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他人の脳をハッキングできるか 今、一番面白いTV番組:<モーガン・フリーマン 時空を超えて>

今、一番面白いTV番組と言えばETVで放送しているモーガン・フリーマン 時空を超えてでしょう。
俳優モーガン・フリーマンがあなたを未知の世界にいざないます。第一線の研究者が語る驚きのストーリー。果たして真実は?あなたはどう考えますか?
という番組。今回みたテーマは他人の脳をハッキングできるかでした。
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I. 身体反応からの読心術
非言語的行動の専門家マーク・セイラムは相手の様子の変化を察知し、読心術を行う。人の考えることは身体的変化として現れ、それを観察することでギャンブラーのポーカーフェイスも破っていました。

II. 脳内反応辞書により視覚刺激を分析して言語化
このような特技を会得してなくとも、最新の科学装置で他人の心は読めるといいます。
神経工学者のフィリップ・ロウは脳内の思考を読み取る装置、アイ・ブレインを創っています。

人が筋肉を動かそうとすると脳内で電位変化が起きます。そのニューロンの活動を読み取ることでどの筋肉を動かそうとしているかがわかるというのです。これはALS(筋萎縮性側索硬化症)のように筋肉を動かせない病の人も脳で体を動かそうとすることでコミュニケーションを取ることができるようになるかもしれません。

さらに、カリフォルニアの研究所で人間の思考を脳波から文章として表すことができる研究が進んでいます。ジャック・ギャラントは脳内の活動を日常的な言葉に置き換える研究をしてます。
実際、視覚に関わる領域の脳の活動を読み取って、実験の結果として初歩的な脳の辞典をつくろうとしています。脳の血流の部位をスキャンし、特定の視覚画像が特定の血流パターンを示すことを解析したのです。

現在のシステムで、映像を見せると、脳の辞典システムをつかって、脳内パターンから単語として何を見ているかを解読できるようになってきています。そして勿論のこと、今後この装置はプライバシーに関わる問題を早晩孕むでしょう。

III. "ゾーン"トレーニング装置
脳をハッキングし、アインシュタインやネルソンマンデラのような才気を植え付けることはできたとしたら…?

クリス・バーカは神経学者であり企業の経営者であり発明家です。彼女はスポーツ選手が"ゾーン"と呼ぶ領域にヒトが入り込むのを助けエキスパートと同じ活動ができる様に脳をトレーニングする装置です。

番組ではアーチェリーを例にとって、脳の電気活動を分析することで、アーチェリーのチャンピオンの脳波の周波数の違いを分析、瞑想などで出るアルファ波とリラックスして出るシータ波が、完璧な競技活動をしているときによく出ていることを見極めました。

さらにアーチェリーのズブの素人でも、センサーで脳波を調べ、アルファ波とシータ波が増加したときに矢を放つと的を射ることができ、この集中の仕方を学ぶと1日のトレーニングで素人がプロ並みの腕前になったそうです。心とストレスのコントロール法を鍛えられたら、非常に困難な状況も脳をコントロールし、適切な行動をとれると。マトリックスの世界ですね。

IV. 催眠術実験
では、他人の脳を変容させることはできるでしょうか?

スタンフォード大学の精神科医デヴィット・スピーゲルは催眠術を治療に組み込んでいます。
催眠状態に入ると色の情報を薄めることができるそうです。つまり現実の刺激を、脳のハックでモノクロかえることができたのです。催眠術にかかると想像が現実を上回り、脳内情報処理を書き換えられるということ。まさに攻殻機動隊の世界。

V. 嗅覚により睡眠中の脳をハック
イスラエルのある研究チームは無意識に心を開く方法をみつけたと発しています。
イガーナ・ヘイアーストーンは心理学者で、睡眠中の学習の研究者。
人は睡眠で意識を失っても学習できるといいます。睡眠時、視床が外界からの刺激をシャットアウトするのですが、嗅覚の情報は視床を通さず、脳に直接入り込み、のみならず他の刺激も招き入れるといいます。

実験で、寝ている人にいい匂いと高い音、そして悪臭と低い音を一晩聴かせます。
起きた被験者に高い音を聴かせると呼吸が深くなり、呼吸する時間が長くなります。次に悪臭とセットになった低音をきかせると呼吸を止めています。実験者は睡眠中の記憶が全くないにもかかわらず、睡眠中の学習が心身に影響を及ぼすのです。

睡眠中の嗅覚刺激で、脳がハッキングされることがあるかもしれません。それどころかある科学者は光で脳をハッキングする研究が進んでいます。

VI. 光刺激埋め込みにより脳をハック
エド・ボイデルはMITで神経科学や生物工学の研究者。ニューロン一つ一つをON/OFFできる研究をしていて、ニューロンに光センサーをウィルスを使って組み込み、脳の様々な場所を操作できるようにしました。脳は痛みを感じないので埋め込めるのです。

マウスを光の刺激で快楽ニューロンを刺激すると、マウスはずっと光を求め続けたそうです。この技術が進めば精神の病に苦しむ人たちを救える、脳をピンポイントで刺激できる研究。しかしディストピアの危惧も感じてしまい餡巣。

VII. 番組情報
このような一線級の科学研究が紹介されるモーガン・フリーマン 時空を超えて。
『運命か?自由意志か?』という回では人間社会や宇宙をプログラムとして予測しようとする試みを紹介。
プランク長さの語を見、”超弦理論を知って<所詮宇宙は紐の震動か>と思ったなぁ”と想ってたら自由意志がないと伝えられると倫理観が落ちるという実験結果を知りぎょっとしたりもしました。

このお薦めの番組、放送は金曜22時から。明日18日のテーマは<ロボットはどこまで進化するのか?>とのことです。
by wavesll | 2016-11-17 19:01 | 小ネタ | Comments(0)
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