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毛玉の毛玉7 「しあわせの魔法」リリースパーティー@渋谷7th Floor

昨年度の楽曲Best3なインパクトだった『ビバ!』を創った毛玉のレコ発ライヴへ行ってきました!
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(写真はkitajimanさんのご厚意で使わせていただいております。)

毛玉 - ビバ!


オープニングアクトはhikaru yamada and the librarians .

山田光さんがラップトップと機材からエナジーのある極彩の音を奏で、Voの穴迫楓さんが北欧エレクトロニカ的な美唱を重ねる形。電話の着信音が使われたり"おっ"と想わせる音遣いなのですが"やっぱりライヴだとCDJとかより楽器演奏の方が絵になる感はあるなぁ"と想っていたら山田さんがサックスも吹いて!これがカッコよかった!

さらにMCで楽曲のサウンドは既存のアーティスト(例えば東京女子流)の音源から作ったものとのこと。おぉ!アヴァランチーズ的音づくりじゃないか!?と知るほどにどんどん好きになっていったユニットでした◎soundclud音源も素晴らしい。めっけものだったなぁ^^

そして愈々、毛玉の登場!
『船』から。最高の幕開け。フォーキーで穏やかな歌から一気に轟音が炸裂する構成が本当に好き。上野さんのギターのうなりはライヴ全編通して最高でした!露木さんのドラムもベースの石黒さんもいい仕事してたなぁ。

そして『ビバ!』

この曲は本当に私の好きなモノどんぴしゃで。
元々毛玉は1stが出たときに横浜タワレコ試聴機で聴いて「フィールドレコーディングを取り入れたチェンバーポップでいい新人バンド出てきたな」と想ったのですが、この『ビバ!』、私的2014年ベスト楽曲、森は生きている - 煙夜の夢 a,香水壜と少女 b,空虚な肖像画 c,煙夜の夢(夜が固まる前)にこれまた大好きな南米音楽の感覚が掛け合わされたかのような質感の超名曲(勿論オリジナリティにあふれてるのがまた大名曲な所以で!)。個人的には2017年の幕開けをエルメート・パスコアールと毛玉で迎えられたのがとても嬉しかったのです。

今夜はゲストに引き続きの出演となる山田光(A.Sax)さん、岸真由子(Chor.) さん、 池田若菜(Fl.) さん、 福岡宏紀(T.Sax)さんを招きフル編成!この音楽はこんな軆を持っていたのかとただただ感動しました。祝祭が此処に鳴らされていました。金管の玄妙でマッシヴな音、いい。

『船』から『プラネテス』までの円盤通りの流れから1st楽曲を交えたライヴを聴きながら『音楽の拠り代』を考えました。黒澤さんの、起伏が穏やかな歌があの好奇心をくすぐられるサウンドを召喚させるような感覚というか。『シャーマンキング』に出てくる“オーバーソウル”とでもいうか、楽器を媒介にとてつもないものを呼び起こすというか。楽器演奏の肉体性と音楽の魔法性に心動かされました。

本編ラストは観客も巻き込んでの『ダンス・ダンス・ダンス』の"らららら"コーラス。そしてアンコールは新曲も。幸せな時間でした。

そして今、帰宅し、予約特典CDで『キジバト』の弾き語りを聴くと、あのとびきり素晴らしいサウンド無しでも、歌そのもの、メロディそのものに温かい素晴らしさがあるのだなと沁みました。『ビバ!』には南米的な音を感じたけど、黒澤さんの唄にも南米の空気を感じる気がしてきた…!

師走にヘンミモリさんの個展でみたエレファントノイズカシマシといい、本当にわくわくさせられる若手のバンドが続々出てきているのが嬉しい限り。今年も色んなバンドをみていきたいです◎
by wavesll | 2017-01-15 00:25 | Sound Gem | Comments(0)

演歌から日本における語り/ラップの海潮 <艶歌四人姫、JAMAAS、俵星玄蕃、ゲスそしてぼくりり>

2147 ♪ 北島三郎 名曲コラボメドレー ☆ 北島三郎&演歌四人姫 ◇ 160319


3304 SC ♪ 命くれない ☆ 瀬川瑛子・藤あや子・坂本冬美 ◇ 160709


3305 SC ♪ 舟唄 ☆ 八代亜紀・伍代夏子・香西かおり ◇ 160709


睦月が始まって早2週間。あっという間に2017年の1/25が過ぎてしまいました。
年末年始の音楽番組で何気に掘り出し物だったのがBSフジの艶歌四人姫。

坂本冬美、伍代夏子、藤あや子、香西かおりという演歌界を代表する"艶歌四人姫"がゲストたちと繰り広げる歌とトークの番組で。丁度3時間の総集編SPが流れたのです。

一番上に挙げた北島三郎メドレー(北の漁場→函館の女→帰ろかな→夫婦一生→風雪ながれ旅→まつり)なんか聴くと「サブちゃんRSRに出てくれねぇかなー!サンステージで『まつり』とか最高じゃん!」と想ったり、「瀬川瑛子ってこんな歌上手かったのか!?」と吃驚したり、「やっぱ八代亜紀の唄はブルーズ、沁みる」とすっかり魅了されてしまいました。

古臭い歌謡と想っていた演歌も、英米以外のワールド音楽も聴くようになるとフラットに好い音だなぁと。ヨナ抜きはやっぱり琴線に響くものがあります。

そんな演歌、韓国のトロットとの相互関係があったり、Asiaの調べとしての性質を持つこの音楽の新たな試みで、八代さんの新曲の「JAMAAS」があります。

JAMAAS(ジャマース) 真実はふたつ / 八代亜紀


これはモンゴルの英雄・革命家であるドグミド・ソソルバラム氏の歌う「JAMAAS」に日本語詩をつけたもので、モンゴルの草原で演歌コンサートを開いた様子が昨秋BS日テレで放送されてこれがまた素晴らしかった。
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原曲から追加された浪曲パートなんかも良くて。や~自分、三波春夫の「俵星玄蕃」なんか大好きなんです。

三波春夫~俵星玄蕃フルバージョン~


初詣で寒川神社にてお祓いをしてもらったのですが、その時も祝詞の詠唱が長崎・生月島のオラショと同じく"複数のラップが同時平行で謡われている!?"とかなり興味深いものがありました。念仏・声明から今ではゲスの極み乙女、そしてぼくのりりっくのぼうよみまでの日本におけるラップ/語りの連綿たる流れの一つとして浪曲はDig甲斐がありそう。確か「エリス」でジャパニーズ・ヒップホップの連載があった筈だけど、非HIPHOPに於ける"語り歌"の文化史は自由研究してみたいなと想いました。

Gesu no kiwami Otome「Killer Ball」adult ver.


ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Be Noble」

by wavesll | 2017-01-13 22:08 | Sound Gem | Comments(0)

Helmeto Pascoal E Grupo Live at WWW X

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渋谷WWW Xで楽聖エルメート・パスコアールのライヴみてきました!超々良かった!

サンパウロを中心に活動するドイツ・ケルン出身のトラックメイカー/DJ, Thomashの客入れ時のDJからしてハイレベルで気持ちを上げてくれて。祭(パスコアール)の準備の楽しさというか、この時間が永遠に続けばいいのにというような常春具合!そしてパスコアール・グルーポがこれまた凄腕!
最高のクラブ音楽というか、ブラジリアン・ジャズの一番気持ちいい艶がでていて。ポリリズムの奔流が明るく爽快な溌溂さで開放されていて。

エルメートのキーボード(ヤマハDX7)もぐわっと惹き付けられました!電子プログレの頃のジスモンチみたいでもあり。生涯で一番好きなBaião Malandroのあのティルティルした音の正体がトリアングロ(トライアングル)の連打な事を知ったのは最大の収穫かも。
パーカスの人超絶にヤバいなと思ったらパスコアールとコールされて。息子のファビオさんだとか。サックスの人もベースの人もドラムスの人も、ピアノの人も技が凄い!Academia De Dançasってこんな感じなのかなぁと想いを馳せました。

またエルメートが飛び道具的にヤカンや豚笛といった特殊楽器ソロするの、マッドサイエンティストの博士が自分が開発した秘密兵器を出してくるっぽくてすげーツボでw
特にヤカンはディジュリドゥぽく歌い吹いたりめっさアヴァンギャルド!水入れて吹いた時はペルーの古代楽器にも似た始原の感覚を感じました。最後の捌けはバンドのみなが豚のブーブー言う人形で音楽を鳴らして。にっかにかしてしまいました◎
このシズル感はライヴならでは!ハイレベルのその先の実験性も鳴らされて、伯剌西爾の楽団に求める最上の音でした。

ケペルさん達を交えての合奏を挟んだり、アンコールではエルメートが"この場で得たエナジーを表現"とピアノソロからバンド演奏へ行ったり充実の2時間のAO VIVO!!
これ最高のクラブミュージックだなと想ってたら、終演後もThomashが鳴らしてくれて。そしたら皆そう思ってたのか踊る踊る!最高に楽しいエピローグでした。音が止まったのは22時半頃。

WWW Xは初めてだったのですが、階段は面倒かったけど音とても良かった!新春からいい機運を味わえました^^

エルメート・パスコアール(キーボード、ヤカン、豚笛、角笛)
イチベレー・ヅァルギ(ベース、パーカッション)
アンドレー・マルケス(ピアノ、フルート、パーカッション)
ジョタ・ペ(サックス、フルート)
ファビオ・パスコアル(パーカッション)
アジュリナン・ヅァルギ(ドラム、パーカッション)


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by wavesll | 2017-01-09 11:01 | Sound Gem | Comments(0)

七尾旅人/兵士A at 渋谷UPLINK 国家総力戦の苛烈とシンプルな私人の想い

渋谷UPLINKにて七尾旅人『兵士A』を観ました。
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3時間にも及ぶALL新曲による、先の大戦から百年後までの物語で、"現代の戦争で戦後初の戦死する自衛官"を描いた渋谷WWWで2015年11月に行われたライヴのフィルム。映像作品としてリリースされたものをUPLINKが上映したのです。

壮絶なライヴでした。開始のノイズとフィールドレコーディングに乗せたギターの語りから掴まれました。物語は先の大戦で駆り出された"親爺"が炭鉱で働き、原発で働き、"僕らの光を輝かせる"時代から、311、そして"戦前・戦中"へ。ただ中盤迄は“ギターのみの弾き語りだとつまらなく、辛気臭かったり説教臭いのは厭だな”と想っていました。それでも『戦争が始まる前にショッピングモールで買い物』というフレーズは刺さって。

しかしサックスは常に良かったし、梅津和時さんが登場してからは感情が振りきれました。戦争、それも総力戦の惨禍を伝達する激情。そしてシンプルな人と人の想いあい。ギターだけでも強く心打たれて。最後の『誰も知らない』

『あの子は馬鹿だから わからないのという
どれほど望んでも 叶わないよという
ここは火事だから 残らないよという
爆弾が降り注ぎ 止まらないのという
かなしい世界は 終わらないのという
もしも願っても 変わらないよという
だけど 誰も知らない ほんとは知らない』


には心鷲掴みにされました。

政治的・社会的テーマにアーティストがエモーショナルに迫ると『現実を知らない』と唾されるけれど、立ち昇る心情こそが核で。『兵士A』は七尾旅人の『JAM』ではないかと。

“あの偉い発明家も凶悪な犯罪者もみんな昔子どもだってね” “君に逢いたくて、君に逢いたくて、また明日を待ってる”

そしてオリンピックを批判的に歌うパートにF/T 岡田利規 『God Bless Baseball』との共時性を感じたのですが、音楽はテロの速度に追いつかないといけない:七尾旅人が『兵士A』で日本に刻みたかったこと(WIRED)にてBlu-Rayの特設サイトに岡田利規のコメントがあることを知り驚くと共に納得して。

ナショナリズムと競争の一元化された栄光への嫌悪が"国際的なスポーツのコンペティション"にあるのかもしれません。

私自身も半年前リオ五輪を観ながら
スポーツの世界は階級別だし、細かくレギュレーションが決まっていてなるだけその分野では公平にしようとしているけれど、“人生”は無差別級だし、法律はあれどかなり自由度が高い。さらに言えば“競技”ですらないかもしれぬ。人生は一つの観点だけでは評価できない。そこに豊穣さを感じる。
のようなことを想いました。“私”を尊重する“公”が編めればまた違うのかもしれません。

個人的には、例えば現在のシリアの状況に対して手をこまねいて虐殺を許していいのか、緩慢な言論での対処で失われた命は戻らない、と想いながらも、それは米国の手先としてではなく、独立国となるウルトラCとして行うのが理想だと想うし、"独立"の為には経済的、或いは社会福祉という意味で痛みを受け容れる覚悟がないと出来ないと想います。

そうした意味で政治的に日本を救うためには経済成長が欠かせず、一人当たりのGDPを上げるための不効率な悪癖の打破と人間らしい生活の保障による出生率増加が欠かせないと想います。

日本政府には軍事であったり"国際的名声"を追い求めようとする前に経済成長を、その為には"私"的人生の安全網を創ることでイノヴェーティヴな起業への支援すると共に内向きでなく外へ打って出る人間作りという面で制度・空気作りに精を出してほしいと想います。

戦闘の雷撃の後に歌われた『赤とんぼ』は311の後に向井秀徳が歌った『ふるさと』を想起しました。
また『サーカスナイト』"今夜だけ生き延びたいピエロ"という詞は明確に311を経た詩だと想います。

今が戦前だとすれば、"平成"という時代が終わるとともに仮初の平和も終わるのかもしれないと感じたり、平成という不協和音が多かった時代にそれでも戦争なく生きたと愛おしさを覚えたりします。しかしそれもセンチメンタル過剰な話で。

例えばアピチャッポン・ウィーラセタクン『光りの墓』での戦争や兵士の日常性を想ったり。タイはカンボジアと領土紛争があるしアジア唯一占領されたことのない独立国。日本は零or百、いや零or兆に、不安を高めすぎている嫌いがある、というか激昂しやすく半端を許せない悪しき完璧主義で何事にも当たってしまうように想いました。

呪いの螺旋に墜ちずに、ふるさとへの自然な想いを。それを達成する一番の功労者は日々傍を楽にしていく市井の人々。その末席にいる私も自慰に陥ることなく、働きを積んでいくしかないし、オルタネイティヴな視点をそれぞれが持つことの重要性を旅人から襷を受け取った想いになりました。何より七尾旅人のエコーをかけた叫び、すげー好きだなと改めて想いました。音楽としても心打つ名演でした。

向井秀徳 - ふるさと

by wavesll | 2017-01-05 00:27 | Sound Gem | Comments(0)

正月三が日の最後は江陵端午祭巫楽(ムーダン)の炸裂音を

さて、早いものでもう1時間もしない内に三が日が過ぎ去ってしまいます。

今年の正月はスクランブル交差点で年越しするアグレッシヴさの反動からか、ほとんど家で過ごして(苦笑

音で訪ねる ニッポン時空旅 お正月スペシャルや東京JAZZ等NHK Radioを聴いたり、録画した年末年始番組をみたり、そしてTSUTAYAの10枚1000円キャンペーンで借りてきた円盤群に耳を傾けておりました。

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そんな中、の『韓国/江陵の巫楽(ムーダン)』がとても佳くて。

ケンガリ、チン、チャンゴという打楽器の金属音が炸裂。サムルノリのルーツだという江陵端午祭でのシャーマニックな音楽。歌唱は人間文化財の人だとか。キングレコードやるなー。

韓国の端午祭というと、ユネスコ無形文化遺産登録で中国と"どちらが元祖か"で揉めたりしてた記憶があるのですが、実際にこうして聴いてみると音楽として非常に良くて◎5月の祭りですが、丁度年始の爆竹っぽくていいなとw

そして流石はYoutube。映像がありました★

江陵端午祭


どうでしょう?良くないっすか!?この金物の炸裂音。
渋谷の年越しは狂乱状態で、何もしなくてもこれだからか寧ろ警察が沈静化に力を使っていましたが、こんな感じの爆竹というか、台北101みたいな花火をやってくれたら最高だなー。まぁ、あれ以上盛り上がっちゃうと暴動みたいになってしまうという恐れは解るので、無理は言えないけれど。

と、2017/2018の事を今から話すなんて鬼に笑われますね(苦笑 一つ一つ、一日一日を丁寧に踏みしめていきたい三が日の終わりでした。
by wavesll | 2017-01-03 23:19 | Sound Gem | Comments(0)

うつらうつらと雅楽 武満 徹:秋庭歌一具 & ヴェトナム雅楽:Nhã nhạc cung đình Huế

正月二日目は気を抜いてたらぐっすりと寝正月やっちまいました。正月睡眠のお供だったのは雅楽でした。

武満 徹:秋庭歌一具

**♪武満徹:秋庭歌 一具 / 東京楽所(伶楽舎)

ノヴェンバー・ステップス等で名高い日本の現代音楽の巨匠、武満徹さんが本格的な雅楽を作曲していたことを年末のETVで知って。

この2本の映像、共に伶楽舎によるもので、上の演奏映像付きはノイズも乗っていたので、下の音楽のみのものもつけました。

現代的なセンスによって編まれた雅楽。なんと宮廷でも演奏されるという"本物の雅楽"でありながら、その調べは幽玄なる彼岸に霊魂が解き放たれるような美がありました。

夜半にあう音楽でもあり、白昼夢に視た幻のようでもありました。
クラシックが好きな人やエクスペリメンタルが好きな人、ドローンやエレクトロニカが好きな方にもお薦めできるような雅な音でした。

さて、夜の帳が下りた後聴きたくなるのが秋庭歌一具だとしたら、かたわれ時の前、日の時間に聴きたいのがヴェトナムの雅楽であるニャーニャック。
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KING RECRDS『ベトナム古都フエの雅楽(ニャーニャック)』は年末年始に代官山蔦屋書店で10枚1000円レンタルやってたので聴いたもの。ニャーニャックの他ニャックレーという儀礼音楽も棚にあり、かなりよかったのでした。

Nhã nhạc Cung đình Huế-(Full)


これがベトナム古都フエの雅楽:ニャーニャック。まったりとした味わいを愉しんでもらえたら幸いです。

2016年香港四川奈良台北と旅し、Asiaの中の日本の姿をみた年でもありました。今年は朔日のサントゥールを始めとしてもっと見聞の範囲を拡げ、Asia大陸・島嶼を識っていけたらいいなぁなんて想っております。中東の他、東南アジアもかなり魅力的。

一介の旅人として、風に狂えたら、こんな幸運なことはないかもしれない。その為にこの日本の地で、地道な働きをしていく所存です。
by wavesll | 2017-01-02 18:46 | Sound Gem | Comments(0)

平成28年のListening Experience

本日は大晦日。毎日この時期になるとベストアルバム企画などをやるものですが、自分のリスニング記録として去年に引き続き音楽体験の2016年回顧を記そうと想います。

Best Album
Chance the Rapper- Coloring Book


Noname - Telefone (Full Album)


Andrés Beeuwsaert "Andrés Beeuwsaert"
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Best Song
Rihanna - Work (Explicit) ft. Drake


毛玉 - ビバ!


入江陽 - おひっこし (Lyric Video)


最初に挙げるのは、今年リリースされた音源たち。
今年の最も印象に残る音楽ムーヴメントはTLに流れてきたシカゴでのフリーライヴから米大統領選挙投票所へのパレードでシンガロングされるChance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne - No Problemでした。

今年はBrexitとTrump勝利で大きく世界の軋みが顕在化した政治的転換の年。結局現実に政治的勝利をリベラルは出来なかったのですが、これから締め付けが厳しくなるにつれてどんどん音楽が力を増していくことを予見させる瞬間でした。

今年はフィメール・ラップの年だったとも思います。NONAMEも素晴らしかったのも勿論、DAOKOMoe and Ghosts & 空間現代 も素晴らしい作品をリリースしてくれました。一方漢のHIPHOPではBuddha Brand Live @柏まつりは得難い体験でした。

今年はHIPHOP以外もフィメールミュージシャンの勢いを物凄く感じた年でもあって。ベストソングに選んだリアーナの『Work』はとてつもない楽曲だし、サマソニでみたSavegesもロックの勢いを感じました。

去年に引き続きベストソングとして挙げた入江陽はBon Iverに匹敵するくらいの楽曲で。そしてまだレヴュー書けてないのですが毛玉の2ndは日本の音楽の高い到達点な作品だと想っています。エルメート・パスコアルにも通ずる浮遊感と展開。

そしてアンドレス・ベエウサエルトは一度見てみたくて。八月に根津教会でLIVEを観る機会があり、改めて一番未来を感じる音楽だなと想ったというか、クワイエット・コーナー的な潮流と南米のエッセンスが究めて"今の感性"に感じたのでした。

J Dilla・ビートの浸透
ここからライヴも交えての個人的音楽潮流の感想を。

今年日本の音楽でJTNC的なセンスでのバンド達が大きな潮だったと想います。
私自身年始に見たMark Guiliana Jazz Quartet @Cotton Clubのドラムには度肝を抜かれて。David Bowie 『★』で一気にこの感覚が伝え拡がった気がします。

その後で色々興味深く足を赴かせたのですが、段々J Dillaなビートのもたれをするだけではレッドオーシャンになってしまっているなぁとも想ったのでした。マークジュリアナの衝撃があまりにも凄すぎたのもありました。

その上で"このプレゼンテーションは凄いな"と感じたのがROVO live at 代官山UNIT。私は2日とも行ったのですが、最終日のアンコールでリズムの撓みを感じ。それはビートの揺らぎでなく上モノを撓ませていて。飛び切り洒脱に感じたのです。2013年のロザリオス活動休止ライヴでガレージ・ジャズロックにディジュリドゥを入れることでダブステップ的な音像を体現したのを目撃した以来の、最新モードに対するヴェテランの技を感じたのでした。

ROCKの揺り戻し
さて、私にとっての2016年はROCKが再び面白くなった年でもありました。

今年のBEST LIVEはArca@Womb
夥しい人塊に圧縮されながら、まさに狂乱のライヴ体験。Arcaは本物のロックスターだと圧倒され、今一番ROCK的な破壊力をもったActはこの表現なのかもしれないと開眼させられました。

そして、これは旧譜になるのですがJulian Casablancas + The Voidz - Tyrannyのダーティーで混沌とした音にロックの革新を感ぜられて。ここ数年は"無難なロックじゃ楽しくない"と想っていたのですが"ロックまた面白くなってきた"という嬉驚を感じました。

上で女性ミュージシャンが活躍した年だったと書きましたが、Frankie Cosmos - Much Ado About Fuckingラブリーサマーちゃんインストアライヴ at 新宿タワーレコードでみたエレキギターでの弾き語りは純核音楽としてのROCKを鮮やかに鳴らしていたと想います。


ライヴでもROVOも良かったし、Godspeed You! Black Emperor's live at Shibuya DUO MUSIC EXCHANGEは今年描いた音楽の感慨で最も感動が現れた文章だなと想います。

そしてRadiohead live at Summer Sonic2016には圧倒されました。『A Moon Shaped Pool』の冒頭、Burn The Witchのストリングスの気持ちよさ。『AMSP』は一時期一番聴いていたアルバムで、このクラシック方向のアプローチは、個人的には今年題名のない音楽会が一番楽しみな音楽番組になってきたりFreiburger Barockorchester concert at Toppan Hallに感動したりしたので、とても共響したのでした。

初夏の辺りはSpinettaの『KAMIKAZE』と共に『The King Of Limbs』に嵌っていたし、今年はレディヘに(漸くw)本格的に嵌った年だったかもしれません。

アルバムとしてはKING CRIMSONの高松のLIVE盤Bunkamuraで生で見たのを超えるような凄味があったし、今年のライヴ納めも笹口騒音&ニューオリンピックス/タテジマヨーコ/水中、それは苦しい インストアライヴ@錦糸町TOWER RECORDSで〆、"やっぱROCKいいな"と想った壱年でした。

後、これからどうなってしまうかは分からないけれど、ゲスの極み乙女の新曲"シアワセ林檎"、今の邦ロックでは頭一つ抜けた境界を交えていく美曲だったので、このまま消えないでまた浮かんで来ることを期待します。

日本の音楽を求めて
今年は個人的には日本の音楽を聴き深めた年でした。


深めるのに二つの方向性があって。
一つは自分より世代が上の人の音楽を聴いたこと。
はちみつぱいJAGATARAINUFlower Travellin' Bandジャックスetcetc...

私は20前後の頃は"90年代後半が日本の音楽では最高"と想っていたのですが、全然そんなことないなと驚嘆の体験でした。特にはちみつぱいの今年出たライヴ盤はフィッシュマンズの新ライヴ盤にも迫るクオリティで、それは相対性理論に受け継がれているとも感じました。

そしてもう一つは日本の伝統的な音楽の面白味をDigった年で。
主にタワレコ渋谷店のカツオさんプレゼンツの熱い音ライヴのおかげでとっても音楽充が出来ました。

OKI & 沼澤尚インストアライヴ at 渋谷タワーレコード
MAREWREW インストアライヴ@渋谷タワーレコード
朝崎郁恵 with マブリ インストアライヴ@渋谷タワーレコード
これらレジェンドの他、現代に民謡をアップデートしたという流れで
アラゲホンジ LIVE at 渋谷タワレコ!!!!!馬喰町バンド インストアライヴ@渋谷タワレコそしてすみだ錦糸町河内音頭大盆踊りも素晴らしかった。

そして…ジャパニーズトラディショナル音楽体験で一番大きかったのは△Animal△Vol.8 ~アニマル民謡 at Bar Bonoboでの俚謡山脈民謡DJ Set。
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完全に民謡がゴロっと回されて、それでグルーヴが凄くて!これには仰天しました。俚謡山脈さんプレゼンツでSoi48 Vol.20 神弓祭 - 弓神楽 Release Party! at 新宿Be-Waveにも行ってきたりXmasにオラショを聴いたりもしました。

今年の日本のバンドのライヴで特徴的だったのが特殊な楽器を使ったアクトが結構あって。相対性理論や馬喰町バンドもとても面白いリスニング体験だったのですがBand of Eden インストアライヴ at 渋谷タワーレコードで鳴らされたダクソフォンという楽器は衝撃的でした。海外勢ではオレカTXのチャラパルヤという楽器が面白く、海外のヴェテランの活躍でいう点ではPaul Simonのclap! clap!等をフィーチャリングした新譜が素晴らしかったです。

WORLD音楽
今年も世界中の数多の音楽で楽しい聴験が出来ました。

音体験という意味でもBunkamuraでみたヤン・リーピンのシャングリラは破格の体験で。四川で蔵謎をみれたのも嬉しいサプライズでした。

Asiaの音楽では、中東シリアの伝統音楽を演奏したAFRICA EXPRESS PRESENTS THE ORCHESTRA OF SYRIAN MUSICIANS WITH DAMON ALBARN AND GUESTSと電化ダブケの雄、Omar Souleyman live at Studio Coastは音の刺激に大いに高揚しながらも祈る気持ちにもなりました。

そしてジャマイカでイマ一番熱い男CHRONIXX JAPAN TOUR @川崎クラブチッタとパキスタンmeets爵士Sachal Jazz Ensemble@東京JAZZ、ウルグアイの巨匠Dos Orientales (Hugo Fattoruso & Tomohiro Yahiro) インストアライヴ @ディスクユニオンJAZZ TOKYOはずっとみたかった星群で。本当に目撃できたことに幸運を感じて。エグベルト・ジスモンチ ソロ ~ナナ・ヴァスコンセロス追悼コンサート~@練馬文化センターも胸を打ちました。

2016年は世界のSSWも素晴らしい音楽体験を与えてくれました。

エストニアの吟遊詩人でありmulti奏者:Pastacasイ・ラン (이랑 / Lang Lee)インストアライヴat 渋谷タワーレコードには心の深いところを奮わされました。


そして広義のワールドミュージックという意味ではLes BaxterのExoticaも楽しかった。桑田佳祐 - ヨシ子さんのゴッタ煮・ムジカ・デ・エル・ムンド振りも嬉しかった。

さらに今年の最後を飾ったのはタイの音楽でした。
Soi48関連からのMonaural mini-Plugも素晴らしかったし、アピチャッポン・ウィーラセタクン 『光りの墓』―現実と霊性の間を描くまこと見事な手腕は今年の中で飛びぬけた音楽体験でもあって。

『光りの墓』のタイ語柔らかな響きと自然音のハーモニーは、年始に訪れた香港・バードガーデンで「このチャイ語と鳥声をフィーレドレコーディングしたいなぁ」と想ったものをさらにエッセンシャルにしたマリアージュだったし、今年は『新幹線大爆破』『夕陽のガンマン』を始めとして映画音楽に愉しませられた年でもあって。さらにはこの『光りの墓』の柔らかな明かりは、アンドレス・ベエウサエルトにも通じる10年代後半のモードを鮮やかに響かせている気がし、今年を象徴する特別なフィルムでした。

今年のフィールドレコーディング・エクスペリエンス
香港旅行で味わった鳥声とチャイ語の交わりと急かすような信号音とチャイ語の混ざりは今年の録音したいNo.1でした。

また尾瀬歩きでのオーバルな鳥声と愛知トリエンナーレでのChris Watsonによる彼の故郷イギリス北西部シェフィールドから愛知県鳳来寺山に至る最短コースの円周上にある9地点の音を20数個のスピーカーで鳴らした42分の作品そして東京藝大音環 卒展・修了展のサラウンド作品は360°を超え球形の音響体験で、VRとか4DXのような"これからの音響のフロンティア"を感じさせてくれました。

フィールドレコーディングでいうと
Sports Fieldrecording スポーツ音響楽曲群
The Vegetable Orchestra・おみそはん・Yosi Horikawa・NANTAのお料理音楽
鉄道音楽III両集
なんて企画もやったりしました◎Chassol食品まつりのように採音的なセンスを持ったPLAYも出現し、来年あたり愈々一気に爆発するかも。

そして、今年最も心に残ったリスニング体験は
宇多田ヒカル / 忘却 featuring KOHH を聴く海景

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由比ガ浜の夜半、海の響きが染み渡るイントロとアウトロ、音楽と酒や絵をマリアージュしようと色々試行錯誤しているのですが此の波音から楽曲が立ち昇り、そして波音へ還っていく体験はこの曲の本来の姿はこうなのではないかと想う位の特別な体験となりました。

また来年も素晴らしい音楽に出逢えることを期待して。そしてすべての音楽家に感謝を。
ceroのサルサや鳥声なライヴでの音像には2017年へのNEW MODEがもうキックオフしているのだと感じます。
この星でまた365日鳴り響く音楽がとっても楽しみです◎

皆様、本年もありがとうございました。良いお年を^^
by wavesll | 2016-12-31 17:59 | Sound Gem | Comments(0)

笹口騒音&ニューオリンピックス/タテジマヨーコ/水中、それは苦しい インストアライヴ@錦糸町TOWER RECORDS

晦日にライヴ納めで錦糸町へ行ってきました。
笹口騒音とニューオリンピックス、タテジマヨーコ fromハラフロムヘル、水中それは苦しいの合同インストアライヴ。

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タテジマヨーコ - お外はつらいよ / Feb.5 2012 @世田谷ものづくり学校


タテジマヨーコさん、初めて知ったのですが、物凄く良くて。Linda Perhacsの様な聖性の憂いがある歌声、素晴らしかった。宝籤を買うならアルコールを一缶買う、みたいな曲では賑やかな感じも。彼女をみれたのは嬉しい驚きでした。

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笹口騒音&ニューオリンピックス!これ好きだなー。笹口騒音さんはホント信頼をおける表現者で、ROCK!ぐるぐるTOIRO 2015以来のギグ、楽しかった!フリースタイルラップのような矢継ぎ早なポエトリーリーディング/ラップロックの歌や、星野源・SMAPいじりもMCともども面白かった◎

笹口騒音&ニューオリンピックス - NO! 2016.12.11 ぐるぐるTOIRO


笹口騒音&ニューオリンピックス - NO MUSIC, NO DANCE(MV)


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水中、それは苦しい「仕上げはおじいさん」PV


水中、それは苦しい。名前は知ってたけど生は初めてで。ジャンル的には青春ロックなのだと想うけどヴァイオリンが新味があって。そしてジョニー大蔵大臣さんのシャウト、この感覚いい!個人的には今年はロックの揺り戻しがあった年で。最後にこんなイカした合同インストアライヴ聴けて幸せでした◎
by wavesll | 2016-12-31 13:09 | Sound Gem | Comments(0)

Steady&Co. / Only Holy Story Xmas前々夜に

only holy story steady&co.


Xmasは名曲が多く生まれた日。今年は山下達郎より稲垣潤一をよく聴いた気がします。
この歌がXmasソングのスタンダードになって欲しいなぁなんて想う楽曲がSteady & Co.の『Only Holy Story』で。

絶頂期にあったDragon AshのKJがスケボーキングのSHIGEO、RIP SLYMEのイルマリ、そしてBOTSと組んだクルーで、春夏秋冬STAY GOLDが入った『Chambers』は当時のインタヴューで「時間がたっても聴けるようなアルバムをつくれた」と語っているのが印象的で。

そして、あれから十数年が経って、Spotifyで『Chambers』を聴いてみたのでした。

『VIVA LA REVOLTION』直撃だった自分は、Dragon Ashは格好良くて惚れたんだけれども、パクリ話とか、イケてる感じがいけ好かなかったりしてRIJFでアースのDAの裏のレイクのSFUみたりとなかなかに捩子くれた思い出があったのですが、改めて聞くKJ達のラップは"今聞くとちょっと平板だな"と感じつつも爽やかなグッド・ミュージックとして響きました。

その中でも『Only Holy Story』は白眉で。まずメロがキラーだし。
今回初めて歌詞を読んだのですが、付き合っていた彼女とのXmasから、もう別れかけるXmasに湧いてくる想いまでが描かれているのですね。日本のXmasソングはひとりぽっちのクリスマスからこれまで寂しい想いでの切ない曲が多い印象がありますが、これもそんな伝統に連なる一曲なのだなと想います。本当にXmasソングのスタンダードナンバーにならないかな。時を越える魅力がある歌だと想います。

素敵な曲でイヴの24時が回ったら、Merry Xmas.
by wavesll | 2016-12-24 00:57 | Sound Gem | Comments(0)

ザ・ペンフレンドクラブ インストアライヴ@新宿タワーレコード

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The Pen Friend Club "Tell Me (Do You Really Love Me?)" / ザ・ペンフレンドクラブ


新宿タワレコにThe Pen Friend Clubを観に行ってきました◎

凄好!横浜タワレコの試聴機で気になってたからみれて嬉しかった◎“この音楽を愛してる!”って気持ちが伝わる好パフォーマンスでした。それにしてもインストアライヴで15曲+アンコールの1時間超えって大盤振る舞いは初めてみたw!

60sのオールディーズと初期ロックという音楽の一番弾けた魅力に噛り付けました。山下達郎のカヴァーや洋楽の名曲のカヴァーとオリジナル曲でたっぷり一時間。陽るく快い時を過ごせました。The Beach Boysを感じるなと想ったら、公式サイトでも音楽性は主にThe Beach Boys Phil Spector周辺の60年代中期ウェストコーストロックとのこと。超王道だけどこの感じは逆に今なかなかない。フレッシュな気持ちにさせてくれました。

Sound Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ


Spirit Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ


Season Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ 【3rd Album Trailer】


Wonderful World Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ 【4th Album Trailer】

by wavesll | 2016-12-17 15:48 | Sound Gem | Comments(0)