横浜美術館で開かれている
ヌード展 英国テート・コレクションよりをみてきました。
このような形で、ヌードという題材は人間の根本的な欲求故に道徳規範との鬩ぎあいであり、自然その時代時代の前衛・先端の表現が裸体画によって更新されてきました。
バスルームの裸身画というとピエール・ボナール。彼が奥さんが湯船に浸かるのを画いた数多い作品から
≪浴室≫と
≪浴室の裸婦≫が展示されていました。
ここから20世紀に入りモダン・ヌードのEraへ。
そしてこれが見たかった!
パブロ・ピカソ≪首飾りをした裸婦≫!!人間存在が匂い立つ迫力。海の潮と赤い大地にド迫力の裸婦画。これが87才での作品とは…!全く勢いが衰えていない…!
さらに次の部屋は本展のメインヴィジュアルにも現れる
オーギュスト・ロダン≪接吻≫が。眼で生で感じるとまるで砂糖でつくられたかのようにしっとりとしながら今にもほどけてしまいそうな質感でえもいわれぬ体験でした。この作品に限って撮影OKで、360°から撮影しました。
またデイヴィッド・ホックニーのBLな挿絵も展示してありました。
次に在ったのがレアリスムとシュルレアリスムの章。
そしてヌード画という表現は政治的な意思表示を顕わすようになってきます。
女性のヌードも従来からは変わってきて、ロバート・メイプルソープ≪リサ・ライオン≫は女性ボディビルダーの写真。
シンディ・シャーマンのグラビア撮影後にローブを纏って睨む様を写した≪無題 #97≫・≪無題 #98≫・≪無題 #99≫、ジョン・コブランズが自分の弛んだオヤジヌードを写した≪セルフ・ポートレート(フリーズno. 2、4枚組)≫、リネケ・コブランズが出産後の母子を撮った≪ジュリー、デン・ハーグ、オランダ、1994年2月29日≫・≪テクラ、アムステルダム、オランダ、1994年5月16日≫、≪サスキア、ハイデルウェイク、オランダ、1994年3月16日≫も面白かった。
そしてこの展覧会が行きついた先に在った絵画は舞台上のヌードの女性の動きを活字で書き綴った
フィオナ・バナー≪吐き出されたヌード≫。遂にヴィジュアルだけでなく概念に裸体画は到達し、NUDE展は幕を下ろしました。
普通に上手く肖像画や神話の風景を描くところから絵画でしかありえない表現世界へ飛び立っていく、さらなる超フロンティアを求める美の冒険。時を越える旅。そのダイナミズムの先端を画いたNUDEの数々に大いに刺激を感じる展覧会となりました。
最後に≪The Kiss≫の360°からのShotを。