六義園のしだれ櫻、
中目黒の夜桜、
千鳥ヶ淵の花筏と上野の桜吹雪と桜尽くしだったこの春。そのフィナーレを企図し、"みよしのの山辺に咲けるさくら花雪かとのみぞあやまたれける(紀友則)"と聴く奈良・吉野山へ行ってきました。
5時出発で羽田-阿倍野橋-吉野-中千本-上千本ーそして奥千本まで歩いてきたのですが、、およよ?あまり桜、本調子でない。というか、伐採されてる??植え替えの計画でもあるのかな???
"晩春"という言葉があるとすれば、夏へ加速していく季節に"晩"という字は似つかわしくありませんが、あるとすれば、桜の舞い散った跡を指すのかもしれない。そんなことを考えながら、吉野の山を下っていました。
しかし、上千本・中千本・下千本で山が櫻に染まりました!
やー、軽く安堵しましたw舞い散る桜、爛漫から晩春へ移るその様が、解つれていく春を見るようで、美しかった。鶯の歌にときほぐされ、途中でみたフクロウとカエルにも和みました。柿の葉寿司も葛きりも美味しかった。わざわざ吉野まできちゃってたから、ほっとして帰りの近鉄に乗りましたw
そして、ここでエクスペリアの電池が切れてしまって、写すことはできなかったのですが、近鉄の車窓からみた奈良の景色が、ある意味吉野の櫻以上にまなこに焼付きました。
のっぱらに咲き零れる紫の小さなすみれ?の可憐さ、その然り気無さを写真に写したかった。瓦屋根の立派な家々は武者屋敷のよう。今に息づく更新されてきた伝統の継承がありました。また屋根が腐ったか、オーバルに歪んだ廃屋、バロックのような味がありました。空間、その豪勢な空間の優美さ、空が広いことが、どれだけ心に羽を生やすか。駅々に掲示される古墳の案内。美しい片田舎がそこにありました。
大阪に近づくにつれ建物で視界が狭まり、電線を眺めると、黒く線がぶれ揺れる様がアニメヴィデオインスタレーションのよう。そう言えば、奈良の木々の黒い枝の折れ曲がった生え様、まるで若冲の筆致のようでした。いや本当は逆かw藝術から現実への投影は、夕陽に照らされ大阪に直立するあべのハルカスがモノリスの様に存在しているなぁ、なんても想いました。
羽田へ着陸しに下降するとき、機内から見える東京の輝き、東京湾のマテリアル感。
昔はシナプスの反応図のようだと想っていた耀きが今回は宝石が鏤められたジュエリーのようにみえました。ラグジュアリーさに浸りたかったのですが、JALさん、照明をグラデーションつけて落としていく装置を開発するなら機内アナウンスがあるときサウンドサービスも一時停止する仕組みいれてくれんかい、落語のオチが聴けなかったじゃないかwあ、墜ちない為か、御後が宜しくねぇなぁwこんな感じで過ぎていく日々、春ですな。
P.S.
機内システムで聴いたRIP SLIMEの曲のトラックがくっそカッコ良かったです。機内で邦楽の新曲知ること、結構あるなぁ。
RIP SLYME 「Take It Easy」SPECIAL MOVIE