北京消息VIII EASY RIDE

c0002171_2134841.jpgあれが何だか知っている。これが続くの知っている -GWD


バスに揺られること1時間弱、雪解けの水がきらきら光る山道を進む。巨大な建築が見えてきた。俺はあれが何かを知っている。これが続くのを知っている。


c0002171_053082.jpgそもそもの始まりはおとといの夜だった。乗ろうとしていたバスの便が春節で休みだということで、最近長城にいった人から話を聞いていると、連れがこう言ったのだ。「俺金ないからいかない。」そして世話になっている留学生の友達も「もう生活資金がやばいんで、パスです。」なんと中国語は「イーガ(1個くれ)」「ヤンガ(2個くれ)」「ブーチー(いらない)」「シェイシェイ(ありがとう)」「ハオチー・ハオフー(うまい)」「アイヤー(アイヤー)」ぐらいしか言えない俺1人で万里の長城に遠征することになってしまったのだ。

明日には日本に発つので今日しかない。七時起きして天安門広場に向かう。。はずなのだが全然タクシーが捕まらない。ホントこの街のキャブどもはファックだぜ。やはり短気は損気なのか場所を変え変えしても全然駄目。だけどそのおかげでだいぶカラダがあったまったぞ。
30分後ぐらいになんとか1台捕まえる。気の良さそうなおっちゃんに「天安門」と手帳に書いたのを見せて向かってもらう。昨日の雪はまだ残っていたが、今日は雪も雨も降っていなかった。そこにバスの停留所があるらしいので天安門広場の博物館の方の道を歩いていると、「遊2」の前で2人組みの男が声をかけてきた。どうやら万里の長城と明の十三陵へのバスツアーのチケットを150元で売っているらしい。のった。金を渡して、短髪の男の後についていく。道すがら"Where is the bus?" "When can I get tickets?"と聞いたが、男は「バス、バス」と繰り返すばかり。やっべぇー、英語通じてねぇー。もしかして危ない橋渡っちゃってる?人攫いとかに売られてドナドナの方向ですか?
タクシーに乗れといわれて乗っては見たが、メーターが回ってる様子が無い。おいおいもしかしてこいつもグルか?と、いつでも脱出できるよう身構えているとロケバスっぽい白いワゴンのところに人だかりができているところで降ろされた。あぁ良かった、白人の集団もいるぞ。ここで短髪の男はバスの運転手(ユリオカ超特Qを黒くした感じ。以下Qさんとする)に俺を引き渡す。「チャイニーズ?」と聞かれたから「I'm リーベンレン(日本人)」と答えたら、変な顔をされてバスの中に入れられた。うわ!バスの中全員中国人っぽいぞ。え!さっきの白人たち帰ってる!?マジで!?と焦っていたら、中国人のカップルが入ってきて、たまたま1人身が俺だけだったので助手席に移ることになった。Qさんがなんかまくしたてて笑っているがサパーリなのでとりあえずこっちも笑っておいた。ははははは。もう笑うしかないっすよ。はっはっはっはっは。
おばさんガイドが車内でマシンガン・トークをぶちかましている。何やら道の両側にある建物の説明をしているらしいが例によってサパーリなので外の風景を見ながら海馬のジュークボックスからGWDを取り出してひたすら回し続ける。

がなる われる だれる 風が がなる われる だれる 聞こえる


c0002171_054216.jpg道路標識とおばちゃんの言ってることを勘案すると、丁度ここが擁和宮らしい。チベット仏教寺院で、このへんにあるはずの孔子廟には歴代の科挙合格者の名前が彫られた石碑群があるはずなんだよなー。ここも行きたかったなぁ。


c0002171_0582884.jpgまず最初に降りたのは、なにかの博物館?の前だった。どうやら明となにか関連があるらしい。チケット売り場に並んでいると、カップルの男の方が声をかけてきた。"Are you student?" イエス、イエスっすよ!うわー良かった!英語が通じるチャイニーズがいたぞ!どうやら学生証を提示すると半額になるということらしかった。"Thank you! Thank you! "
中に入ると、どうもジオラマに等身大人形が展示されているらしかった。明の成り立ちから滅亡までを描いてるっぽかった。人形はよく出来ていたし、ガイドの小姐もかわいかったが、たいして面白くなかったのでうろうろしながら団体の最後尾あたりについていった。

またバスに乗る。そういや北京動物園行っても良かったな。まだまだマシンガン・ガイドは続いていたがこっちはレコードを取り替えてZOOを口ずさむ。

みてごらん、良く似ているだろう。誰かさんと。ほら、ごらん。吠えてばかりいる、素直な君を。


c0002171_123936.jpg次についたのは医療研究機関?だった。通路の壁には中国共産党や医療界のお偉いさんの写真やサインがかざられていたり、部屋に漢方薬の原材料となる薬草が飾られていた。ある小部屋にバスに乗っている全員が通された。座っていると、看護婦がドアをあけ、石坂浩次の顔を細長の長方形にして浅黒くしたような感じの医者がこっちにむかって演説を始めた。そしてそれが終わると数人の医者がわらわらと入ってきた。なにやら皆診てもらっている。ここで例の若者が「ここでは無料で体の悪いところを診てくれるんですよ」と教えてくれた。ノーマネーでフィニッシュできるのならと1人の医師の前に座る。そうすると何故か看護婦が「手を差し出してください」と日本語で言ってきた。静脈を計られ、舌を見せると「あなたは鼻と胃腸が弱いですね」と言ってきた。ぎょ!確かに俺は蓄膿症を患っている。最近はほとんど感じないほどに軽くなってきているというのに。東洋医学の神秘だな。と思ってたら「だからこの漢方薬を買いましょう」と来た。ぼったくり価格キター!!もちろん"I don't have money" "謝謝、謝謝"と言ってその場を離れる。


c0002171_173369.jpgバスで5分ほど移動し、今度は宝石資料館に着いた。原石の展示を見た後、またもや宝石売り場が現れたが、俺は無精ひげを生やしていたし、ボロボロの靴とジーパンを履いていたし、贈り物をするべき女性がいないというネガティブなオーラをおそらく出していたので誰も声をかけてこなかった。

また少し走って、昼食の時間になった。バスのメンバーで円卓を囲んでうまくもまずくもない中華料理を食す。魚の煮込みと、ふき炒めがなかなかだった。


c0002171_131070.jpgいよいよ遺跡っぽいところに来た。明の十三陵の中心の寺だ。王家の宝や、像が並んでいた。もちろんザパニーズも期待を裏切らなかった。


c0002171_215356.jpg万里の長城、英語名 THE GREAT WALLはさすがに大きいので、多くの観光地点があるが今回は最もポピュラーな八達連に行った。

c0002171_3252555.jpgバス停からリフトに乗り込む。結構急でしっかりつかまっていないと落ちそうだった。ちなみに帰りはこのソリをボブスレーみたいにして滑って降りた。
もう万里の長城に関してほとんどいうべきことはないのだけれど、とにかくでかいことと、とにかく急なことだけ言っておこう。八達連自体には区切りがあってそのリターンポイントまでは行ったのだが、もう階段が急で急で、ゼーゼー肩で息をしつつ登った。途中で同じバスのカップルのツーショット写真を、通訳のお礼に撮ってあげた。そしたらこっちの写真も撮ってくれた。いい気分だ。頂上でペットボトルのお茶を飲んで降りた。山の向こうのそのまた向こうまで続く長城は、もはや自然と同一のものな感じがした。

意識は遠のくまるで昨日の夢のよう
さっきまで気にしてた How to play the guitar 灰になる -HOW TO GO


c0002171_3351688.jpg帰りのバスのなかでうとうとしていたらいつのまにか都会に戻っていた。なんか道の途中で降ろされて面食らった。てっきり天安門まで戻るかと思ってたよ。線路を歩いて駅へ向かう。1時間弱かけて前門駅で降りる。しかし電車が停電するって言うのはオリンピック開催国としてはどーなの?前門で前回登れなかったところは今日はもう閉まっていた。残念。
天安門に戻ってタクシーを拾おうとしたが、全然停まってくれない。ASSHOLE. ようやく乗り込んだタクの運ちゃんが「この住所わからないアルヨ」とのたまう。このサノヴァビッチが。携帯電話で部屋にいる留学生の友達に話してもらってなんとか辿り着いたが、後で考えると闇タクだったなー。やはり生兵法は怪我の元っすね。

最後の晩餐はいつもの新疆料理屋で。今日は面と羊肉をたんまり頼んだ。面もコシがあって美味いし。なによりこの羊肉がジューシーでほんとにほんとに美味い!最高の夕食だった。

色々整理したり、音楽を聴いたり、本を読んだり、青島ビールを飲んだりして今夜は徹夜して、いよいよ明日の9時の便で帰国する。

さすらい 奥田民生

さすらおう、この世界中を・・
転がり続けて歌うよ。旅路の歌を。
まわりはさすらわぬ人ばっか。少し気になった。
風の先の終わりを見ていたらこうなった。
雲の形をまにうけてしまった。
さすらいの道の途中で会いたくなったら歌うよ。昔の歌を。
人影見当たらぬ終列車、一人飛び乗った。
海の波の続きを見ていたらこうなった。
胸の隙間に入り込まれてしまった。
誰のための道しるべなんだった。
それをもしも無視したらどうなった。
さすらいもしないで、このまま死なねぇぞ。

さすらおう


北京消息IX
by wavesll | 2005-02-17 01:09 | | Trackback | Comments(0)
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