KANYE WEST - MY BEAUTIFUL DARK TWISTED FANTASY X 赤濁 第117回酒と小皿と音楽婚礼




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年の瀬。シャンシャンと鈴の音がそろそろ街に響きだす季節。こんな時期に何故か聴きたくなるのが『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』。魔都の聖歌とでもいうか, この甘さが突き抜けてウランになったような音が欲しくなるんですよ。でこれに合わせたいのが赤濁。ナチュラルローソンで取り扱っていて大変美味いBest級の国産ビール。

苦味とフルーティさのバランスの妙が素晴らしくて。丁度いいポイントをジャストに突いてくる緋色の麦酒をMBDTFに合わせれば悪夢な宴へゆける。Rapされてる内容はほんと下衆の誇大妄想なのになんて良い音楽か。

この後カニエは『YEEZUS』と神を自称したりパブロ・ピカソと自分を重ねたりするのだけれど、そこまで突き抜けるための危なっかしい精神の発火がこの圧倒的な音楽としての見事さから生まれていて。10年代に於けるROCKSTAR。この域はArcaを観るまで更新されない怪物な音楽でした。

なので『MBDTF』に合わせるならとびきり味がいい赤濁しかなかったw奇しくも真紅の組み合わせ。もうすぐ師走。Xmasシーズンにこんな音とアルコールで紅潮させた頬でパーティーへしけこむのもまたをかし。


# by wavesll | 2017-11-30 01:58 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

BiSH ゲリラライヴ@六本木ヒルズにて「My Landscape」「FOR HiM」「オーケストラ」等を聴。

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BiSH / My landscape

BiSHのゲリラライヴに行ってきました!

個人的に「My landscape」がアイドルの楽曲の中で「時空を越え 宇宙を越え」以来にびびっと来て。今日昼Twitterでゲリラライヴを知り馳せ参じたのでした。

何と1曲目が「My landscape」!

ただYoutubeでの歌の方が良くて。”LIVEではそんなに魅せられないのかな”と想ったのですが、2曲目からは目に見えて良くなって。アッパーな曲の方が映えるグループなのだなと。

またオーディエンスのコール?にも当初ぎょっと驚いたのですが、高く跳ねたりサークルでガンガン走るのをみると、”あぁこれは血気盛んなエネルギーを発散させているのだ”と想って。ダイヴやモッシュに通じるのだなと。

BiSHの音楽は最新型のロックグループなのかなと想っていたのですが、生で観るとかなり舌ったらずな可愛らしさがロックサウンドと相まっていて。

サマソニでみたSu-Metalの眼の凄味みたいなものはなかったのですが、戦闘巫女とでもいうか、こうした暴力衝動と美少女さの融合が神輿というか、野郎のファンにとって衝動を開放できる霊媒性を感じました。

新曲「FOR HiM」が良くて。あとは「オーケストラ」なんかも良いパフォーマンスだなと感じて。

以前Idol Musiqueを聴かない理由があるとすればという記事でアイドル楽曲に対する個人的まとめをしたのですが、あれから1年半、いまだに弱まることのないアイドルの現場、今日の周囲を見ると世代交代してるし活気があるなと。

そういうYouth Cultureの現場としても勿論楽しかったですが、個人的にはバーンと盛り上がる楽曲より「時空を超え 宇宙を越え」や「My landscape」みたいな憂いを秘めた楽曲が聴けたら嬉しいところ。BiSHの今後にも色々着目していきたいなと想いました。

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# by wavesll | 2017-11-29 22:07 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

東博常設展にて好い写楽や好い月岡芳年、そして刀や絵師の仕事をみる

東洲斎写楽 ≪中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と中村此蔵の船宿かな川やの権≫
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東洲斎写楽 ≪紀伊国屋納子 三代目沢村宗十郎の孔雀三郎≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 古手屋八郎兵衛≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 笠森お仙≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 福岡貢≫
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歌川広重 ≪名所江戸百景・蓑輪金杉三河しま≫
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寺崎広業 ≪秋苑≫
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≪小袖 染分綸子地若松小花鹿紅葉模様≫
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岸連山 筆 ≪猪図≫
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喜多川月麿 ≪相州江の島巖屋の図≫
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荻生徂徠 ≪文語≫
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徳川綱吉 ≪和歌≫
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三井親和 筆 ≪詩書屏風≫
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円山応挙 ≪波濤図≫
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≪熊毛植二枚胴具足≫
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≪紅糸威二枚胴具足≫
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≪白糸威二枚胴具足≫
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≪瓶形四君子図七宝水柱≫ ≪瓶形梅桜文七宝水滴≫ ≪重丸瓶形花文七宝水滴≫
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≪火事羽織 紺木綿地刺子人物模様≫
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≪火事装束 猩々緋羅紗地波鯉模様(抱き茗荷紋付)≫
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≪太刀 長船景光(号小龍景光)≫
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≪太刀 備前元重 銘 備前長船元重 観応二二年十二月日≫
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≪刀 関兼元≫
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≪刀 相州正宗(名物 石田正宗)≫
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≪刀 長曽祢興正 銘 東叡山於忍岡辺長曽祢興正作之≫
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≪刀 堀川国安 銘 国安≫
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≪刀 来国光≫
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≪脇指 畠田光守≫
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≪脇指 相州貞宗(号 石田貞宗)≫
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≪黒漆小脇指 無銘 貞宗(号 石田貞宗)の拵≫
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≪獅子造鱗文兵庫鎖太刀≫
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≪沃懸地葵紋蒔絵合口≫
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≪沃懸地葵紋蒔絵螺鈿打刀 銘 助真の拵≫
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≪梨地笹龍膽車紋蒔絵糸巻太刀 銘 貞真の拵≫
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この写楽とか芳年とか、かなり好きな感じでした。

最近の刀剣ブームでかなり見る機会が増え、段々と「この刀いいねぇ」と想うようになったりw

ここには載せていませんが国宝室には万葉集が。また信長の肖像画の掛け軸なんかも。常設展と言っても結構な頻度で展示替えしているので、特別展を見るたびに新鮮に楽しめて満足感高しです◎

# by wavesll | 2017-11-28 19:07 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

フランス人間国宝展 at 東京国立博物館 表慶館が素晴らしかった

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東博・表慶館にて開かれたフランス人間国宝展に最終日に行ってきました。

日本の通称人間国宝(重要無形文化財の保持者)認定を基に、フランスにおいて認定されたメートル・ダール/Maître d' Artの保持者たちの作品群。日本伝統工芸展とか好きな人にはかなり響きそうな展覧会でした。

まず入ると陶芸家ジャン・ジレルの≪Tennmoku(天目)≫が。
曜変天目の再現としては瀬戸の陶工の長江さんの方が見事なように感じましたが、ジャンさんの作品もメタリックな天目として愉しめました。

そして奥に入ると鼈甲細工、革細工、金銀細工の部屋が。

クリスティアン・ボネによる鼈甲が光に透ける≪花瓶≫はアールヌーヴォー的な卵にもみえて。セルジュ・アモルソによる革鞄≪クフ王≫シリーズは品の良さと格好良さを非常に感じさせられました。

そして≪グラス チューリップ≫がメインヴィジュアルにも使われたロラン・ダラスプの金銀細工。
ファンタジー世界の砦のような≪パンチボウルとレードル≫、銀の枝が伸びる≪枝付き燭台≫、≪キャビア船≫、≪トレイ≫、≪ゴブレット≫も好いし、コップで表現された≪ドン・キホーテとサンチョ・パンサ≫なんてのも。≪一輪挿≫も粋でした。

階段を上に上がると麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工の一室。

フランソワ=グザヴィエ・リシャールによる和紙の壁紙≪オービフォールド≫が明暗の変容をするライティングに映えて。

その中に包まれるナタナエル・ル・ベールの真鍮細工が何しろ素晴らしい。

アーク・ノヴァのような≪マヨルカ≫と≪無限≫。臓器のような身体性を感じさせる≪灰色≫。≪トルソー≫というなの壺。肺がイマージュさせられる≪呼吸≫。金と黒の須恵器 子持高坏のような≪テーブル オペラ≫、緑・黄緑、そして木の茶の≪テーブル シャイアン族≫。そして本展随一の印象を受けた黒孔雀のような≪テーブル 春の月≫が美事でした。

リゾン・ドゥ・コーヌの≪ルクソール≫という家具もシックとゴージャスが両立していて素晴らしかった。

第四室は 傘、扇。これがまた素晴らしく良くて!

ミシェル・ウルトーによる傘たち。椿姫な≪日傘 日本≫やレースがひらりとする≪花嫁≫、≪イシス:豊饒の女神≫の舞う赤。老婦人が持ってたら凄くイイ感じの≪パゴダ≫、確かにアール・デコな≪アール・デコ≫や確かにアフリカな文様の≪アフリカ≫。

跳ねるデザインの≪突風≫や植物な白岩感のある≪フォンタンジュ嬢≫、淑女のスカートの中を覗いてしまったようなコケティッシュさのある≪土星≫、赤が映える≪日傘 スペイン≫、本当に上品な落ち着きのある≪銀杏≫、どれも素晴らしかった。

そしてシルヴァン・ル・グエンによる扇がまた好くて。日本で生まれた扇子が現代フランスの感性でリファインされていて。

”こんなのありかよ!”というようなボウボウが出た≪イソギンチャクの夕べ≫や、立体の羽根の≪香り立つポップアップ≫。そして透明な”トゲ”がでた≪ウニ≫、≪ホワイト・ウェディング≫も立体的で。前衛扇子。

四角と丸のカタチの≪非対称なスルタン妃≫や畳むと三角形になる≪ピラミッド≫。珊瑚の様な柄の≪ゴルゴン≫、抽象画な≪セルジク≫にそれが折り目で立体的になっている≪セルジク 折り紙≫、空に風に流れる雲が描かれた≪風の神アイオロスに捧ぐ≫や、≪マラルメに捧ぐ≫も美がありました。

菱形の折り目達がついた≪ダイヤモンド≫や広告が織られた≪200%≫、PSのゲーム『IQ』のようなヴィジュアルの≪格子(ピックに捧ぐ)≫や人の顔とグラスのだまし絵が描かれた≪ジュリエット・グレコ≫。≪孔雀の太陽≫も美しかった。

対になる白鶴が表現された≪鶴≫、立体裁断な≪星々のきらめき≫、木の感じがいい≪秋の夕暮れ≫にクリスタルも使われた≪カロリーナ≫。柄の部分が蓮な≪蓮(黒/革)≫にまさに黒蓮が表現された≪蓮(黒)≫。

ヴェールがついた≪霧氷の花びら≫に広げた時逆三角形になる≪トライアングル≫、マジシャンのような≪ホワイト&ブラック≫といい、非常にアヴァンな扇、大変愉しめました。

そして吹き抜けの空間を抜けるとピエトロ・セミネリの折り布が。

まず目に飛び込んでくる≪トレーン≫が凄い!黒い鳳凰の尾のよう!圧倒され、思わず”すげぇな”と呟いてしまいました。

そして≪権力者≫、≪強さ≫、≪義務≫はどことなく東洋というか、スルタンな感じを思わせる作品。≪力の荘厳≫は鎧のようで、≪隠遁者≫は恐竜の鱗のよう、≪深き淵より≫も美しい黒の連なりでした。

第6室は銅盤彫刻、紋章彫刻、エンボス加工(ゴブラージュ)

ジェラール・デカンの紋章彫刻による≪明日≫はガラスに動物たちを浮き上がらせる連作。金の円柱の≪方舟≫とこれも動物が彫られた≪陶印≫も良かった。

ロラン・ノグのエンボス加工による≪構造と動き≫はミニマムな複雑性というか、白地に立体的な構造が編まれていて、”こんなの家に飾ったら最高の空間になりそう”と想いました。

≪ITO≫は細い糸のような線で幾重にも円が重なる作品。紙に死神などがエンボス加工で画かれた≪黙示録≫も。

リアルな大和絵のような金色の空を見上げる≪雲1≫、≪雲2≫や≪三連作 風景≫も素晴らしかった。

さらにファニー・ブーシェの≪継承≫は神域の空間が広がっていて。白いふわりとした布の花の上に銅の球が浮かんで。感銘を受ける、非常にシンボリックな逸品でした。

そして階段を降りるとネリー・ソニエによる羽根細工が。

花を中心に植物が羽根で形づくられる≪沼地のはずれで 蜜採集≫や羽根で竜魔がつくられた≪ドラゴン≫、木のウロが羽根によってつくられて金の虫が這う≪窪み≫の感じなんかアルチンボルドに通じるものを感じて。

アクアリウムのような≪ツグミと鯉 分け与える≫や実際の林檎の木に羽根を飾った≪夏の盛り 思いがけない樹木≫なんて作品も。

そして最後の部屋はエアニュエル・バロウによるガラス作品。ガラスの巨大な波があらわれている≪探究≫には金沢国際ガラス展でみた作品群を想い起しました。

この展覧会、フランスの現代工芸を観ることが出来てなんか世界が広がった気がしたし、表慶館の建築も凄く雰囲気があって行って良かったです。今後も表慶館で開かれる展覧会、ちょくちょくチェックして行こうと想いました!

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# by wavesll | 2017-11-27 21:28 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

The Piano Era 2017にてDiego Schissi with 北村聡, Mario Leginha, Bobo Stenson Trioを聴く

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ピアノエラに訪れてきました。
先ず開場のめぐろパーシモンホール、目黒ではなくて都立大学にあったのかと一つサプライズw
会場でグアテマラの美味しい珈琲を飲みながら開演を待ちました。

今回のお目当てはDiego Schissi with 北村聡。

ディエゴ・スキッシは20代半ば、もう10年ほど前にワールドミュージックを漁っていた頃に知って。神保町のジャニスで円盤を借りて”いつか観たい、でも中々招聘は難しいかもしれない”と想っていた現代タンゴのアーティスト。

今年は菊地成孔の粋な夜電波で取り上げられたりして、こうして来日まで果たされるとは。感無量。

最初の一音からの流れがまるで珠玉の赤ワインを飲んでいるような味わい。南米音楽は自然を感じることが多いのですが、ディエゴの音には都市を強く感じます。そして2曲目は北村さんが登場しスリリングに展開。バンドネオンはボタンを押す音で打楽器でもあるのですね。

そしてここでMario Leginhaが登場。彼のことは今まで知らなかったのですが、現代ポルトガルを代表する巨匠だとか。ディエゴとグランドピアノを連弾で、ポジティヴな響きを鳴らしてくれました。位置を入れ替えてからディエゴが高音を弾いた一時はこの日のハイライトの一つでした。

再びソロ。ここで強く”これは…タンゴだ…!”と想いました。いつかブエノスアイレス・ボカ地区でみた石畳の路上で舞う男女の踊り子の姿を想い起こして。夜の街の煌めき、朝の街の営み。そんなヴィジョンが起ち上がるような演奏。

北村さんが再登場し、人生を切り拓くような様というか映画を見ているような抒情的な演奏。終わりの迫真の幕引きにはハッと息を飲みました。

凄く美しく、そして刺さって来る音でした。

次に舞台に上がったのはMario Leginha。

ディエゴ・スキッシはこちらも入れ込みすぎる位に聴いてしまったのですが、マリオはリラックスして聴けて。ブラジル的というか、木立の中で朝日を浴びながら歩くような森林浴的な快さ。ポルトガル語らしいヴォーカルもグーで。

そしてピアノで展開する魔術師のような演奏。彼のPLAYが本日のベスト・アクトでした。

一曲目はファド、中盤ではショパンの曲も。最後はブラジルに捧げた曲。Magic Time.

めくるめいた音の連なり、星空を織るような演奏。黒いピアノに中の弦の部分が映りこんで陽炎のように揺らめいて。心から寛げる最高の時間があらわされていました。

そして3組目はBobo Stenson Trio。

スウェーデン出身の北欧ジャズの巨匠。ピアノも理知的でいいし、Anders Jorminのコントラバスの爪弾きと弓で奏でる音のさざめきも好かったのですが、何と言っても一番目を引いたのはドラムの Jon Fält。

インディアンのように口に掌で”ポン”と音をたてたり、ドラムの上に木の鈴を置いて振動で鳴らしたり。ドラムを指で叩いたり、手でこすったり、繊細なニュアンスのドラム・タッチから電子音をドラムで操作したり最後はバチっと鳴らしたり、指の関節を音楽として鳴らしてしまうwその自由さ、雲のジュウザ並み。遊び心、華やかさに見惚れました。

アンコールがなかったのは時間が押していたからかも。とはいえ180分超のいいヴォリューム。撮影が入っていたのでその内映像作品かTV放映化があるかもしれません。大満足の夜でした。マリオ・ラジーニャという至宝を知れたのが一番の収穫。素晴らしい会でした。

# by wavesll | 2017-11-26 05:23 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

シャガール 三次元の世界展@東京ステーションギャラリーにて大理石の彫刻と陶器によって浸透率が高められ、絵へ導かれる

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東京ステーションギャラリーにてシャガール 三次元の世界展をみてきました。

シャガールって今まで熱心には観てこなかったというかメルヘンな感じがちょっと体に馴染まなかったのですが、立体のシャガールって凄く良くて。

陶器は立体のキャンバスで思う存分表現に遊んでて、彫刻はきらきらが散りばめられた大理石の聖明さにシャガールの闇か光化されてる感じ。そして絵の濃部に辿り着く。いい展覧会でした。

まず最初の部屋で目に入るのが≪誕生日≫。宙に浮かんでひょいっと恋人にキスする姿。その”カタチ”が唯一無二だと感じて。そしてその傍に大理石に彫られた≪誕生日≫が。この”新しいシンボリックなカタチの創造”が特異点としてのシャガールを感じました。

同じ部屋には≪ふたつの頭部と手≫という大理石の彫刻が。まるで角砂糖のような質感が素敵で。展覧室に入って最初の作品≪町の上で、ヴィテブスク≫は故郷の街の空を飛ぶ恋人たちが記号的に描かれていてプロトタイプ性を感じました。

そして愈々陶器の展示が。≪青いロバ≫には小学生が紙粘土でつくったようなピュアさが素晴らしくて。このための下絵も展示してあって制作過程がわかる展示としてもいいし、下絵等の途上の品もそれ自体が作品として魅力的でした。≪二羽の鳥≫もそうですが、シャガールのメルヘンな色遣いが陶器に色づいた透明な色彩がとても美しくて。

その傍の絵画だと≪逃避 / 村の上の雄鶏と雄山羊≫の山羊がまた象徴的に昏さがあって対照的でした。≪彫刻された壺≫の大きく口が開ききった壺に、”あぁこの人は自分の立体のキャンバスとして陶器に絵を描いているのだな”と。≪把手のついた壺≫のフリーキーに突き抜けた色彩がまた良くて。

マティスのような≪井戸端の女≫や内臓のように肉体的な≪預言者エリヤの馬車≫そして≪横たわる女≫のテラコッタの素焼きも魅力的。≪水浴する女≫はテラコッタとブロンズ製の二品が。

≪青い婚約者たち≫の男に女二人の絵が立体化した感じも物語性があっていいし、≪キマイラ≫は古代から発掘されたような惹きがありました。

≪空想の動物≫も白い石膏製と黒いブロンズ製で、組み込まれた恋人像が白は骨、黒は筋肉のように感じました。≪緑の夜≫の仄かな灯り。≪ラ・バスティーユ≫は昏く赤い影が。≪山羊に乗る子供≫のブロンズ像は毛並みが植物の様でした。

テラコッタの≪雄鶏≫は溶けかかったしっとりした肌質で、石膏の≪雄鶏≫は木を彫ったような質感。墨絵の≪画家と雄鶏≫には年賀状感も。≪鳥≫と≪鳥=魚≫は神話的な古代性を感じました。

≪黒い手袋≫は肉感のあるまなざし。シャガールは少女趣味に感じていたけれど、やはり男の絵なのだなと。≪たそがれ≫は世界で恋人と二人だけで寄り添って生きる様が。ここまで描けるのは自己陶酔がある男の弱さや良さなのだなと。

≪二つの顔のある頭部≫は逆さに繋がった男女の顔が描かれた絵画。≪大きな人物≫は最初の妻ベラとベラがなくなった後再婚したヴァヴァの融合像。シャガールにとって青は特別な色なのだなと。

≪二つの顔を持つ紫色の裸婦≫のムラサキが鮮やか。≪月明りに照らされる二重の顔≫は2人の女性のペルソナが。ヴァンスの石で創られた≪恋人たち≫はがっちり触れ合い離れない感じ。大理石の≪自画像≫は白くてきれい。≪黄色い顔の自画像≫もテーマカラーはブルー。

≪サン=ジャン=カップ=フェラ≫の『Bバージン』な青。≪二重の横顔≫はギリギリな造形が面白い。≪青い羽根の振り子時計≫も大きな鳥と柱時計が印象に残る幻想的な絵。≪小舟と魚≫も月夜の青で。

シャガールは色味がつくと昏い方向に傾いていく気がする一方で大理石の彫刻はきらきら輝く粒子が白に明度が高くて、シャガールの昏さを明るく昇華して非常にいいなと想いました。

≪女と動物≫はまるで3DCGをぐりぐりやってるような鑑賞体験。油彩の≪緑の目≫の大きな目や≪ヴォテブスクの上に横たわる裸婦≫は故郷の灰空に浮かぶ女性の身体が。≪恋人たちと山羊≫は愛し合う二人に山羊が交わる感じ。≪雲の中の恋人たち≫は恋人たちを金色の光が包んで。

≪波の上のロバと鳥≫は仏画のような穏やかな描写。≪恋人たちと木≫は隆起する大理石の質感が見事。≪赤い雄鶏≫のカップルを見つめる優しい赤鶏のまなざしが良くて。≪雄鶏と女≫≪鳥と恋人たち≫、≪雄鶏と恋人たち≫のための下絵の鳥もいい。鳥はポジティヴな象徴に感じました。

≪女と魚≫の身体の斜めな立体平面感。魚だと≪通りの魚≫や≪魚のある動物≫は食が様々な場面で画かれて。食という意味では≪鳥の上の女≫のまな板感と皿に描かれた≪腕をあげる女≫も良かった。

ユダヤ人であるシャガールは旧約聖書をテーマに様々な作品を残していて。

イシュタルの青い門が描かれた≪青いアーチの前の人物≫もいいし、≪聖書の女 ラケルとレア≫や≪聖書の女 サラとリベカ≫の白い大理石に描かれた平面彫刻が綺麗で。

≪エルサレム(嘆きの壁)≫が実際の東京駅のレンガの壁に置かれる演出も良かった。その隣にはもっと引いた光景が描かれた≪エルサレム≫も。

そして絵画では白眉の≪過越祭≫。聖なる夜の墨夜に赤と緑、そして黄色が入り、天使が闇の中で福音を鳴らす。凄く好きな作品でした。

≪アブラハムの犠牲≫は大理石の生成の形に彫られていて。≪モーセと十戒≫もいいし、≪モーセ≫が彫られたロニュの石の古代遺跡感が素晴らしい印象を与えて呉れて。≪竪琴を弾くダヴィデ≫のための下絵の色味のコラージュ感がこれはこれで特別で。

≪ダヴィデ王≫の天使が訪れる瞬間。大理石の≪ダヴィデとバテシバ≫の荘厳な雰囲気。ロニュの石で創られた≪バテシバI≫と≪バテシバII≫は遺跡をみるかのよう。≪聖母の前のキリスト≫のための下絵のコラージュの良さ。≪十字架降下≫は仏画のゆうな朴訥とした感じ。≪燭台≫はとぼけているのがいい。

≪『聖書』のための挿絵:≪カルメル山上のエリヤ≫(テリアード版『聖書』第2巻、版画86)≫と≪『聖書』のための挿絵:≪夢に現れた神に智慧を与えてくれるよう願うソロモン≫(テリアード版『聖書』第2巻、版画77≫は銅版やエッチングの過程も展示してありました。

大理石の≪アダムとイヴ≫も朗らかに笑って。≪天蓋の花嫁≫の二人の花嫁。≪キリストと雪の村≫の空を飛ぶソリ。≪ヤコブの梯子≫は人々の歴史が梯子の垂直で顕わされて。≪キリストの磔刑≫は傷口が赤くにじんでいました。

≪ダヴィデ王≫の二柱の彫刻。≪橋の上のキリスト≫の昏重さの一方で≪二人の裸婦と山羊≫の菩薩な顔。≪花束を持つ恋人たち≫のプロヴァンスの石の古代な風合い。≪聖母子≫は生成りの力強さがあり≪聖母とロバ≫のシンプルさも良かった。

花をシャガールは愛したらしく、とても詳細に明るく描かれていて。≪青い花瓶の花束≫の熱や≪花束の中のカップル≫の幸せそうな姿。黒髪が華になっていく≪夜の裸婦≫の女の子の可愛らしさ。≪燭台と白いバラ≫の机一杯に広がる華束。≪赤い背景の花≫の燃えるエナジー。

≪逆さ世界のヴァイオリン弾き≫のふわっとした印象。≪アルルカンの家族(タピスリーのための下絵)≫の太さの生命力。≪地上の楽園≫と≪村の恋人たち≫のエデン感。≪雄鶏と恋人たち≫の大理石に彫り込また姿。大理石とブロンズの二体の≪女=雄鶏≫も良かった。

≪黄色い家と屋根の上のロバ≫のファンタジックさもいいし、≪ラ・コリヌ(ロバ、魚、月、二羽の鳥)≫と≪ラ・コリヌ(二羽の鳥とウサギ)≫はなんとエルサレムの石でつくられて。

1970年近くになるとシャガールの画がネクストレベルへ行く感じが。≪ダヴィデの詩篇≫の闇に赤が煌々となる鮮やかさ。≪時の流れに(逆さブーツのマントを着た男)≫の花火のような彩り。≪ギターを持つ女≫はカラフルverなアイヌ美術の様。

≪回想≫≪画家と妻≫の色で区分けされて塗られた表現がまた”次の展開”を予期させて。≪ダヴィデとバテシバ≫のための下絵や≪黒い月≫のための下絵のピンクなコラージュも綺麗で。≪シバの女王の到着≫のための下絵はレインボー。≪騎手≫のための下絵は金の輝き。

≪紫色の裸婦≫は下絵も凄くいいし、粒立ちのいい色味の煌のアルルカンの画ヂカラにやれられました。そして≪アルルカン≫も下絵が幾何学的な色付けで凄く良くて。

そして最後に展示してあったのは≪ヴァヴァの肖像≫。異色肌ギャルのような緑の肌で。その隣の下絵は素肌のヴァヴァで。そして最後に大理石の≪ヴァヴァ≫は穏やかな表情で。シャガールが愛に包まれた生涯を送ったことを感じさせられました。

シャガールの展覧会、最初は立体物がとても心に沁みて。そして絵画には濃密な感情が色づいて。シャガール自身も特に大理石の彫刻で魂が洗われていくような感覚。光と闇の間を航行していくような鑑賞体験となりました。

そしてどの作品にも”シャガールならではのカタチ、色”があって。それってオリジナリティに達した特別な芸術家にだけの領域なのだなぁと感じ入りました。

# by wavesll | 2017-11-25 13:33 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

年を重ね今解る『平成風俗 大吟醸』の良さ:あの時は気付けなかった。俺はずっと椎名林檎を追駆けてるのかもしれない。

Shiina Ringo - Gamble


私が椎名林檎に嵌ったのはベッタベタに「本能」の辺りで。『無罪モラトリアム』の衝撃を受けて心酔のレベルで惚れて『勝訴ストリップ』は発売日に買って。

当時の地下サイトでデモ音源やインストアライヴ音源、ライヴブートレグ、悦楽パトロール等を漁り、「幸福論」のアレンジ違いだけで先攻エクスタシーやイチオシ祭り、<身も心も幸福の海で泳ぎつかれてしまうんです>と歌詞違いのデモ等片手に余るほど林檎病にかかっていました。

その頂点は『絶頂集』の時。その後からズレが生じ始めビッグバンド歌謡な「真夜中は純潔」に焦燥感原理主義者の当時の自分は”セルアウトした”と感じて。

『唄い手冥利』は好きだったけれど、”コアさこそが好きだ”と想ってた癖に『加爾基 精液 栗ノ花』はどうにもよく分からず。絶頂集から再録の「やっつけ仕事」もロックじゃない落ち着いたアレンジになっちゃうし、しかもCCCDだったことでレンタルで済ますという。そして”平温”をやるという東京事変からは距離が離れていきました。

それでも「群青日和」はいい曲だと思ったし「能動的三分間」はかなり好きだったのですが、東京事変はどうにも林檎の味が薄まったようにも感じてしまって。林檎曲でなくても「キラーチューン」とかいい曲あったのですけれどね。

更に久しぶりの林檎名義で出された『平成風俗』は「ギャンブル」のオーケストラverは素晴らしいアレンジに感じたけれど、ほとんどが再録で、しかもロックさがなくて。どうにも残念。

そして『三文ゴシップ』も全然ピンとこなくて。今でいうと”エモくなくなった”という感じで。

リアルタイムで椎名林檎の新曲に再び嵌ったのは紅白歌合戦にも出た「長く短い祭」まで時をあけることになります。

しかし、その一方でこの4,5年ほど『加爾基 精液 栗ノ花』が非常に大きな愛聴盤となっていたのです。

それは私の聴取が発達したのか、当時は複雑すぎて理解が及ばなかった楽曲が全貌を把握できるくらいにリスニング体験を経たのか。

20代後半からChris Watsonなどのフィールド・レコーディングに強く嵌り、「やつつけ仕事」における日常音のサンプリング等の手法に音の妙を感じるようになったこと。

そして中高生の頃はまともに聴き込んでなかった洋楽を経過することで、逆に『加爾基』における独自性に大きな価値を見出すようになったというのもあったと想います。

とは言え、”『加爾基』は音楽好きの間での評判やディスクレヴューも高いし、その後東京事変でPOP化して…”とか思っていたのですが、30の時分にAJICO / 深緑 を聴いたとき、中高生の時には気づけなかったその渋みと甘みの深い響きを感ぜられて。

”そうか、そのアルバムを作った時のアーティストの実年齢/精神年齢に俺も達した時に分かる良さもあるのか”と。33歳になる今年はMilesが33歳の時につくった『Kind of Blue』が身体に馴染んで。そう、バイオリズムや体内分泌液のバランスが聴験には大きな働きを及ぼすように想うのです。

『加爾基』を出したとき林檎は20代半ば。で私が良さを分かったのは20代後半。大体3,4年の遅れで自分は彼女の後を追いかけているのかもしれない。いつしかそんな気持ちが湧くようになりました。

そして平成が終わるというニュースが駆け巡った今年、丁度『加爾基』に嵌ってから4,5年後位だし、『平成風俗』に手を出してもいいのではないか。そういう訳で、折角なのでDVD Audioの『大吟醸』verを購入したのでした。

すると冒頭の「ギャンブル」が素晴らしいことは勿論、再録された『加爾基』曲の歌心の増し具合や「浴室」や浮雲作曲の「花魁」も林檎節の電子音、そしてストリングスアレンジだけでなく中南米のトラディショナルな音の香りづけも丁度いい軽やかな塩梅で。

邦ロックからワールドミュージック、とりわけ南米音楽を愛するようになって、そして最近はクラシックを聴き始めてしまった自分の音楽的変遷にバチンと嵌る、耳に通る音に”これは本当に今の自分にうってつけの音だ”と想ったのでした。

ポップス「この世の限り」で兄と声を重ねて一旦〆た後「カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.」で音を張ってフィニートなのもベネ。

そしてDVD Audioの音質も透明感と立体感が素晴らしくて。音の液体で部屋が満たされるというか、”これがハイレゾか…!”といった感じ。これは大吟醸で聴けて良かった。年を重ね肥えてきた耳を越えてゆかれる愉しさがありました。

アラサーに入りかけた頃の林檎が出した曲を、そろそろアラサーから外れていく自分が今モロに嵌る。私は彼女を4,5年遅れで追いかけているのかもしれません。

母となり、日本の看板を背負う音楽家として”実務”をやりきろうとする彼女の音はその後も幾枚もの円盤に記録されていて。そこには私の未来の精神状態が予刻されているのかもしれません。

取敢えず今の自分は『平成風俗』なフェーズに身を置いていると想って、この先また自分が年を重ねて先を駆ける林檎の曲を、うってつけの時に聴けたら嬉しい。そう思います。

# by wavesll | 2017-11-24 22:10 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Nicola Cruz X 七賢 星の輝 澄明から熱を帯びていく現代南米ダンスミュージックの波動 第116回酒と小皿と音楽婚礼

未明にTwitterでNOBU HEVRAIさんにお薦め頂いたNicola Cruzを聴いています。

Nicola Cruz & Rodrigo Gallardo - El Origen (B side)
フォルクローレを現代的に昇華させた音が印象的。
ではディジュリドゥを導入していたりもして。

そして
のようにRemixでないオリジナル楽曲も水音のように潤んで跳ねる音像がとても気持ちいい。

は正に伝統と革新の両翼で飛翔する感覚。


Live Mixも
を聴くとすーごい落ち着ける刺激が提供されていて。セノーテに潜っていくような、澄明な音に心くゆらせられているうちに上がっていく音の波動に心体を躍らせられました。

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この音に合わせたいのが七賢 星の輝.
これ、七賢のスパークリングなのです。発泡の日本酒というととろっとした濁りがあるイメージがあったのですが、これは澄んだLiquidになっていて。これをすきっと飲みながらNicola Cruzを聴くと快く酔え切れるというかw

スローハウス、テクノ、ラテン/クンビア、バレアリックを通過した南米産のダンスミュージックに発泡のSAKE、お薦めの織り重ねでした。

# by wavesll | 2017-11-24 03:40 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

アニマルハウス 謎の館@松涛美術館で三沢厚彦さんや舟越桂さん達の彫刻空間に心動かされる

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三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館に行ってきました。
松涛美術館を舞台にメインとなる三沢さんの動物の彫刻に、舟越桂さん、小林正人さんと杉戸洋さんそして写真家の浅田政志―の作品が展示されるという構成。

白井晟一氏設計による松涛美術館の建物自体も内部に円柱状の空間があって噴水に橋が渡してあるという特別なあつらえで、そこにキャプションなしに展示が並ぶさまは正に”謎の館”。

2Fの展示室にはソファがあって、そこでどっかり寛ぎながら低い目線でこのアニマルハウスを楽しむことが出来ました。

三沢さんの動物彫刻がアフリカというかエジプトというか、ヨーグルトの酸味のような不思議さがあって外国の絵本のようなアニマを感じました。

さらに良かったのが舟越さんの彫刻、そして絵で。

絵は女性のヌードなのですけれども”生成り”とでもいうか、素材をそのまま受け止めて描き顕わしているようでとても善い眼差しを感じました。

そして彫刻!これが本当に素晴らしくて。今回はじめて直に舟越さんの作品を観たのですが、メディア越しに見ていると少し冷酷というかとっつきづらいイメージがあったのに対し、直に見るとそれこそアニマや生成りさを感じるというか、人の温かみが伝わってきて。その上で聖なる領域へ通じている感覚とでも言うか。

今回の展覧会の全作品の中でも舟越さんのおなかがどっかり膨れていて両手が翼のように背中から生えた女性像が知性と神秘性、そして動物性を湛えていて一番好きでした。SCLLの感覚にも似てるかも。

舟越さんの普段の生活の中でメモられた言葉たちの紙片も展示してあって、「太陽が銀河系を回るのにかかる時間は2億年」とか、科学的な知見のメモに目が留まりました。

またアーティスト同士のコラボ制作もしているようで、オカピの像なんかは頭は舟越さん、胴体は三沢さんがやっているそう。またこれがいい感じにケミストリーと纏まりが両立していて好かった。

この展示、なんと500円。このヴォリュームならかなりのお値打ちでは。建物を味わうだけでも愉しい展覧会となりました。今週末まで。お薦めです。

# by wavesll | 2017-11-23 18:14 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

『グーニーズ』が"家からゆける魔宮の伝説"で最高だった

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『The Goonies』をみました。
土地を取り立てられかけていて街を出なければならない主人公マイキーの家にはグーニーズ(間抜け団)の面々が。
屋根裏部屋に隠されていた海賊の宝の地図をみつけて。一方で悪名名高いフラテリーズ一家が脱獄し…というオープニング。

最初のグーニーズの悪ガキ達の悪戯をみていると「おいおい(汗 それやっちゃ迷惑になるじゃないか」と”あぁ、この映画は子供のうちに観ておかないと愉しみきれない奴なのかも…”と危惧したのですが、それは杞憂で。中盤以降のグイグイ引っ張る展開に心躍らされました。

”このワクワク感、インディージョーンズみたいだ”と想ったら製作総指揮はスピルバーグ。自分の地元での秘密基地感覚の探検から海賊の残したお宝へ、ワナを潜り抜けて怖い悪人に追いかけられながら最高の冒険を行う。手に汗握る感覚に”これ、TDRやUSJにアトラクションにして欲しい~!”と強く想いました。

『ゼロ・グラビティ』や『MADMAX怒りのデスロード』も最高のアトラクション・ムービーで、”もうこれを遊園地のアトラクションとして恒常展示してほしい”と想ったくらいでしたが、この『グーニーズ』も遊園地や或いは巨大室内プールでキャニオニング的なウォータースライダーと共に再現して呉れたら最高だなと。

今はディズニーランドでもフィルハーマジックで4Dxを駆使したりしてて、ノースポートモールのゲーセンのARゲーキャットストリートのGalaxyのVRアトラクションもそうですが、拡張現実がアトラクションになっていく流れがあると想います。それでもモンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”のように手触りが伝わるリッチな体験の強みが物理的なマテリアルにはあるなぁと。

藝大美術館「素心伝心ークローン文化財 失われた刻の再生」にてみた敦煌莫高窟 第57窟等のクローンもそうでしたが、空間も含めたミクストメディアなArtとして、遊園地や映画館はインスタレーションの最新系としてアトラクション的に発展していて。美術展も含めて”空間性”そして”双方向な運動性”がキーになるのではないか、なんて思ったりしました。

それにしても『グーニーズ』、こんなに夢の詰まった映画も中々ない。家から始まる冒険譚。子供心を刺激するプロットや演出は初期ドラゴンボールドラゴンボールや名探偵コナンの少年探偵団の原型がここにあるのだなぁと。いい映画をみました。

# by wavesll | 2017-11-23 10:34 | 映画 | Trackback | Comments(0)