横浜タワーに大森靖子のインストアライヴをみに行きました。
去年渋谷タワーでみたインストアライヴで、
『呪いは水色』を聴いて
林檎の『同じ夜』みたいだなと想ったのですが、こないだ出ていたTBSラジオSession22でかかった曲も無罪モラトリアムの頃の林檎曲みたいなエモさがあるなと想い、Youtube漁ったら、新アルバムもいい感じで。聴いたところだとなんとプロデューサーに亀田誠治やミト(クラムボン)等を迎えているそう。
「愛してる.com」のPVなんか
銀杏の「ぽあだむ」の発展形と言うか。J-POPの総力を挙げて造ってるなと想い横浜タワーに向かったのです。
ライヴではギター一本の弾き語り、時々アカペラで唄い叫ぶ姿、人も凄い盛況でした。姿も含めて前回見た時よりもかなり垢抜けたようにみえたのは芸能活動で磨かれた部分と、母になったというのも大きいかなと想いました。
「呪いは水色」をまた聴けたのも嬉しかったですが、何よりうれしかったのは
「TOKYO BLACK HOLE」を弾き語りで生で聴けたこと。
この歌詞、凄くないですか?詩の強度が物凄いというか、インストアライヴで唄われた他の曲もきっちりフックとなるキラーフレーズが連打されてて、久しぶりに歌詞にぐっときながらライヴを聴いた気がしました。あとPVより実物の方が大森さん綺麗でした。
なんていうか、"理解不能だけど物凄い"とは違う、大森さんの詞は"分かった上で凄い"のも凄いなと。解りきった上で魅了されるというのは、したたかな高度というか、酔わずに酔えるというか、新鮮であったり。でもこの感覚、最近別のところで味わったなと想ったのでした。
それは二つのTV番組で。一つはテレ東系のBS JAPANで流れていた『SICKS』、最初はオムニバスコントで始まったのに、最後は理想的な『20世紀少年』とでもいうようなサスペンスミステリードラマになるこの作品、面白さだけを追求して、全然高尚でないのに面白さが素晴らしく、その面白さで奇抜なアイディアをねじ伏せるのが凄いですね。TVというメジャーフィールドで冒険するのはこういう戦い方があるのかと、目から鱗が落ちました。
そしてもう一つは『おそ松さん』。巷で大旋風を巻き起こしているこの作品、最近漸く初めて見たのですが、アートスタイルも格好良いし、テーマも現代的なクリティカルヒットだし、こーれは流行るよねと想いました。これも快楽水準が最高純度で、メジャー且つ実験的という作品。
"わからない"という神秘性を取り払っても心に響く稀有な表現に久々に触れ、メジャーで勝負するのはこれか!と想いました。こういう新王道をやりながら、その一方で、地点のような前衛的な表現も行われている。この両輪が今廻っているJPNって面白いことになってるなとしみじみ。火が続いているのが嬉しかったです。