宇宙と芸術展 at 森美

宇宙と芸術展をみに六本木ヒルズ、森美術館に行ってきました。

このメインヴィジュアル、直にみると水墨画のような色味でそそられます。
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初端の北山善夫『この世界の全死者に捧ぐ』の黒白の宇宙の綺麗。『グヒヤサマージャ立体マンダラ』のレゴ感は砂曼陀羅がにょきにょき生えた様。『ヤマーンタカ・マンダラ』のZ旗の様な鮮やかな四色は見れてよかったものの一つ。『十二天像』は焔(閻)魔天と羅刹天がツラが良かった。『伏羲女媧図』に藤崎竜『封神演義』のが頭をよぎりました。

向山喜章『Sanmon GCC - yupotanjyu + nupotanje』は金剛界曼陀羅を大円に、小円を丸く配置し胎蔵界曼陀羅を顕すミニマリズムが佳い作品。北脇昇『竜安寺の石庭ベクトル構造』は空中から庭を眺める趣が面白い。

そしてめっけものが国友藤兵衛重恭の『月面観測図』『太陽黒点観測図』。理科的筆致が掛け軸に描かれているのがギャップがあって好い。国友の『反射望遠鏡 銘一貫斎眠龍能当』の複製も展示してありました。

王致遠『淳祐天文図』の宝貝盤古幡感。『天地明察』の渋川春海による『天文分野之図』も好。『竹取物語絵巻』に高畑勲『かぐや姫の物語』はこの筆捌を出そうとしたのではと。隕石で造られた岡吉国宗『流星刀』もありました。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手塙』も。本展覧会のみどころとなっているのが自然科学の名著の初版本。プトレマイオス『アルマゲスト』、ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』、アイザック・ニュートン『自然哲学の数学的原理(プリンピキア)』、ヨハネス・ケプラー『新天文学』、ニコラウス・コペルニクス『天球の回転について』、チャールズ・ダーウィン『種の起源』など。

本は情報こそ本体ですが、知識が焼き付けられた本物の物体はモノとしてのコレ性がありあました。
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宇宙観測用具も。伝エウスタキオ・ディヴィーニ『望遠鏡』のアナコンダの如き太さ大きさがインパクトありました。ジム&ローダ・モリス『ガリレオ望遠鏡』の複製は金紋が美しい筒。マンフレッド・セッターラ『プトレマイオス天球儀』や大野規行『渾天儀』から古代の星の運航を夢想。

宇宙に着想を得た平面美術。18世紀初頭のアンドレアス・セラリウス『セラリウスのキリスト教天球儀』に星座をみて、21世紀初頭のアンドレアス・グルスキー『カミオカンデ』にニュートリノをみました。右下に浮かぶ舟が失われた神殿のような風雅さが。

立体作品も。メビウスの輪がさらに捻じれたような森万里子『エキピロティック ストリング II』は超弦理論やプレーン宇宙論にインスピレーションを得たそう。ビョーン・ダーレム『ブラックホール(M-領域)』は多元宇宙がモチーフ。『プラネタリー・ツリー』には中東神術を想起。
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コンラッド・ショウクロス『タイムピース』は機械仕掛けの神を思わせる時を刻むメカニカルな作品。セミコンダクター『ブリリアント・ノイズ』は太陽の画像を元にした映像に電磁波を変換した音を響かす作品。
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杉本博司『石炭記』は太古の海のウミウリのジオラマを写した作品。数年前グルスキー展見た際も感じたのですが“写真のような絵”ならぬ“絵のような写真”が今面白い。
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ローラン・グロッソ『古の異邦人(エイリアン)』は国宝展でみた『仮面の女神』をもとにしている立像。この土偶のガチャ、持ってますw
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雑誌に描かれた宇宙人の想像の姿の展示。火星人、異星人教授、水星人、土星人、金星人、冥王星人、海王星人、木星の衛星カリスト星人、木星の衛星ガニメデ星人、宇宙戦争の表紙。
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今回の展示の一番の話題作『常陸国鹿島郡京舎ヶ濱漂流船のかわら版ずり』『うつろ舟の蛮女』『小笠原越中守知行所着舟』。江戸の昔のUFO騒ぎ、銀魂感ある世界観。実録か東スポ的フォークロアか!?
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パトリシア・ピッチニーニ『ザ・ルーキー』はヘンテコな生物。オッサンな顔がツボ。ヴァンサン・フルニエ『ロボット・クラゲ・ドローン(キアネア・マキナ)』のサイバネティックな宇宙船感や良し。
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空山基『セクシーロボット』!これをみにきた◎
金属の艶。エアロスミスの"Jaded"世代には堪らないものがあります。
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ヴァンサン・フルニエ『火星砂漠研究基地 #11、火星教会、サン・ラファエル・スウェル、ユタ州、アメリカ、2008年』のポール・オースター『ムーン・パレス』感。
『ソコルKV2宇宙服、ソユーズ・ロケットのカズベック・シート、倉庫、ロンドン、イギリス、2009年』の揺り籠感。
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これがみれるとは!
『アポロ11号任務記録(月着陸交信記録)』
“これは人間にとっては小さな一歩だが, 人類にとっては大きな飛躍である”
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ロケット理論開発、宇宙旅行の父、コンスタンチン・ツィオルコフスキーの手塙
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トム・サックス『ザ・クローラー』はチャレンジャー号の模型。野村仁『“moon'score:ISS Commander - Listening to it on Mars, now.』は月のクレーターを音符に変換した音楽と写真の作品。
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ネリ・オックスマン『カマール:月を彷徨う人』(橙)と『ズハル:土星を彷徨う人』(黄緑)
未来の宇宙服とか、そんな感じのプレゼンテーションでした。
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サーチ/クラウズ・アオ『マーズ・アイス・ハウス』。NASAの火星住居コンペで賞獲ったものだとか。
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チームラボ『追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく-Light in Space』
これも目玉でしょう。かなーり楽しくて計4回みたw!床と壁4面がスクリーンだから三半規管揺らすアトラクション!Real VR.こうなると天井もやってほしくなる。こんな映像体験でROVOを聴いたら気絶するかもw!ROVOもBjorkみたいなVR作品創って欲しい!


やー、かなり楽しかったです、宇宙と芸術展。
ポップさと知的刺激と現代美術性が鼎立していました。
科学と美術の関わりだけでなく、例えば音楽が音量によって体験そのものが変わるように、チームラボの展示のような空間に入り込む作品や世界史的初版本の持つモノの魅力によって、質的体験の認識宇宙が高められた気がしました。これで1600円なら満足満足~(←室井滋の声で。)。この隕鉄製の稀少な日本刀《流星刀》を、ファイナルファンタジー等のキャラクターデザインを手掛けた天野喜孝氏が擬人化し、描き下ろしたビジュアルを11/23(水・祝)より森美術館内にて特別公開するそうですよ。お薦めです★

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cf.
野尻抱影 『星と伝説』

世界が死んだ後、人はオルタナティヴな世界を生きられるのか -杉本博司 ロスト・ヒューマン展をみて
by wavesll | 2016-11-16 23:33 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)
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