東京ナイトフィッシング 音楽と周辺文化的表象

未明に起きて、録っておいた「東京ナイトフィッシング」というサカナクションの山口さんが夜釣りをする番組をみました。
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海から見る東京湾・河川からみた東京と言う建造体。夜釣りとして、都市で狩りをしながら内省をする光景。夜景と闇が綺麗で、サカナクションの歌にもあっていました。

"東京は、夢を掴みとった人、夢を叶えようとするも何となく生きている人の、夢が化石のように積み重なった場所"、か。好い表現ですね。鏡のような凪の海面はパウダースノーならぬ"パウダーウォーター"だという言葉も良かった。

音楽の重みは、言葉の意味からも生まれるのかもしれません。
少なくとも中高生の頃の自分は、音楽に思想や知見を求め、そういったメッセージを聴くために邦楽ロックを聴いていたと思います。その一方で、湧き出でるむしゃくしゃを如何に晴らしてくれるかと言うラウドな攻撃性、内省と暴力、あるいは"正しさ"なんかを求めて聴いていたなぁと想います。

先日BABYMETALがミュージックステーションに出た時、Webの反応をみていて"ソイヤソイヤって歌詞なんて馬鹿らしくて聴いてられないよw"みたいなものを読んで、その後でやったスピッツの、詩の魅力にいいなぁと想ったことがあって。しかしあの回のベストはベビメタだったなぁと想う自分がいたのです。

ベビメタのダンスが、本当に良かった。あのメタルのサウンドを踊りであらわすのが魅力的でした。いつの間にか自分は歌詞で音楽を聴いていた頃から、サウンドや視覚的な演出を重視するようになっていたのだなぁと、時代に影響されたか、意識は変わるものだなぁと想うのです。

時代はヴィジュアルの刺激や、グループのコンセプトが重視される音楽環境になったなぁと想うのは、一旦邦ロックから洋楽へ行き、詩から解放され刺激としてサウンドを愉しむようになったからこそ着いた地点だなぁと想います。"正義"とかより”快楽”として音楽を愉しめるようになったことで、聴く音楽の幅が拡がったなぁと。

自分がワールドミュージックやフィールドレコーディングが好きなのは、詞に代わって文化人類学的な要素を概念として聴いているからな気がします。

ただ、今、この東京ナイトクルージングをみて、あぁ、この真っ直ぐに繊細に紡がれた言葉も、またいいなぁと想ったのでした。言葉は、音としても現れ、良いメロディは、真言のようにその言葉が持つ一番いい姿を現すイデアとしての表象だと想います。自分の音楽の聴き方が3周目に入りつつあると言えるのかもしれません。

サウンドと、言葉と、コンセプトと、ダンスやヴィジュアル表現と。そして演者の魂と練達さ。ついつい色んなものを求めがちで、それを叶えると総花的で逆につまらなくなってしまう気もするけれど、「ミュージック」のコーネリアスRemixは素晴らしい出来だったし、この番組は音楽と周辺文化を繋げるいい番組だったなぁと想ったのでした。山口さんがオーガナイズするNFというイヴェントも、commmons10 健康音楽にも通じそうで面白そうですね。
by wavesll | 2016-04-24 06:49 | 小噺 | Trackback | Comments(0)
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