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『ジョンの魂』をYoutube Eraに聴く

John Lennon Plastic Ono Band (full album,1970)


鐘の音が響く、『Mother』が始まる。言わずと知れたジョン・レノンの名盤『ジョンの魂』。これに初めて触れたのは中高生の時期でした。まだロックというものが具体的になにかも分からず(今も"ロックって何か"って分かりませんが)、でも何かとても純粋な気持ちをこの音に感じたこの盤。

今聴くと、レノンのヴォーカルの魅力に驚かされます。声一つでこんなにも表現できる人がいるなんて。そして"メッセージ・ソング"であること。ロックが社会的な意味で娯楽だけにならない、気骨があって、宮台ではないですが今は『正義から享楽』になってきている気もする中、40年前ってこうだったんだなぁと。

ただそれ以上に感じたのはこの音源がYoutubeにあることのうってつけ感。このサウンド、言ってみるととても現代的というか、今のYoutubeの音に感じました。

それはベースが全然聴こえない、この音づくりがTake Away Showやアマチュアミュージシャンの弾き語りにも似た"低音が効いてない感触"をもたらしてるからかもしれません。

「21世紀は音楽の進化は止まってるよ、90年代の音を聴いてもまるで今と違和感ないじゃないか」という人もいますが、Mステとかでさんざんやってる90年代の音楽を聴くと、今の音楽と比べてベースの重低音がまるで効いてなくて。この20年でベース・ミュージック、リズムの進化・改良・創新は相当進んだと想います。

一方で、PCやスマホで音楽を弾き語り配信する人が本当に増えたのもこの10年。当然再生装置もPC・スマホであって。そこで鳴らされる音に、この『ジョンの魂』が呼応する気がしたのです。いわば最強のYoutuberというかYoutube Eraのフェティッシュを音像に感じました。

シンプルな構成だからこそ、歌の魅力が突き抜けていることも、そして楽器の音がまたジャストにいい音色。カットインやSEのエクスペリメンタルも。時を経ても色褪せないばかりか寧ろ現代性を持つような音。十代のあの頃も、今も、ジョンの魂に触れると純粋な精神に、陽光に触れた思いがし、改めて稀有な盤だなと想いました。
by wavesll | 2017-04-23 09:35 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

原田仁の轟声とナスノミツルのベースドローンソロ @Dommuneに於ける深宵の闇の豊饒さ

原田仁(Hearts&Minds -from ROVO-)@ 黄金町 試聴室その2 2014 11/7


「Rain maker」  Nasuno Mitsuru ナスノミツル


iwamakiさんのDJ Playで幕を開けた「HARD CORE AMBIENCE」。その夜の深々とした静寂に異界へ這入っていく感覚。

iwamakiさんの次は"この音聴いたことある"と想ったらshotahiramaさん。POST PUNKなノイズにレゲエを挿入したりしてまた変容が起きていて。

そしてこの日の最大の新領域は原田仁さんのソロ。
轟声とでもいうか、発声でノイズを撒く様は初めてエレファントカシマシ「ガストロンジャー」をみた時のような鮮やかなサプライズがありました。

そしてその次のナスノミツルさんの演奏はベース・ソロとは思えないような出音!ベース自体が新インターフェイスとして次元を開いていて。逆に"今キーボードでPCに打ち込んでいるけど文字入力をギターでやったり、逆にこのQWERT鍵盤で音楽を演奏しても面白いかも"なんて想いが湧きました。

その後の純粋なノイズ・サウンドで入眠してしまいwで、夜明け前にこんな文章を書いてます。

DOMMUNEの5時間SPの時は夜の深みを感じれて好きで。TVみてると23時でも19時位の気分だけれど、今夜の始まりのiwamakiさんのplay聴いてたら19時台にもかかわらず22時~24時台の心持ちだったというか。グリニッジ的な時刻でなく心的に本当の深夜を味わう、深宵の闇の豊饒さに潜っていく夜でした。

cf.
nausea 3 - shotahirama chris watson Highrise -

Noisy 3 - 花電車, Jerzy Skolimowski / The Shout, Ametsub & shotahirama play @渋谷タワレコ
by wavesll | 2017-04-19 04:43 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Hans Zimmer Live at Coachella2017にみるフェスでの劇伴音楽奏演のエクスクルーシヴな可能性

Hans Zimmer - Inception - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Pirates - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Lion King // Coachella 2017 Weekend 1


Hans zimmer live at coachella 2017 music from the gladiator


Hans Zimmer - The Dark Knight - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Youtubeで放送されたCoachella2017、3日間とも早起き・夜更かし・寝落ちしながら愉しみました。

巻き戻しが可能だったため、初日のThe Lemon Twigs, Bonobo, Samphaのどれも好演を楽しめたし、Mac Demarco、Grass Animals辺りはこのライヴで好きになって。

ただどうにも時代の波とあってない人間なのかThe XXとBon Iver、Kendrick Lamar、Keytranadaも良さは分かるんだけどGrouploveLocal Natives、そしてかなりの掘り出し物だったJack Garrattなんかが良くて。Future Islandのおっちゃんは最高だったし、自分はロックが好きなんだなぁと。けれどもLady Gagaはチト古く感じて。逆にNew Orderの方が良かったり。

スムースエレクトロとでもいえばいいのかアレ系は若干食傷気味だったのですが、Francis and The Lightsは初日のベストアクトクラスに良かったし、exEDMのPorter Robinson & Madeonは琴線に触れました。

しかしそれらを素っ飛ばす断然トップに良かったのがHans Zimmer!!!!
上に掲載した『インセプション』の出だしでインディクラシカルをBeyondしたSteve Reich『Tehillim』並みのクラシカル・ミクスチャーをガツンと鳴らし、そこからの『パイレーツオブカリビアン』のチェロのお姉さんの熱演!更には『ライオンキング』の生歌!これにはテンション昂!

そしてあれよあれよという間にファレルまで出てきて反則技的な豪華さ!最後はハンス爺自らピアノも。素晴らしすぎたライヴでした。このライヴを観たという人とはゆくゆくまで美味い酒が飲めそう◎

映画音楽畑の人がフェスに参加するというのはスペシャルな感覚がありました。日本でもフジロックやTaico、RSR、荒吐等が川井憲次とか鷲津詩郎光田康典植松伸夫辺りをオーケストラ・セットで招いても面白い。一番可能性がありそうなのは東京JAZZだけど、ロックフェスの時空間でみてみたいなー。

映画音楽自体にも最近面白味を感じていて。劇伴という制約が寧ろ音楽の創造性を上げていて。以前DOMMUNEでエンニオ・モリコーネ特集とかやっていたけれど映画音楽縛りのクラブイヴェントとかあったら是非行ってみたいし、ハンス・ジマーが来日公演やるときは絶対馳せ参じたいなと想った次第でした。

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cf.
◆長谷川等伯『松林図屏風』X Silence (Original Motion Picture Soundtrack) 第27回音の貝合わせ

◆霧中行 American Beauty Original Soundtrack by Thomas Newman
◆『新幹線大爆破』 劇は世につれ男の色気は挑みにつれ
◆第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
◆Grand Budapest Hotel Original Soundtrack
by wavesll | 2017-04-18 07:13 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Klein / ONLY -Cocktailの様に新しい知覚を呉れるVapor Rhythm & Blues

Kein / ONLY (bandcamp link)
c0002171_2193960.jpgele-kingのレヴュー
ソランジュがサイケデリックR&Bと呼ばれるなら、これはもうフリーク・アウトR&Bとでもいうしかない
と書いてあって興味をそそられた、ナイジェリアにルーツを持ちLAとロンドンとラゴスで活動するシンガー、Kleinのこの作品。

一聴しIsis Giraldo {aka.chiquita} / PADREの初聴きに比するようなその新味にまず心惹かれて。

無論音楽のジャンルとしては全然違い、あちらがクラシック声楽に達したジャズなのに対してこちらのサンプリングが無造作に、しかし調和を保ったようにカットインされる様はVaporwaveを経過したインディR&Bといった様相。

こういう新しい音を響かせる魅惑は、案外鯣にはなりずらかったりするのですが、少なくとも通しで4度聴いても鮮度は落ちませんでした。$6だから、カクテルでも洒落込んだ気になれば満足かも。少なくとも美味いカクテル4杯分くらいの快楽はもたらしてくれました。

語りとラップと唄がシームレスに流れゆくのは最近の潮流ですが、まだこの分野、新雪のフィールドが残されているのかも。そう感じさせてくれる名盤でした。USBとヴァイナルで出たらしいけどCDでも出してほしいなー無理かなー。
by wavesll | 2017-04-11 21:29 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

MonoNeon / SELFIE QUICKIE 2WOOO 跳ね回るGenius Bassist

MonoNeon / SELFIE QUICKIE 2WOOO (Bandcamp)
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毛玉のいしくろさんがTwitterで推されていたMonoNeon.

Dywane "MonoNeon" Thomas Jr.はPrince最後のベーシストで、メンフィスに生まれ4才から独学でベースを弾き始め、バークレーでDavid Fiuczynskiに音楽を習ったそう。

ジョン・ケージとメイヴィス・ステイプルズ、シュトックハウゼンとアルバート・キング、ヤニス・クセナキスとボビー ・ウーマック等、R&Bから現代音楽まで縦横無尽に跳ねる音。『John Cage on Soul Train』なんて作品もつくってます。

いしくろさんも"ピノパラぽくもThundercatぽくも弾けるのに、自分のソロとなるとテクを封じ、こんな調子でおかしな音楽ばかり作っているので好感度が高い"と"Thoughts In The Morning Time"を紹介されていましたが、そのサウンドは変態と天才を兼ね備えてる感じ。

私もすっかり嵌ってしまってSpotifyで聴きまくってしまいました。どうやらまだフィジカルリリースはしてないみたいですが、冒頭に載せた2017年作『SELFIE QUICKIE 2WOOO』とか最高すぎて早くも本年Best出たんじゃないかってくらい気に入りました。自在に蠢くベースとクリック音の連動が気持ち良すぎる!一回LIVEみてみたいな~!!!
by wavesll | 2017-03-31 19:31 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

yMusic ーBrooklyn発、Indie Classicalの俊英

Eleven


Son Lux: Beautiful Mechanical (yMusic)


TwitterやMikikiで八木皓平さんが推しているのを見掛けた「インディー・クラシック」というジャンル。

Pitchfolkにも2012年にMaking Overtures: The Emergence of Indie Classicalという記事がありました。ポスト・クラシカルがエレクトロニカやポストロックに影響を受けたクラシック的音楽とするとインディークラシックはもっと明るいポップスやインディーロック的な音楽との融合とのこと。

今年に入って雑誌LATINAで取り上げられたりして、愈々ブレイクかと想っていた處に成田佳洋さんのTwitterで紹介されていたyMusicというIndie Classicalのコレクティヴが素晴らしくて(今はバンドの事をコレクティヴって言うのですね)。

yMusicはブルックリンを拠点に活動する、管弦6人によるチェンバー・アンサンブル。NYP(ニューヨーク・フィルハーモニック)のメンバーを中心に、それぞれが多彩なキャリアと活動範囲を誇るリサイタリスト/編曲家集団である。インディー・ロックやジャズに至るジャンルを越えた先鋭的アーティストたちとの共演も多く、<インディー・クラシック>シーンの中核として多方面から注目を集めている。2011年作『Beautiful Mechanical』、2014年作『Balance Problems』はともに、タイム・アウト・ニューヨークが選ぶ<クラシック・レコード・オブ・ザ・イヤー>の第一位に選出。グループとしての共演歴を挙げるだけでも、ベン・フォールズ、アノーニ(アントニー&ザ・ジョンソンズ)、スフィアン・スティーブンス、ダーティー・プロジェクターズ、ホセ・ゴンザレス、ボン・イヴェール、マイ・ブライテスト・ダイアモンド…といった人気アーティストとの録音、ツアーでの共演も多数。2016年にはNYの殿堂カーネギー・ホールでもコンサートを敢行、ソールドアウト。いまやNYの幅広い音楽シーンにおける最注目グループのひとつといっても過言ではない。(NRT)
という音楽集団。

yMusic - Music In Circles (Official Video)


ギターのカッティングのような弦の響かせ方がRadiohead / Burn The Witchを彷彿とさせます。ここ数年私自身の関心もクラシックというか、オーケストラやチェンバー・ミュージックへ行っていたのもあり、面白く聴けました。

実は数年前から「インディークラシック」というジャンル名は見掛けていたのですが、Tyondai Braxton / Central Marketとかも含まれるとか、一時期の邦楽の「シティポップ」みたいにかなりざっくりした括りなんだなと想っていました。

そこにyMusicを認識し、Indie Classicalの真打と言うか、まさに名は体を表すコレクティヴが存在するのだなと。

彼らはBen Foldsと組んでアルバムを出したり、或いはPaul Simonと共にフェスに出たり。現在のブルックリンの先端のグループと言うのも頷けます。

Spotifyでも2011年の盤『Beautiful Mechanical』と2013年の『Year of the Dragon』が聴けます。NRTから今出ている『First』Soundcloud上にある『Balance Problems』と合わせて楽しみたい。個人的にはアルバムだと『Beautiful Mechanical』が好きです。

ジャンルの壁を越えたクラシックとして先日オペラシティで聴いたSteve Reich 80th Anniversary『Tehillim』に心臓を撃ち抜かれたのですが、今また新しい流儀で奏でられるクラシカル音楽の潮流に今後とも耳を澄まして行きたいです。

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by wavesll | 2017-03-15 06:37 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Grand Budapest Hotel Original Soundtrack

The Grand Budapest Hotel Original Soundtrack #32 Traditional Arrangement 'Moonshine' OST BSO


The Grand Budapest Hotel Original Soundtrack #31 Kamarinskaya OST BSO


Grand Budapest Hotel ost


ウェス・アンダーソン監督による『グランド・ブタペスト・ホテル』をみました。
御伽の国のような可愛らしく洒脱な映像で繰り広げられるコンシェルジュの冒険譚、大変楽しめました。

ここ2・3年の嵌りゴトなのですが、映画音楽に惹かれる様になりまして。
この映画もエンドロールを始めとして、中欧・東欧のエキゾ・ヨーロピアン音楽がとても愉しくて。

YoutubeにO.S.T.があがっていて今聴いているのですが、やはり最高。

この西欧と中東が融け合った狭間の音はどこの国の音なのだろう?とWebを回遊してみると、
音楽もユニークな『グランド・ブダペスト・ホテル』(Figaro.jp)
という記事が。

曰く
アンダーソン監督とスタッフは、東ヨーロッパを旅して歴史あるホテルを多々取材し、最終的には使われていなかった百貨店をアンダーソン監督特有の色遣いやエッセンスを加味して改装(中略)音楽に関しても時間をかけて独創性に富んだ音楽を研究し、自ら命名した"ズブロウキアン・ミュージック"を完成させ

たとのこと。

映画のプレスリリースによれば、作曲を依頼されたアレクサンドル・デスプラは従来のオーケストラ用の楽器を一切使わず、バラライカ(三角形の本体に3本の弦を張ったロシア産のマンドリンの一種)やツィンバロン(ピアノの原形で、弦をハンマーで叩いて音を出す打楽器ハンマー・ダルシマーの一種)などを取り入れたそう。彼の言葉を引用すると、「中部ヨーロッパのイメージにするために、モルダビア人のシンバロンからアルペンホルン、ヨーデルや修道士の歌、バラライカまで様々な音を使った」、「魂のこもった、いつまでも耳に残る音を組み合わせ、明るい気持ちから暗い気持ちまで様々な感情を網羅した。キャラクターの過去や将来、心に秘めた思いを表現するために、プロとして一度もやったことのない実験的な音楽を作曲した」とのこと。アルペンホルンとはアルプホルンとも呼ばれ、離れて位置する村と村とのコミュニケーション手段として活躍してきた金管楽器のことです。サウンドトラックでは全32曲中、彼が28曲を手掛け

たそうです。

ツィンバロムというと、1月1日に漱ぐ 清冽なイランのサントゥールで取り上げたイランの楽器サントゥールがその原型。ここら辺から"ちょっと中東の香りがする"と想ったのかもしれません。

フィガロのページには
アンダーソン監督が、「私とランドール・ポスターが発見し、この映画の音楽を作り上げる際にヒントにした音楽の一部を下記に列記しておく。これらの音楽は、いずれも作品に独特の色合いを与えている」と
記したオンガクの動画も載っていて、いい記事でした。

お洒落泥棒サンだけでなくミュージックラヴァー達にも『グランド・ブタペスト・ホテル』、お薦めです。

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cf.
◆長谷川等伯『松林図屏風』X Silence (Original Motion Picture Soundtrack) 第27回音の貝合わせ

◆霧中行 American Beauty Original Soundtrack by Thomas Newman
◆『新幹線大爆破』 劇は世につれ男の色気は挑みにつれ
◆第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
by wavesll | 2017-03-14 21:18 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

YMO集団弾き逃げ -公共の楽器という概念

コジマ電気で「東風」を集団弾き逃げ


ベスト電器で「ライディーン」を集団弾き逃げ


コジマ電気で「千のナイフ」を集団弾き逃げ


弾き逃げなる行為、音楽のゲリラ活動でYMOっぽさある。
ドキュメント72時間「宮崎 路上ピアノが奏でる音は」でも感じたけれど、"公共の楽器"って概念自体が眩しい。スポーツでもそうだけど、"鑑賞"と"実演"の間にある壁を取っ払うのはアート行為だと想。
by wavesll | 2017-03-08 03:19 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

雛祭りはThe Books "A Cold Freezin' Night"

The Books "A Cold Freezin' Night" Video


音楽歳時記、ひな祭りに挙げたいのがThe Booksの"A Cold Freezin' Night".
"私が男の子だったらいいのに"って想うような女の子の為にひな祭りに音楽が鳴らされたっていい、そんな子に捧げたい。

ミュージック・コラージュの雄・The Booksはもう解散してしまいましたが、また再結成とかしたら後追いの私は嬉しくなって馳せ参じてしまうと想います。
おもちゃ箱がひっくり返ったようなサウンドに童心が刺激されます。

彼らのALだと私は日本の音声がサンプリングされたこの円盤が一番好きです。
ひな祭りにレモンパイなんてのも、甘酸っぱい思い出になりそうですね。

The Books - The Lemon of Pink (full album)

by wavesll | 2017-03-03 20:16 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Steve Reich 80th Anniversary『Tehillim』at 東京オペラシティ

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初台の東京オペラシティホールにスティーヴ・ライヒの『テヒリーム』を観に行きました。

ニコニコ動画で『Tehillim I II III IV』を聴いて矢も楯もたまらず馳せ参じたのですが、魔法の域な一夜でした。

始まりは『クラッピング・ミュージック』(1972)。第一奏者と第二奏者が手拍子を重ねる。題名のない音楽会の挿入曲ですね。この帽子のおじさんがライヒだと謎のインタビューの時に気づくニワカだったのですが、手拍子と言うミニマルの極致は現代性がありながら時空を越えた普遍的感覚を想わせました。

次の『マレット・カルテット』(2009)はヴィブラフォン2台と5オクターヴ・マリンバ2台によるアコースティックエレクトロニカ。
ポストクラシカルってこういうことなのかな?現代音楽のコンサートは初めて来たのですが、こんなにも快いとは。

また東京オペラシティのホールも美麗な上、音も良くて。
『4分33秒』の意味が分かるというか、ホールの中での観客の呼吸自体が一つのレイヤーとして重なっているイメージ。

『カルテット』(2013)。2台のピアノと2人の打楽器奏者によるカルテット。最後の生命の躍動に有機体の力を感じました。昨今インディークラシックとか新たな芽が出てきていますが既にこんな樹があったとは…!

そして『テヒリーム』(1981)、完全にやられてしまった!
1981年作曲!?その時点で音楽はこんなにも進んでいたなんて…!クラシック器楽と声楽と、テクノの打音をアコースティックで…口あんぐりしすぎてエクトプラズム出そうになりました。

『テヒリーム』はヘブライ語で「詩篇」を意味し、女声4(ハイ・ソプラノ1、リリック・ソプラノ2、アルト1)、ピッコロ、フルート、オーボエ、コーラングレ、クラリネット2、パーカッション6(シンバルなしの調律された小タンブリン、手拍子、マラカス、マリンバ、ヴィブラフォン、アンティーク・シンバル)、エレクトリック・オルガン2、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成。

音楽に酒とか合わせる企画やっているのですが、もはや水すら飲まなくていい位。『テヒリーム』の途中で音波のエナジーが鍾乳洞のように上へ伸びる幻影をみて、なんじゃこりゃ!!生だと臨場感とリズムが真に浸透してきて…至高の一時。

帰りにも水すら飲まず、余韻に浸っていました。エレキギターやエレキベースをフィーチャーした楽曲もあるとか。もうライヒの楽曲全部聴きたい!

NHKのカメラも入っていて、4/14(金)午前5:00~5:55にBSプレミアムで放送されるそうです。これはお薦めです。生だと音の重なりの分離がはっきりと聴き取れ、まざまざと感じられて。放送ではどうなるかが今から楽しみです。

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cf.
hr-Sinfonieorchester X Francesco Tristano X Moritz von Oswald による『Bolero』&『Strings of Life』

by wavesll | 2017-03-03 08:38 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)