2016年 08月 29日 ( 2 )

『24時間TVは感動ポルノ』に想うこと

長年日テレの『24時間TV 愛は地球を救う』の裏番組というとパラダイスTV『24時間TV エロは地球を救う』のイメージだったのですが今年はおっぱい募金の話とんと聞かないですね。去年かなり問題になっちゃったもんなぁ。五月蝿い人に見つかるほどバズっちゃったか。まぁ悪ふざけ企画でしたけど。

で、本家24時間TVが今年の裏番『バリバラ』に感動ポルノと指摘されるとw

「感動するな!笑ってくれ!」というコンセプトで始まったバリバラ。しかし、いまだ障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証!スタジオでは「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などのテーマを大討論!Twitterで視聴者ともつながり、みんなで「障害者の描き方」を考える。

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バリバラは障害をネタにお笑いを演る障碍者の企画をやったりかなり攻めているのですが、今回の放送も24hTVをパロって単純に番組として新鮮味のある(それでいて誰しも薄っすら想っていた)テーマで良回だなと想いました。

ただ、ポルノって言葉で思考停止するのも問題だなと想えるのです。
今は"フードポルノ"だとか”キャリアポルノ”だとか、何でもかんでも「ポルノ」と名付けて批判する流れがある気がしますが、どうもこのままじゃ快楽をもたらすコンテンツは全部「ポルノ」になってしまうのではないか、それは100%正しいの?と想うのです。

恐らくフードポルノは食欲を夜間とかに喚起される飯テロだから批判されるのでしょうし、キャリアポルノは自己啓発書を読むだけで行動に移さずに満足してしまうことを批判しているのでしょう。でもそれを”ポルノだ!ポルノだ!”とレッテル張りを叫ばれると"大きなお世話だよ、ほっといてくれや"と想ってしまう。

他人が楽しくやっていることにケチを付けずにはいられない人っていますよね。自分もtwitterとかで世間が盛り上がってることに「いや別に俺はそうは思わないけどね」とか言いたくなることありますよ。SMAP解散とか、高畑裕太の件とか"そんな騒ぐことか"と想ったし。でも、場を腐す発言をするよりも生産的な発言をすべきではないかなぁと想うんですよね。オルタナティヴな選択肢を示すとか。批判で終わるのではなくて、創造的な"問い"まで論を進めて初めて"感情的な誹謗"でなく"批判"足りうるのではと想うのです。

キャリアポルノもフードポルノも性的なポルノだって効用があるから成り立ってるのは間違いありません。問題は本当の意図(快楽の源泉となる理由)がぼやかされてに綺麗事として喧伝されがちな点なのでは。感動ポルノに関していえば、"障碍者の為になるチャリティ番組ですよ"というお題目だけれども、当の障碍者たちは9割が感動ポルノが嫌いだというのが問題の本質で。

"健常者が障碍者をダシに気分良くなって、チャリティ番組にもかかわらず出演者もTV局もがっぽがっぽ儲かる番組"とぶっちゃけてもいい気分になれたり金が稼げるならそれでいいのかもしれないなと想うのです。(そうはならないだろうけれど)

今回のバリバラの問題提起が、今や偽善の象徴だとみんな想っている24時間TVが本当にいい番組になれるきっかけになったらいいなぁと想います。その為には"障碍者自身がみたい障碍者の番組"を創ろうとしているバリバラ自体が一つの指針となるのではないかなぁと想うし、今回の放送も含めてポリティカルコレクトネスとして良質というだけでなく番組として尖ってスリリングになっていることこそ、予定調和の24時間TVを本当に面白い番組にする姿勢だと想うのです。

このバリバラ 【生放送】 検証!「障害者×感動」の方程式回は9月2日(金)0:00(木曜深夜)に再放送されるそうです。百聞は一見に如かず。もしよろしければご覧になるのも悪くない選択だと想います◎

追記:
キムタクと常盤貴子の日曜劇場『ビューティフルライフ』なんかも一面的な障碍者の描き方だけではなくて良かった覚えがあります。"障碍者像"の押し付けではなく"個人としてのその人の人となり"を描けるかが大切なのだと想います。
by wavesll | 2016-08-29 18:13 | Trackback | Comments(0)

Soi48 Vol.20 神弓祭 - 弓神楽 Release Party! at 新宿Be-Waveに行ってきた!

歌舞伎町のBe-Waveにて弓神楽を視てきました。広島、上下町に伝わる土公神、荒神に五穀豊穣・家内安全・厄除けを祈念する神事。
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今回、俚謡山脈×em records「弓神楽」がリリースされたことを契機として実現したこのイヴェント。

広島県府中市上下町井永八幡神社より、弓神楽の唯一の後継者である田中律子宮司、笛(佐々木康弘氏/矢野神楽保存会)そして鉦(田中勲氏/元井永神楽保存会)のお二人を招き、フロアに祭壇を設けて行う演奏。

弓を横に置き両手に持った棒で叩いて音を出すスタイルが、まるでビリンバウの様な響きをもたらします。そこに謡いが入り、笛と小さなシンバル、鉦、和声がその時々で入る。ミニマルな繰り返しで天岩戸の話などが歌われる。神と人の関わりを歌うのが神楽なのでしょう。"かしこみかしこみ"という言葉が何か脳内に残っています。

最後は神の力で厄を払い、矢を射って〆。歌舞伎町のクラブで神事。やろうと決めて下さった田中宮司達も、企画した俚謡山脈・Soi48の皆さんにも感謝。CDは田中重雄宮司の演奏も収められているのですね。試聴Fileを聴くとまたとても良さそう。

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上でブラジルの楽器、ビリンバウのことを書いたのですが、この弓神楽を聴き想起したのはハミロ・ムソットでした。Ramilo Musottoのミニマル化って感覚とでもいいましょうか。

17 Ramiro Musotto tezcatlipoca DVD SUDAKA ao VIVO- solo berimbau


Civilizacao & Barbarye - Ramiro Musotto (2007)


Sudaka - Ramiro Musotto 2.004 (Álbum completo)


地球の裏側ともlinkするような日本の伝統音楽の懐の深さ。
木曜に見たすみだ錦糸町河内音頭大盆踊りのドラッギーなサイケグルーヴや大学生の頃チャリで遊びに行った高円寺阿波踊りのトランシーなぶっといリズムグルーヴ、そして2010年に行った出雲大社・神在祭でみた笛と太鼓の非・バランスな霊性音楽etc etc…この国で神代から現代までに育まれた音たちの豊饒さを想い、改めて舌を巻いた夜でした。

ちなみに千道(髪飾り)や神事の道具は持ち帰れました。以前我が部屋にはチベット仏教のタルチョが飾られていたのですが、日に焼けて大分薄っすらとしてしまい、本場では1年で取り換えていくという話を聞いて外していたのですが、これから壱年くらいは弓神楽の御串が部屋の護り神アイテムになってくれそうです。

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cf.
△Animal△Vol.8 ~アニマル民謡 at Bar Bonoboに俚謡山脈民謡DJ Setを聴きに行ってきた!

by wavesll | 2016-08-29 05:16 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)