Jimi Hendrixといえば伝説のロックギタリスト。しかし何故か名盤とされるアルバムが私にはピンと来なくて。シンプルなROCKというよりどこかこっさりと感ぜられて。
しかし以前に機内で『Valleys of Neptune』を聴いて。これは遺された音源が纏められてリリースされたモノなのですが”アレ?此れとても耳に馴染んで聴こえる”と感銘を受けて。
そして今"Spotifyで聴けるかも"とサーチすると音源があって、改めて"この盤は好い"と思ったのでした。
一曲目の「Stone Free」から少し渋みを帯びたGuitarの音色に撃ち抜かれて。ビート感も物凄くSolidでROCK。二曲目の表題曲「Valleys of Neptune」がまたいい。ブルーズがRockと混じり合いなんとも滋味豊かでそして格好いい音像で。
三曲目の「Bleeding Heart」はRockとFunkの融け合った感覚。この中域からの音の抜け感が最高に気持ちいい。色濃いブルーズからのエクスプロージョンな「Hear My Train A Comin'」にR'N'Rな「Mr. Bad Luck」など黒さとソリッドさが双立するクールな楽曲が続いて。
「Sunshine of Your Love」のカッティング回廊とかホント至高。「Lover Man」の荒野に抜ける風のようなギターの鳴り。「Ships Passing Through The Night」の広大な空間を征くような莫大なサイズ感。そこからのリフとギターソロが炸裂する「Fire」、「Red House」の間と溜めに聴き惚れそして天の川銀河を越えていくような「Lullaby For The Summer」へ。
長尺のアルバムで終盤はちょっと刺激に慣れてゆく気がするのですが、最後の「Crying Blue Rain」のJAMがまたスパイスとなっていて大変気に入りました。
ジミヘン存命中のALにはちょっとモサっとした感覚があったのですが、この盤の演奏はテンションが高くて聴き惚れます。ほとんどの楽曲は1969年の演奏とのこと。2010年のセンスで選りすぐられたテイクだからか、今の感覚で聴いても真情に響くサウンドとなっていました。
そこから死後リリースされた「4枚目」と呼ばれる『First Rays of the New Rising Sun』を聴くと綺羅めく音が楽しく、どんどんJimi Hendrixサウンドの受容体が出来てきて。『Valleys of Neptune』と同時期の『Electric Ladyland』のSoulな處や宇宙感も心地よく感ぜられて。
うるさ型のジミヘン・マニアに言わせるとまずはスタジオ正規盤の3枚からジミヘン・リスニングは入るべきとのことですが、私は寧ろこの『Valleys of Neptune』から聴き始めるとすらっと聴道へ入っていけると自分の体験から薦める次第でした。
cf.
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