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Jet Coaster 雑学 -絶叫マシンは乗る位置で感覚が変わる!? 苦手な人と得意な人の違いは?

プレミアムカフェにて『世界絶叫マシン紀行』をみました。

世界最古の機械式コースターはアメリカ・NYのコニーアイランドで生まれたそうです。エジソンの時代。
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その十年後にはループ型コースターも。
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そして1927年に生まれた絶叫マシン(ジェットコースター/Roller Coaster)の元祖、サイクロン。これは現在も稼働しています。
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Cyclone Roller Coaster - Luna Park - Coney Island - NYC


また最新型のジェットコースターも紹介。スウェーデン・ストックホルム、グローナルンド遊園地の四次元コースター『インセイン』。席自体が予測不能に回転し、高さ35m、速度60mなのに最高潮の興奮を生み出すそう。このゴンドラ、乗る人の体重バランスや風によって設計者でも予測不能な動きをするそう。人間の耐えられるGや速度競争だけでなく、最新型の絶叫マシンは新たな発想、創新によって開発されているそうです。

Green Lantern Six Flags Magic Mountain POV Roller Coaster Insane Grona Lund


さて、番組では絶叫マシンの雑学も。
ジェットコースターは乗る位置によって体験が変わるそうです。座る位置が前方だと下りで一番圧迫感を感じ、後方だと一番浮遊感を感じるとのこと。
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また実験により、絶叫マシンの得意な人、苦手な人は心拍数の違いがあることが判明しました。
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ノルアドレナリンの分泌が続くかどうかで得意/苦手は決まり、得意な人はジェットコースターの終盤で心拍数が収まるのに対し、苦手な人は心拍数増加が止まらないそう。乗り越えられた達成感の記憶があるとノルアドレナリンが止まることもあるから、慣れれば大丈夫かも!?とのことでした。

自分は絶叫マシンは大の苦手で愉しめるのはスペースマウンテン迄位なのですが、またいつか挑戦したいです(こりゃしねぇなw
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by wavesll | 2016-10-31 21:35 | 小ネタ | Comments(0)

Nara古代路 III. 橿原神宮、大阪、帰路

I. 正倉院展 at 奈良国立博物館
II. 東大寺、正倉院

神武天皇が祭られている橿原神宮に来ました。
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一応2600年続いてるとされる“日本”という物語の起点。一度来てみたかった。
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紀元2676年とな
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神武天皇御陵(畝傍山御陵)を望
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荘厳美
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神武天皇御一代記御絵巻が飾ってありました。高千穂で生まれ橿原に没した神武天皇。その伝説をアレして『ダビンチ・コード』みたいなのをアレを…!と想ったら『鹿男あをによし』がありましたね。
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白沙が光って綺麗だ。
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猿。七五三の子どもたちが沢山いました。
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いい時間でした。
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「土産物屋の癖が強いby千鳥ノブ」と想ったら、古墳があるから埴輪推しなのか。
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近鉄の窓から見る奈良の平野。白銀に光るススキ。古代を列車で旅しているような不思議な感覚。タイのPart Time Musiciansの歌でもかけたい。

Part Time Musicians - Vacation Time


近鉄車窓から。奈良の平原は海のような空間的開放感があり、大好きです。また来たいなぁ、奈良。
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SKYLINE at OSAKA
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なんば着。大阪、渋谷と新宿と銀座と中野が入り交じるみたいなエナジー満ちる街でした。駅や街にはハロウィン仮装組も。道頓堀で喰べた蛸焼き屋。前は屋台だったと思うけど今は屋台付の店舗になっていました。口上をレコーディングしたいwポンポン焼きの蒸気やらなんやら、道頓堀のフィールドレコーディングとかやってみたいがそういう時間の使い方は一人旅でないと無理そうw
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道頓堀の夕
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心斎橋にこんな巨大なPUMAが
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羽田着。機内で聴いたヴィヴァルディ / フルート協奏曲「夜」モーツァルト / オペラ「魔笛」K.620 おお恐れることはない地獄の復讐が私の心臓の中でショパン / Nocturne、良かった。今年は旅に幾度も出掛けた年でした。もう明日は十一月。今年の限もみえてきました。
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by wavesll | 2016-10-31 06:27 | 私信 | Comments(0)

Nara古代路 II. 東大寺、正倉院

I. 正倉院展 at 奈良国立博物館から歩いて東大寺へ来ました。
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運慶快慶仁王像
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良い面構えだ
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東大寺
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この真ん中の青い屋根が競り出でているのが良い
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大仏(廬舎那仏)
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虚空蔵菩薩もいい
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横顔
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廣目天
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廬舎那仏Back Shot
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多聞天
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如意輪観音
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廬舎那仏ってThe奈良の人って感じ
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鹿路
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二月堂。お水取りのとこか。
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二月堂からの眺め。二月堂の階段、一段一段模様が違っていて良かった(撮り忘れた)
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天平の風合いに心馳せる
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正倉院。空の青、芝生の萠色、そして年月を経た古木の黒の対比。特に建築の青みがかった深黒は正倉院展の宝物よりも美しい色みがありました。今日壱出たな。
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そして東大寺を後にしました。次は日本のはじまりの地へ

III. 橿原神宮、大阪、帰路
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by wavesll | 2016-10-31 05:23 | 私信 | Comments(0)

Nara古代路 I. 正倉院展 at 奈良国立博物館

第68回 正倉院展に行ってきました!
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突然昨日父から「正倉院展行かないか」と伝えられまして。や、正倉院展の時季に奈良に行くのは長年の望みだったのですが"費用も馬鹿にならないし…"と今まで二の足を踏んでいた処だったのでこの大波には乗るしかないと五時起きし向かったのでした。

奈良駅前。恐らく奈良は人生5度目。
今年は吉野の山桜 晩春爛漫熊野古道旅行での十津川村の玉置神社でも来ていて、今年は奈良によく来ていました。
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鹿。
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鹿。
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九時過ぎに奈良国立博物館着。長い行列ができていて、75分待ちとのことでしたが、結構するする進んだので45分位で入れました。
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正倉院展。通好みの中々の展示で初開陳を含み大分楽しめました。

メインヴィジュアルにも成っている『漆胡瓶』は聖武天皇お気に入りのペルシア風の水差しで唐からの舶来品。巻胎という板を円状に巻き、ずらして立体を創る古代の3Dプリンターのような技法で造られたというのが興味深い。天平のモノグラム。正倉院の品々は国際的状況の中の日本を伝えます。先日平城京にペルシャ人の役人がいたというニュースもありました。信長に仕えたモザンピーク出身の黒人、弥助もそうですが、『マッサン』みたいに外国人が主人公の大河なんてのも面白そうだなと想います。

『楩楠箱』はクスノキを組み合わせ角がアールになっている四角い箱。未来の潜水艇、或いはAppleTVのような感じでガジェットとして魅力がありました。『白葛箱』はアケビの赤が印象的で現場でも気になっていたけれど、現在でも製法が未解明だとか!?凄い。『粉地金銀絵八角長几』は檜製。これ脚が葉を模していて、設計思想がサクラダファミリアの内部の柱と同じだと思いました。

『赤紫臈纈絁几褥』の真紅の海。『布作面』は楽舞の時につけるマスク。楽器も『竽』と『笙』がありました。

『大幡残欠』。聖武天皇を弔うアヤという絹織物の幡(バン)。この厚み、質感が凄かった。そしてその幡の下部にあるのが今年の中でもTOP3な良さがある『浅緑地鹿唐花文錦大幡脚端飾』。天平の昔から奈良に鹿はいたのですね◎『大幡芯裂』の色。時が経たことがもたらした滲みが最上。

『平脱鳳凰頭』も鳳凰のシーサーの様でいいし、『銀平脱龍船墨斗』はシンゴジの第二形態みたいで可愛かった◎また『磁皿』の緑白斑の持つ古代のモダンな趣が美事でした。

『唐草文鈴』など鈴が沢山展示してありました。『梔子形鈴』、『瑠璃玉飾梔子形鈴』、『杏仁形鈴』、『瓜形鈴』、『蓮華形鈴』。また『瑠璃玉付玉』という碧玉のついた珠もありました。『露玉』がまた雫のような形で。

そして嬉しい驚が『和同開珎』が展示してあったこと!『神功開宝』という銭も展示してありました◎

そして『アンチモン塊』という変わり種も。それまでは中国から金属素材を輸入せざるを得なかったのがこのアンチモンがスズの代わりに銅の鋳造に使えたから金属加工を原料から国産化出来たそうです。

『牙櫛』の歯の細かさ!そして東大寺印の『革帯』。あの時代にベルトがあるとは!?『金銀絵花葉文黄絁』、『浅紅地亀甲花文臈纈羅』もつややかな美しさがありました。

撥鏤という、象牙を染めて削ることで造る細工が素晴らしくて。特に『撥縷飛鳥形』は是非生で実寸大で観てほしいです。『黄牙彩絵把紫牙撥鏤鞘金銀荘刀子』も見事な撥鏤刀剣でした。

そして書物も多数展示してあったのですが、『善見律 巻第三』の書の綺麗な事と言ったら!フォントデザイナーの藤田さんにこれで新しい書体をつくって欲しいレベル!!

本当にこの展覧会、一見地味だけれどもきらりと光るArtが数多あるExhibitionでした。私は初めて来ましたが毎年内容が変わるからボジョレーみたいに『今年の正倉院展の出来は~』なんて会話もありそうですね^^

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II. 東大寺、正倉院
III. 橿原神宮、大阪、帰路
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by wavesll | 2016-10-30 23:32 | 私信 | Comments(0)

アラゲホンジ LIVE at 渋谷タワレコ!!!!!

ハロウィンの渋谷でもののけ姫達に出逢いながら向かったはタワーレコード。
民謡 X Soul / Funkを融合させた音楽集団、アラゲホンジのインストアライヴがあったのです!
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アラゲホンジ(1/2)【祭る】2014.6.22 新潟県小千谷市片貝町

アラゲホンジ(2/2)【祭る】2014.6.22 新潟県小千谷市片貝町


今年壱の楽しいライヴ!民謡とソウル/ファンクが完全に融け合っていて!民謡という要素が奇抜さでなく最高の祝祭音楽として鳴らされていました。ライヴは間違いないだろと想っていたけどここまでとは!爆発的に良かったです!インストアライヴで自然とアンコールの手拍子が起きるなんて展開が!PAさんまで踊りだしちゃうしw!こーれはまた是非ともライヴいきてー!最高の夕でした★

渋谷の夥しい人の海を通り抜け、東横線で帰路につきました。ハロウィンよりも熱い秋祭りを堪能しました◎
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by wavesll | 2016-10-29 20:23 | Sound Gem | Comments(0)

夏目漱石の妻 -石に漱ぎ流れに枕す男の妻の心意気

NHK土曜ドラマ『夏目漱石の妻』は秋ドラで一番のお気に入りでした。
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私は漱石に憧憬を持っていて。神経衰弱になったり、教師から物書きを想い馳せる姿や私小説的な文豪の姿にも好感があって。
そんな特別な作家の漱石のことを知りたくて、漱石の家族が書いた回想録も幾つか読んでいて。なので世間的には悪妻といわれる鏡子さんが実はしっかりした良い女性なことも知っていたのですが、妻の視点で描かれるこのドラマは漱石と漱石の家族に対する観じ方が大きく変わるくらいの衝撃がありました。

第一回のお見合いの回で漱石が鏡子さんを「口を開けて笑うのがいい」と言っていたところくらいは微笑ましく見れていたのですが、さすが"石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す"という故事から筆名を採った漱石。その気難しさというか、精神を病んでしまったあたりからの機能不全家族ぶりには”鏡子さん本当に大変だな…”と。

文面で”神経衰弱”と読むだけでは想起しきれなかった身体を持った夏目金之助のリアルな姿。ちょっとドラマに感化されすぎかもしれませんが、彼の書いたものから想像される漱石像に対して大分驚愕がありました。

明治期の時代背景というか、男は稼ぐが甲斐性で、その実際的な能力を研げれば"家庭的な優しさ"はいらないとされる時代だったのかなとも想います。その漱石に愛を注ぐ鏡子さんの姿。

私は結婚観で、”漱石のようにさっと見合いして、共に暮らす中で『夫婦』になっていけばいい”なんて考えていたのですが、実際は結婚生活にはとてつもない苦労があることをこの劇から改めて分かったというか。理念理想と身体を伴う実体は異なるのだなと改めて思いました。

その上で鏡子さんの愛が、物語を愛で埋めています。実際的に生き、漱石を愛す鏡子さんが微笑ましく、逞しくみえました。夏目に嫁いで、当初は入水自殺も試みたお嬢様が、揺ぎ無い良妻になっていった一代記でした。

ラストシーンで鏡子さんが漱石に「『坊ちゃん』の清のモデルは私でしょう?」と問い、漱石が「そういうことにしておこう」と言います。漱石自身が鏡子さんの愛で包まれていることを表現していたこの場面によって読後感が良く感じました。明治の気難しいオッサンでもあった漱石の鏡子さんへの愛がみれて。

と、同時に”完璧な家族”なんて存在しないというか、現実の家族はほとんど全てがどこかしら機能不全的に欠けていて。家族って、そしてパートナーって割れ鍋に綴じ蓋だからこそ、ぴったり嵌って恋人/夫婦になるのではないかなとも想ったり。

余りに完璧を求めすぎると逆に軋轢を生んでしまうから、"ここまでできていたらOK、その先はボーナスのようなもの"みたいなラインを設定していくと、上手に家庭が回るのかもしれないと想いました。理想を求め努力を重ねる姿勢と、現実として実際を回す姿勢、その両輪が他者と他者が共に生きる上で大事。そんなことを学んだラヴ・ストーリーでした。
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by wavesll | 2016-10-29 11:11 | 私信 | Comments(0)

世界が死んだ後、人はオルタナティヴな世界を生きられるのか -杉本博司 ロスト・ヒューマン展をみて

東京都写真美術館に杉本博司 ロスト・ヒューマン展を観に行ってきました。
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<今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない>という人類の世界が終わる33のシナリオを膨大な実物のインスタレーションで示した作品と、<廃墟劇場>と<仏の海>という写真インスタレーションの展覧会。

先ずその物量に圧倒されます。日本のポツダム宣言受諾を伝えた第一報の電文や、化石、隕石、国連の旗やリットン報告書公表を伝える読売新聞、歴代ローマ法王御尊影や初音ミクフィギュア等大量の”本物のモノ”が「今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない」という文句で始まる様々な人の手記と共に展示されます。個人的にはインスタレーションとしては雷神がとても印象的でした。またラブドールの一幕はラブドールが妊娠するという写真作品、The Future Mother / 菅実花、またからくり人形の頭部群には押井守『イノセンス』との共鳴性を想起させられました。

手記はそれぞれその分野の著名人が手書きで書いていて"コメディアン"役の極楽とんぼの加藤が結構字が上手かったりw実筆ってデジタルに落とし込めない魅力がありますね。

終わりのシナリオは千差万別で、資本主義を規制しても、進めても、欲を伸ばしても、或いは抑えても滅びがやってきます。この世に生を受けた人間が必ず死ぬように、世界も必ず終わると言わんばかりの作品。

この作品を観て想ったのは"人は2つ目の世界を生きられるのか"ということ。

この展覧会で語られるように"世界"は終わるけれども、この地球は太陽系に存在し続けるし或いは宇宙は膨張なり何なりを続けるでしょう。つまり“世界”は人の意識の中に存在する事象だということ。

膨大なコンテキストを持つ"本物のモノ"を配置し、杉本博司自身の造る物語で束ねることで"意識"を実体化させようとしたのではないか、そう感じました。

その上で思ったのが人は自分の人生そのものだと想っていた物語≒世界が終わったら、もう一度別の物語を生きることが果たしてできるのかということ。

311が起こり原子力発電という人生の物語が否定され、しかし今更生き方を変えられないと思い悩む人のインタヴューを思い出しました。或いは、Webによって全然儲からなくなってきてしまった本/雑誌/音楽業界とか。ダーウィンを持ち出さずとも淘汰に耐えうるのは変化出来た者。しかし、自分の人生そのものだった物語から簡単にオルタナティヴなものへ鞍替えするのは実際問題難しいだろうなと。

或いはそういうオルタナティヴな選択をするには時間が必要なのだろうなとも思いました。違和感を馴らしていく時間が。と、同時に革命なり維新なり改善なり創新なり、自分でオルタナティヴな世界に働き掛けないと"自分の新世界"としては受け入れられないのだろうなと思いました。

これだけの作品を千円で見れるとは驚きです。村上隆の五百羅漢図展スーパーフラット・コレクション展をフュージョンしたような感覚というか。逆にその豪勢なバジェットのエンジン馬力に対してレコードタイムが甘い気はしました。若さというか、詰めの拙さみたいのも感じたところはありました。

それに対して写真は流石本職仕事。<今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない>がカミュ『異邦人』の変奏だと明かされる<廃墟劇場>は一本分の映写の光を長時間露光で廃墟となった劇場を撮った実験性のある作品。そして7年がかりの交渉で三十三間堂の千手観音を幾何学的に撮影した<仏の海>はこの展覧会一の美があった作品でした。

企業の寿命は30年だと言われます。産業にも寿命があって、或いは幻想/時代精神にも寿命があって。それはヒトの寿命より短いとしたら。人は複数の世界に生きなければならない運命だと言えます。世界は終わる、それを前提として、終わった後の"世界"を我々は生きていく存在なのだ。そして杉本さん自身も究めた写真という世界から次へ進もうと挑戦を続けている…!そんなことを考えさせられる、想念が触発される展覧会でした。11月13日(日)迄。

cf.
人類滅亡後の地球では何が起こる? 3億年後までシミュレーションすると…(GIZMODO)

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by wavesll | 2016-10-28 20:33 | 私信 | Comments(0)

武士の家計簿をみた -算盤の音響と時代の変遷を超えていく力

BS JAPANでやっていた『武士の家計簿』をみました。

『武士の家計簿』 予告


磯田 道史 / 武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新(新潮新書)を下敷きにしたこの物語、地味ながら面白く見れる佳作で。影響されやすい私はXperiaに早速家計簿アプリを入れてしまいましたw

上に書いた元となった新書がかなり面白そうで。

Amazonページに寄せた著者のコメント
東京・神田の古書店で、加賀藩士がつけた「家計簿」が発見された。饅頭ひとつ買っても記録した詳細なものである。天保13年(1842)から明治12年(1879)年まで37年分が残されており、金沢城下の武士の暮らしぶりが手にとるようにわかる。

家計簿をつけたのは加賀藩御算用者(おさんようもの)・猪山直之。藩の経理係であり、将軍家から前田家輿入れした姫様のそろばん役を務めていた。仕事が経理であったため、自分の家でも緻密に家計簿をつけていたらしい。彼は、年収の2倍をこえる借金を抱え、年18%の高利に苦しんでいた。妻の実家に援助してもらい、お小遣いも現在の貨幣価値で5840円におさえられていた。しかし、天保13年に一念発起して家中の家財道具を売り払い、債権者と交渉して借金の整理に成功。「二度と借金地獄に落ちるまい」と、それ以後、家計簿をつけはじめた。

その後、猪山家は家運が急上昇。江戸時代の武士社会では、猪山家のようなソロバン役人は低く見られていたが、維新の動乱期になると、会計技術者は兵站係として重宝された。直之の子、猪山成之は明治政府の軍事指揮官・大村益次郎にヘッド・ハンティングされて兵部省入りし、のちに海軍主計となって東京に単身赴任する。その年収は現代の3600万円にもなった。一方、金沢に残された成之の従兄弟たちは政府に出仕できず、年収は150万円。明治士族の厳しい現実である。

本書では、なるべく、猪山家の人々の「声」を掲載することにした。幕末明治から大正にかけて、激動期を生きた家族の肖像写真をそのまま見て頂きたいと思ったからである。
あなたは猪山家の物語に何を想われるであろうか。
大層面白い感じに聴こえませんか?映画を超えてそう。
「大きな社会変動のある時代には、『今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっているか』が人の死活をわける(p.218)」
とのこと。古書店で一次資料を発見するエピソードも含め興味深い噺を読めそうで、倹約ついでにまたしても早速図書館に予約を入れてしまいました。

映画についてですが、世間体や体面の為に借金を重ねてしまう武家社会の現実に対して、家財を売り払ってでも借金取りと交渉したり、或いはArtやDIYの力で"貧乏の苦労"を"工夫の楽しさ"に変えていく猪山夫婦に生きる力を魅させてもらいました。

身の丈に合った、持続可能な人生のファイナンシャルプランは大事だなと思いました。そして生きる工夫に勤しむ人に「貧乏ったらしい」なんて蔑む人間の心のさもしさといったら無いなぁとも思ったり。

と、同時に、困窮を解決する策として倹約のみが照射されていましたが、”仕事を創って金を稼ぐ”という策も今を生きる我々としては観たかったなぁとも思いました。結局息子の成之は高給取りになるのですが、現代の物語で置き換えるなら起業家精神的なものを江戸時代に見出した話なんかもみてみたいです。

また映画をみて、フィールドレコーディング的な音響好きとしては加賀藩御算用者達が一斉に鳴らす算盤(ソロバン)の音が"これ良い音だな"と想ってw

そこで算盤の音響作品はないかと検索してみると、ASMRモノに混じってこんな作品がYoutube上にありました。

弾かれる音 ダイジェスト


服部麻耶さん(名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科3年)の作品で、
そろばんを使ったパフォーマンス作品です。
プログラミングによりランダムに映し出される数字を計算しそれによって弾き出されたそろばん特有のパチン、パチンという音をリアルタイムで録音、またそれを遅らせて再生させ増幅させています。
音を積み重ねるということでそろばんの音が迫ってくるような感覚が生まれ、感じたことのない空間を体験していただけたら幸いです。
とのこと。Yosi Horikawa - Bubblesを生でパフォーマンスしちゃったような素晴らしい演奏だと想いました。ほんとソロバンの音響作品があるとは流石だ◎

新書を読み終わったらまた追記したいと想います。今年公開された『殿、利息でござる!』も磯田さんの原作だそうで。そちらも機会があればレンタルしてみようかな。

cf.
Sports Fieldrecording スポーツ音響楽曲群

The Vegetable Orchestra・おみそはん・Yosi Horikawa・NANTAのお料理音楽
鉄道音楽III両集
Yosi Horikawa - Artとしてのサウンドスケープ
和田永のエレクトロニコス・ファンタスティコスがスゴい!
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by wavesll | 2016-10-27 20:50 | 映画 | Comments(0)

村治佳織プレミア・ライヴat渋谷タワーレコード

渋谷タワレコに村治佳織のインストアライヴへ行ってきました。
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村治佳織 - ラプソディー・ジャパン 2016.10.26発売


音が素晴らしい。新譜では弟さんとのデュオだったものをタワレコ仕様にソロで短くアレンジした演奏。『コユンババ』の深くて流麗な音、『バガモヨ』のアフリカの花園の陽のような燦々とした音、ラストの『花は咲く』の風雅さ。先日のFreiburger Barockorchester concert at Toppan Hallでもぴたりと揃うヴァイオリンの動きは音声波形の具象化のように感じましたが、爪弾き揺れ出ずる手に音楽と躰的物理感覚はクラシックでは不可分なのだと気づかされました。

今回のアルバムでは今まで村治さんが作曲された楽曲の、校歌として提供したもの以外の4曲すべてが収録されていて、作曲家として坂本龍一さんから「驚いた」と言われるほどの素晴らしいものを発揮されています。作曲をメインにするつもりはないらしいのですが、砂漠に一瞬だけ出現する奇跡の花園『ナマクワランドの花畑』のように印象的な楽曲群の演奏を聴くとまた期待してしまいます。

ギターの魅力が最高に引き出された素晴らしいライヴ、堪能いたしました。

村治 佳織 トップランナー

こんな動画ありました◎
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by wavesll | 2016-10-27 00:41 | Sound Gem | Comments(0)

Moe and Ghosts & 空間現代 - RAP PHENOMENON X 白霧島 第81回酒と小皿と音楽婚礼 / ジャポニズムを超えて

Moe and ghosts × 空間現代 - "不通" from "RAP PHENOMENON"


c0002171_2144838.jpg今年は緋色の豊饒 Chance the Rapper- Coloring Book (Chance 3) X 秋味 第80回酒と小皿と音楽婚礼を筆頭にRapの当たり年。日本でも米国でもいい作品が多数ドロップされました。

その流れの中で今夜
Noname - Telefone と 宮古島サイダー黒糖で在りそうでなかったSweetbitter  第79回酒と小皿と音楽婚礼に対して
DAOKO / ダイスキ with TeddyLoid X リボン星雲 第22回音の貝合わせを挙げましたが、フィメール・ウィスパー・ラップでいうと今年リリースされたこの作品をご紹介しないわけにはなりません。

幽霊たち [2012.08.15]でデビューしたMoe and Ghostsと、今年健康音楽でロックという概念建築を解体し再構成したような衝動を残した空間現代のコラボ作品。

特に空間現代は私にとっては昨年の音楽体験の十指に入るF/T 地点X空間現代Xマヤコフスキー『ミステリヤ・ブッフ』 2015年の新しい音楽芸術デモで鮮烈な印象を残したグループ。実はこのアルバムも、舞台を薦めてくれた彼女から教えてもらったアルバムでした。

教えてもらったのは大分前だったのですがその時はWeb上に適当な音源が上がっていなくて。検索してみたら丁度このFull動画があり、"今こそ記事をドロップする時だ"と書くに至ったのでありました。

ちなみに今ALを聴きながら吞んでいるのは白霧島。フィーリングで選んだのですが、これが案外このALと良い相性で。

というのも、ジャケの印象からこのALの音像はモノクロなイメージ、特に黒が強いイメージだったのですが、まっさらな状態で聴くと案外ふくよかな色の気があるというか、空間現代が紡ぐ音に密林感を感じ、萌さんの囁くように放つRapが白霧島と呼応して甘味が滲むというか。コンクリート・ジャングルに淡い色味が射していくような心持になったのでした。

どの曲も硬度を備えているのですが個人的な白眉は6曲目の「可笑しい」。リリックに山内マリコの小説『ここは退屈迎えに来て』のテキストを引用しEXILEに言及する様はKOHH - "Living Legend"とも呼応するようなB層―ファスト風土に於ける『サウダーヂ』な風景の切り口を感じました。

こうしてKOHHへ到達すると宇多田ヒカル / 忘却 featuring KOHH を聴く海景そして『Yeezus』からの影響を嚙み砕いたKOHHのBoiler RoomでのLIVEにも繋がるというか、ヒップホップにおける彼我の呼応に同時代を生きている感覚が呼起されます。

『ミステリヤ・ブッフ』で提示されたTBH-向井秀徳をさらに二歩三歩捻ったようなリズムのロックサウンド念仏ラップとフィメール・ウィスパー・ラップが交差したこの盤は極めて現代日本的な様相を示していて、そういった意味でもDAOKO / ダイスキ with TeddyLoidと双璧を為す2016年の日本のラップ作品になっていると想います。

フランク・オーシャンが新作で共演した日本人ラッパーKOHHに早速脚光が(RO69)みたいな流れもあるし、米国の耳の早いアーティストがDAOKO、空間現代、Moe and Ghostsにオファーを出すなんて話もあるかもしれません。逆に日本側からコラボを持ちかけるなんて話が出て来たら面白いなと想ったら三代目 J Soul Brothers / Summer Madness feat. Afrojack、或いはSigurRosのプロデューサーであるKen Thomasとロンドンでレコーディングを行ったSEKAI NO OWARI「SOS」なんてのもありましたね。

逆にJOSE JAMES / 明日の人(feat. 椎名林檎)みたいな例もあって。YMOの頃とは違った形でジャポニズムが起きている今だからこそ、"楽曲を制作し海外のアクトを招く側"で日本のアーティストが力を発揮してくれたらいいなぁと想います。そうした面ではDos Orientales (Hugo Fattoruso & Tomohiro Yahiro)Alva Noto & Ryuichi Sakamoto VrioonそしてFennesz + Sakamoto - Cendre, Yaki​-​Läki by Pastacas & Tenniscoatsなんかはその先駆となっている、

と書いた所で90年代の名曲、織田裕二withマキシ・プリースト / Love Somebody久保田利伸 『LA・LA・LA LOVE SONG』とか色々あるじゃないか、結局資本力かよ!?と想いかけましたw

とは言え、最近の日本の引き合いのされ方は資本力というよりその創造性や実力から美味しい風味を求められてだと想うので、トランスナショナルな音楽制作はこれからどんどん進む、実現していく夢だと想います。一方でAsiaの音楽環境もどんどん発展してきている。その中でジャポニズムの波に乗り、波を超えて星単位へ日本の音楽家たちが羽ばたいていく姿を今私は夢見ています。
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by wavesll | 2016-10-25 22:37 | La Musique Mariage | Comments(0)