本日、33歳の誕生日を迎えることになりました。
それで、誕生日プレゼントに貰った『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』50周年記念リマスターを聴いています。
ビートルズは中高の頃、赤盤・青盤から入って、近所にあったアコムがやってたレンタルCD屋かTSUTAYAで借りて。当時は洋楽のキラキラした伝説を味わうというか、ロック名盤でありながら人懐っこいポップさに魅了されました。
それから真心ブラザーズじゃなけれども、ビートルズを離れてもっとハードな音や心に刺さる邦楽ROCKの世界へ行って。「ビートルズなんてポップだよな」なんて言って。
大学を過ぎた頃、社会に出て、”ロックさ”では立ち行かない壁に当たった頃、ビートルズのモノラル盤リリースがあって、その時赤盤青盤ダブル盤のリリースがあって、そしてその発売日が10月18日で。なんかロックの神様が誕生日プレゼントしてくれたような気になったものでした。
そして今、大切な人から贈られた『Sgt. Pepper's』を聴いています。
時代はどんどんと戦争と貧困の悲劇へ侵食され、どんどん息苦しさと享楽の二極化したリアリズムに突き動かされています。そんな中で、ロック音楽は”ダッド・ロック”なんて言われて、不良の音楽と言うよりもいい子の音楽になったと言われ、尖った魅力を捉えられない存在、死んだというよりも老衰したと言われるような昨今。
しかしそんな中で純音楽としてBeatlesの音がとてつもない力を持っていると、
今年4月に東京ドームで観たPaulのライヴで想って。圧倒的な魅力が音楽から放たれていると。
そしてその時知った『サージェント・ペパーズ50周年リマスター』。タワレコで試聴した時、”おいおいこれテイムインパラ級のサイケロックの新星のアルバムといってもいいようなイマの音になってるぞ”と衝撃を受けて。
家のオーディオで聴いてみると、寧ろDISC2の『SGT. PEPPER SESSIONS』に最初惹かれました。
Led Zeppelin Physical Graffiti Outtakesでも想ったのですが、ラフに中断され、レコーディング時の会話も差し込まれる感じがHIPHOP的なカットアップ感とストリーミング時代のラフな感覚にフィットしていて。
こういう音源がボーナストラックとしてオリジナル音源の後に入れられると体験を損ねると感じるのですが、ボーナス・ディスクとしてそれ自体で流れをもって円盤をつくられると非常に好ましく感じました。
そうしてSESSION音源を聴き込んだ後で『Sgt. Pepper's』本編を聴くと凝縮された音楽の楽しさ、センチメンタルさ、真情と愉快さが鳴り続けるROCK MUSICの至宝を真新しく感ぜられて。インド音楽の取り込み方も”俺は此れが好きなんだ!”って感じのあっけらかんさが好きでしたw
この一年は個人的に60's 70'sのロックを聴き過ごすことが多くて。それはリアリズムの中でもげた翼を芸術によって解き放つと共に、粗悪な暴言から一歩進み人の間において
本音2.0とでもいうべき、コミュニケーションの中で真情を達成すべくための主張と傾聴、矛と盾の心の在り様を自分自身のルーツを辿ることで血肉化しようとしたのかもしれません。
ロックはもうわざわざ"ロック"と言わずとも、生活のすべてに遍在しているように想います。
煎茶のようにライフの中に当たり前となり、結果として”空気”になったROCK.
それを凝縮させると”ムチャクチャやってもどうにかなる陽気さと生硬さ”がそのコアにあるように想います。そして『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』はそれを50年鳴らし続けてきたのだなぁと。
HR、HM、グランジとどんどんシリアスに突き詰めていったロック、しかしこのROCKの至宝には、未分化な自由さがあふれて、その肥沃さにこそ未来の種子があり、今また音楽の豊饒さが開化していくのだなぁと。
無限の未知の中でこの円盤を羅針盤代わりに携え、この先の大海を渡っていきたい。そんな冒険心がくすぐられる聴験をすることが出来ました。