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LONG SEASON '96~7 X クラッシュオレンジフラペチーノでゆく夏を想 第75回酒と小皿と音楽婚礼

FISHMANS / SUNNY BLUE (1996.12.26 赤坂BLITZ)


c0002171_21321918.jpgLONG SEASON '96~7 96.12.26 赤坂BLITZはこの夏ずっと口遊んでいた歌でした。

こんなイケイケな後期フィッシュマンズを聴いたのは初めて!そのドラッギーですらあるノリの良さは、リリースされた6月末から晩夏が暮れていくまで、長い季節を彩ってくれました。

エレクトリックジャグのようなシャカポコ音も気持ちいいLong Seasonが収録されているDisc2も素っ晴らしいのですが、メンバーが本当に乗りに乗っている空気がDisc1の冒頭から爆ぜていて…!本当に素晴らしいライヴアルバムだと想います。

サマソニでイエモン見た時も思ったのですが90sの邦楽って詩が聞き取れ直截伝わる"唄"だなぁと。なんかドラゴンアッシュとかが出てきたときの演歌世代のようなことを言っていますが(苦笑 とは言えサザン以来、もしくはラップ以来の聞き取りずらいJ-POPとは一線を画す忌野清志郎ラインの歌の強さをフィッシュマンズには感じました。サウンド面でもSUNNY BLUEのHONZIのヴァイオリンなんか最高!

これに情熱あふるる音楽に合わせるとしたら、(12月のライヴだけど)夏の飲み物を合わせたい。というわけでこれ。スタバのクラッシュオレンジフラペチーノ。

普段「スタバ(笑)」なんて斜めに見られることも多いスターバックスですが、スタバは普通のコーヒーは美味くなくても、期間限定のスペシャリティコーヒーはかなり美味しいとたまたま飲んで見直していたところにこの美味そうなフラペチーノ。今年の夏に2度飲みました◎なんでも通の人によるとスタバの期間限定メニューは9割方イケてないそうですが、これはスマッシュヒットだと。

生クリームが溶けていきヨーグルトのような風味のあるオレンジフラペチーノにオレンジの果肉が入っていて、これが触感も含めてiMuy Bien! ヨーグルトなまったりとした味の中でフレッシュな存在感を示すオレンジ果肉がバンドサウンドの中の佐藤さんの歌声と相似形と言える!?なんて感想を吟じたくなる味です。

長い季節も終わりに近づき、夜や日中でも日陰では夏が暮れていくのを感じます。"もうすぐ秋だね"が心と躰に響く八月最終日。また明日から、新しい日々が展開されていくのですね。

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by wavesll | 2016-08-31 21:58 | Trackback | Comments(0)

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読む

c0002171_5405238.jpgマックス・ウェーバー (著), 中山 元 (翻訳)『日経BPクラシックス プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読みました。

ドイツにおいてプロテスタントが経済的な上層の地位に占める割合が高いのは何故なのか?を論の切っ掛けに、ベンジャミン・フランクリンが言うような≪「時は金なり~したがって時間を無駄にせず勤勉であれ」、「信用は金なり~他人との取引において正直・誠実であれば信用は高まり、さらなる利益を生む」、「金は金を生む~だから浪費するのでなく節約と合理的な運用が必要」≫という自分の資本を増やすことを自己目的にする倫理、「資本主義の精神」はどこから来たのかを論じます。

その結論を述べると、『天職(ベルーフ、コーリング)という観念を土台とした合理的な生活態度はキリスト教的な禁欲から生まれたもの』とマックス・ウェーバーは解き明かします。

ルターの宗教改革からカルヴィニズムが生まれ、とりわけ"神によって救われる人間か救われない人間は予め定められている"という予定説が人々に"私は神によって救われるのか否か"と常に不安定な状態をもたらし、"労働を天から与えられた職業"と考え、仕事に打ち込み神の栄光を現世に表すことに従事することによって"自分は救われている"と確信するための手段にしているとウェーバーは論じます。

プロテスタントの禁欲の教えは全てのキリスト者に対して、できる限り多くの利益を獲得するとともに、できる限り節約するように戒めます。この勤勉と節約により富が蓄積されるのです。

日本のお釈迦さまは『蜘蛛の糸』のように試しに罪人にチャンスを与えてサイコロを振りますが、全知全能なるGodは全てを見通しているはずだ、という論争。まさにロゴスの闘いというか、みな日本教なこの国にいると中々信教の実質的な影響力は感じずらいですが、海外では倫理というのは宗教から生まれえる、だからこそ異教徒・異民族と"常識"がぶつかり合う。そんな17世紀~19世紀欧州の空気を感じました。


c0002171_6354564.jpg今回の読解に非常に援けになったのは牧野 雅彦 (著) 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 でした。ある意味『プロ倫』本体より面白い読書体験だったかもしれません。

『プロ倫』の前段階としてマルクスの『資本論』があり、ウェーバーはニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』にも大きな影響を受けています。また同時代のゾンバルトとも大いに論戦を行った。そういった流れを踏まえて『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』やその他のウェーバーの論文を論じたいい新書でした。

マルクスの『資本論』は富の基本形態は商品であり、商品の価値には使用価値と交換価値があり、マルクスは価値の源泉はその商品に投下された人間の労働だと言います。
労働力という特殊な商品は、その価格(多くの場合労働を再生産できるだけの賃金)を超えて働かせることができ、その剰余価値が資本家に搾取され利潤となり投資され、生産力が拡大されていく。とマルクスは論じます。

これに対しゾンバルトは『近代資本主義』において経済のシステムを「需要充足経済」と「営利経済」に分類し、個人などの具体的な需要充足を目的とする前者と飽くなき利益を求める後者としての資本主義経済を支える精神は単なる金銭欲や黄金欲とは異なっていると提示しました。

『プロ倫』はこれらの議論を受けての書物でしたが、ウェーバーは利潤追求の精神の直接の起源がプロテスタンティズムにあると論証したわけではなく、上に書いたようにむしろ利潤を追求しない禁欲的精神態度に由来し、天職に打ち込む態度をプロテスタンティズムは生んだというものでした。

ウェーバーの思想や問題意識の源泉を彼の個人史に求めるのは彼の知性に失礼かなとも思うのですが、脚注にあったウェーバーの個人的な事情は面白く読めました。彼は1897年に神経症に倒れ、病気からの回復過程で「プロ倫」等を書きます。不安から必死に逃れるため学問に打ち込んだウェーバー、ウェーバーは親に経済的に依存している「面目ない立場」に苦しむとともに母ヘレーネからの「職業を通じて己の使命を果たす人間のみが一人前」という圧力から解放されるために論文に打ち込んだのかもしれません。「資本主義の精神」を無限の利潤追求の精神でなく「職業義務」の観念の由来から検討するという課題設定という話は面白く読めました。

カルヴィニズムから生まれた禁欲による資産形成とその運用による資本形成は徐々に宗教的な熱狂は冷めていき、ウェーバーは「宗教的生命力に満ちた17世紀が功利主義的なその相続人達に残したのは何よりもまず、貨幣獲得もそれが合法的にさえ行われるならそれでいいという、恐ろしく―パリサイ的なといってもいい―疚しくない良心であった。『神に喜ばれるのは難し』という精神は消え失せた。こうして独特の市民的な職業のエートス(精神態度)が生まれたのである」と述べています。

ここの「パリサイ的」精神とは律法や規則に拘るだけではなく、それに従わないものを道徳的に非難し自分たちの道徳基準を強制しようとする攻撃的で強圧的な態度が「資本主義の精神」には孕まれているということ。

「疚しくない良心」とそれに基づく資本主義的労働者の形成により造られた近代的な経済秩序は「鋼鉄のような檻」と化しそこに住むのは「精神無き専門人、心情無き享楽人、この無に等しい者達は、自分達こそ人類が未だかつて到達したことのない段階に到達したのだと自惚れることになるだろう」とウェーバーはいいます。とこの「末人」は『ツァラトゥストラ』に出てくるものです。

ルサンチマンに牽制され、理想であれ富であれ遠くを見据えものに挑む努力そのものに人々が倦み飽きる時代が来る、彼らはそこそこの生活に満足し、適度の刺激と健康さえあれば満足する。その点で皆平等で、そう思わぬものは狂人として排除される。彼らは自分達が知識があり賢明で、ぬるま湯のような生活が本当の幸福であると想いこむ。そんな時代が来るだろうとニーチェは言うのです。

論文の最終局面に「末人」を書いたマックス・ウェーバーの問題意識は現代にも響くものがあります。

ウェーバーは神々から召命された天職を全うする、といった精神から倫理が消え、欲望も理想もなくなる社会が来るのではと想ったのかもしれません。何にも情熱を持てなくなった時に、その世界は徐々に冷えていくのか…? ロボットが労働を代理するようになればますます人間が"働く"意味もなくなります。さらに言えばAIが人間を知能で越えるシンギュラリティが起きれば"理性"すら意義を失い半ば家畜になってしまうかもしれません。

一方で、マネーを求めるレースにより、需要充足経済の朴訥とした時代が終わり、厳しい競争時代になっているとも言えます。経済選良達が弱者に対して無慈悲性を出すのは"努力"がトリガーとなっている気も。

私自身の考えを言えば、経済活動によって神の国を造るというよりは、CERN等の宇宙物理理論を発展させていくことこそ人類の使命であり、最もわくわくする事柄に感じますが、それも"人類"の名を借りた科学振興なのかもしれません。お金を別の方向に使えば救える悲劇もあるのにとも思いながらも、ついついマネーを心躍る方向に遣いたいとも思ってしまう。

その時"人間の使命、或いは地球市民の喜びとは?"或いは個人間における"人間らしさ"とは何かを考える事こそが社会的・哲学的課題になる時代、シンギュラリティは2045年ごろやってくると言われています。

その問題意識に通じるものを百年前に描いたウェーバーに感嘆するとともに、"人間"をもっともっと知りたい、社会システムを思考するためには人間理解こそ重要なのだという気持ちが高まった読書体験でした。

俺で良けりゃ必要としてくれ CALL ME CALL ME
電話一本でいつでも呼んでくれ 後悔ないようにしとくぜ
「人間的」とは何かな 答えの数が世の中の形
何年過ぎても同じさ 人が人の上を目指し 何年先でも同じさ 「I LOVE YOU」 「I LOVE YOU」が灰になる
―YOSHII LOVINSON/CALL ME



by wavesll | 2016-08-31 08:04 | 書評 | Trackback(1) | Comments(0)

きゃりーぱみゅぱみゅのスタッフが手掛けるダイヤモンドダイニングよさこいチーム

第63回高知よさこい祭り ダイヤモンドダイニングよさこいチーム公式動画「GALAXY PARADE」


NHKBSPにて今年のよさこい祭りの番組がやっていたのですが、よさこい祭りって戦後に創られた祭りだとは知りませんでした。

パフォーマンスのルールも
・鳴子を持って前進する振り付け。
・曲のアレンジは自由だが、よさこい鳴子踊りのメロディーを必ず入れる。
・地方車は各チーム1台(必須)。
というのみ。

テンプラキッズや増田セバスチャンが携わったダイヤモンドダイニングの原宿なよさこいチームがいたり、自由度が高くていいですね!

私の高校の同級生も原宿のスーパーよさこいなんかで踊ったりしていましたが、全国各地にYOSAKOIが拡がるのも戦後生まれの自由度の高さが一つの因子かも。番組ではよさこい移住支援の取り組みや、海外へのアンバサダーといった取り組み等の開かれ具合も戦後生まれの若いフェスティヴァルだからかもしれませんね。

先日開かれた原宿スーパーよさこい、去年観に行ったのですが、EDM調のものもあったりしながら、伝統的な苦みを含んだ音楽というより分かり易いEDO ERAなニッポン音楽で、民族音楽好きとしてはちょっと物足らなさを感じながらも表参道のメインストリートを行進するのはリオのカーニバルみたいな風情があるなぁと想ってました。そういう意味でダイヤモンドダイニングよさこいチームは面白く感じました。そういえば浅草サンバカーニバルも先の土曜にやっていたようですね。東京は高円寺の阿波踊りといい、錦糸町の河内音頭盆踊りといい、全国からいいのを集めてきますね。来年はエンヘード、聴きに行きたいなぁ。

ダイヤモンドダイニングよさこいチーム ~2016高知よさこい祭り(前夜祭)

by wavesll | 2016-08-30 21:48 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

Gallant - Weight In Gold & なだ万のほうじ茶 Poppnessの旨味 第74回酒と小皿と音楽婚礼

Gallant - Weight In Gold


c0002171_1592818.jpg先日のMAXWELLといい、今年はどうも自分の中でR&Bへの希求が波寄せているのですが、このGallantもいいなと想ったシンガーで。

カンファタブルな心地の、適切な光度の中できらっと光るものを感じさせるのが素晴らしい。熾天使なファルセット。長くなっていく夜を煌めかすライトのような、日常で機能する美しさがあると感じました。

Gallant - Ology (Full Album)には日本語のセリフも入っていたリ。Frank Oceanの新譜にKohhがフィーチャリングされてるし最近のR&B界は日本づいてますね。

これに合わせたいのは料亭なだ万のほうじ茶です。

ほうじ茶本来の旨味というか、まったりした風味が最高。ペットボトル飲料でここまでできるとは。凡百のペットボトルほうじ茶と8馬身くらい差を付けてます。大手だとミニストップのオーガニックほうじ茶もちょっといい線行ってるのですが、そこからも5馬身くらい離す断然トップな旨味。

Poppnessの一つの特長が尖っていないまろやかさとすれば、これで『Ology』をしっぽり愉しむのは心身がほどける愉楽を感じられます。お勧めです◎



Gallant - Ology (Full Album)


Gallant - Full Performance at The FADER Fort Presented By Converse


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by wavesll | 2016-08-30 02:12 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

『24時間TVは感動ポルノ』に想うこと

長年日テレの『24時間TV 愛は地球を救う』の裏番組というとパラダイスTV『24時間TV エロは地球を救う』のイメージだったのですが今年はおっぱい募金の話とんと聞かないですね。去年かなり問題になっちゃったもんなぁ。五月蝿い人に見つかるほどバズっちゃったか。まぁ悪ふざけ企画でしたけど。

で、本家24時間TVが今年の裏番『バリバラ』に感動ポルノと指摘されるとw

「感動するな!笑ってくれ!」というコンセプトで始まったバリバラ。しかし、いまだ障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証!スタジオでは「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などのテーマを大討論!Twitterで視聴者ともつながり、みんなで「障害者の描き方」を考える。

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バリバラは障害をネタにお笑いを演る障碍者の企画をやったりかなり攻めているのですが、今回の放送も24hTVをパロって単純に番組として新鮮味のある(それでいて誰しも薄っすら想っていた)テーマで良回だなと想いました。

ただ、ポルノって言葉で思考停止するのも問題だなと想えるのです。
今は"フードポルノ"だとか”キャリアポルノ”だとか、何でもかんでも「ポルノ」と名付けて批判する流れがある気がしますが、どうもこのままじゃ快楽をもたらすコンテンツは全部「ポルノ」になってしまうのではないか、それは100%正しいの?と想うのです。

恐らくフードポルノは食欲を夜間とかに喚起される飯テロだから批判されるのでしょうし、キャリアポルノは自己啓発書を読むだけで行動に移さずに満足してしまうことを批判しているのでしょう。でもそれを”ポルノだ!ポルノだ!”とレッテル張りを叫ばれると"大きなお世話だよ、ほっといてくれや"と想ってしまう。

他人が楽しくやっていることにケチを付けずにはいられない人っていますよね。自分もtwitterとかで世間が盛り上がってることに「いや別に俺はそうは思わないけどね」とか言いたくなることありますよ。SMAP解散とか、高畑裕太の件とか"そんな騒ぐことか"と想ったし。でも、場を腐す発言をするよりも生産的な発言をすべきではないかなぁと想うんですよね。オルタナティヴな選択肢を示すとか。批判で終わるのではなくて、創造的な"問い"まで論を進めて初めて"感情的な誹謗"でなく"批判"足りうるのではと想うのです。

キャリアポルノもフードポルノも性的なポルノだって効用があるから成り立ってるのは間違いありません。問題は本当の意図(快楽の源泉となる理由)がぼやかされてに綺麗事として喧伝されがちな点なのでは。感動ポルノに関していえば、"障碍者の為になるチャリティ番組ですよ"というお題目だけれども、当の障碍者たちは9割が感動ポルノが嫌いだというのが問題の本質で。

"健常者が障碍者をダシに気分良くなって、チャリティ番組にもかかわらず出演者もTV局もがっぽがっぽ儲かる番組"とぶっちゃけてもいい気分になれたり金が稼げるならそれでいいのかもしれないなと想うのです。(そうはならないだろうけれど)

今回のバリバラの問題提起が、今や偽善の象徴だとみんな想っている24時間TVが本当にいい番組になれるきっかけになったらいいなぁと想います。その為には"障碍者自身がみたい障碍者の番組"を創ろうとしているバリバラ自体が一つの指針となるのではないかなぁと想うし、今回の放送も含めてポリティカルコレクトネスとして良質というだけでなく番組として尖ってスリリングになっていることこそ、予定調和の24時間TVを本当に面白い番組にする姿勢だと想うのです。

このバリバラ 【生放送】 検証!「障害者×感動」の方程式回は9月2日(金)0:00(木曜深夜)に再放送されるそうです。百聞は一見に如かず。もしよろしければご覧になるのも悪くない選択だと想います◎

追記:
キムタクと常盤貴子の日曜劇場『ビューティフルライフ』なんかも一面的な障碍者の描き方だけではなくて良かった覚えがあります。"障碍者像"の押し付けではなく"個人としてのその人の人となり"を描けるかが大切なのだと想います。
by wavesll | 2016-08-29 18:13 | Trackback | Comments(0)

Soi48 Vol.20 神弓祭 - 弓神楽 Release Party! at 新宿Be-Waveに行ってきた!

歌舞伎町のBe-Waveにて弓神楽を視てきました。広島、上下町に伝わる土公神、荒神に五穀豊穣・家内安全・厄除けを祈念する神事。
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今回、俚謡山脈×em records「弓神楽」がリリースされたことを契機として実現したこのイヴェント。

広島県府中市上下町井永八幡神社より、弓神楽の唯一の後継者である田中律子宮司、笛(佐々木康弘氏/矢野神楽保存会)そして鉦(田中勲氏/元井永神楽保存会)のお二人を招き、フロアに祭壇を設けて行う演奏。

弓を横に置き両手に持った棒で叩いて音を出すスタイルが、まるでビリンバウの様な響きをもたらします。そこに謡いが入り、笛と小さなシンバル、鉦、和声がその時々で入る。ミニマルな繰り返しで天岩戸の話などが歌われる。神と人の関わりを歌うのが神楽なのでしょう。"かしこみかしこみ"という言葉が何か脳内に残っています。

最後は神の力で厄を払い、矢を射って〆。歌舞伎町のクラブで神事。やろうと決めて下さった田中宮司達も、企画した俚謡山脈・Soi48の皆さんにも感謝。CDは田中重雄宮司の演奏も収められているのですね。試聴Fileを聴くとまたとても良さそう。

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上でブラジルの楽器、ビリンバウのことを書いたのですが、この弓神楽を聴き想起したのはハミロ・ムソットでした。Ramilo Musottoのミニマル化って感覚とでもいいましょうか。

17 Ramiro Musotto tezcatlipoca DVD SUDAKA ao VIVO- solo berimbau


Civilizacao & Barbarye - Ramiro Musotto (2007)


Sudaka - Ramiro Musotto 2.004 (Álbum completo)


地球の裏側ともlinkするような日本の伝統音楽の懐の深さ。
木曜に見たすみだ錦糸町河内音頭大盆踊りのドラッギーなサイケグルーヴや大学生の頃チャリで遊びに行った高円寺阿波踊りのトランシーなぶっといリズムグルーヴ、そして2010年に行った出雲大社・神在祭でみた笛と太鼓の非・バランスな霊性音楽etc etc…この国で神代から現代までに育まれた音たちの豊饒さを想い、改めて舌を巻いた夜でした。

ちなみに千道(髪飾り)や神事の道具は持ち帰れました。以前我が部屋にはチベット仏教のタルチョが飾られていたのですが、日に焼けて大分薄っすらとしてしまい、本場では1年で取り換えていくという話を聞いて外していたのですが、これから壱年くらいは弓神楽の御串が部屋の護り神アイテムになってくれそうです。

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cf.
△Animal△Vol.8 ~アニマル民謡 at Bar Bonoboに俚謡山脈民謡DJ Setを聴きに行ってきた!

by wavesll | 2016-08-29 05:16 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

古川日出男/蓮沼執太/青柳いづみ『偽ガルシア=マルケス』@東京都庭園美術館

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東京都庭園美術館に来たのは初めてで。アンリ・ラパンや宮内庁の宮大工によって粋に仕上げられた旧朝香宮邸のレリーフ、壁紙、カーテン、床タイルetcetc…美事でした。旧館玄関のラリックによるガラスの女神も、新館の杉本博司によるうねったガラスのエントランスも双方とっても魅力的でした。

開催していた“こどものファッション展”。こども服はどれも可愛いなーくらいしか解らなかったのですが、児島虎次郎の『登校』・『雁来紅と子供』とラファエル・コラン『エリーズ嬢の肖像』の三枚の絵画は気に入って。あと植田正治の『少女達』がみれたのは嬉しかったです。玄妙な表情がとても良かった。

そして本日来館した目的が演劇『偽ガルシア=マルケス』。
何と脚本が『アラビアの夜の種族』の古川日出男さんで◎古川さんは出演もされて。もう一人の役者は青柳いづみさん。ハロプロ顔というか綺麗な方で、声も可愛らしかった。そこに蓮沼執太さんの演奏が奏でられる構成。
三者が同時多発的に音を鳴らす演出はガルシア=マルケスの濃密な情報洪水を顕していたとしたら成功していました。そこから漏れ聞こえる『百年の孤独は土地の物語でなく家の物語』だという見立てなども見事。

ガブリエラ・ガルシア=マルケスと日本人作家によるガルシア=マルケスの解読劇。都会的な清潔さを想わせる蓮沼さんの音を魔術的リアリズムの題材に合わせるのは何故だろうと考えていたのですが、“ここ”が書物内部、或いは記憶の内部、“本の紙魚”の情報空間だと解釈するとぴったり来ました。

様々な読み解きにより主体的に芸術に関われるのも演劇の魅力。『百年の孤独』や『エレンディラ』等のガルシア=マルケス作品への興味がないとちょっと厳しかっただろう劇でしたが幸いにマルケス好きで『アラビアの夜の種族』も好きだったのでかなり楽しめました。冒頭の“解答をするより良い質問をするほうが難しい”という話、その通りだなと。批評も解答の一形態だとすれば、良い批評とは良い問いを含んでいるものなのではと想いました。

その上でこの舞台から“良い問い”を導くとすれば、“家とは何か?後天的に家を造るとはどういうことか?”というテーマから、“人が集団を造るとき、単なる集団と家の違いは何なのか、血でしか家は造れないとしたら、他者と夫婦になるとは?”というものを、今は挙げておきます
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by wavesll | 2016-08-28 20:13 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

料理のカルパッチョの語源は画家のヴィットーレ・カルパッチョから

ぶらぶら美術・博物館にてアカデミア美術館所蔵 ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たちが訪れられていたのはですが、そこでちょっとしたトリビアが話されていて。

それは『料理のカルパッチョの語源は画家のヴィットーレ・カルパッチョから』というもの。
ヴィットーレ・カルパッチョの回顧展がヴェネツィアで開かれたとき、「ハリーズ・バー」で出された赤が印象的な料理を、赤を得意とするヴィットーレにちなんでカルパッチョと名付けられたとのこと。

ちなみに鮪のカルパッチョは日本発祥で、「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」の落合務が創ったらしいです。

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by wavesll | 2016-08-27 23:44 | 小ネタ | Trackback | Comments(2)

文字の博覧会@京橋LIXIL GALLERY → "COPY ME" 羽鳥 智個展@代々木上原Garalley20202

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京橋のLIXIL GALLERYに文字の博覧会 -旅して集めた“みんぱく”中西コレクション-展を観に行きました。

文字ハンター中西亮さんが集めた地球上の文字。音を視覚で顕す面白さが文字にはありますが、こんなにも多様な文字の生態系が今まで興亡してきたとは。エジプト文字派生、シュメール文字派生、甲骨文字派生、オルメカ文字派生とある中ヒエログリフからエチオピア文字まで本当に多種多様な文字が展示されていました。

アルファベットには元々JUWはないとか、悉曇学を極める真言僧による梵字の並びがあいうえおになったとか、トリビアも知れて面白い。トンパ文字などの特殊文字をみれたのも嬉しかった。何と日本にもカイダー文字(八重山象形文字)という特殊文字があり、与那国では昭和前期まで使われていたとのことでした。

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その後代々木上原での展示を見に来たら、早く着きすぎてしまって。2h程時間を潰さねばならないと。
セブンで雑誌を読んだりいい感じの本屋で心の充足をできたりしました。

GQに載っていたTwitter社の内部ストーリー、面白く読めました。3度目のCEOに返り咲いたジャック・ドーシー、昔青髪だったのか。苦戦しているTwitter社ですが、Twitterは個人で編纂する等身大の雑誌だと想います。

セブンで読んだ雑誌は(立ち読みだから本来は言えた話じゃないのだけれど)モノ消費を煽るばっかり、後はグルメとかばっかりでうんざりというか選好が合わないなぁと想ったというかこれじゃ雑誌が断末魔上げるのは当たり前だなと想ったのですが、Twitterは読み手の感覚にフィットした距離の近いカスタマイズされた雑誌。趣味嗜好の関心事項で“書き手”を探しやすく出来たら良いのでは?

その為の提案というか、RTのバズ以外で面白いと想う書き手を探し出せる"場"があればいいと思うのです。

Twitterは各人でTLの内容も速度も異なる。またtoghetterも共通の場ではなく恣意的にチョイスされたもの。テーマごとに語り合える場が、twitterにはない。ハッシュタグ機能の進化というか、redditの様なスマホ最適化されたBBSと連携して“複数人で語り合える場”を作れたらいいと思うのですよね。

写真を載せたLOS PAPELOTESという本屋さんがすっごい雰囲気良かったのですが、趣のある本屋って個人BlogやTumblrっぽいというか、格好いいサイトのエッセンスが具現化しリッチ化した空間に感じます。一方でネット黎明期Flashばりばりで作られた“仮想リアルなサイト“は視にくくて敵いませんでした。大事なのはガワでなく体験のスピリットを落とし込むこと。

情報空間だからこそ、物理的な制約を意識すべきなのだろうなーと今更ながら想うのです。今だとPCよりスマホで如何に表現するか、操作感も含めてフィットさせるか。そこで四川旅行で見始めたredditが衝撃で。2chブラウザよりredditの方が遥かにスマホで印象的な作りなのです。日本語圏に限定すれば、twitterと連動させてreddit並みにスマホ最適化されたBBSをやったらかなりの勝機があるのではと想っていたら、案外時間が潰せましたw

そしてやってきたのはアパートの一室にあるGallery 20202にて開かれている『COPY ME』

カセットテープで制作された元となる音源データを観客の手によって新しいカセットテープへダビングし、その新たにダビングされたテープが次にダビングされる元のテープとなっていきます。次々と観客が新しいテープへダビングするという行為を繰り返すことによって、カセットテープレコーダーという機械特性に変調を委ねられ、音源は微細に変化していきます。そして最後の録音となる音までが一連のインスタレーション
とのこと。

元データでは「COPY ME」という声が入ったテープ、自分が聴いたときはノイズの向こうに囀る鳥の声みたいに聴こえました。アナログダビングならではのテープの変容、改竄、劣化を活かしたインスタレーションに『リング』『らせん』を想起しました。あれはウイルスのメタファーとしてのビデオテープの増殖、RNAのダビングを上手く使った作品でしたね。自分は中学生の途中まではカセットばりばり使ってた世代でもあって新しい懐かしさを感じながら楽しめました。

一部界隈で話題の中目黒のカセットテープ店、waltzといい、最近テープ来てますね。その内MDが再注目される時代も来るのでしょうかね~。

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京橋LIXILでの文字の博覧会も、代々木上原20202でのCOPY MEも両方会期は27日まで。文字の展覧会は無料、COPY MEはカセットテープが貰えて300円。双方面白かったです★
by wavesll | 2016-08-26 18:00 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

すみだ錦糸町河内音頭大盆踊りに行ってきた

JR錦糸町駅から徒歩8分くらい、堅川親水公園に河内音頭みに行ってきました!
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動画壱


動画弐


動画参


いやーヤッヴァ!!
ヤヴぁかったです★☆グルーヴがサイケデリックの域へ達していて。
河内音頭も生演奏で、レゲエ的なアレンジの河内音頭ステージもやってるなと想ったらランキンタクシーが出てきたり。

17時過ぎから20時過ぎまでいたのですが、今年初の盆踊り、最初は遠巻き見て、おっかなびっくり最初はぎこちなくやりはじめて、最後は結構ステップも分かってきました。

飯や酒も充実していて◎墨田の地ビール、VIRGOビールの飲み比べ、なんか一個いぶりがっこみたいのがあったw後クラフトビールのフォルクスワーゲン屋台、みかけことあるなと想ってお兄さんと話したらハンドメイドジャパンフェスにも来てた店でしたw奇遇!ポートランドのラズベリービールと志賀高原DPA、美味かった。

後何気に良かったのが公園そばのミニストップで。特にミニストップPB商品のオーガニックほうじ茶、美味い!なだ万のほうじ茶みたいなまったり感のある旨味がありました。

他にもスーパーボール掬いや射的の屋台があったりしてお祭り感がすげー良かった。錦糸町という街自体も下町の野性味を感じて好きです。

高円寺阿波おどりがトランシーなぶっといリズムグルーヴとしたら錦糸町河内音頭はドラッギーなサイケグルーヴ。凄いよ、飲み込まれました。

第35回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り 2016年 結城家利若  Kawachi Ondo (bon odori) in Kinshicho, Tokyo


第35回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り 2016年 桑舞心之輔 Kawachi Ondo (bon odori) in Kinshicho, Tokyo


第35回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り 2016年 江州音頭 月乃家小菊 Kawachi Ondo (bon odori) in Kinshicho, Tokyo


第35回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り 2016年 勝広 Kawachi Ondo (bon odori) in Kinshicho, Tokyo


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by wavesll | 2016-08-26 02:43 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)