Okada Takuro / Ur
雨の朝。ここ10年の首都圏では夏至に晴れたのは1回のみ。最も太陽が伸長する日に、あまりお天道様は姿をみせないようです。
こんな朝は何を聴こうかと思ったときに最初に思いついたのは
『東風』で。コンピューター・サウンドの優しい響きが雨曇りの朝にあうかなと。
WW2後、消費の主役として若年層が台頭しユース・カルチャーが伸長しました。ロックという概念をユース由来の社会風潮が後押しして、変幻自在に飲み込みながら版図を拡げていって。
その"ロック"が生まれてから60年、"ユース"の砂場は、楼閣が既にガンガンに建て尽くされてしまった様とも想います。逆にリマスターされた『サージェント・ペパーズ~』なんか近年のローファイ・サイケ・ロックのかなりいい新譜といってもいいくらいに感じて。
自分が学生だった頃の古き良きJ-POP、
原田知世 / 空と糸なんかも、今調べてみると鈴木慶一さんが作曲していて。エヴァーグリーンなサウンドは、ロック仙人たちの掌の中なのか。
"ロックは俺たちの音楽"だと想っていたら、もうユースという年でもなくなって。そして色々聴けば先達が涅槃仏してる。HIPHOPやJTNC、Erectoronicsにシマを変えた方が新雪を滑れそうかもななんて思ったり。
それでも、クオリティを突き詰めていくことで今でもRockそしてMusicの地平に新領域を拓いていく若き音楽人の作品を聴くと、2017年のBreakthroughはこんな方法論もあるのかと想わされるのです。演説家でなくアルチザンな姿勢、その閑けさに周囲を惹きこむ美と気骨を感じて。
雨の日、はしゃぐも良し、ひたるも良し。「押し」にも「引き」にも意義はあって。そんな中でこの音に耳を澄ますのも、大変お薦めです。歩を進めつづければ、山越え得るやも。みなさま、良き夏至を。
cf.
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