平成27年 今年鳴った音楽

年末になると各サイトで<今年のベストアルバム>が発表されますが、自分の場合そこまで新譜を大量に聴いているわけではないので、幾つかの音楽ニュース、音楽体験を纏めて2015年を回顧したいと想います。

Black Musicの年だった
今年はライヴを物凄いみた年と言う印象。円盤を聴くのと同じくらいの量の想い出がライヴである年でした。
そんな中でも
同率1位:
George Clinton and Parliament Funkadelic @ Billboard Tokyo
D'angelo And The Vanguard @ Summer Sonic
この双璧は頭抜けていました。バンドとしてはP-FUNKの衝撃が大きく、個人としてはDのカリスマ性が群を抜いていました。

また邦楽音源と言う意味でも黒いものや、黒い影響を受けたものを良く聞いていた気がします。
入江陽 - やけど [feat. OMSB (SIMI LAB)]
Awesome City Club - アウトサイダー
OMSB "黒帯 (Black Belt Remix)"
何かは収録アルバム含めて楽しめました。またブラックミュージックで邦楽と言うとceroも外せない。Yellw Magusはobscureの方が断然好きですね。
cero "Obscure Ride" Release Tour 2015/07/12 @Zepp Tokyoも5指に入るくらい最高でした。

音楽体験の定義が拡大した年だった
Compagnie Marie Chouinard 『春の祭典』 @ 金沢市文化ホール

F/T 地点X空間現代Xマヤコフスキー『ミステリヤ・ブッフ』 @にしすがも創造舎
は今年の音楽体験として外せないものです。前者は春の祭典をコンテンポラリーな魔術で具現化した奇跡なような演舞でしたし、後者は2015年の新しい音楽芸術デモとして革新的な日本語の語りの姿をみせてくれました。
また『春の祭典』というと、Teodor Currentzisの盤も素晴らしい出来でした。このverの春祭なら、普段クラシック聞かない人にも訴えかけるのではないかと想います。

また音楽体験として今年のトピックに挙がるものとして皐月の末に行った尾瀬歩きがあります。湿原を歩くと、カエル、カッコウ、ホトトギス。雨音、風音、木道を踏みしめる音。これら天然のアンビエントが響き、録音したくなりました。

それから、尾瀬の自然のアンビエントに近い音源をずっと探していたのですが、前から欲しくて今年ようやく手に入れることが出来たフィールドレコーディングの名盤、フランス、セヴェンヌ山脈での音風景:Cévennes (2CD by Marc & Olivier Namblard)を聴けたのも、感慨深いものがありました。数年に一度のフィールドレコーディング名盤です。

フィールドレコーディングを映像芸術にした映画『リヴァイアサン』も音楽的にも素晴らしい体験でした。今年はイメフォでハーバード大学「感覚民族誌学研究所」の作品が特集上映されていたのですがそちらは行けなかったので、また観る機会、あるといいなぁ。

そして今年最後に買ったアルバム、Tyondai Braxton / Hive1、これが素晴らしかった。何故この流れで出したかと言うと、自分の耳には鳥声、虫の音、動物の鳴き声、風音を電子音楽化したような響きに聴こえる部分がかなり大きいアルバムだったのですよね。それでいてリズムと旋律で音楽としても提示されていて、とても新しく聴こえました。今年はArcaやOPNの新譜もでましたが、電子音楽ジャンルの新譜ではこのアルバムが一番好きです。

2015私的ノイズ事情
電子音楽の話の流れで言うと、
Phantasmagoria@代官山Unitで腰が砕けるほどのノイズ体験
も忘れるわけにはいきません。Unit自体初めてだったのですが、音が良すぎ。最高でした。Russell Haswell + Painjerkのアクト、更にさらにその次のMark Fellなんか、天国へ飛ばされましたよ。

日本の新世代ノイズ歌姫、ハチスノイトをDommuneでみれたのも印象深いです。Dommuneってあんなに狭い中でやってるのも初めて知りました。宇川さんは毎年新しい箏に挑戦されて、今年の高松芸術祭も面白かったですよねー!凄い。ハチスさんのライヴの、神憑り的な喉には毎回心を打ちぬかれます。一番ライヴを何度でも見たいディーヴァかも。
MUSIC SHARE #41ハチスノイトLIVE @Red Bull Studios Tokyo 2015/10/27/

後は花電車やshotahiramaも良かったなぁ。私的なノイズ当たり年でした。

今年出会ったノイズのマスターピースとしては
裸のラリーズ/Heavier Than a Death in the FamilyThe Velvet Underground & Nicoのバナナ盤も忘れられません。これくらいのメロディ/ノイズの配分が今一番心地よく響くフェーズにいる気がします。

また、クラブ繋がりで言うとInterFMのPirate Radioが終了してしまったのは悲しいニュース。素晴らしい音楽を届けてくれた番組でした。twitterでの盛り上がりも同じバーで飲んでるような一体感が在りました。火曜23時、水曜1時、金曜0時と流浪の番組だった海賊船、ありがとう。らた聴けることを期待しています。

ワールドミュージック・トピックス
今年最大の音楽的発見は天上を駆ける獣のようなサカルトベロの男声合唱かもしれません。芸能山城組のケチャ祭りで知ったサカルトベロ(グルジア/ジョージア)の男声合唱、ブルガリアン・ヴォイスに匹敵する凄味のある合唱に度肝抜かれました。

また年末に遭遇したBurhan Öçalのオスマントルコ宮廷音楽も大きな発見でした。

その他、昨年に引き続きミャンマー音楽は来てましたね。第四回 酒と小皿と音楽婚礼― Folk And Pop Music Of Myanmarと常陸野ネストだいだいエールでスパイシーにで取り上げるだけでなく、Beauty of Tradition-Under the sky of YANGONというレコーディング映画まで観てしまいました。
荻上チキさんの番組で特集汲まれたり、フェスティバルトーキョーでもライヴがあったり、じわじわ来てますね、ミャンマー音楽。

後はティナリウェンの新譜も良かった。個人的にはBlack Messiahとの同時代性を感じる音楽でした。

幻惑のペルーヴィアン・ミュージックも良かったし、アラビア音楽ではセルゲイ・パラジャーノフの『アシク・ケリブ』は音楽としても素晴らしい映画だったし、ソ連・東欧グルーヴィナイト Vol.2も魅惑的な夜でした。

その他良かったライヴ
としては
King Crimson The Elements Tour 2015 at Bunkamura Orchard Hall Dec 8 Tuesday
Kamasi Washington live at BlueNote Tokyo 11/1 2nd set
TOMOVSKY インストアライヴ@新宿タワレコ
あらかじめ決められた恋人たちへ@渋谷タワレコ 2015/02/05
PIKA☆@渋谷タワレコ
盛島貴男インストアライヴ@渋谷タワーレコード
Fujirock Extra in Shibuya ! Räfven live in Tower Record Shibuya
溺れたエビの検死報告書インストアライヴ@横浜タワレコ
YASHIBU Vol.3 & Music from Greenland
Jimmy Clif @ 川崎CLUB CITTA
BONDAID #4 feat. D/P/I Japan Tour Tokyo powered by forestlimit sound system @KATA
Spanglle call Lilli line & TK from 凛として時雨 live at December's Children
New YEAR The CAMP!!
Shing02 『Luv(sic)Hexalogy』 インストアライヴ@渋谷タワレコ
などですね。
サマソニではMEW、Tuxede、Imagine Dragondsなんかも好きでした。ZEDDのオーディエンスにも感動したなぁ。
ぐるぐるTOIROは今年のベストフェスイベントでした。ズボンズとNATSUMEN、ヤバかった―!

変わり種としてはバブルサッカーのゲームスタートの激突音なんかも録音したいなと想いましたw

平成27年酒と小皿と音楽婚礼
今年始めたこの企画、計38本、link載せときます。来年はもっと小皿と合わせたいw
第一回 酒と小皿と音楽婚礼 - Andre Mehmari & Francois Morin / Arapora & 薫り華やぐヱビス
第二回 酒と小皿と音楽婚礼- Egberto Gismonti / Dança das Cabeçasとおうすの里の献上梅
第三回 酒と小皿と音楽婚礼 ― Astor Piazzolla/Maria de Buenos Airesで安ワインを上質な葡萄酒へ
第四回 酒と小皿と音楽婚礼― Folk And Pop Music Of Myanmarと常陸野ネストだいだいエールでスパイシーに
第五回 酒と小皿と音楽婚礼- Lula Côrtes&Lailson/Satwaとピスコサワーでパンアメリカンハイウェイを行く
第六回 酒と小皿と音楽婚礼 - Arcade Fire / Coachella 2014 & Doctor Pepperでメリケン野外フェス気分
第七回 酒と小皿と音楽婚礼 - Debashish Bhattacharya live in Japanと「冷え知らず」さんの生姜チャイ
第八回 酒と小皿と音楽婚礼 - Marco Bosco / METALMADEIRA & アーモンドミルク
第九回 酒と小皿と音楽婚礼 - Hermeto Pascoal / Por Diferentes Caminhosとさくら緑茶で春の宵を
第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
第十一回 酒と小皿と音楽婚礼 - SIMON SCOTT / BELOW SEA LEVEL に獺祭 純米大吟醸50
第十二回 酒と小皿と音楽婚礼 - NANOOKと晴れ茶で夏の兆しを晴涼に
第十三回 酒と小皿と音楽婚礼 moph records x DOMMUNEとギネスで祝日前の未明をDopeに飲明かそう
第十四回 酒と小皿と音楽婚礼 13th Floor Elevatorsとズブロッカで御機嫌サイケデリックに
第十五回 酒と小皿と音楽婚礼 Loveless(逆回転)とぜいたく三ツ矢 山梨県産白桃でXANADUへ
第十六回酒と小皿と音楽婚礼 レキシvsオシャレキシy黄金烏龍茶でイーアルファンキーに
第十七回酒と小皿と音楽婚礼 Alvvaysと佐藤錦のミルク珈琲
第十八回酒と小皿と音楽婚礼  Robert Glasper Experiment X Premium Boss
第十九回酒と小皿と音楽婚礼 Chronixx'N'SAPPORO CLASSICで小気味良い梅雨の夕べ
第二十回酒と小皿と音楽婚礼 壱岐33とイルガチェフェG1コチョレでゆく2005年のオーケストラ
第21回酒と小皿と音楽婚礼 Pedro Santos / Krishnanda X HAWAIIAN FRUIT TEAでトロピカルサイケな寛ぎを
第22回酒と小皿と音楽婚礼 Downfall of Nur / Umbras de BarbagiaとRAIZINで身体に雷轟を打ち鳴らせ
第23回酒と小皿と音楽婚礼 Strawberry Fields Forever [800% Slower] & EMBORG Danablu
第24回酒と小皿と音楽婚礼 天上を駆ける獣のようなサカルトベロの男声合唱と葡萄酒で秋の始まりを
第25回酒と小皿と音楽婚礼 SkRilleX&パチパチパニックでフレッシュなノスタルジア
第26回酒と小皿と音楽婚礼 裸のラリーズ/Heavier Than a Death in the Familyとグランドキリン十六夜の月
第27回酒と小皿と音楽婚礼 Shigeto@Boiler Room X Acai Chia seedでAstral Charge
第28回酒と小皿と音楽婚礼 にせんねんもんだい X KAGOME GREENS Yellow mixで鮮烈な生々しさを愉しむ
第29回酒と小皿と音楽婚礼 休日の朝はLianne LaHavasとコスタリカの珈琲で
第30回酒と小皿と音楽婚礼 Sherbet/SEKILALA X 田酒 雪解け水のような清らかなひとときを創る
第31回酒と小皿と音楽婚礼 O-nestの自家製ハニージンジャーとLIVE SUPERNOVA
第32回酒と小皿と音楽婚礼 Taylor Deupree + Marcus Fischer X Gerolsteinerで水の究極を
第33回酒と小皿と音楽婚礼 PUMPEEのお嫁においで 2015 X パンプキンビールで四角い世の中を丸っと収める
第34回酒と小皿と音楽婚礼 ものんくるにホットワイン→sow→negoでジンジャエ酎ハイ@アースガーデン秋
第35回酒と小皿と音楽婚礼 Milton Banana X Kona Coffee 馨りに揺蕩う秋、冬、その先に刻まれるビート
第36回酒と小皿と音楽婚礼 ブルガリアンジャズと甘く香り立つスパイスの薫るホット葡萄で冬支度
第37回酒と小皿と音楽婚礼 ベッドルームの夢 (アインシュタインズremix) X プレミアムネクターで甘蕩
第38回酒と小皿と音楽婚礼 Burhan Öçalのイスタンブールの調べとジャスミンミルクティー


未来を鳴らす日本の綺羅星達
今年書いた音楽記事で一番反響があった(失っていたとみられた)ゼロ年代邦楽ベストと現在の都市インディーでもちらっと触れたのですが、2015年、いよいよ新しいアーティストが台頭してきたなと想います。
あのエントリでは余り書けなかった新世代のアーティストたち。
上で上げた入江陽、OMSB、Awesome City Band、cero、ハチスノイト、shotahiramaの他にも、今年はYkiki Beatthe fin.SuchmosDAOKOラブリーサマーちゃんも良かったですね。もうすっかりメジャーど真ん中へ駆け上った水カンも良かったなぁ。男のラップだとMCニガリは気になってます。

東京おんりぃわんでBluestraightを追いかけたり、色んな意味で邦楽回帰な年だったかもしれません。ヴェテランの楽曲だとエレカシのRAINBOW、そして林檎の長く短い祭が脳内ヘビロテしたのも嬉しかったです。紅白での林檎のステージ、別格でしたね!向井も出たし感動しました。

そんな中、今年のベスト音楽を一つ上げるとしたら、
Reflections / Entering #2 (Okada Takuro Electro-Acoustic Ensemble)
残念ながら解散してしまった森は生きている。自分の2014個人ベストは煙夜の夢 a,香水壜と少女 b,空虚な肖像画 c,煙夜の夢(夜が固まる前)だったのですが、今年も岡田拓郎に魅せられました。深化している。この音楽を聴くと、明け方から徐々に日が昇ってきているのではないか、新しい時代の太陽が天へ掲げられていく様を俺は今見ているのではないか、等とすっかり惚れさせられてます((笑)洋邦ひっくるめて音源としてはこれをBestと、自分が聴いた中では挙げたいと想います。この尺を、こういうインスト音楽で飽きさせずに聴かせるのは、凄いなぁ。

今年も素晴らしい音楽にたくさん出会え、充実した人生を過ごせました。来年どうなるか、それは未来にしか分からないけれど、また素晴らしい音楽に出会える、そんな日々を期待してこのエントリを終わります。
by wavesll | 2015-12-30 01:27 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)
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