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今週の一曲 佐村河内守 RISING SUN

鬼武者 交響曲 『RIGING SUN』

大分遅ればせながら佐村河内守さんの番組をみました。

難聴で耳が聞こえないというハンデを背負いながら、夢である交響曲を書くことを成し遂げ、交響曲第一番HIROSHIMAは大ヒットを飛ばしているという話題の人ですが、物は試しとレコード店で視聴した限りでは、まー長いし、ちょっと自分の耳には退屈かなと思って、ハイプ込みの人かなと思っていました。

しかし、金スマで取り上げられるというので軽い感じで見ていたら、『鬼武者』の音楽を担当し、和楽器を含めた200人越えのオーケストラでの演奏は大変に評価を得ているとのことで、ゲーム音楽ならより分かりやすい盛り上がりもありそうだし、聞いてみたいなと思いました。

しかしAmazonではサントラは高騰。流石に3万近くは出せないなと思っていたところ、動画サイトに上がっているのを見つけ、聴きました。

いいですね、コレ。普段クラシックを聴かない層にも大ウケしただけあって、惹きもあるし、時間も20分強とコンパクトにまとまっていて聴きやすい。私もオーケストラに詳しいわけではないので、ロック/ポップ耳で聞くしかないですが、大変面白いなと思いました。

和楽器を使った西欧音楽というと、ノヴェンバーステップス銀界なんかもありますが、和楽器が使われていると日本人としてはくるものがありますね。

HIROSHIMAで「ちょっと佐村河内さんは自分には合わないな」と思った人にこそ勧めたい音楽。再発が待たれます。
by wavesll | 2013-04-28 00:29 | Sound Gem | Comments(0)

ルバイヤート 絶対への諦念と生の彩

c0002171_18454127.jpgオマル ハイヤーム (著), ‘Umar Khayyam (原著), 岡田 恵美子 (翻訳) のルバーイヤートの文庫本を地元の古本屋で見つけ、さらっと読んで今白ワインを飲みながら軽く酔って感想を書いています。

このペルシャの、生前は天文学者として知られた詩人が残した四行詩集について私は、『酒を飲め、現世を楽しめ』というメッセージくらいしかしらず、快楽的な生を肯定するエピクロス的な、放蕩といってもいいような詩集なのかなと思っていました。

しかし、科学者として、学識を深めていくうちに、ハイヤームはイスラム教の教理に対して疑義を抱くようになり、かといって科学が真理のすべてを明らかにしてくれるわけでもなく、生には意味などない、永遠に続く魂などなく、全ては土に返され、自分が生まれてきたことも死ぬことも、後の世には何の意味もなさないという、寂寞とした思いに駆られていることがその言葉から伝わります。人生は苦しいことばかりだと。

そこで神への陶酔の疑義を、酒や美しい人への陶酔で埋め、幻である人生のただこの一瞬、今、現世を楽しもうという一種諦念からの生への意思を詩に認めていたのだと思いました。

わが心よ、神秘の謎を解くことはお前にできず、
すぐれた知者の境地に至ることもできはしない。
盃に酒をみたし、この世を天国にするがよい、
あの世で天国に行けるかどうかわからないのだから。


彼の一種科学的な、現世を楽しもう。悲しいものは飲まずに、酒を飲もうという意思は、神という存在が希薄になった現代に生きる人々の心に響くと思います。ただ、解説によると、酒を飲むというのはただ単に享楽に溺れるのではなく、人事を尽くしたのち、天命を待つ間酒で楽しくなろうじゃないかという意味だそうです。

翻訳の岡田さんは、詩をイランの文学者サーデク・ヘダーヤトの著作に倣い、8グループに分け、その頭にイランに関する前文を書いています。
イランの人々の思想や生活。詩がとても人気があったり、砂漠に遠足に行ったり、壺を見た時に『この取っ手は美女の腕でできている』と思うような人が土にかえりそれが壺になり、土になり、生命が生まれるといった感覚が書かれていて、興味深かったです。

末尾の解説で、四行詩の原文の際のリズムについて解説がありましたが、原文と音のアルファベット表記、そして日本語訳という構成にしていればより詩を楽しめるかなとは思いました。

しかし、人のできることは永遠でなく、いつか消え去る。だからこそ、今の生を彩ろうというハイヤームのメッセージは十分に伝わり、訳も平易で読みやすかったので、大変面白い本でした。この調子で『王書』など他のペルシャ文学にも手を広げていきたいなと思いました。
by wavesll | 2013-04-26 18:34 | 書評 | Comments(0)

今週の一曲 Jai Paul - Str8 Outta Mumbai (demo)

Jai Paul - Str8 Outta Mumbai (demo)


Jai Paulは英国のシンガーソングライターでありプロデューサー。

07年のデモ、BTSUで注目を集め、10年には BBC Sound of 2011に選ばれる。

11年にデジタルリリースされたBTSU(edit)はZane Lowe's BBC Radio 1 showにて'Hottest Record in the Worldに選ばれる。

12年にSoundCloudで発表したJasmine (Demo)はPitchfolkにBest New Trackと呼ばれる。

13年4月に突如アルバムをBandcamp上に発表するが、後にJaiのラップトップから盗まれたことが判明、削除される。
 以上wikipediaより抄訳。

この曲はおそらくそのアップロードされた中での一曲だと思われます。
というのも事が起きた後でたまたまJaiの事を知ったので、もうすでにバンドキャンプからは削除されていたので。

奇妙に浮遊する電子音にヴォーカルが絡むいい感じの捻った曲で終わるかと思ったら突然インド風の歌が入ってくるところが、ワールドミュージック好きの僕には響きましたw完成版が早く聞きたいです。
by wavesll | 2013-04-20 22:44 | Sound Gem | Comments(0)

interfmいいね!

この4月で編成を大きく変えたinterfm、いい感じです。

東京地方で音楽聴きたいなら、この局じゃないでしょうか。

毎朝7:00~10:00のバラカンモーニングで朝から濃い音楽放送が始まり、

夕方から夜にはモンドムジカで邦楽も射程に入れてます。←まぁここは色々批判もありますが。

夜の番組もボブディランの番組だとか宇多田ヒカルの番組だとか、粒ぞろい。

特にいいのは23:00台。全クールまでで好評だったパイレーツラジオ方式で毎晩セレクターが音楽をかけるザ。セレクターという番組がとてもいいですね。

他にいいのは水曜のKYOTO JAZZ MASSIVEの沖野さんの番組や、日曜朝のワールドミュージックの番組など。

車に乗ってる時だけでなく、家でもradikoで聴きたくなる。interfm、今イチオシです。
by wavesll | 2013-04-17 21:52 | 小ネタ | Comments(0)

凍りのくじら

数年前に購入したのだけれども導入部だけ読んで放ってしまっていた。
辻村美月の『凍りのくじら』を2年ぶりに読み返し、2週間くらいかかったかな、今夜読み終わりました。

こう書くと読みづらい本なのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全然そんなことなく、平易な文章で書かれていて読もうと思えば2晩あれば読めるくらいの本でした。

ドラえもんの道具を表題とした10章とプロローグ・エピローグからなる小説で、作者さんの藤子不二雄への信頼が伝わってきました。

主人公の理帆子は周りの人間とさっと上手くやれるけれど、どこか馬鹿にしていて、自分の場所はここじゃない、きちんと生きれていないという思いを抱きながら日々を過ごす『少し・不在』な女子高生。

そんな彼女が人生に目覚めるある出来事を描いた話なのですが、結構読むのが辛かった。

と、いうのも理帆子の元カレとして登場する若尾という大学生の『少し・腐敗』の腐りっぷりが、読んでる私自身にも重ねられて、女子の目から見たら俺なんてこんなもんだよなーと身につまされながら読んでいたから(苦笑

この二人に共通しているのは、未だ主体的に人生に関わって何事かを成し遂げたことがない、社会の中で生きていない点。自分は愚民とは違うと思っていて本当の意味で人を愛していない、子供な点だと思います。
その幼さから、ある事件が起きるのですが、その事件に関わる郁也という10歳の男の子との関わりが、理帆子を変えていきます。

自分より幼い郁也のことを思いやることで、理帆子は精神的に成長していく、一方で若尾はいつまでたっても自分のテリトリーから出ずに、成熟も成長もしていかず、責任のない立場で腐敗が進行していく。

大人になる・成長するっていうのは責任を持っていくということなんだなぁと改めて思いました。そして理帆子は初めて自分以外の人に対して責任をもって行動したからこそのラストだったんだなぁと思いました。

あのラストはドラえもんが未来へ帰る話をモチーフにしたのかもしれませんね。

Amazonの他の書評だと結構主人公に対する批判は多いけれども、この話は大人になりきってしまった人よりも未だ子供と大人の間にある人が読むべきものなんじゃないかなという感想を大人になりきれない私は持ちました。

あと、母親の夫と娘へのラブレターには涙腺が緩みそうになりました。
by wavesll | 2013-04-04 00:31 | 書評 | Comments(0)