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年末あれこれ

Bunkamura25周年記念 キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展 ロングバージョン


有馬記念に行ってきました。人生初生競馬。船橋法典へ武蔵野線に揺られ、中山競馬場へ続く地下道に流れるレース実況の格好良さに"こいつをサンプリングしたらいけてるんじゃないか?そういやinterfmのMornin' Bluesに相撲の実況のサンプリングの曲流れてたな"なんて思いながら着いたらすぐ第10レース有馬記念。人ごみの中、みました。滑るようにカーヴを曲がり、二週目なんか突進が速い速い!いいものみれました。

その帰り、新木場で乗ってくるコミケの人たちに、"今は音楽好きよりアニメヲタの方が若い人には公共性あるのかなぁ"などと思いました。

で、翌日、行きましたw数年ぶりにコミケ。正味40分位だったけれど消耗した―。まじ人多過ぎ。3日間で50万人越えってそりゃ一日で11万人集める有馬記念より、幕張でやってるCDJより物凄い!ぱねーなといった感じです。人の熱気、祭りでした。面白かった。

で、コミケに付き合わせ「2度といかない」といわせた友人とその前に行ったのがBunkamuraミュージアムでやっていたバンクス花譜集展でした。

キャプテン・クックの航海に同行したジョゼフ・バンクスが描かせた植物標本。結局その"バンクス花譜集"はその200年後に100部出版されます。

実際にみた画達は、理科的な精緻さで描かれながら、南半球の自然の健やかさを感じさせ、一級品だなと思いました。

幾つもいい絵があり、ポスターにもなっているものもいいのですが、デング熱に効くという植物の実など、ワンピースの悪魔の実みたいなフォルムで魅力を放ってました。

そして帰宅し、壇蜜がネパールを訪ねる番組を見ていました。

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血に飢えた女神の像に捧げられた生贄は肉となり、祝福された食べ物となったり、性交をする仏像は、生の快楽を超える智の歓びを現していたり、生々しさを持ち生活に根差したカトマンズの宗教と社会の姿に、自分は圧倒されました。やはりアジアの民だからか、肌になじみます。彼らの仏教・ヒンドゥー教の姿は、死と祝福が混然一体となっていて、Flying LotusのYou're Dead!に通じる世界観だなと感じました。

誰もに訪れる死、それに纏わる愛を描いた作品として、今年よく聞いたのはOmar Rodríguez LópezのXenophanesでした。



ケースワーカーの女性が死期迫る老人を愛してしまう生と死の旅。
プログレッシヴ・ロックとジャズが渾然一体となったサウンドは、死という事象の地平線に落ちていく體と心の緊迫感を果たしていて、厳しい環境におかれた者だけが放つ、色気。魅力にあふれている点も、カトマンズの映像から感じたものと同じ気がしました。

死んだ後、どうなるか。そればっかりは死の地平線を超えないと体験できないものではあります。
しかし、バンクスの死後に花譜集が出版されたように、地獄でも天国でもある現世の死後は、相も変わらず存在するし、宇宙がホログラフだというならば、その幻影の影である死後の世界も、あのボタニカルアートのように光に満ちた超自然なのかな、と今は思います。あるいはインターステラーの"幽霊"のように、死後は高次元に格納された存在に生命はなるのかも、なんて嘯いてみましょうか。

人生最悪の事態が死であり、死は祝福されるものだとしたら、この世はでっかい宝島。
明るい音が来年も響けばいいな。そして自分も誰かの心に明かりを灯せたらいいな。

今夜は友人たちと飲んだのですが、みな歳を重ね、変わったり変わらなかったり。でも変わりますね。変化は一種運命的に起こりますが、それに意識的にありたいなーと想います。あいつらとくらい、楽しい酒を飲める仲でいたいなと想ったり、新たな人間関係も大切にしていきたいなとも想う年の瀬です。

今年最後に鴎庵で紹介する音楽も、明るいものにします。やっぱり最近はまってるブラジリアンサイケで。
水音、鳥の声などが飛び交うトロピカルなアルバム。来年も良い年になるといいですね。いや、いい年にしましょう◎

26年最後のエントリがカオスな内容になってしまったw来年もこんなカオスになるかもしれませんが、お世話になりますw
良いお年を!

Pedro Santos Krishnanda (Album Completo - Full Album)

by wavesll | 2014-12-31 01:42 | 小ネタ | Comments(0)

大浦天主堂と伸びていく日に捧ぐ、常在夏場な楽曲群

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日曜から昨日まで長崎に行ってきました。初日に大浦天主堂、グラバー園をみて、中華街の江山楼でめちゃめちゃおいしいちゃんぽんと皿うどんとトンポーロ―の饅頭挿み食べて、2日目は平戸、佐世保までクルマで飛ばし、3日目は帰る前に島原まで走って、島原城と雲仙、諫早湾をみて空港へゆきました。

Xmasの時期、長崎はどんな感じなのだろうなぁと思い今回長崎へ参ったのですが、東京のように華々しく派手に祝うわけでもなく、粛々と穏やかに生誕をお祝いしている空気が感じられ、長崎の基督教文化は真剣だなと、いいもの見れました。

さて、今回の旅行には一つお楽しみがありまして、長崎に住んでいるtwitterでの音楽好きのフォロワーさんにお会いするという機会があったのです。前厄、ということしか情報がなく、年齢性別不明の方とお会いするドキドキ感を味わえました。

結局、お会いしてから2時間、お互い本名も話さず、酒も飲まないで延々と音楽談義に花を咲かせる大変楽しい席になりましたwフィールドレコーディングの話やら、FlyloのYou're Dead!はプログレだとか、レーベル買いの話だとか、AmockとOn the Cornerはフェラ・クティからの影響で繋がっているとか、なかなかリアルでは出来ない話でかーなり盛り上がって、大変楽しかったです。

で、その方とお互い焼いてきたCDRを交換しまして、今聴いていてやーほんと素晴らしいなぁと思いながら、12月24日を過ごしています。いわばあのR交換はプレゼント交換会でしたね。

で、その音源も絡めながら、俺からみなさんにXmasプレゼントができないかなと思い、今こうしてエントリをしたためています。音楽のプレゼント。テーマは、"常在夏場"。冬至も越え、日が伸びていくことを祝福し、大浦天主堂の南国感に捧ぐ楽園な音楽コースをご提案いたします。

Tuvalu Fatele 2014 - Tamafine O Te Saegala

まずは前菜として南太平洋ツバルの祝祭音楽、ファテレはいかがでしょう。
たまたま温暖化の映画で知ったツバルの聖歌のようなこの音楽、CDで聴こうと思うと大変困難で、JVCのワールドミュージックの盤など、ポリネシア・南太平洋の音楽のCDに1,2曲だけ収録されているくらいしか把握しておりません。なので、観光客が録画したYoutubeでみるのが質・量共に一番です。自分の夢としてツバルが沈む前に録音機材もって島にいきたいですねー。

Rodolphe Alexis "Sempervirent"
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これが長崎でyoroszさんから頂いたフィールドレコーディング作家Rodolphe Alexisによる、コスタリカの自然保護区に2か月滞在し採取した自然音の記録集。link先にサンプル音源があります。
NHKのホットスポットでコスタリカを取り上げた時、鳥の音、虫の音がなんと心地よいのだろうと探したら500枚限定でこのCDが出ていると聞き、既にSold outだったのですが、なんという偶然か頂いてしまいました。

中南米の密林で録音した音なんか、蒸し暑くてむせ返ってしまいそうなイメージもありますが、実際に聴いてみると虫の音が非常に涼やかで、時折動物の発する音が入り、寧ろクールに聴ける良盤だなぁと思いました。このエントリの冒頭にある12月の大浦天主堂の、クールな南国感にぴったりのサウンドだなぁなんて個人的には感じます。

Marconi Notaro - No Sub Reino dos Metazoários (1973)

3枚目は最近すっかり嵌ってしまっているブラジリアンサイケから1枚。
1曲目はそこまでではないのですが1分44秒からのこれが凄い!超絶な祝福を与えてくれます。これは今年聞いた楽曲の中でも上位に入るくらい好みの曲です。堪らないエクスペンタル・フォークです。

Ninos Du Brasil - Sombra Da Lua

ここで2014年夏のキラーチューンを。イタリア人によるブラジル音楽の再解釈ダンスミュージック。この打音、たまらなく好きです。

[BALI] Ujan Mas (Yama Sari) [GAMELAN]

Natsuを感じさせる音楽、といえばガムラン。でもコロコロした音だから冬にロイヤルミルクティーなんか飲みながらガムランもいいものです。伝統を革新しつづけるスーパー・ガムラングループの必殺の名曲をどうぞ。

Sein Moot Tar-'Ya Ta Nar Pone',auspicious and ceremonial Myanmar orchestra tunes

最後を飾るのはミャンマーの旋律打楽器、パッワイン奏者セイン・ムーターが率いる楽団によるこの一曲。
ミャンマー音楽、とりわけオーケストラの形式であるサインワインにたどり着いたのは今年最高の音楽的発見でした。ミャンマーというとビルマの竪琴で有名な竪琴がイメージされますが、こーのサインワイン、ヤバイです。楽器の見た目もとても魅力的なので、Saing WaingでYoutube検索してDigることを激薦します。ガムランが好きな人はサインワインは大好物だと思うなぁ。ガムランと中華と、少しインドが入り混じったとてもハイブリッドな素晴らしさがあると想います。

それではみなさん、Merry Christmas!(写真は展海峰から撮影した九十九島です)
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by wavesll | 2014-12-24 19:10 | 小噺 | Comments(0)

アルコールよりも酔える音楽(chaser付き)

さて、選挙も終わり、師走も後半戦。アルコールの季節ですね。
毎週末忘年会で酒に浸るこの時期、平場はアルコールから身を離した方がいいかもしれません。腹を出さないためにも、この世から飛び出ないためにもw

私も本当に酒では失敗を何度も繰り返しておりまして、漸く最近酒の程度というのがわかってきた感じです。といいながらもビールワインウィスキーを飲み過ぎて、腹がヤヴェー状態になってきてしまい、珈琲になんとか移行しようとしているここ数週間です。

とはいえ、やっぱり酔いたい。気分良くなりたい。ともすれば酩酊したい欲、あるんですよねー(苦笑
ゲスの極み乙女の絵音君でもありませんが、「今日もまた嫌な事ばっかり」な日もあります。そんな時は酔って気を紛らしたい。

そこで音波を使って酔えないか?あわよくば酩酊まで持ってけないかとw
結論から言うと、行けます。音でアルコール代わりに酔えます。こいつで酒量を減らせば、健康にも家計にも劇的に良い効果が。万々歳じゃないですかw

と、いうわけで酔える音楽セット、チェイサー付きでいきます。

ほろ酔いから一番気分良くなるフェーズに持ってけるアルバム
ここにはTeebsの『Ardour』を推します

今年2ndアルバムをリリースし、Brainfeeder4でもいい味効かせていたLAのビートメイカーの1st。
桃源郷にいざなわれる、といっても過言ではない蕩けるサウンド、こいつは燗を一本空けるのと同じくらい気持ちがポカポカいけますよ。

覚醒から酩酊へ
Teebsであったまったところで酔いを深くしていくにはこれでしょう。Lou Reed - Metal Machine Music

目の前がチカチカしてきたらしめたもの。甘やかに瞬き痛ませる音の粒子で、くらくらから酩酊まで脳内をぐらつかせましょう。これは史上初のノイズアルバムと言われるルーリードの問題作。ちょっときついお酒で煽るくらいがハイに成れます。

頭が痛くなってきたら
"ノイズも数分はいいけどだんだん頭痛がでてきたよ"という方にはチェイサーを。気鋭の邦楽バンド、森は生きているの17分にも及ぶ組曲『煙夜の夢 a,香水壜と少女 b,空虚な肖像画 c,煙夜の夢(夜が固まる前)』です。


すうっと染み渡るこの音で、アルコールの酔いを晴らしたら、また音楽を呷るのも良し、別の嗜好品へ行くも良し、忙しい年末に、すやっとゆったりと寛ぐ時間をリビングでベッドルームでお過ごしください。
by wavesll | 2014-12-15 01:27 | 小ネタ | Comments(0)

金魚と妖怪

先月、中野リトルハイに深堀隆介さんの個展「金魚は上見で」を観に行った際の写真と、今日南青山Tripletにて柳生忠平さんの個展「百鬼創造」を観に行った際の写真を上げます。

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金魚を立体的に描く深堀さん。レイヤーを多層的に塗る事で立体的に描いていることがわかり、現場で見ると更に面白いなと思いました。初期から現在までの作品があり、年代を経るごとにどんどんリアルになっていく様が面白かったです。最近深堀さんは古墳に嵌っているらしく、新境地を開こうとしている作品も展示していて、金魚と前方後円墳とか、面白い事やってるなぁと思いました。

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柳生忠平さんの肉感的な妖怪には、どうにもこうにもモリモリした生命力を感じました。肉にwあやかしなのに肉感的というのは面白いと思いました。
Xmasの南青山に小豆島から妖怪がやってくるというのも乙ですね。もう「金魚は上見で」は会期が終了してしまっているのですが、「百鬼創造」は28日まで展示していて、26・27日には2000円で柳生さんご自身に、心を探ってもらって妖怪似顔絵を描いてもらえます。年の瀬に鬼に逢いに南青山へ散策するのも、楽しいかと◎

屏風に描かれた大きな作品はやっぱり生で観るといいですよ。お薦めです!
by wavesll | 2014-12-14 20:52 | 私信 | Comments(0)

冬の街が少し異なって見えるような南米音楽 Youtubeより二選

街を歩くとXmasソングがかかり、イルミネーションが華やぎ、あぁ、震災の時の暗さは彼方へ行ったなと想う26年の師走ですね。

私は携帯音楽再生機を持たないのですが、たまに"あぁこれ街で聴いたらとても良い相乗効果を生みそうだ、風景が少し異なって見えるような音楽だな"と想う音楽に出くわすことがあります。

たまたま、Youtubeで最近そんな音楽を2つ見付けたので、ちょっとメモ代わりに載せておきます。私が思うお薦め風景と共に。

Paêbirú - Lula Côrtes e Zé Ramalho (1975)

ブラジリアン・サイケの宝玉のような一枚。民族風の浮遊感のある音から、呪術感のある旋律が混じり、途中の弩級の展開も含め、初聴ではアマゾンの原生林に放り込まれたような驚かせっぱなしの音楽体験を味わいました。

自分は実は最初5分ほど聞いて"もういいかな"と思ってしまったのですが、ちょっと飛ばして聴いてみると面白いことになっていたので通しで聴いたらこいつにはやられました。自分が聴いた70年代ブラジリアンジャズロックの中でも3指に入るくらいの好盤だと思います。

一昨日初めて聴き、その際は密林のような異世界を味わったのですが、昨夜2聴目をしたところ、これはもしかしたら冬の街に似合うのではないかなと想いました。

枯れた枝が伸びる街路樹を横目に、南米のスペシャリティコーヒーを飲みながら歩く曇り空の昼下りなんかに、このアルバムは似合う感じがします。見慣れた風景が少しコズミックな感覚が混じり、珈琲の酸味が味わい深くなりそうだなぁとにやにやしながら今夜3聴目をしています。

さて、冬の昼に南米産サイケならば、夜はいかがしましょう。やっぱり冬の夜と言えば「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう。きっと君は来ない」と奏でるフラれた男の曲が、独り身には沁みますね。というか独り身にこそ音楽は必要だと思います(苦笑

というわけでこいつはいかがでしょう。
Berlioz: Symphonie Fantastique - Gustavo Dudamel - OPH de Radio France

ベルリオーズの『幻想交響曲』をベネズエラのグスターボ・ドゥダメルが指揮した演奏です。

『幻想交響曲』はベルリオーズが失恋した体験をもとに創作した、失恋した芸術家がアヘンを吸ってその夢の中で恋人を殺し地獄に落ちるというバーンスタインに言わせると史上初のサイケデリックな交響曲だそうです。

私はクラシックは退屈に感じる曲は退屈に感じてしまうのですが、この曲は飽きさせません。Youtubeで幾つかの演奏を聴いたのですが、ドゥダメル指揮が最も柔らか且つ適度な華があり、好みでした。

夜更けに一人街中を歩けば、ネオンサインがこのサイケデリックな交響曲によって虹色に輝いてみえるんじゃないかな、なんて思います。知らぬ街に来た異邦人の気分でこれ聴きながらゲロルシュタイナーでも飲みながら彷徨うと悲劇の主人公気分に浸れそうです。何も恋人と過ごすだけが主役になれるってもんでもないでしょうw

個人的には冬が一番輝くのは夕暮れの時間で、その影絵の様な魔術的な空は、特に音楽はいらないなと思うのですが、その時間を挟んで、昼と夜はこの2つの音楽で街を眺めるのもいいなぁと思います。もし良ければお試し下さい^^
by wavesll | 2014-12-11 01:08 | 私信 | Comments(0)