2017年 03月 05日 ( 1 )

新海誠監督のユビキタスな映画表現のアニマ性

映画『言の葉の庭』予告編映像


雲のむこう、約束の場所 予告編 (The Place Promised in Our Early Days)


この数日は日本アカデミー賞からフジテレビで放送された『アナと雪の女王』まで、映画な週末でした。

中でも金曜の深夜にテレ朝で放映された『言の葉の庭』と土曜の昼にAbemaTVで放送された『雲のむこう、約束の場所』は印象深くて。

新海誠監督のフィルモグラフィーの時系列では『雲のむこう~』の方が先の作品で。
初恋、宮沢賢治的詩情、軍事SF、そして光や雲の風景表現。新海作品のエッセンスがあって面白かったです。

そこから時を重ね、表現が洗練された『言の葉の庭』は『君の名は。』の前作。
冒頭の雨水のアニメーションから真に美しい映像美が素晴らしくて。そして憂いを秘めた物語がまた非常にマッチした作品でした。時間も50分くらいで纏まっていて、非常に好みでした。

フィルムの流れを見ると、最初はヲタ的な色が濃かったものから、文芸作品の詩情まで匂いを変え、そして『君の名は。』では憂いからポジティヴへとメタモルフォーゼし国民的大ヒットを創る。新海監督は地力と野心があるなぁと想います。

そして興味深いのは、飛行機でみた『君の名は』も面白かったし、AbemaTVをPCでみても素晴らしさが伝わる、新海作品は画面を選ばない点。

日本アカデミー賞で『シン・ゴジラ』の映像流れていましたが、TVでみても全然わくわくしない。映画館のサイズだからこそのあの血沸き肉踊る昂りと恐怖。『ゼロ・グラビティ』もそうですが、こういう映画は劇場でみてこそだととても想います。

一方で新海作品の魔法は主に映像の美しさからきている印象で、ストーリーは結構ベタというか、寧ろ現実的な理と色濃い感傷をヴィジュアルが魔術へ持っていくと感じるのですが、PCや飛行機の座席画面でみてもその魅力が損なわれない、ヴィジュアルの面白さが画面サイズを選ばないというのは凄い、物語と共に本当にアニマが発動していると感じます。

ヴィジュアルの凄さと音楽の素晴らしさというと『君の名は。』は『アナ雪』との関連で語られるところもあるかと想いますが、TV放映された『アナ雪』は"え?こんなものなのか?"という感じではありました。

確かに氷のCG表現の卓越さは魔法的な域へ達していて、『レリゴー』も改めていい歌だなぁとは想ったのですが、ターゲット層(女児)ではなかったというのと、やはりこの映画も劇場空間がなせる技が胆なのかもしれない、と。

勿論、そういう作品だからこそDVD待ちではなく映画館でみたくなると想いますし、実際最近は声出し上映や、MAD MAX 怒りのデス・ロード BLACK & CHROME at 川崎チネチッタ LIVE ZOUNDのような爆音上映など、劇場ならではのプロジェクトが実現されていて面白くなっています。私などはそういうのでないとあまり劇場では見ない人間だったり。

ただ、その上で新海作品の持つ"画面サイズを選ばない凄さ"は映画にさらなる革命を起こすのではないか、すぐに考え付くのはスマホメディアの国民的"映画"作品をこの人は創る最初の人なのではないか、なんて考えた週末でした。

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by wavesll | 2017-03-05 22:28 | 映画 | Trackback | Comments(0)