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情報に対する生理的欲求が満たされている世の中で

音楽にお金を払う習慣はなくなるのか?  LINEミュージックの評価がヤバいというニュースのスレッドが盛り上がっていました。

該当記事だと
LINE MUSICは、30日間無料で聴き放題。その後は有料となり、
チケットを購入していない無料の状態では試聴30秒となる。
アプリのレビュー欄では、無料にしてほしいという意見などが見られる。

「なんでチケット購入しないと聴けんの? 視聴者目線で考えて欲しい」
「なぜ30秒しかきけないの? fullだとなんか問題でもあるの?」
「急に30秒しか聞けなくなるよ!お金入れないとダメなんて…ラインの人チケットとかやめて全部無料にしてくれよ!」
「30日間だけ無料ってのが気に入らない。その半端な数字をやめて、LINEなら、LINEらしく、ずっと無料でいいんじゃないの?? 
いきなり、1曲に30秒くらいしか聴けなくなったから、アンストしました。」
とのこと。

この間も音楽離れは「有料の音楽」離れに限らず「音楽そのものから距離を置く」と共にというニュースがあって少なからずショックを覚えたのですが、「歌は世につれ世は歌につれ」のような、音楽が共通言語になるような状況は日本では廃れつつあるのかなぁ…残念ですね。

と共に、音楽の価値もここまで下がったかというか、「コンテンツ無料」というのがデフォルトの世代の意見は恐ろしいなと想いました。私も餓鬼の頃はコンビニで立ち読みとかしていたけれど、あくまでお零れに預かっているという意識だったし、そのコンビニで飲み物買ったり金を落としてたつもりではあったなぁ。まぁ今のLINEユーザーも「スタンプとか買ってるし」とかはいうのかもしれませんね。

スレでも指摘されていましたが、「金を払うレベルではない水準なので使わない」なら分かるのですが「金を払う水準ではないので無料にしろ」は流石に…世の中で働かないから「生産の対価」というのが分からないのかもしれません。

とか言いながら、自分もコンテンツに金、払ってないとこあるよなぁと想います。音楽もWebで聴くために定額ストリーミング入らずにYoutubeやSoundcloud、Bandcampで済ましちゃってるし、活字に関しても、ブルータスとか、雑誌を読んだ方が質の高い情報を得られる可能性は絶対に高いのにネット上の情報で済ませたり。あと私も友人なんかが「AV買ってる」とか聞くと「まじで!?AVに金払うの!?ero-video.netとか使わないの!?」と想いますが、そういうのだって創るのに資本がかかるものなぁ。Youtubeで音楽聴くのも、無料サイトで活字を読むのも、エロ動画をみるのも、全部ジェネリックみたいなもので、「これ性」のあるハイクオリティな娯楽体験でなくとも、生理的な情報要求はインターネット上で公開されているフリーのもので十分という層が多いのでしょう。

コンテンツを提供する側からすると本当に厳しい時代になったなぁと想います。生理的な欲求レベルのクオリティでは金を払ってくれなくなってしまった。手に入れる障壁が低いと、価値も低く想われてしまう。特に握手券商法に音楽ランキングが跋扈されてしまった今では、ただでさえ音楽に対する敬意や幻想が薄れ、ロイヤリティも下がっているのに…と想います。

後mp3のビットレートが低いのか、ラップトップのスピーカーがへにゃいのか、Youtubeの音質って悪くて、「これじゃあ音楽体験として感動が欠けてしまうよ」と想ってしまいます。今の子供たちの部屋にはミニコンポとかもないのかもしれないけれど、いい音に対する感動が、悪貨に駆逐されるのは残念だなぁと想います。

ただ、最近の音楽はラップトップやスマホで聴くようにマスタリングされているのかもしれません。
自分はR&Bは大して効いてこなかった人間ですが、そんな部外者でもこれは凄いと想わせた曲が近年3曲あって。

一つは
Rihanna - Work (Explicit) ft. Drake

二つ目は
Thinking About You - Frank Ocean

三つ目は
Justin Timberlake - Suit & Tie (Official) ft. JAY Z

なのですが、最近これらの楽曲が入った円盤を部屋のオーディオで聴いたところ、「CDで聴いた方がいいな!」となったのはジャスティンティンバーレイクの『The 20 / 20 EXPERIENCE』だけだったのです。フランクオーシャンのはオーディオで聴くよりラップトップで聴く方が気持ちよく聴けたし、リアーナの『ANTI』に至ってはオーディオで聴くと音圧上げ過ぎて「海苔波形てこれか!」と想うくらい酷い有様。これじゃオーディオで聴くかいないよって想いました。(面白かった『The 20/20 Experience』は続編も入手しました。)

音楽の再生環境は時代によって変わっていくだろうし、iPhoneにイヤフォン挿して聴いたときに一番良く響くようになるのも諸行無常の響き有りということかもしれませんが、寂しさもあります。ただ、生理的欲求段階でなく音楽を聴く時代になったという事は逆に言えば長く聞かれる楽曲がインスタントな歌よりつくられるインセンティヴが働くようになったという事かもしれません。実際日本でもセカオワや3代目が年を越えたヒットを出していたり、流行り歌の期間が長くなっているといますからね。

これからフィジカルはヴァイナル化していって、定額聴き放題になっていく流れは中々避けられないでしょうが、ストリーミングの進化の方向として、ハイレゾストリーミングのTIDALもいいけれど、インディミュージシャンとの出逢いを加速させる楽曲分析カスタマイズラジオサーヴィス、PANDORAが日本に上陸すれば、M3(音系・メディアミックス同人即売会)とかのリアルな実売と空中戦で、音楽シーンが豊饒になる気がしています。そうなった時は自分もPCの音環境を整備させたい。

でも今30超えるくらいの世代が、日本だと最後の音楽全盛世代のようなのはやはり淋しさもあります。まぁ当時音楽に興味なかった人は、"「音楽に興味あって当たり前」な空気"が嫌だったかもしれないし、何でも横並びでなくなったのはいいことかな、、、個人的にはTVとPCがもっと音響的に素晴らしい能力を持てば、劇的に音楽ファンが増える気はして、音楽の力は歌詞あメロディだけではなく、サウンドの質がロイヤリティを決める気がやっぱりしますね。現代版の琴棋書画、ビデオゲームやスポーツも入るかもだけれど、音楽は無くなってほしくないし、常世に在り続けるものだと信じたいものです。

追記:ストリーミングPandoraが身売りへ アップルも買い手候補に浮上だそうです。。やっぱり定額ストリーミングでは生態系は創れないのかもしれません…。
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by wavesll | 2016-05-19 22:50 | 小ネタ | Comments(0)
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