていわれていたのですが、期待して彼らのデモ映像見たところ、期待したほど進化してなかったのです。
そして、私が“リズムを音楽的に進化させた新時代のデモ”って字面から妄想してた音に、この『ミステリヤ・ブッフ』はかなり近いものがあったのです。
神や天国ではなく地上で革命を起こす。その為のデモの叫びなんだこれは。ってラストら辺で自分のなかでカチッと来て、うーわーすげえの起きてるなってかなりキタのでした。
ここでもう一つ重要なのは、これがあくまで劇空間で起きているという事。抑揚が奇妙なこと、空間現代の爆音、そして思想書の翻訳モノのようなセリフ自体の違和感。これらのことから台詞は聞き取りにくく、それが前述したような芸術的効果を上げているのですが、これをSEALDsがやったら失敗デモでしょうw作品を通じてしかこの世に存在できない表現と革命の脆さが重なるのではと、感想戦をしながら帰路につきました。
やーーー、いいものみました。これは文句なしに"今みるべき"劇だなと想います。28日(土)まで。私は今夜は当日券で入れたので、明日観てもいいですwおススメです!