人は変わる 人生は繰り返す

c0002171_21403647.jpg人生には2つか3つの物語しかない
しかし それは何度も繰り返される
その度ごとに初めてのような残酷さで
―ウィラ・ギャザー



『愛と哀しみのボレロ』を観ました。ビデオ2本にも及ぶ完全版で、4時間半にわたり、45年間のドラマが描かれていました。

ボレロの映画だと思ってみたのですが、原題の『あの人たち、この人たち』が示すように、実在の芸術家をモデルとしたさまざまな人生模様が映し出されていました。しかし、全編を通すと、やはりボレロの映画でした。

パリを中心にニューヨーク、モスクワ、ベルリンのカップルが親となり子となり物語は進んでいきます。
時代背景は最初は第二次世界大戦直前で、音楽に身をささげた人々も戦地へ赴かねばなりませんでした。
戦争が終わっても、人々の心は荒廃していました。
その中でも人は生き、音楽は響きます。
子供たちも成人し、アルジェリア戦線に送られ、帰還します。
そしておのおのの人生の時が過ぎ、80年代、ラストシーンに全ての運命がが収束します。

これを観て初回に思ったのは

音楽は鳴り響き、人の感情を増幅する。
戦争はやりきれねぇなぁ。
生まれ変わっても、あなたにまた出会う。

ということでした。

音楽は結婚式でも流れ、葬送のときにも流れ、戦争を鼓舞するときや、慰安するときにも流れます。
それに乗せる想いも、時に幸福であったり、時に恋心であったり、時に怒りであったり。
時代にいやおうなく巻き込まれ、望まない戦争に駆り出され、運命に翻弄され、それでも人は生きなければならない。人生の長さと短さをみた気がしました。

しかし、本当に上映時間が長く、登場人物が多すぎて、物語を整理し切れなかったので、もう1回観てみました(笑

改めて眺めると、音楽が抜群によいということと、欧米人の美しさに心が奪われました。

ラヴェルのボレロはもちろん、エヴリーヌが歌う『離れられないパリ』も素晴らしくスウィートだし、カールのNYの指揮の鬼気迫る様といったら!そして死ぬほど優雅で蠱惑的なセルゲイのボレロ!!!至高のクライマックスでした。

またバレエダンサーの肢体の美しさはこの世のものとは思えませんでした。
男性も女性も、いくつになっても恋愛に身を投じるスピリットを保ち続けて、まさに花の都が咲き乱れていました。

繰り返される出会いと別れがひとつになったときに訪れるカタルシスは、心地よい麻痺とともに、美しい気持ちにさせてくれました。

こちらでジョルジュ・ドンのボレロが見れますが、映画の中で見るほうが段違いに良いので、是が非でも映画を観ることをお勧めします。270分の価値はあると思いました。
by wavesll | 2006-07-01 21:42 | 私信 | Trackback | Comments(0)
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