2017年 05月 15日 ( 1 )

快慶展@奈良博&法隆寺大宝蔵院で観仏記 + Extra Tracks

日帰りで奈良国立博物館、特別展 快慶 日本を魅了した仏のかたちへ行ってきました!!!!!
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無理を効かして来て良かった。布の優美な柔らかさの表現が天界レベルでミケランジェロかと思いました。衣文線という布の紋様が何とも優美でうっすら残る截金も美しい。筋骨隆々に凛々しい仏達はモンゴロイドの男の理想フォルム。常設の仏像・青銅器博物館もかなりの見ものでした。来た価値があった。開館とほぼ同時に入り、ほぼほぼ2h30mみました。

以下それぞれの作品への感想を書いていくと、入り口すぐの 京都 金剛院『金剛力士像』からしてもうやられる!バスタードのD.S.みたいな腹筋の割れ方!何というか、マンガ的想像力の筋肉がめちゃくちゃカッコいい化け物クラスの金剛力士像で。足の血管が浮き出る様まで凄味がありました。

そこからすぐに本展覧会のハイライトの一つ、快慶作 京都 醍醐寺『弥勒菩薩座像』が。これがもう本当に醇とした顔つきで飾り立てるアクセサリーも美しく、こんな貴美なオッサンになれたら最上だなと想いました。

余談ですが黄色人種って実際には黄色じゃないじゃないですか?あれってもしかしたら仏像のイメージが加味されているのではと想ったりします。ちなみにこの弥勒菩薩座像、台座に獅子が居るのでそれもお見逃しなきように◎

そして日本美術展では結構文書が展示されることが多いのですが、中々意味を捉えるのは難しく、ヴィジュアルをクローズアップして鑑賞することが私は多いです。そんな自分からみても相当高位になるくらいの美しい字だったのが国宝・京都 真正極楽寺『法華経(運慶願経)巻第二・第三』。なんと素晴らしいことか。

そしてこの展覧会で気付かされたことのもう一つが木による布の表現のたおやかさ。中でも康知による京都 長講堂『後白河法皇坐像』の脚の部分の柔らかな表現は図抜けたものがありました。

快慶作 京都 金剛院『執金剛神立像』は白地が出てハヌマーンのよう。こちらも快慶作 京都 金剛院の『深沙大将立像』は脚が象になっていてとてもカッコよかった!獅子のような顔でした。

この展覧会で気付かされた仏像の魅力、先ほど布の表現の優美さを挙げましたが、もう一つが截金。仏像の表面に布の文様が描かれていて。それは時と共に無くなっていったりするのですが未だ残る切金の美しさ。素晴らしく素敵でした。例えば快慶作 京都 悲田院の『阿弥陀如来坐像』なんかも銅に截金が浮かんでいました。

この他、京都 勝龍寺『菩薩立像』も髪飾りが美しかったし、髑髏等のアクセを持った京都 清水寺『千手観音坐像』はこの展覧会のハイライトの一つでした。

日本の伝統絵画は西洋と比べてリアル性に欠ける、なんて言われますが、立体である兵庫 浄土寺『重源上人坐像』なんか"あぁ!こんな人いる!"とリアルで、しかもただのリアルというより性格まで読み取れそうなちょっと2.5D的な真実味を感じました。こちらは二次元の奈良 阿弥陀寺『観経十六観変相図』はウーロン茶の広告にでも使えそうな現代に通ずるデザイン性を感じました。

和歌山 金剛峯寺の『四天王立像のうち広目天(快慶作)・多聞天『執金剛神立像』そして『深沙大将立像』(共に快慶作)の漆黒のカッコよさ!執金剛神なんかほんと"シャドウビースト"って感じ。深沙大将もスカルのネックレスして腹からなんか顔でてるしルークみたいな死神的カッコよさがありました。それぞれ巖と波濤の台座の上に立っていて、その出来も素晴らしかった。

快慶作 奈良 東大寺『阿弥陀如来立像』の珊瑚のような台座、同じく東大寺の快慶作『地蔵菩薩立像』をみると白いので雲か波か。この地蔵菩薩立像、痺れるような魅力があったなぁ。国宝・『僧形八幡神坐像』。これも服の色味と言い質感と言い布そのものでした!

”おっ!なんかいい”と想ったらこちらも国宝だった京都 清凉寺『霊山変相図(釈迦如来立像像内納入品)』は白地に黒でシンプルに描かれた絵で、質感としてはウルジャンで連載してそうな感じでした◎またこちらも国宝(この展覧会ほとんどが重文・国宝の弩級の展示でした)である奈良 安倍文殊院『文殊菩薩騎獅像 像内納入品 仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等』は文殊菩薩を顕わす梵字が連打されているという逸品。こんなの初めて見たなぁ。

奈良 東大寺『西大門勅額附属八天王像』もそれぞれが本当に感性にジャストに触れるフォルムで。日本人だからうってつけのカタチなのかなぁ。帝釈天なんか麗しかったです。四天王はモンゴロイドの理想形。年を経るごとに東洋美術が好きになるのはそこにアジア人としての格好良さの有様をみるからかもしれません。

快慶作 栃木 真教寺『阿弥陀如来立像』の縦の木目の美しさ。快慶作 静岡 伊豆山浜生協会『菩薩坐像』の修業中な感じのかわいらしさ。静岡 鉄舟寺『菩薩坐像』は腕がないけれどそれがまた趣がありました。静岡 新光明寺の『阿弥陀如来立像』、美しかった。

快慶作 大阪 八葉蓮華寺『阿弥陀如来立像』の光輪の美しさ。裏から見ると花になっていました。京都 浄土宗『阿弥陀如来立像像内納入品 造像願文 順阿弥陀仏等交名』は黄色になった地に超高密度で文字が描かれて見応えがありました。

快慶作 京都 醍醐寺『不動明王坐像』のドヤ顔wこういうキメ表情する芸人いるはw京都 青蓮院『兜跋毘沙門天立像』の編み込まれた鎧の描写。快慶作 京都 隨心院『金剛薩埵像』。お釈迦様の髷はきっとリンガなのだろうなぁ。快慶作 米国メトロポリタン美術館『地蔵菩薩立像』の衣に残る截金がヴィトンのモノグラムのように美麗でした。

長快作 三重 パラミタミュージアム『十一面観音立像』に"これ自体が一つの遺跡だ…!"と心揺らされて。快慶作 京都 正壽院『不動明王坐像』の射るような顔。奈良 東大寺『聖観音立像』の持てる花の曲がりの美。快慶作 米国 キンベル美術館『釈迦如来立像』も優美でした。

そう、この"優美"が快慶が彫り続けて辿り着いた到達点だったのかもしれません。衣文線のたおやかさ、柔和で晴れた空のような表情の『阿弥陀如来像』達。奈良 西方寺、奈良 安養寺、大阪、大圓寺、奈良 西方院、どれもなんたる柔らかい魅力を放っているか。素晴らしかった。

そして最後に展示されていたのが京都 極楽寺『阿弥陀如来立像像内納入品 阿弥陀如来印仏』。ハンコで連打された仏画。最後にこんな逸品を入れてくるのがニクい。本当に満ち溢るる展示でした。

そして予定の面から駆け足で観たのですがなら仏像館と青銅器館もなかなかのいい品がいっぱいあって。中でも仏像館はかなりマストかと。

その後法隆寺へ行きまして。近鉄奈良駅からJR奈良駅まで結構あったけど、JR奈良駅の駅舎がモダン寺院って感じでなかなか良かったです。
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法隆寺着。もう随分前、初めて訪れた時はもう暗く、法隆寺は閉まってしまっていて何故か山門前で『人間発電所』を吟じた記憶がw修学旅行生が沢山。引率の若い先生の方が生徒より年近くなったなーwもうバスガイドのお姉さんの年は超えてるwとあの頃からの時の経過を感じました。
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法隆寺の宝物殿では鎌倉時代の快慶の仏像とは異なる、奈良・飛鳥の真一文字の目の仏たちをみれて嬉しかった。中でもスラリと伸びた観音菩薩像をみれたのはとびきりでした。他にも教科書で有名な聖徳太子の絵があったり舞楽の太鼓も。夢殿もみれ、塔に配置されている仏像たちも枯れた厳しい顔でまた良かった。法隆寺は聖徳宗の総本山なのですね。
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おまけ1, 台北and宮古島に続いてぶらり旅先マンホールハント。鹿と吉野の桜かな?
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おまけ2, 近鉄奈良駅などで押されていた奈良のキャラクターを。せんとくん…w
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Extra Track
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奈良から京都へ向かい、神宮丸太町駅で降りてMeditationsへ探訪しにいきました。このお店のサイトはよくみていて、是非一度店舗に訪れてみたくて。陽光射す店内にはお香が販売されていたりいい雰囲気。フィールドレコーディングなんかがこんなにあるのはいいなぁ◎せっかく実店舗きたしこんな機会でないと買わなそうなものをと考え、Highly Recommendされていたガムランのカセットテープを買いました。

Extra Track2
電車の中吊りでみかけた志摩スペイン村のスチームパンクなジェットコースターが面白そうでした。


Extra Track3
RHYMESTER-人間発電所(cover)


cf.
Nara古代路 I. 正倉院展 at 奈良国立博物館

Nara古代路 II. 東大寺、正倉院
Nara古代路 III. 橿原神宮、大阪、帰路

吉野の山桜 晩春爛漫

運慶展で彩色の仏像に開眼す+東博常設展・マジカルアジア展
by wavesll | 2017-05-15 00:09 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)