原田仁の轟声とナスノミツルのベースドローンソロ @Dommuneに於ける深宵の闇の豊饒さ

原田仁(Hearts&Minds -from ROVO-)@ 黄金町 試聴室その2 2014 11/7


「Rain maker」  Nasuno Mitsuru ナスノミツル


iwamakiさんのDJ Playで幕を開けた「HARD CORE AMBIENCE」。その夜の深々とした静寂に異界へ這入っていく感覚。

iwamakiさんの次は"この音聴いたことある"と想ったらshotahiramaさん。POST PUNKなノイズにレゲエを挿入したりしてまた変容が起きていて。

そしてこの日の最大の新領域は原田仁さんのソロ。
轟声とでもいうか、発声でノイズを撒く様は初めてエレファントカシマシ「ガストロンジャー」をみた時のような鮮やかなサプライズがありました。

そしてその次のナスノミツルさんの演奏はベース・ソロとは思えないような出音!ベース自体が新インターフェイスとして次元を開いていて。逆に"今キーボードでPCに打ち込んでいるけど文字入力をギターでやったり、逆にこのQWERT鍵盤で音楽を演奏しても面白いかも"なんて想いが湧きました。

その後の純粋なノイズ・サウンドで入眠してしまいwで、夜明け前にこんな文章を書いてます。

DOMMUNEの5時間SPの時は夜の深みを感じれて好きで。TVみてると23時でも19時位の気分だけれど、今夜の始まりのiwamakiさんのplay聴いてたら19時台にもかかわらず22時~24時台の心持ちだったというか。グリニッジ的な時刻でなく心的に本当の深夜を味わう、深宵の闇の豊饒さに潜っていく夜でした。

cf.
nausea 3 - shotahirama chris watson Highrise -

Noisy 3 - 花電車, Jerzy Skolimowski / The Shout, Ametsub & shotahirama play @渋谷タワレコ
# by wavesll | 2017-04-19 04:43 | Sound Gem | Comments(0)

Hans Zimmer Live at Coachella2017にみるフェスでの劇伴音楽奏演のエクスクルーシヴな可能性

Hans Zimmer - Inception - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Pirates - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Lion King // Coachella 2017 Weekend 1


Hans zimmer live at coachella 2017 music from the gladiator


Hans Zimmer - The Dark Knight - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Youtubeで放送されたCoachella2017、3日間とも早起き・夜更かし・寝落ちしながら愉しみました。

巻き戻しが可能だったため、初日のThe Lemon Twigs, Bonobo, Samphaのどれも好演を楽しめたし、Mac Demarco、Grass Animals辺りはこのライヴで好きになって。

ただどうにも時代の波とあってない人間なのかThe XXとBon Iver、Kendrick Lamar、Keytranadaも良さは分かるんだけどGrouploveLocal Natives、そしてかなりの掘り出し物だったJack Garrattなんかが良くて。Future Islandのおっちゃんは最高だったし、自分はロックが好きなんだなぁと。けれどもLady Gagaはチト古く感じて。逆にNew Orderの方が良かったり。

スムースエレクトロとでもいえばいいのかアレ系は若干食傷気味だったのですが、Francis and The Lightsは初日のベストアクトクラスに良かったし、exEDMのPorter Robinson & Madeonは琴線に触れました。

しかしそれらを素っ飛ばす断然トップに良かったのがHans Zimmer!!!!
上に掲載した『インセプション』の出だしでインディクラシカルをBeyondしたSteve Reich『Tehillim』並みのクラシカル・ミクスチャーをガツンと鳴らし、そこからの『パイレーツオブカリビアン』のチェロのお姉さんの熱演!更には『ライオンキング』の生歌!これにはテンション昂!

そしてあれよあれよという間にファレルまで出てきて反則技的な豪華さ!最後はハンス爺自らピアノも。素晴らしすぎたライヴでした。このライヴを観たという人とはゆくゆくまで美味い酒が飲めそう◎

映画音楽畑の人がフェスに参加するというのはスペシャルな感覚がありました。日本でもフジロックやTaico、RSR、荒吐等が川井憲次とか鷲津詩郎光田康典植松伸夫辺りをオーケストラ・セットで招いても面白い。一番可能性がありそうなのは東京JAZZだけど、ロックフェスの時空間でみてみたいなー。

映画音楽自体にも最近面白味を感じていて。劇伴という制約が寧ろ音楽の創造性を上げていて。以前DOMMUNEでエンニオ・モリコーネ特集とかやっていたけれど映画音楽縛りのクラブイヴェントとかあったら是非行ってみたいし、ハンス・ジマーが来日公演やるときは絶対馳せ参じたいなと想った次第でした。

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cf.
◆長谷川等伯『松林図屏風』X Silence (Original Motion Picture Soundtrack) 第27回音の貝合わせ

◆霧中行 American Beauty Original Soundtrack by Thomas Newman
◆『新幹線大爆破』 劇は世につれ男の色気は挑みにつれ
◆第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
◆Grand Budapest Hotel Original Soundtrack
# by wavesll | 2017-04-18 07:13 | Sound Gem | Comments(0)

ヨアキム・トリアー『母の残像』 ペルソナが剥がれる"本当の瞬間"の家族の肖像

「母の残像」予告編


c0002171_5375750.jpg伊勢佐木町のジャック&ベティでヨアキム・トリアー監督による『母の残像』をみました。大変に心揺さぶられました。

交通事故で死んだ戦場写真家の母と、残された父兄弟の物語。この三人それぞれに私自身を観た思いで。『カルテット』『人間の値打ち』等、昨今の人間ドラマの傑作群にこの作品も連なると想います。

何しろ役者たちの演技が上手い。イザベル・ユペールのキャリア・ウーマン然とした不敵な笑み、ジェシー・アイゼンバーグの賢く好感度の良い青年然とした顔、そして何より名演だったデヴィン・ドイルドの"難しい年頃の少年"の顔。「まさにどんぴしゃの顔つきをしてる」と惚れ惚れしてました。

しかし劇の終盤“それらはペルソナだったのかも”と想って。ペルソナが剥がされた顔。何とも名付けられない、粗く素の顔。それが映されます。

そんなものはみせずに済むならそれでいいだろうし見せたくないものでしょう。少なくとも社会生活を送る上では。ある意味一番ギャップがなかったガブリエル・バーン演じる役者の父親は職務を引退していました。

単なる"本音"とも違うペルソナが剝がされた"本当の瞬間"、それが印象的で。

半ばぶっちゃけというか隠し事なく話をする父、彼とギクシャクする弟。私自身弟とは上手くコミュニケーションが取れない人間で、「こういう奴あるある」とみてました。

しかし、好きな女の子に長文の告白録を渡そうとしたりとか、自分に一種の靈力があると想ったりとかをみてると「こいつは俺でもあったのかもしれない」と想って。そういった意味では世渡りが上手そうな兄が一番遠いのかも。

そして、女の子が自分の中での崇高な存在でないことを受け容れて、エゴを押し付けるだけから相手とコミュニケーションの度量を持つ、男へのステップを上るシーンも良かった。女の子の側にも純な良さがあったのも。

失った人からの残像は、自分の心が生み出した共に生きる想像。仲違いした人を夢見することもあるなと想ったり。人が生きていく上で溜まっていく精神的な残骸たち。そういうものを人間ドラマはデフラグしてくれます。心をさらってくれる、素晴らしいフィルムでした。
# by wavesll | 2017-04-17 05:38 | 映画 | Comments(0)

横浜・外交官の家にてイースターにインペリアルエッグみてきた

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久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむとはよく言ったもので、桜が散っていく首都圏はナンドッグが食べたいほどの陽気。

コーチェラの配信は最高なのだけど、こんな晴日は外に出たいなと、石川町で降りて外交官の家に行ってきました。Twitterでインペリアルエッグの展覧会があるとみていたのです。

インペリアルエッグ自体はイースターの風習とは関係ないらしいですが、連想の産物として楽しい。日本の魔改造イースターとして卵アートが流行ったら面白い。ハロウィンの次はイースターと業界は動いている昨今ですが、キリストの復活祭がどう換骨奪胎されるか、興味津々な所です。

インペリアルエッグの展覧会は明日までとのことでした。

ちなみにこの辺りの山の手は外交官の家やブラフ18番館を始めとして洋館があって横浜で洒落てるエリアです。港の見える丘公園の方が洋館は多いかな。

そちらは平日の夕方なんかはインターナショナルスクールの下校時間だったりして、ちょっとアメドラっぽい雰囲気もあっていいですよ◎
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# by wavesll | 2017-04-16 14:09 | 展覧会 | Comments(0)

草間彌生展 わが永遠の魂@新美

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草間彌生展、ドチャクソヤバかった。くらくらした。富士山からの“21世紀の草間彌生”にガガガツーン喰らって。そして初期からの画のその情念、(男根を打ち出してるから敢えていうけど)女には敵わねえなあと。そして『天上よりの啓示』、こんな蠢く生命の構造体初めて見た。文句なし。お勧めです。

と直後にTweetしたのですが、これだけでも情熱は伝わるかも(笑)

新美に着くとなんと平日にしてチケット売り場に行列が。流石ミュシャ&草間は凄い。10分ほど並んでチケットを買えば中での並びはなかったです。

草間彌生展、最初の展示は『生命は限りもなく、宇宙に燃え上がっていく時』という富士山の絵画。これは浮世絵の原画で、その浮世絵展にも行っていたので感慨深かったです。ってかこんなにデカい原画だったのか…!

そして次の広間が一気に開けてドガーンと作品の焔がExplosionしている『連作「わが永遠の魂」』。これがもの凄い熱量。公式Webサイトに特設ページがあり、撮影可だったので後で写真載せますが、このグワワワワとくる炎のような熱源は現場で体感してこそだと想います。

私は
『星のすみか』『初恋』『人間達の営み』『行こう、空の彼方へ』『私に愛を与えて』『開花の季節に涙するわたし』『永遠の美』『恋は呼んでいる』『人間愛の果て』『悲しみの日々を超えて』『心のすべて』『空の一隅』『天空の祭り』『生きる喜び』『ふるさとへ帰りたい』『原爆の足跡』『宇宙の足跡』『祭りの中の群衆』『死が訪れた瞬間』
が好きでした。いや、全部で130点あるというヴォリュームで。水玉の連弾にはアボリジニのアートのような鮮烈なスピリチュアルを感じたのですがスタッフの方に聴くと特にアボリジニアートへの参照はないとのこと。彼女にとっては水玉はまさしく世界がそう捉えられるという表現。

さて、第二部に入ると白黒の線画でやはり水玉のぽつぽつがある人物画『(無題)』等の初期作品が。

繰り返される水玉は姿を変えてNY時代は「YAYOI KUSAMA」が羅列され貼られる『文字の集積』、「VIA AIR MAIL」が繰り返し貼られる『Airmail Stickers』、数々の顔写真のコラージュをアリの巣のような線がうねり貫く『顔の集積No.2』へと変幻していきます。

そして『The Man』という作品を始め男根がうにょうにょ生える作品が勃発。男根を顕わすであろう突起物の作品群をみていると、水玉というか斑点に関しても性的なモチーフなのかもしれないという想いに駆られました。

アボリジニの話でいうと、ウルルには女陰とされる部分があったりもして。ただどちらかというと水玉/斑点は性病の湿疹というか、鈴木其一の点苔のような自然から生まれる不気味な生命力を感じました。

『自己消滅』『自己消滅#2』ではポップアートのようなヌードを伴う作品をみせ、『Kusama's Self-Obliteration 草間の自己消滅』というビデオ作品ではハプニングというパフォーマンスアートの様子も。

また文学作品では"自殺"、"陰茎斬り"、"男娼"、"心中"、"精神病院"といったキーワードが並び此のおどろおどろしさが後に『連作「わが永遠の魂」』のような原色の明快さにネガポジ反転するのだなと。

そんなネガポジ反転の象徴がカボチャ。銀紫金の『南瓜』の輝きが素晴らしくPOPで。美術館の外にも巨大な『南瓜』がありました。

また『生命の輝きに満ちて』は1965年の『無限の鏡の間』にプロトタイプを持つ、電飾と鏡の無限空間作品。時空に放り出された気持ちになりました。

帰国後の作品1970-2000では蛾や蝶が飛び交う『自画像』や、『闇に埋れる我青春』、『みどり色の死』、『魂のをきどころ』、『暁の蕾』、『戦争の津波』、『無名戦士の墓』、『戦争』、『自殺した私』『水に映った蔭』といった一連の作品の陰鬱な情念に降参。草間彌生には敵わないし、女性の情念の前では男の陰鬱なんてなんと甘っちょろいものなのだろうと想わされました。

そして次の部屋がこの展覧会の最大の輝きで。

水玉の連関はネクストレヴェルへ行き、おたまじゃくしの『魂を燃やす閃光A.B.Q』、草間彌生流のエネルギッシュなボタニカル作品『一億年の星屑』、瀧のような、幹のようなモノクロ作品『よみがえる魂』、ちんぽこちんな突起物が可愛い無限に上下に伸びる梯子の『我ひとり逝く』に加え、『天上よりの啓示』、この蠢く赤、黄緑の小丸、草間彌生の作品からは常に生命の蠢動を感じますが、これほど生命力にあふれた絵画は稀有で、ほとんどありえないくらいのエナジーを感じました。これは生で見て欲しい。

最後の部屋では黄色と黒の触手・樹枝の『黄樹』、"実家の商売からだというけれど草間さんはカボチャに出逢えて良かったなぁ"と思わせる『かぼちゃ』、そしてその発展形『黄樹リビングルーム2017』も"草間彌生の世界に住む"といった感じで感銘を受けました。

さて、そうしてまた『連作「わが永遠の魂」』の間へ。写真撮りまくってしまいました。これ、ネタバレになってしまうかもしれないし、せっかく本物を観れるチャンスが今あるのだからこのインパクトは変に先入観なく現場で先に見て欲しいです。と、いうわけで、もう見たという方向けとして写真を載せます。

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会場外では観客が水玉のシールを貼って完成させる作品『オブリタレーションルーム』が。最後の最後まで楽しませてくれる素晴らしい展覧会でした。

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おまけ(5/9追記)
GINZA SIXの白赤南瓜、上から見るか、横から見るか、下から見るか
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# by wavesll | 2017-04-14 17:42 | 展覧会 | Comments(2)

LEGOムービー -レゴの楽しさとアウトプットの得意な人不得意な人双方向の理解の物語

The LEGO® Movie - Official Main Trailer [HD]


レゴランドのオープンに合わせて映画天国で流れた『LEGOムービー』。これがめちゃくちゃよくできていて。

主人公のノリとか、重苦しくなく終始みていて明るい感じがするとか、何より本物のレゴを使ったかのような映像などこどもが大好きになりそうな空気感に包まれながらも大人がみても面白い名作でした。

主人公はマニュアル人間で、作中で自由自在にレゴを組み立てるレゴの達人たちから「駄目な奴だ」とみられるのですが、その"普通の人間"という特性を生かしたハックで活躍します。

この映画はマニュアルに頼ってばかりの人間が自分の頭で考えられるようになるというドラマと、自在に活躍できている人達が自分たちがそれに驕っていることに気づき、普通の人の価値を尊ぶというドラマ、その双方向の理解が描かれているのが素晴らしく感じました。

どんな人たちも、生きる営みを積み重ねていて。すべての面ですべての人を凌駕している人はいなくて。個人個人それぞれでこの世界を航海している。ヒトは全知全能ではないからこそ、互いに貴ぶことができる。これは年を重ねるごとにその想いを感じます。

昨日の記事で「Webに何も書かずにROMるだけでフリーライドしてる人」についての複雑な気持ちを書きましたが、自己表現であったりアウトプットをしていない人でも、その内面には豊かな世界が広がっていることは自明で。逆に上手く話を引き出す技を習得出来たら私なんかは一皮むけるのになと常々想っているところです。

宮崎駿は作品として取り組むことにゴーを出すためには三つの条件がある、というようなことを言っていた。「それはつくられるべきものか」「それはつくるべきものか」「それは売れるか」という三つの問いにパスすることという言葉があったと聴いたことがありますが、この映画はまさにそういう感覚を与えてくれる『LEGOムービー』。


またレゴがメタ的にもレゴなところがいい。子どもも、かつて子どもだった大人も、そして大きなお友達も満足できる映画。これをみてちょっとレゴランドにも行ってみたくなりました◎

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# by wavesll | 2017-04-13 06:11 | 映画 | Comments(0)

人付き合いとWeb同期 文字コミュニケーションの時間的レンジの広さの価値

不在着信だけ残すのといきなり電話してくるのは相手の時間と行動を拘束する行為だからやめてくれ(はてな匿名ダイアリー)

これがTwitterでバズっていたのですが気安く電話を掛ける"電話野郎"だった身としては耳が痛い話で。
電話って相手の顔色が窺えないから逆にずけずけと相手の時間と行動を拘束してしまうなと。

一方でテキストのコミュニケーションは時間拘束から自由で便利というのはその通り。

私も旧友の人達がBlogでもやってくれてると近況を知れて有り難いと想うのですが、今はそういうのはFacebookなのでしょう。FBよりBlogの方が内向き感がないしPUSHされないから好みなのですが、それは我儘というものか。

SNSがシェアハウスとすればBlogはワンルームに訪ねてくというか。生活は共にしてないけれど時に近況をやり取りする距離感。

リアルの友人関係は書くもので繋がったわけではないですから文章をTLで同期するより自分で読みたいときに訪れるのが一種の理想ではあるのですが、公開の場に色々と書くのは差しさわりが生じることがあるというのはわかります。

”直接会わずともSkypeで家飲みでいいじゃないか"とか思ってしまうWebに浸った人間なのですが、結婚とかしてたら"外で会う"ことの自由さも想像できます。

実際の処、Webを通じて1:Nの同期を行いたい、なんてのは普遍的な欲望ではないかもなとは想います。

仕事から帰って飯食ってニュースみて風呂入って、なんてしたら午前様になることもあるだろうし、パートナーや子供とやりとりして趣味をちょっとしたらそれを記録する時間なんてとても取れないし。私も色々書いてますが、毎日更新って無理な話で。まぁ毎日更新されたら追うの大変だからしなくていいのだけれど。

"今更昔みたいに友達付き合いに時間もかけられないし、年一の飲みと年賀状で効率的に交流を凝縮でいいじゃないか"って感じかなと。まぁ、友達付き合いに時間かけるのは暇人のすることと言われたらぐうの音も出ないw

年一飲みは盆暮れしか帰郷できない事情もわかるのですが、年賀状とかはちょっと形骸的に感じてしまって。義務的に年賀状だけでやりとりするよりも上で書いたみたいに心がふいに向いたときにやりとりできたら、なんて思ったりします。まぁ年賀状自体は古来から続くソーシャルネットワークサーヴィスなのだとも理解してます。

人間、何かの行為を共通に持たないとコミュニケーションが嚙み合わないのかもとこの頃想います。それは例えば行事だったり、趣味であったり、子育てかもしれないし、仕事への熱中度かもしれないし。そうした事を越えて旧友とコミュニケーションを取るには"空間"を共にする事が結構大事な意味を持つのかもとここまで書いて想いました。

ただ個人的にはSNSで繋がっていなくとも、ふと"あの人どうしてるかな"とWebサイトを訪ねて”あぁ、元気にやってるんだ”とか"こんなこと最近想ってるんだ"と知れるのは嬉しく感じて。何もPushされずにふとPullでみる、そんな親交。そういう場を読みたい、自分も用意したいとBlogを綴ってるのもあるかもしれません。

また今の時代、コミュニケーションにおいて即時性が兎角求められる気がしますが、それは文字のコミュニケーションの良さを殺してしまっているのかも。LINEやEメールの返信の速さはそんな期待せずに2、3日見た方が気分が安まる気がします。返信の気分は人それぞれですから。

さらに思うに、人に何かを薦めたり働きかけた時、即座に反応されることを私などはついつい期待してしまいますが、それも過大な期待だと。

私自身もある同級生の子から"水カンやぼくりり、グレーテルのかまどとか面白いよ"って言われてもその魅力に自分がリーチするまで時間がかかったりしました。特に音楽なんてのは"いかに自分がその地点に到達するか"が大事で。

だからこそ他者のアクションにタイムラグなく反応する人が時代を波乗る気もしますが、情報発信する側として、即反応がなくても無駄でなく、種子が芽吹くまでに時間がかかることもあることも知っているといい、そう思います。

上で「Facebookは書くものでは繋がってはいない人とTLで同期するから居心地が悪い」と書きましたが、他人と100%の同期や共感・評価を求めること自体が土台無理な話でもあります。

BlogやTwitterをやっていても全然反応が普段なくともこちらで何かミスがあるとクレームをつける"読み手"はざらにいて。昔はそういう読者にムカついたりもしたものですが、今は"私はこの人に文章をサービスとして提供出来ているんだなぁ"と考える様になりました。

"これは面白い"と私は"いいね"を積極的にするのですが、読んで反応するコトって案外ハードル高いコトと考えるヒトって多い印象。

その点Twitterは反応も結構あったり、何しろ相手も"書き手"なのでフリーライド感がないのはいいと想います。自分の身の回りの狭い範囲に"何か書いてくれること"を求め地獄を起こしたことがあるので。

ネットの広大さ、PUSHよりもPULLの文字コミュニケーションの精神的な自由さに感謝を述べたい。文字コミュニケーションの時間的レンジの広さの価値を今、再発見しているところです。


Erik Mongrain - AirTap!

# by wavesll | 2017-04-12 02:32 | 小噺 | Comments(0)

Klein / ONLY -Cocktailの様に新しい知覚を呉れるVapor Rhythm & Blues

Kein / ONLY (bandcamp link)
c0002171_2193960.jpgele-kingのレヴュー
ソランジュがサイケデリックR&Bと呼ばれるなら、これはもうフリーク・アウトR&Bとでもいうしかない
と書いてあって興味をそそられた、ナイジェリアにルーツを持ちLAとロンドンとラゴスで活動するシンガー、Kleinのこの作品。

一聴しIsis Giraldo {aka.chiquita} / PADREの初聴きに比するようなその新味にまず心惹かれて。

無論音楽のジャンルとしては全然違い、あちらがクラシック声楽に達したジャズなのに対してこちらのサンプリングが無造作に、しかし調和を保ったようにカットインされる様はVaporwaveを経過したインディR&Bといった様相。

こういう新しい音を響かせる魅惑は、案外鯣にはなりずらかったりするのですが、少なくとも通しで4度聴いても鮮度は落ちませんでした。$6だから、カクテルでも洒落込んだ気になれば満足かも。少なくとも美味いカクテル4杯分くらいの快楽はもたらしてくれました。

語りとラップと唄がシームレスに流れゆくのは最近の潮流ですが、まだこの分野、新雪のフィールドが残されているのかも。そう感じさせてくれる名盤でした。USBとヴァイナルで出たらしいけどCDでも出してほしいなー無理かなー。
# by wavesll | 2017-04-11 21:29 | Sound Gem | Comments(0)

Nuno Canavarro - Plux Quba X 花曇りの千鳥ヶ淵 第30回音の貝合わせ

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Nuno Canavarro - Plux Quba [Full]

トイエレクトロニカな、有機的で人の温かみがある、でもちょっと硬質な音の感触。しかし何とオリジナル盤がリリースされたのは88年。それから十年後にジム・オルークが再発したこのポルトガルのタイムリープしてる名盤を聴いて、"そうだ、花曇りをみるのもいいな"と千鳥ヶ淵へ行ってきました。

鮮度が高いのにノスタルジアを感じる音は、白曇の櫻の路の仄かな色彩にも似て。こんな卯月も悪くない。

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今月のお気に入り(2017年3月)(LL)


桜風
エリスマン邸の桜生卵プリンからスーパーフラット・コレクション展、そして六義園のしだれ櫻
『2001年宇宙の旅』at恵比寿ガーデンシネマ爆音映画祭と中目黒の桜
第5回音の貝合わせ 千鳥ヶ淵の花筏、上野の桜吹雪、なんだかそれは花見日和なんだ
吉野の山桜 晩春爛漫
山下公園と中目黒の桜 X Residents - Sokurha 第29回音の貝合わせ
# by wavesll | 2017-04-09 15:58 | La Musique Mariage | Comments(0)

ジェローム・スピケ『ナディア・ブーランジェ』 クラシックからポップ領域まで20世紀音楽教育の女傑の生涯

c0002171_3535192.jpgナディア・ブーランジェの名を知ったのはエグベルト・ジスモンチを通して。

フランスでナディアに師事したエグベルトはナディアから"ブラジルの音楽を活かしなさい"と伝えられ、ブラジルに戻った後先住民と共に暮らしたりしてインスピレーションの背骨をつくったという逸話。

同時期にピアソラにも嵌ったのですが、ピアソラにタンゴの道を薦めたのも彼女だと知り、そこから色々検索してみると音楽教育を通して20世紀の音楽に巨大な結果を残したことを知りました。

そんな時に本書『ナディア・ブーランジェ』を知り、彼女の足跡や人となりを読みたいと手に取ったのです。

彼女に厳しく音楽を叩き込み大きな影響をもたらしたロシア人の母ライサと、彼女がコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽院)にて師事したフランス人音楽家のエルネストの間に生まれたナディア。夭折した妹のリリも稀有な音楽家でした。

ナディアの人生には輝かしい芸術人・文化人の交友関係がありました。
父エルネストの交友関係にはサン=サーンスやジュール・ベルヌなどがいたし、ナディア自身もフォーレに学び、モーリス・ラヴェルとも同じクラスで、後年は公私ともどもストラヴィンスキーと交友を持ったナディア。20世紀のパリにどれだけの才能が集まっていたかが鮮やかに描かれていました。

そして交友関係からもナディアの人となりが伝わるというか、彼女はセレブリティと睦まじくするのが好きで。野心を持っている人間が好きな印象。彼女自身も野心的に自分の才能で栄光へ向かって邁進しましたし、教え子には圧倒的な才能か圧倒的な金銭を求めました(圧倒的な富裕層のおかげで才能あるものに授業料免除を行えたという側面もあったようです)

彼女の教室は数多の音楽人を育てましたが、そのスタンスを表す言葉があります。

「あなたは自分自身でないといけません。いたずらに影響を受け、同調することは危険です。ドビュッシーの人格は強烈でしたから、周辺の人々に影響を及ぼし、多くの人たちの自己形成の妨げになりました。彼らは、自分たちが『ペレアス』の続きを書いているのだと思っていても、実際は並行和声を並べるだけでした。そして、他の人たちは『春の祭典』の反復和声を作ってばかりいました。つまり、二番煎じをしていただけなのです」

教え子たちのアイデンティティを認め、才能と個性を伸ばすことに一心に情熱を傾けたナディア。
アストル・ピアソラに「これこそあなたの分野です。交響曲などやめて、タンゴにあなたの力を注ぎなさい」と述べたのは有名なエピソード。

さらに『ラプソディ・イン・ブルー』などで稀有な才能を発揮していたジョージ・ガーシュインから教えを請われても、寧ろその教えが彼の個性の妨げになると"自分の音楽を書き続けるべきだ"と説得したことからも彼女の哲学が見て取れます。

彼女は20世紀の人物。世界大戦はやはり彼女の人生へ影を落としました。WW2中アメリカへ逃れた彼女が再びパリに帰ってきたとき、親交のあったサン=テグジュペリやポリニャック公爵夫人、ポール・ヴァレリーはこの世から消えようとしていました。

92歳で死ぬまで、音楽教室、指揮、講演など夥しい仕事をとてつもないエネルギッシュさで行ったナディア。Wikipediaには彼女の教え子が列記されています。クインシー・ジョーンズやフィリップ・グラス、レナード・バーンスタイン、ミッシェル・ルグランなど綺羅星のようなミュージシャンの育ての親。現代に続く音楽の龍脈が、そこにありました。
# by wavesll | 2017-04-08 05:09 | 書評 | Comments(0)