2018年 01月 21日 ( 2 )

金沢健一 造形家が彫る音波の錬金

art Lover 芸術愛好家

Brian Labycz, Kenichi Kanazawa, Hiroyuki Ura at Nanahari


昨日ストリーミングされた東京都庭園美術館でのDOMMUNE「EXTREAM QUIET VILLAGE」の鳳を飾った金沢健一さんのパフォーマンスが鮮烈で。

金沢健一さんは現職は多摩美術大学非常勤講師、東北芸術工科大学非常勤講師、日本大学芸術学部非常勤講師で、主に鉄を素材にした幾何学的な作品を制作している。国立国際美術館、東京都現代美術館、板橋区立美術館など、美術館に作品を多数収蔵。87年より、鉄という素材と、その形、音をテーマにした作品『音のかけら』を制作。視覚、聴覚、触覚に関わる作品として発表しながら、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションや、人の身体性を追求するワークショップも精力的に行っている方。

この日のパフォーマンスでも鉄をスーパーボールの付いた撥で撫で、電子のような音を鳴らしながら鉄の上に撒かれた粉が幾何学な文様に収斂していくのが演ぜられていました。

物理の実験のようなインスタレーションでありエレクトロニカルな音像でありながら表現方式は究めてアコースティックというのが面白くて。現代における錬金術師を思わせるような、思索に富むArt Performanceでした。

by wavesll | 2018-01-21 22:10 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

安室奈美恵 Past<Future を聴 小室期を越えるような邦洋融合の好盤

安室奈美恵 - Wild (dailymotion)


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本年で引退する安室奈美恵さん。私が彼女を最初に見たのは安室奈美恵とスーパーモンキーズとしてNTV夜もヒッパレ!に出ていた辺りでしょうか。時は小室プロデュース真っ盛り。

当時の自分にとって巨大すぎるTK Produceの歌手達へのまなざしは今でいう秋元グループのような一種敵視にも似た存在だったのですが、安室奈美恵さんには敵愾心を持つことは薄かったように想いだします。生来のスター性があるとはこういうことなのかもしれません。

そして時代が小室から宇多田や98年以降の世代へ移っていったとき、私自身はアルバムを聴くことはなかったのですが、安室さんの活動が音楽的にどんどん面白いことになっているとは良く伝え聞くようになりました。

ジブラ等と組んだSuite Chicに始まり、よりコアな音楽の魅力へ。けれどTV芸能から姿を引いた彼女の活動スタイルは「意識しなくても音を聞く状態になっている」をPOPの定義とすればPOPとしての存在感が薄くなりロック・リスナーな当時の自分には関わらないままゼロ年代が過ぎていきました。逆に小室楽曲を色眼鏡でみなくなると”素晴らしいじゃないか”なんて認めるようになったりした00-10年代でした。

ゼロ年代以降の彼女の活動スタイルは唯一無二というか、TVに出るわけでもYoutubeも完全にコントロールし、Spotifyを以てPRするわけでもない、されど絶対的なファン・ベースがありパフォーマンスが更新されていくという点で特異で、日本の音楽業界として最大期から生き残るプロフェッショナルな大物という風格があります。


『BEST FICTION』というex小室のベスト盤の次に出したこの自信に満ちたタイトル。いざ聞くと「これは…いい!」と。

恐らく自分の耳が邦楽中心から洋楽中心に変わったことでメロディーの抑揚がそこまでなくても聴けるようになったからというのもありますが、硬質で色恋沙汰が歌われるR&Bのエッセンスに、マーティの言うようにに未来的なエッセンスが鏤められてJ-POPとしてのメロや表現の美味しさと洋楽的なハードさが融合したサウンド、今の耳で聴いてかなり好きでした。

確かに英語の発音などはネイティヴ洋楽と比べると粗く感じたりするのですが、逆にそれが「J-POPさ」にも感ぜられて。洋楽を追いかける内にドヴァっと凄い粒子が発せられたような、音楽の新領域に届いた好盤に感じられました。

このアルバムが特異点なのか、それともまだまだ宝玉のように煌めく楽曲が眠っているのか。五輪のテーマソングだった「HERO」なんかは余り響かなかったので、全てが全て最高の盤に感じられるかは不明ですが、安室さんの最後の一年に、彼女の全貌を聴いていけたら、その中で綺羅星のような楽曲を見つけられたらと思います。本音言うとサマソニに出てくれるのを期待しちゃうけど◎

by wavesll | 2018-01-21 16:40 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)