こうして成田発北京行きノースウエスト航空のリクライニングを倒して窓の外を眺めていると空に一番近い場所は滑走路だと確信できる。青い光、オレンジの光がラインを描いて星のようだ。東京の光がシナプスのごとく眼下にかがやいている。雲の上を飛んでいると、機内食とドリンクが来たので、連れとビールで乾杯した。
機内食。うまい。
ディスプレイをいじって映画が見れることに気づく、演目の中に『SHALL WE DANCE』があった。リチャードギアの奴で、字幕無しだったけど、日本版はもう5・6回みているのでストーリーは理解できた。なんといってもスタンリー・トゥッチだった!竹中直人役を見事に演じきっていた。あとJ-Loエロ過ぎ。奥さん行動的過ぎ。後日談で説明しすぎ。日本版とは演出の方向が違っているのを見るのも面白かった。
パートナーについての映画だった。恥ずかしがり屋の日本人はしゃべらないことで、陽気なアメリカ人はしゃべりすぎることで本当に伝えなければならないことを誤魔化しているのだろう。しっかし脚本が巧い。起承はじんわり描いておいて、転に入ったらコンクール&ミス&復帰と畳み掛けてるし、キャラそれぞれ成長エピソード入ってるし。コメディということで役者もネタ入れまくって多少大げさな演技で見てて飽きなかった。面白かった。
そんなこんなしていたら陸地が見えてきた。中国の、碁盤の目のように整備された都市は基盤回路のようにかがやいていた。黒い大地にまだらに点在する町々。春節(チュンジエ)だからか爆竹の閃光と打ち上げ花火がそこかしこで爆ぜていた。
飛行機を降りたら、漢字の国でした。
空港出口で、現地に留学している友人と待ち合わせ。極寒の中、タクシーで北京外語大に向かっているといきなり渋滞に。車の向こうに白煙が。事故かと思ったときタクシーの運ちゃんが「アイヤー」といっていることに久々に感動しながらレッカーを待つ。事故車は大破して窓ガラスは粉々になっていた。
北京外語大の寮で部屋を取る。1泊100元で900元支払った。で、部屋に入り浸ってパワプロしてるのを見ながら蛸足配線を借りて自分の部屋でセッティングする。よし、これでノートもデジカメも充電ばっちしだ。
我が根城。
で、また部屋に戻ってだらだらした感想は、やっぱ中国のTVよりこのガキの使いDVDの方がおもれーということだった。さー、明日からはいよいよ活動だ。
北京消息II