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THE FOUR FRESHMEN in TOKYO '68 大人の粋さが新鮮に響く男声コーラスグループ

THE FOUR FRESHMEN in TOKYO '68 LP-8540 ⇔STEREO
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Sunday Songbookでかかった「Day By Day」がとてもよくて、この未CD化のパレスホテルでのライヴ盤を聴いていました。すっごく良かった。

私は学生時代は邦ロック聴きだったのですが一種ROCKに挫折したこともあり音楽放浪といったら聴こえはいいのかな?まぁデラシネな新しい音を求めて様々なジャンルを彷徨うリスナーとなって。「新しい音」といっても「(私にとっての)新しい音」なので、例えば世界の伝統的な民俗音楽だとか、”聴いたことないフィーリング”を呉れるのを追い求める日々で。そんな中で、逆に一周回ったのかイマ、この古き良き男声コーラスグループの音がとてもよく聞こえて。

このYoutubeの粗削りな音質も相まって、4人のきびきびとした奏でが非常にフレッシュで。と同時に和モノJAZZのような一種生真面目な、それでいて遊び心もあるプロフェッショナルのカッコつけ方、粋さが感ぜられて。まさに大人の遊び場といった風合いがとても好くイマの私には響きましたね。

# by wavesll | 2022-10-19 03:06 | Sound Gem | Comments(0)

Billy Butler & Infinity - Hung Up On You シカゴ・スウィートソウルに酔いしれる

Billy Butler & Infinity Hung Up On You [Full]
Billy Butler & Infinity - Hung Up On You シカゴ・スウィートソウルに酔いしれる_c0002171_01301971.jpg


ここ数年の私のラジオ・ライフでの新しい動きとしては山下達郎サンデーソングブックが結構性に合ってきたとことがあって。年齢的なバイオリズムなのかなぁ。若い頃よりまろやかな音楽の良さが分かってきた気がします。(個人的にはこの方向性のさらに奥地にピーター・バラカンさんの番組があると想います)

さて、そんなサンソンでかかった楽曲から取り上げるのがBilly Butler & Infinity - Hung Up On You。この極上の表題曲の甘美さ!シカゴ・スウィートソウルの名盤中の名盤ということで、もうこりゃ最高ですね。アルバム全体を聴くと他のSong達も素晴らしく楽しく甘やかに美しくて、夢のひと時を味わえました。

昨日が38回目の誕生日だったのですが、今年の健康診断でどうも数値が悪いのが一部あって、アルコールを飲んだら一日開けるように最近はしていて、酒無しのバースデイで。志村けんも呑む為にジム通いしてたらしいですし、カラダのメンテ、あるいはスポーツなんかも考えてく年なんだなと。聴くところによると音楽に反応する脳の部位はアルコールで反応する処と近似しているそうです。秋冬、街がイルミネーションに彩られていく中で、こんな至高のシカゴ・スウィートソウルに酔いしれる夜もまた善き哉、ですね◎

# by wavesll | 2022-10-19 01:49 | Sound Gem | Comments(0)

明らめを超えて

38才になりました。

鴎庵の最古の記事が2004年11月なので、中断を挟みながらも18年も書いてるんだなぁと。
これだけ長期に書くともういい加減自分の筆力の評価は出たというか、世間的には跳ねるレベルにはないのだろなぁと想って。
実際、メイン趣味の音楽リスニングや旅にしても、世の中を見ると私より遥かに広く、深く、そして知識・調査に裏打ちされた文を書かれる方が数多いて。

35くらいまでは「Blogで一旗揚げたい」「音楽フリークとしてひとかどの人間だと認められたい」という欲があったのですが、その野望は砂塵と化していって。寧ろ今は“俺が楽しければいちばんいいじゃないか”という感じになっていって。

「誰にでも好かれようとするゲーム」をやめる、Twitterでいえば「いいね数規模拡大ゲーム」をやめると重みの圧から解放され気楽になるというか、逆に”これだけ好きなようにしか書いてないのにそれでも付き合ってくれる人がいる”という感動があったり。そうした人達を大切にしたい。

己の感性がマジョリティのストライクゾーンからずれていても広大なネットの海にはニッチがあって。承認欲求といいますが、他者からの承認が全くないのはつらいものですが、承認などある程度あれば十分な話で。規模拡大をするために”これ書いたらイメージ落ちるかな?”とかで書きたいことが書けないなんてのは本末転倒、感性が乏しく合わない奴には何みせたって価値がわかりゃしないのだから、感性が合う人に向け本当に価値のある藝について書いていければいいなと。

そんな、明らめからの承認欲求から抜け出る地点に今いる気がします。

ここ数年の私の口癖は「海邉、野邊の庵の畔に石舟を浮かべる」。石舟というのは『バガボンド』で柳生石舟斎を語る言葉で、川の表面は荒々しく時代の支配者が入れ代わり立ち代わりするけれど、水面下は静かに在る。歴史の表舞台に躍り出るのではなく、水底の石舟としてただひたすらに自分の技を磨いて後の世に伝承した石舟斎の生き方に、今あこがれるところがあります。中央でなく辺境において、一人キャンプのような心の解放がいいなと。

上で他人に認められる野望は崩れていったというようなことは書きましたが、私自身が望む筆力を手に入れるために技の改善を続けるのは当然の話で。なんでも雪舟は48才で中国に画業の留学へいったそうです。人生は技を磨いていく旅路なのだなぁと。世間的にもCOVID-19禍が3年目で状況が変化し始めてきたように、Webコミュニケーションで、私もあたらしい領域を歩き始めている気がする2022年の秋でした。



【作業用BGM/4K】高木正勝​​ |きときと〜鳥や虫とのセッション​​ | Daily Sound Sessions feat. Masakatsu Takagi


# by wavesll | 2022-10-18 01:29 | 私信 | Comments(0)

LIBRO『胎動』雨降りの月曜にBrazilian Jazzをサンプリングした90's邦Hip-hop Classicsを

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LIBRO "雨降りの月曜" (Official Video)


降ったりやんだりの月曜のアンニュイさにこのアルバムはいい音を流麗に刻みますね。

何といってもキラーはブラジリアンジャズの名曲中の名曲Tenorio Jr. - Nebulosaをサンプリングした「雨降りの月曜」。他の楽曲も90sフレイヴァな硬質で静謐な、だけどヤンチャさも感じる逸品ぞろいで、”やっぱりここら辺が俺世代には直撃だなぁ”なんて思ったり。イマの時代におけるクラシックでありソウルフードな楽曲ですね。

# by wavesll | 2022-10-17 12:00 | Sound Gem | Comments(0)

Chirgilchin LIVE『トゥバのホーメイ~歌声の蜃気楼』@浄智寺 濁声の先にある宇宙の口笛のような澄明な聲

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Chirgilchin - Kaldak Khamar - 2009 - Full Album


トゥバのレジェンド・グループ、チルギルチンのライヴを北鎌倉の浄智寺にて観てきました。
モンゴルではホーミーと呼ばれる伝統的歌唱法をトゥバではホーメイと呼び、チルギルチンはトゥバを代表する音楽グループで中心人物コシュケンディ・イーガリさんはロシア人として唯一グラミー賞を得た人物。

そんな彼らを日本に招聘した巻上公一さんのトークがライヴ前に少しあって、何しろトゥバ共和国はロシア連邦に属する小国なので、ウクライナ侵攻によりチルギルチンの4人を日本に呼ぶのは困難を極めて。先ずロシア政府が「非友好国の日本に行くビザなど出さん!」と言ってきたのをあの手この手、それこそ個人的コネクションも駆使してなんとかビザを下ろし、更にはロシアから西側諸国へは飛行機は出ていませんから、トゥバからウランバートルへ1800km以上もクルマで向かうという強行軍でクルマが壊れて…とかこのエピソードトークだけで新書一冊書けそうw

ロシアの少数民族という重層性と、また彼ら自身の政治的な立場の難しさは勿論あるとは思いますが、私自身ここ数年トゥバの音楽を是非生で体験してみたいと焦がれていたので、是が非でもこのライヴは来てみたかったのでした。

そして矢張り凄かった!濁声の先に宇宙の口笛みたいな音がテレパシーのように頭の中に届く!なんと澄んだ聲なのかと驚愕して。
最初は”人力テルミンみたいだ”なんて思っていたのですが」、オンダール・モングン=オールさんのホーメイなんかはまるで水面に波紋が漣めくような揺らぎがあってまさに“こんなヴォーカルというか音は初めて聴いた”という凄さ。

チルギルチンの音源はApple Musicや上に載せたようにYoutubeで聴けるのですが、この生の宇宙の口笛的・テレパシー的音楽体験はちょっと音源で聴くのとは次元が違うというか、初めてスペシャリティコーヒーを飲んで酸味のある珈琲の美味さが分かった時のような、ホーメイというもの自身への認識が全く塗り替えられる劇的体験となりました。

またコシュケンディ・アイドゥスマーさんがメェ~メェ~と羊の声を真似た「Kadararda Khoyum charash」や、或いは車の走行音を真似たヒッチハイク民謡「Kaldak-Khamar」、ロシアのアコーディオンであるバヤーンの弾き語りや”カルグラー”のスタイルでの低音担当のブルターン=オール・アイドゥンさんのソロや口琴を使った曲なんてのもあって。ちょっとこのライヴは特別な体験だったな。最後は「Аа-шуу декей-оо」をみなで謡って。民謡リスニングという意味でもエクスクルーシヴな夕になりました。

cf





# by wavesll | 2022-10-16 20:10 | Sound Gem | Comments(0)