2017年 05月 13日 ( 2 )

茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 & 東京国立近代美術館常設展

近美に茶碗の中の宇宙:樂家一子相伝の芸術展をみにいきました。
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壮烈な魅力を放つ展示でした!凄まじく好い!最初の土の素の黒に“渋すぎたか”と思ったのですが途中で黒い無から揺らぎが生まれ、火星や星雲が…!当代の作品はアブストラクトミュージック好きにはMust!!!

DJ Krush - Kemuri


DJ krush - Strictly Turntablized (full album)


樂家のルーツは中国にあり、初代長次郎の父は阿米也という人とのこと。赤樂茶碗 銘 二郎坊の赤に黒が一滴。黒樂茶碗 万代屋黒の何の作為も感じさせない黒、黒樂茶碗 銘 シコロヒキの土の貌。千利休が所持した黒樂茶碗 銘 本覚坊も素晴らしい。

田中宗慶の香炉釉阿古陀形菊文水指の白の割れ、二代、常慶の黒樂茶碗 銘 不是の黒、香炉釉井戸形茶碗の金継の割れ。ただ一周目のここまでの感想は「ちょっと渋地味すぎたかも…」でした。

しかし三代 道入を契機に宇宙以前の無の時空からゆらぎが生まれたのを感じて。黒樂茶碗 銘 木下の光沢、黒樂茶碗 銘 青山のホイップクリームの一泡のような黒、黒樂茶碗 銘 升の四角いカタチ。赤樂茶碗 銘 鵺なんかはアブストラクトだし、赤樂茶碗 銘 寒菊の赤黒白。赤樂茶碗 銘 僧正には四角い意匠が。そして二彩鶴首花入れのコスタリカの密林のような緑。

本阿弥光悦も樂家とつながりがあり、光悦の作品もありました。黒樂茶碗 銘 村雲の漆黒、黒樂茶碗 銘 雨雲や白樂茶碗 銘 冠雪といった見立や、飴釉樂茶碗 銘 紙屋のまさに赤い星雲や赤樂茶碗 銘 乙御前の溶けた火星のようなフォルムに、"あぁ本阿弥光悦は茶碗でコスモのヴィジョンを顕わしてる"と想いました。

樂家とも縁者である尾形乾山の銹絵染付松図茶碗は樂家の中ではかなり異彩を放ってました。メタリックというか。

四代 一入は樵之絵黒樂茶碗 銘 山里で木こりのプリミティヴな人物画を入れたり、赤樂茶碗 銘 つるし柿も面白かった。樂家は結構獅子の焼き物を残しているのですが四代 一入の赤樂獅子香炉と五代
宗入の黒樂獅子香炉、良い顔してました。

五代 宗入だと黒樂茶碗 銘 梅衣、黒樂茶碗 銘 亀毛、赤樂茶碗 銘 海原が良かった。六代 左入の赤樂茶碗 銘 毘沙門の赤い罅、七代 長入の赤樂茶碗の濃紅の影、八代 得入の亀之絵黒樂茶碗 銘 萬代の友の意匠も良かった。

九代 了入の黒樂茶碗 銘 巖の金属削り出しのようなフォルム。白樂筒茶碗もアブストラクトなブランでした。十代 旦入には富士山が描かれた不二之絵黒樂茶碗という品も。

十一代 慶入の黒樂茶碗 銘 入船の薄さ、ゆがみの妙。貝貼浮文白樂茶碗 銘 潮干の茶碗の内部には貝が。この展示、茶碗の底をのぞき込むと中々に面白いですよ。

十二代 弘入の八角形な円の赤樂茶碗 家祖年忌や黒樂茶碗 銘 羅漢。十三代 惺入には紅白の花が描かれた黒樂茶碗 銘 八千代 追銘 花筵という作品も。八景絵象耳花入れというのも面白かった。

十四代 覚入の黒樂茶碗 銘 林鐘の黄色が美しい。富士之絵黒樂茶碗 銘 晨明の斜めに流れるM形の山、赤樂茶碗 銘 樹映は真っ赤なバックにダンスの足のような木々が。赤樂茶碗 銘 杉木立もほんと木立でした。色釉流水赤樂平茶碗 銘 綵衣の赤白緑黒も魅力的だったし、赤樂茶碗 銘 笑尉も抽象的で良かった。角がついた貝の形をした真砂釉栄螺水指なんてのも。

そして当代 吉左衛門。イタリア留学もした吉左衛門氏の作品は黒樂茶碗 銘 三星在隅など色味が現代的。そして次期十六代である篤人氏の黒樂茶碗と赤樂茶碗も現代的なツヤでした。

ここまででもかなりの良さだったのですが、次の部屋の吉左衛門による焼貫黒樂茶碗のシリーズが物凄すぎて頭がパンクしそうになりながらみました。沸騰しかけたw一言コメント付きで一部をご紹介します。

焼貫黒樂茶碗 銘 月朧明 HIPHOPグラフィティのような枝垂れ感
焼貫黒樂茶碗 銘 白駱 これも黒が好い
焼貫黒樂茶碗 銘 翺翔天際 ペンタブラックのような黒
焼貫黒樂茶碗 銘 暘谷 赤一閃
焼貫黒樂筒茶碗 銘 我歌月徘徊 U字の意匠がモダン
焼貫黒樂茶碗 銘 砕動風鬼 メタリカ
焼貫黒樂茶碗 銘 吹馬 大胆な馬の流れ
焼貫黒樂茶碗 銘 女媧 渋い抹茶色
焼貫黒樂茶碗 銘 峨々幽晦 黒きこと他になく山の如く孤生して固の雄たらん toeみたいな域へw
シリーズ 夜の航海 焼貫黒樂茶碗 銘 桂舟 椀の舟
涔雲に浮かんでI 焼貫黒樂茶碗 銘 涔雲は風を涵して谷間を巡る 悠々雲は濃藍の洸気を集めて浮上し 天空
涔雲に浮かんでII 焼貫黒樂茶碗 銘 黒銅の雲は陰気を胎んでゆるり降下する ゆらなびく雲旗をおしたて 天空
巌上に濡洸ありIII 焼貫黒樂茶碗 銘 巌裂は苔の露路 老いの根を嚙み 海の原
巌上に濡洸ありIV 焼貫黒樂茶碗 銘 幾条もの洸の道を雲根に刻む アマゾン
巌上に濡洸ありV 焼貫黒樂筒茶碗 銘 ここに到り洸得るあるがごとく輝かずして諸物を明かす 液体的なまことの椀
焼貫黒樂茶碗 銘 一犂雨 苛烈な美
焼貫黒樂茶碗 銘 瞪目視霄漢 真のシック
焼貫黒樂茶碗 山・雲・雪

さて、このハイヴォリュームな展覧会も終盤ですが、ここで新しい概念、焼貫茶入が。この"石ころのイデア"のような造形には惚れこまされました。焼貫茶入 銘 青鷹や焼貫茶入 銘 蓑笠、焼貫茶入 銘 縞青なんかはジーンズっぽさも。焼貫茶入 銘 乾闥婆や焼貫茶入 銘 青鸞はまさに石。焼貫茶入 銘 迦楼羅、最上の石ころ。

焼貫水指はオーパーツのようでした。フランス焼締象脚花入 銘 普賢も象の足のような面白い作品。フランス RAKU茶碗の現代性さ。シリーズ 盌 African Dream 銘 大地の朝の繁殖性、シリーズ 盌
African Dream 銘 精霊の炎のマーブル、最後の焼貫黒樂茶碗の黒金の美。最高の展覧会でした。

そして常設展も充実していました!長次郎と吉左衛門の茶碗をノイズ映像化した作品なんかもあってこちらも必見ですよ!日曜美術館でみた作家がバンバン出てきて、かなりテンションが上がりました。中でも藤田嗣治は圧巻。そしてみれてよかったのが長谷川利行。彼の絵は生で見ると魅力が前回になりますね。

撮影した名画たちをシェア。時間の関係で行けなかったけれど特別展を買うと常設に加え工芸館もみれるし、一日中いれますね。

和田三造 南風
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加山又造 春秋波濤
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古賀春江 海
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靉光 眼のある風景
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安井曽太郎 金蓉
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須田国太郎 書斎
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梅原龍三郎 浅間
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原田直次郎 騎龍観音
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徳岡神泉 椿
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徳岡神泉 芥子
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吉田博 池畔の桜
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中村弘光 花下月影
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辻永 椿と仔山羊
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岸田劉生 道路と土手と塀(切通之写生)
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高村光太郎 手
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富本憲吉 登科壺図
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石井柏亭 木場
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山本鼎 房州の海
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山本鼎 ブルターニュの小湾
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山本鼎 ブルトンヌ
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アンリ・ルソー 第22回アンデパンダン展への参加を芸術家に呼びかける自由の女神
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ジャン(ハンス)・アルプ 地中海群像
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ジョゼフ・コーネル ウィーンパンの店
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ジョージア・オキーフ タチアオイの白と緑ーペダーナル山の見える
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アンリ・ミショー メスカリン素描
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アンリ・ミショー ムーヴマン
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イヴ・タンギー 聾者の耳
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ジョアン・ミロ 絵画詩(おお!あの人やっちゃったのね)
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ハンス・リヒター 色のオーケストレーション
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ワシリー・カンディンスキー 全体
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パウル・クレー 花ひらく木をめぐる抽象
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パブロ・ピカソ ラ・ガループの海水浴場
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ジョルジュ・ブラック 女のトルソ
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藤田嗣治 パリ風景
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藤田嗣治 自画像
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藤田嗣治 五人の裸婦
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藤田嗣治 アッツ島玉砕
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藤田嗣治 サイパン島同胞臣節を全うす
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藤田嗣治 少女
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藤田嗣治 動物宴
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ナターリア・ゴンチャローヴァ スペイン女
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佐伯祐三 パリ雪景
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菅井汲 低い雲
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白髪一雄 天慧星拚命三郎(水滸伝豪傑の内)
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ピエール・スーラージュ 絵画 1976年3月4日
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李禹煥 風と共に
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植田正治 少女四態
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植田正治 少女たち
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植田正治 小狐登場
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植田正治 カコとミミの世界
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植田正治 カコ
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植田正治 パパとママと子供たち
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植田正治 パパとママと子供たち
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植田正治 ボクのわたしのお母さん
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植田正治 風船をもった自画像
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植田正治 妻のいる砂丘風景(II)
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植田正治 妻のいる砂丘風景(III)
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植田正治 砂丘群像
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植田正治 砂丘群像
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植田正治 砂丘群像
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植田正治 モデルとゲイジュツ寫眞家たち
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伊東深水 「現代美人集第一輯」より潮干狩り、湯の香
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伊東深水 「現代美人集第一輯」より五月雨、水 「現代美人集第二輯」より吹雪
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山川秀峰 「婦女四題」より3. 赤い襟、4. たそがれ
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山川秀峰 「婦女四題」より1. 秋、2. 雪もよひ
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川崎小虎 萠出づる春
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上村松園 母子
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梶原緋佐子 花
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鏑木清方 木場の春雨
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鏑木清方 晩涼
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寺島紫明 三人
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伊東深水 聞香
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長谷川敏行 ガイコツと瓶のある静物(頭蓋骨のある静物)
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長谷川利行 カフェ・パウリスタ
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長谷川利行 岸田国士像
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長谷川利行 タンク街道
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長谷川利行 鉄工場の裏
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長谷川利行 ノアノアの女
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長谷川利行 新宿風景
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織田一磨 「画集新宿」より 武蔵野館
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木村荘八 新宿駅
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舟越保武 原の城
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柳原義達 犬の唄
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向井良吉 蟻の城
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三木富雄 EAR
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菅木志雄 止空散様
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斎藤義重 反対称正方形No.1, No.2
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菅野聖子 作品
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モーリス・ルイス No End
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大竹伸朗 Torso and Guitar
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大竹伸朗 網膜(ワイヤー・ホライズン、タンジェ)
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奈良美智 Harmless Kitty
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石田徹也 無題
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石田徹也 無題
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広川泰士 「BABEL Ordinary Landscape」より東京都新宿区 2006年8月
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村上友晴 無題
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山口長男 竝
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松江泰治 JP-01 Moere
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ジュリアン・オピー 「日本八景」より国道五十二号線から南部橋をのぞむ
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Twitterで話題になってる竹橋駅のアレも撮りましたw写真撮るのに夢中になっちゃったからもう一回常設展を今度は工芸館と一緒に愉しみに来てもいいな。
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by wavesll | 2017-05-13 07:31 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

阿佐ヶ谷アンデパンダン+α

阿佐ヶ谷アニメストリートにて催されていた展覧会をみてきました。

面白いの沢山。中でもりぷかさんのはスパンコールとか散りばめられてて“おっ!”と思いました。
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こちらはタカウチミユウさんの作品。肉が比喩的に。モノクロで画かれることで肉が肉ならざるモノにズレる面白さもありました。鉛筆削りの物干し棹に吊るされる肉が面白かった。
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そして会場へ行くまでの間に普通の家の壁に絵が描かれていたのに遭遇。アートフォレストウォールといって障碍者の方々との作品だそう。
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阿佐ヶ谷アニメストリートには声優の卵が働くSHIROBAKOというカフェがあったり。爆笑問題の地元という意識しかなかったけど、中々に面白い土地でした。
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by wavesll | 2017-05-13 02:29 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)