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暁闇の青光にMiles Davis - In a Silent Way

Miles Davis - In a Silent Way - 1969


アルコールで前頭葉が少し痛みを覚えながら、意識が切れるまでTVを流していた3:47。ディスプレイの平面のに映るRealが虚構に感じるのは眠気の泥にまみれているからか。

ニュースで看護師になって8ヶ月で自殺した女性が報じられていた。

なりたかった職について、そのRealを回す労働疲労の重みが心を蝕んだのか。自分がなりたかった仕事だから、頑張って、頑張って、全然足りない自分が嫌いになって、鬱になってしまう若者の躯。

健康に属している内は鬱の事など七面倒な陰気話で、鬱だった俺も離れれば忘れてしまう。

精神が疾患を起こし、平衡を失った時、仮想と実在は限りなく一体になって。己の生の重みが一夜の夢と等しくなってしまう。

平衡を失った明け方。つい今しがたの出来事と、死にたくなるような過去の醜聞が同時に想起していた頃を思い出す。世の中を呪い、それ以上に自分自身を殺したくてならなかったあの頃。

生き永らえて。生き永らえてしまえば世の中の温かみに感謝する余裕が出てくる。人間、一番度量が試されるのは損切りで、精神が切羽詰まっては諦める事すらできない。

みずみずしいジャズが鳴っている。
hr-Sinfonieorchester X Francesco Tristano X Moritz von Oswaldを聴いた時も想ったけれども、時を越える藝術はみずみずしい。"再生"とはよく言ったものだ。じきに太陽が宙へ昇るように何度でも"再生"を繰り返せる。

エレーヌ・フォックス教授は認識が蛋白質を形成すると述べた。脳神経すら半ば精神で出来ているならば、心身は半ば以上エーテルなのかもしれぬ。

姿を持たぬ心は、姿を持たぬ芸術である音楽に共鳴するなら、心は何度も再生するかもしれぬ。

サステイナブルな営為になるには再生と消耗を整えること。再生には時がかかる。必要なのは闇の中で生き永らえる兵站。

淡々と心の行を積むことを具体的行動に落とし込み継続維持できれば、閾値まで達せれば。春立ちぬやもしれぬ。

寂かな道でそう考えた。
by wavesll | 2017-02-04 04:15 | Sound Gem | Comments(0)
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