Mulatu Astatke & The Heliocentrics - (2009) Inspiration Information Vol. 3明日からは6月。徐々に五月晴れから梅雨のマーブルな空模様になりつつある今日この頃ですが、そんな雨の冷たさと蒸した空気の混然に合う音楽が楽しい季節でもあります。
洒落っ気たっぷりでありながら演歌的な、ちょっとした癖が堪らないジャズといえばエチオピアンジャズ。今日紹介したいのはエチオ・ジャズのゴッドファーザー、ムラトゥ・アスタトゥケ。
Wikipediaによるとロンドン、ニューヨーク、ボストンで音楽教育を受け、ジャズとラテン・ミュージックをエチオピア伝統音楽と融合させた「エチオ・ジャズ」と呼ばれるスタイルを作り出し、70年代エチオピアンジャズの名盤を生み出し、90年代のレアグルーヴムーヴメントによって再注目、ヒップホップにもムラトゥの音楽は影響を与え、ナズ、ダミアン・マーリー、カニエ・ウエスト、カット・ケミスト、マッドリブなどの作品にムラトゥ音源のサンプリングが使用されている。
とのこと。
今回載せたこのアルバムも小粋で気持ちよさのある、西班牙のカフェコンレチェが飲みたくなるようなサウンド。今年の梅雨を彩る名BGMになってくれそう。気候の触覚、音楽の聴覚、そして珈琲の味覚、多次元の刺激がアンサンブルを奏でて、"まったり"ってこういうことだなぁと、心地よい時間ってこういうの。寛ぎって、湿度に宿るのかもしれませんね。