"Youth"を鳴らす

Sonic Youth Goo full album

今週初めに頭を打って、鈍った思考で外にも出られずに音楽を聴いていたのですが、覚醒感を与えてくれ、「よし、快方へ向かっている」と想わせてくれたのがソニックユースの此の大名盤、このジャケとか、音楽に興味が無い人でも見たことあるのではないかなと言うくらいの超有名盤ですよね。

このアルバムが出た当時自分は6才でしたから、当然聞いてないですし、実際の処、ちゃんと聞いたのは昨日が初めてという体たらく。しかし当時聴いてなかったのにこの青い気持ちが湧くのは何故だろう?ロックが持ってる"正義"、パンクが持ってる何でもアリな"軽さ"。ぶっきらぼうに駆けるユーモア。十代後半に立ち返るこの感じ。時代性と関係なく"十代の感覚"を立ち上がらせるサウンドがあるということでしょうか?

そこのところは、現在十代後半の人がこの音を聴いて共鳴できるか、というのを確認する必要があるかもしれませんね。自分はソニックユースは聴いていなかったけれど、90年代後半のRock'inOn系はソニックユースのサウンドの影響下にあっただろうし、これもまた当時は聴いていなかったけれど、90s HipHopの耳馴染みの良さも素晴らしく私は感じるのですが"Youth"の時期を過ごした時代を彩った、空気のような音楽だった、という可能性もありますものね。

あまり認めたくはないのだけれども、やっぱり若い内に聴いた音楽は體の髄に沁み込んでるというか、例えば10年代のイマの音は、J-POPも如何に黒い感じを出すかでヒップさを求めている気がします。自分も白い音よりも黒い音の方が良く聴こえます。或いはDTM的な音。ただ、やっぱり自分の基準になってる音は90年代の音なんだなぁと想うというか、最近、独りで音楽と本とメディアと暮らして、実社会とのかかわりが薄くなると、地が出てきて。自分の地金は90年代ロックなのだなぁと認めざるを得ないのです。

ほんとに、自分はいわゆる英米ロックの名盤を全然聴いてこなかった10代20代だったなぁと想うのですが、実は去年初めてまともにThe Velvet Underground & Nicoを聴いて。逆に時系列通りにヴェルヴェッツとソニックユースを聴けたわけですが、『Goo』を聴いたときに最初に連想したのがこのアルバムだったのでした。

The Velvet Underground & Nico Full Album (Stereo) [HQ]


67年のアルバムなのだけれども、90年の『Goo』に直系で繋がるような源流を感じるというか、10代20代の心をあらわすアルバムだなぁと、世代を超えての共感を想うんですよね。色々検索すると、やっぱりヴェルヴェッツ-ソニックユースの流れは皆さん言及されていて、そしてソニックユース-ナンバガの流れも言及されているという。確かに自分の10代後半から20代前半は向井秀徳にどっぷりだったなぁと想います。

その上で、この先代(ヴェルヴェッツ)―直撃(ソニックユース)と来て、今聴いてこれらをさらに発展させつつ、土着的なバンドとして紹介したいのはナンバガではなくて、裸のラリーズなのです。

Les Rallizes Dénudés - Heavier Than a Death in the Family (2002)


このマイブラに先んじたシュゲーイザーサウンドに、国境巡礼歌 (J.A. Seazer)のようなおどろおどろしさの混合。時代性をぶっ放すようなこのサウンドが、もし31の自分にとってのヴェルヴェッツの果ての音楽のような気が、ちょっとするかな。爛れ具合が。爛れたYouthってのも嫌な話ですが。

という感じで、先代→直撃から超古代へとやってきてしまった感じですが、最後に紹介したいのはまさしくおっさんになろうとも、もがき駆け抜け続けていったロックンローラーの歌です。

bloodthirsty butchers / デストロイヤー


吉村さんはこの曲が入った『Youth(青春)』を放って、逝かれてしまいましたが、人間いつまでたったってソリッドで格好いい、そしてユーモラスなロックンローラーで在ることができるんだと示してくれた気がして、いつも目がうるむ、そんな輝きをくれる歌だなぁと想います。カラオケで歌いたくなっても入ってないというw

なんかサイケデリック・ロック、ノイズ、グランジ、オルタナ、シューゲイザー、倭モノ、ロックンロールと、自分が好きなロックはこれだ!というような感覚の大展覧会になってしまいましたw途中でも言及したけれども、この裏にはナンバーガールがあるのだろうなぁと想うし、ザゼンからツェッペリン、林檎、そしてブラックミュージックへとまた音楽が数珠つなぎになっていく感じ。その中でもヴェルヴェッツというものは大きなコアになっているのだなぁと、そしてそれにようやく辿り着け、一つのスタートラインにようやく立てたのだなぁという気持ちに成れました。源流から枝分かれした"別の在るべき未来"がみれたり、源流も結点だったり。歴史の大河に錨を降ろす感覚と言うか、いいものを聴けました。
by wavesll | 2016-04-14 18:01 | 小噺 | Comments(0)
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