人間国宝能楽師Xギリシャ人演出家の『オデュッセイア』、<能 NEKYA>

年始にBS朝日で放送された「世界遺産で神話を舞う ~人間国宝・能楽師とギリシャ人演出家~」を観ました。
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人間国宝 梅若玄祥がギリシャを代表する舞台演出家マルマリノスの発案で世界最古の劇場であり世界遺産 エピダウロス古代円形劇場にて新作能、『オデュッセイア』の『ネキア』を演じるという。

すっごいwkwkさせられましたこの企画を聴くだけでも。しかしそれを実現するのは容易いことではありませんでした。能の作法で脚本を刈り込むと、ギリシャ人からすると欠けてはならない物語の部分まで失ってしまう。喧々諤々のバトルが起こり、脚本が3週間前まで出来上がらずといった具合。

その時、経済危機で出国が難しいにもかかわらず、マルマノスさんが日本にやってきます。メールやヴィデオチャットでは伝わらず、こじれていた脚本家とのフェイス2フェイスのやりとりで、舞台が前に進んでいく。やっぱり顔を突き合わせることの大事さが、仕事の上では重要だなぁとしみじみ。

また「劇の水準などよりお客さんが喜んでくれるか」「脳を柔らかくして臨機応変にやらなければ、予期せぬことにつまんねぇって想ってたらお客さんに伝わる。楽しむことが大事」とか、能楽師と言ういわゆる伝統芸術の砦に籠らず革新を恐れないエンターテナー振りに"いい仕事人だなぁ"と想いました。

そして舞台。神々の座で演じられる神話の能。素晴らしかった。能って音楽劇なのですね。衣装と動きの幽玄さにも感性を刺激されましたが、それ以上に楽団が奏でる楽器と掛け声、そして演者の歌唱が素晴らしかった。静寂なのに爆発している。このあいだ見たGY!BEのLIVEを想い起させるような、あれと表裏一体な藝術性が母国にあることが少し誇らしく感じました。

この『冥府行 NEKYA』は昨年と、今年の1/20に国立能楽堂で演じられたそうです。それも見てみたかったですが、もし可能なら、ギリシャでの舞台のBlu-rayなんか出してくれたら嬉しいなぁと想うくらい、あの場だからこその一触即発のケミストリーの起きた時間だったなぁと想いました。

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by wavesll | 2016-04-01 17:09 | 小噺 | Trackback | Comments(0)
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