雲の侘錆 ーCigarettes After Sex / Nothing's Gonna Hurt You Baby 第36回音の貝合わせ

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# by wavesll | 2017-09-23 16:58 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

HYT H2 TRADITION WATCH ー液体で時間を表示する機械式時計

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HYT H2 Tradition world premiere - SIHH 2016


元乃隅稲成神社から福岡空港に戻って時計雑誌をめくっていたときにみかけたこのWatch.

HYT H2 TRADITION WATCHは液体で時間を表示する機械式時計だそう。

ダイヤル外周に沿って極細のガラスチューブを円形に配置。その中に封入されたブルーの液体が時間を表示。より厳密に言えば、ブルーの液体と、その反対側の透明な液体との境界面が時間の経過とともに動いていく。この2種類の液体は水と油のように決して混じり合うことはなく、ブルーの液体が右下の6時位置まで達すると、瞬時に左下の6時まで戻って再び時間の表示をスタートする。いわば液体によるレトログラード表示といえる(pen ONLINE)とのこと。

この時計を制作したHYT(ハイドロ・メカニカル・オロロジスト)は日本初のコーナーを東武池袋店にオープン&7月20日よりフェア開催したそうで、恵比寿のウェスティンホテル1階にあるノーブルスタイリング・ギャラリーで見ることも可能だそうです。

ワクワク浮き立つ、明らかに一線を画したメカニズムの時計でした。
# by wavesll | 2017-09-23 09:37 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

Lianne La Havas live at 渋谷クアトロ

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Lianne La Havas - "Lost and Found" I LIVE Studio Session


Lianne La Havas - Say a Little Prayer (Live)


Lianne La Havas performs "Forget" for The Line of Best Fit


Lianne La Havas (full concert) - Live @ Casino de Paris


リアン・ラ・ハヴァスの渋谷クアトロでのライヴに行ってきました。

ルビーの様に甘く掠れる珠玉の歌声とGuitarの奏で。ギリシャとジャマイカの両親を持ち英国で育まれた陽性の美しさが弾けて。夢の様にあっという間に融けていく幸福な時間でした。

“Lost and Found"等のオリジナル曲も素晴らしいし、"Say A Little Prayer"のカヴァーも。"Tokyo"等で披露された高音の歌い上げ、物凄く上手くて、本当に玲瓏としていました。

オーディエンスは外人も多く、かなり盛り上がってノリが最高でした。Lianneの歌声と明るい人柄に心地よいポジティヴに心温まる上質な一時を楽しめました。

ずっとみたかったリアン・ラ・ハヴァスのライヴ。あまりに満ち足りると特に言うことも無くなるというかwこれが幸せな瞬間かと想うネオソウルの演奏に耳鼓を打ちました◎

cf.
第29回酒と小皿と音楽婚礼 休日の朝はLianne La Havasとコスタリカの珈琲で

# by wavesll | 2017-09-22 00:01 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Telefon Tel Aviv & toe live at daikanyama UNIT

Telefon Tel Aviv - The Birds


Telefon Tel Aviv - Fahrenheit Fair Enough [Full Album]


代官山UNITへTelefon Tel Avivを観に行ってきました。

先ずTTAの前に演ったtoeがとても良くて。

生で初めて見たのですが、序盤の星降る森林のようなアコギが印象的で。そこからビルドアップしていきクエーサーを喚ぶようなダイナミズム。そして再び夜空の草原へ。

「TTAとは同じ町内な気がする」とのMCにTTAがIDMに留まらずエレクトロニカ、ポストロックといった広い領域に影響を及ぼしたことが想われました。

そしていよいよTelefon Tel Aviv!
私は1stの『Fahrenheit Fair Enough』が大好きな人間なので、"前日のDOMMUNEのようなバッキバキより揺蕩う感覚を味わいたい"と想っていたのですが、全くの杞憂で。

冒頭、ウユニの塩を踏み締めるような雪氷が砕ける如き音に引き込まれました。もうこの曲だけでも感銘が沁みて。

そこから山嶺へ、空宙へ、深海へ、林立するコンクリートへ。そして最早風、ワイエスの画に吹く荒風のような音、最終的には意味を越えた音の波濤へ。

白黒のLighting演出の色を失った世界はまるでピーク・エクスペリエンス/ゾーンで色彩が消えたかのような感覚をもたらしていました。結構歌モノもやってくれ、旋律の流れに少しアラブも感じました。生でバキバキを浴びると快かったけど、しいて言えばさらにアンビエントでも良かったかな。

ドローン、ノイズ。フォークトロニカ、或いはイスラム音楽までの音の廣さ、そして貫く硬質さが格好良かったです。ヨシュア・ユーステスは愛らしい人で最後のちょちょ切れもご愛敬。日本語を勉強しているそうで、客電がついてもアンコールの拍手を止めない観客たちに舞台に出てきて「モウ曲ガアリマセーン」と言う姿が可愛らしかったw

音響詩とでもいえばいいのか、画が起ち上がるような光闇が鳴った一夜でした。
# by wavesll | 2017-09-21 00:21 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Rolling 2 the 福岡/山口旅行記 2日目 元乃隅稲成神社+Alpha

I'm@元乃隅稲成神社
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元乃隅稲成神社は昭和30年に地域の網元であった岡村斉(おかむらひとし)さんの枕元に白狐が現れ、「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか。」と過去からの関わりを詳細に述べた後、「吾をこの地に鎮祭せよ。」というお告げがあったことにより、島根県津和野町太皷谷稲成神社から分霊された神社

商売繁盛、大漁、海上安全は元より、良縁、子宝、開運厄除、福徳円満、交通安全、学業成就、願望成就の大神

「稲荷」神社は全国で四万社ほどあるが、「稲成」神社は二社のみ

昭和62年から10年間かけて奉納された123基の鳥居が、龍宮の潮吹側から100m以上にわたって並ぶ景色は圧巻

神社敷地内にある高さ約6mの大鳥居の上部には賽銭箱が設置されており、見事、賽銭を投げ入れることができたら願い事が叶うと言われる。(ながと観光ナビ)


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一日目は宗像大社や太宰府天満宮をめぐった今回の旅。明けて2日目は台風一過のベストコンディションの空の下を博多からクルマで2h30mかけやって来たは元乃隅稲成神社!この旅の目玉、ここに来たかった!

CNN「日本の最も美しい場所31選」に選ばれたこの神社、結構な人出で駐車場はクルマの列ができていた。

元々は地元の人は「龍宮の潮吹」という波濤スポットを推していたみたいで。近所には「潮吹荘」なる色々とツッコミたい名の民宿もw

鳥居を抜けたところからみえる龍宮の潮吹も美しかった。というか、日本海の靑が本当に綺麗だった◎
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元乃隅稲成神社の鳥居の内部から横から出たとこからの写真たち。たぷりと堪能。
鳥居は平成26・27・28年製が多かった印象。フレッシュな美。山口まで来た甲斐があった。考えてみれば人生初山口。
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その後角島大橋も視に行った。波が3方から打ち寄せるさまが魅力的。エメラルドグリーンの海にちょっと宮古島を想い出した。
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博多へReturn. 走行中にChを回すとNHK FMからかかってきたのがミック・ジャガーの新譜。なんてこった!最新の黒い感覚を咀嚼したROCK!!なんたる74才。ストーンズのようなジジイがいると希望が持てる。

Mick Jagger - Gotta Get A Grip


天神・パサージュ通りへ。天神は好い街だ。
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福岡銀行。現代アートのような建物。
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やっぱり天神の地下街は洒落てる。
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博多駅のお土産街で辛子蓮根。んまかった。辛子明太蓮根は結構辛かった。
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博多らーめんShinShin。鮮烈な驚きってほどじゃないけど650円でこれならコスパ良し。デイトス店限定の赤らーめんはトンコツ担々麺って感じだった。
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福岡のSuica.
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帰路。やっぱり青天の元乃隅稲成神社をみれた&撮れたのが嬉しかった。何より昨日博多へ飛ばしたJALがよくやってくれた(笑)宗像大社の神宝も、そして大宰府も凄く良かった。今度来るときは水炊き食べたい。

そしてクルマからみた福岡と山口の田園風景が素敵で。伝統家屋と水路、田んぼが本当に快い風景だった。ストーンズの良さに開眼も出来たし、充実した一泊二日だった。
# by wavesll | 2017-09-20 00:00 | | Trackback | Comments(0)

Rolling 2 the 福岡/山口旅行記 初日 大地のうどん,宗像大社の神宝,大宰府天満宮,もつ鍋 おおやま+Alpha

この連休に福岡・山口へ行ってきました!旅行記をShare.
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機上にてフランスにある五ツ星を越えたホテル「パラス」の記事を読む。

スペインのパラドールという世界遺産に泊まれるホテルもそうだけど、良質なホテルの創造はラグジュアリーな旅を求める層には訴えるのだろう。

自分は寝るだけだからホテルには拘らないけれど、そういう旅の愉しみもいつかしてみたい。
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台風の真っ只中人生初博多。
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博多駅内のインテリアがなんか洒落ている。心地の良いアジアと洋風の混じり具合というか。
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博多地下街にて大地のうどん。博多のうどんはむっちりしてて美味い。インスタ映えなゴボ天が味もんまい!これで500円とは行列も得心。
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さて、台風の影響でJR在来線が止まってたのには焦ったけれど、上手い具合にレンタカーできて、宗像大社へ。

神宝館を観た。沖ノ島で発見された国宝目白押し。
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金製指輪
碧玉製管玉
真珠玉、瑪瑙玉
金銅製心葉形杏葉
金銅製棘葉形杏葉
金銅製歩揺付雲珠
滑石製子持勾玉
金銅製高機

金銅製龍頭 一対
など凄かった。馬具があんなにも美的に素晴らしい宝となるとは。特に金製指輪はエトルリアの粒金超絶技法の如き細やかさだった。

宗像大社に祈った。
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神湊港へ。この辺りは古墳が多い。

玄海灘を望む。
海人族(宗像族)がこの海に挑んだから大和王朝は半島や大陸と繋がれたと神宝館のビデオで視た。その厳しい航海を成功させてくれたことへの感謝から沖ノ島に財宝を捧げたとのことだった。
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大宰府着。随分かっこいい喫茶店があった。
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大宰府は梅推し。梅ヶ枝餅うまかった。
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麒麟
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太宰府天満宮、美事。しっとりとして神秘的で円やかな雰囲気がとても好かった。
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このスタバ、大宰府店だったんだ。
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大宰府、梅の季節にまた来たい。
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一旦ホテルへ。TVはホークス優勝で持ち切り。
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旅先での楽しみの一つがその土地のメディアを視聴きすること。クルマでは前から聴きたかったCROSS FMを流してた。

その中でローリング・ストーンズの特集があって、はじめてストーンズの良さが分かった気がした。『悪魔を憐れむ歌』『黒く塗れ!』の黒い處が琴線に響く。最近Jimi Hendrix『Valleys of Neptune』Cream『Wheels of Fire』を聴き込んでいたところもあるのかも。ブルーズの入ったロックの愉しみが響く耳になってきた。

再び外へ。駅で知覧の緑茶。九州ならではの商品が嬉しい。狭山茶にちょい味が似てる感じ。
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フォロワーの方から教えて頂いたRe-actions 志水児玉・堀尾寛太 at 天神、三菱地所アルティアムへ。
《mebius》という作品が面白かった。ガラスでゆがんだレーザーがまるで膜を産むように空間を揺蕩わせていた。
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二人展の会場となったIMSというビル自体もエレベーターも宇宙船的で良かった。天神はなにやら面白い建物が多い印象。
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天神から中州を抜けて呉服町へ。バックパッカー風の白人の女の子が雨に降られていたので持ってたビニ傘あげた。あなたのでしょ言われたが折り畳み持ってるからと。なぁにコンビニで590円のビニ傘だw「Good Luck」と別れた。日本の旅のいい想い出になればいいな。

もつ鍋 おおやま本店、んますぎた。味噌がモツの味を吸って極上のトンコツと化していた。牛タンの唐揚げも美味だった。馬刺しも。極楽と化していた。
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中洲はアンパンマンの土地でもあった。
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本場の一蘭をみかけた
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中洲の屋台は残念ながら発見出来ず。日曜は出てないことが多いのに加え、最近はとみに減ってしまったらしい。
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天神駅からホテルへ帰った。地下街が大正ロマンって感じで良い感じに洋風で好かった。
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さて、愈々明日はこの旅最大の目的、元乃隅稲成神社へ。台風一過が楽しみだ◎

Rolling 2 the 福岡/山口旅行記 2日目 元乃隅稲成神社+Alpha
# by wavesll | 2017-09-19 07:28 | | Trackback | Comments(0)

あほ空 / 二村定一 天野喜久代 & Vintage 20s Jazz Music

あほ空 二村定一 天野喜久代



20s & 20s Music: Roaring 20s Music and Songs Playlist (Vintage 20s Jazz Music)


戦前ジャズの凛としてるんだけどとぼけたサウンド、心地よい。モノクロの穏やかな刺激で朝の一服を。
# by wavesll | 2017-09-17 07:06 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Ivan Cattaneo / Uoaei X ヒエロニムス・ボス / 快楽の園 第35回音の貝合わせ

Uoaei ( album completo) - Ivan Cattaneo, 1975


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伊アーティスト、Ivan Cattaneoの処女作。
各曲の題名を翻訳すると
1. 処女&ヘビ 2. 断片 3. ダーリン 4.スピッツ&スペース 5.おとぎ話を超えて 6.ビッグバン 7.ゴムの道に 8.ココナッツの束または蝶の叫び 9.ダーリン2 10.火星からのトマト 11.味 12.昆虫ゲーム 13.子供は邪悪です 
と奇想が並び、そのサウンドはラテン・サウダージを香らせながら、土から生まれいずるファンタジーな響きとなっています。

これに重ねるはフランドルの奇想の画家、Hieronymus Boschの代表作、『快楽の園』

エイリアンによって創造されたかのような地球の姿。人間の営みが異想まで達する、未来視の様な奇妙なファンタジーを、Ivan Cattaneoのこの母音を冠したALが補助線となって、創造という営みが持つ幻惑性を顕わすように私は感じました。

快い楽しさと、一抹の不安、その非平衡世界の中でバランシングしながら、人間存在が土から宙へ延びていく、そんな様が、この二つの作品から感ぜられました。
# by wavesll | 2017-09-16 15:43 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

ベルギー奇想の系譜 @Bunkamura 15世紀から21世紀まで連綿と続くコラージュの幻視

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ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまでをBunkamura ザ・ミュージアムで観てきました。

"ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝ーボスを超えてー@都美をみているからあまり衝撃はないかな"と想っていたのですが、ボス、ブリューゲルだけでなく21世紀までのベルギーの美術が展開する、新領域を深堀する展覧会でした。

まず最初に展示されるヤン・ファーブル≪フランダースの戦士(絶望の戦士)≫からして1996年の作品。玉虫厨子の在りし日の姿のように昆虫の虹色に覆われた作品のフレッシュさにインパクトを食らいました。

そこからヒエロニムス・ボスに影響を受けた作品たちへ。白い怪物がぞわっとくるヒエロニムス・ボス派の≪聖クリストフォロス≫、同じ題材のヤン・マンデイン≪聖クリストフォロス≫は近代的コンクリート感のある作品。またヤン・マンデイン≪パノラマ風景の中の聖アントニウスの誘惑≫はペストの仮面が、ヘリ・メット・ド・ブレス≪ソドムの火災、ロトとその娘たち≫はボス風の卵型の建物が印象的でした。

そして愈々本展覧会の目玉、ヒエロニムス・ボス工房≪トゥヌグダルスの幻視≫

ボスに影響を受けた画家の絵画は、確かに奇妙なもので溢れかえって複雑怪奇にみえるのだけれども、この≪トゥヌグダルスの幻視≫は"七つの大罪"の要素を配置しながら全体としてはすっきりとした構図がシンプルに明瞭で。その頭抜けたコラージュ・センスに感銘が起きました。

さて、そこからのパートはヒエロニムス・ボスの模倣者の作品やピーテル・ブリューゲル(父)による「七つの大罪」シリーズと「七つの徳目」シリーズが続き、バベルの塔展と被るところがありましたが、「七つの~」シリーズはバベル展より拡充した点目でした。

そして、15世紀16世紀で終わらないところがこの展覧会のもう一つの山で。

ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)リュカス・フォルステルマン(父)(彫版・刷)≪悪魔たちから貶められ、妻から苛まれるヨブ≫の鬼面、同≪反逆天使と戦う大天使聖ミカエル≫の『BASTARD!!』感。

またペーテル・パウル・ルーベンス(原画)スヘルテ・アダムスゾーン・ボルスウェールト(彫版)≪ライオン狩り≫レオナルド・ダ・ヴィンチ『アンギアーリの戦い』をも超える戦闘画!

ペーテル・パウル・ルーベンス(原画)ピーテル・クラースゾーン・サウトマン(彫版・発行)≪カバとワニ狩り≫のトロピカル・エキゾ感も素晴らしく、ルーベンスの絵画群はこの展覧会のハイライトの一つでした。

そしてフェリシアン・ロップス(原画)アルベール・ベルトラン(彫版)≪娼婦政治家≫もハイライトの一つ。欲望を顕わす娼婦と豚が学術・芸術を踏みつけるデザイン。ピンクでなくスカイブルーなのが凡作でない点だと感じました。フェリシアン・クロップスは着物の様な衣で踊る骸骨の≪舞踏会の死神≫も印象的でした。

19世紀の作品だと消え入るような美が描かれたフェルナン・クノップフ≪もう、けっして≫も素晴らしかったし、彩色写真作品であるフェルナン・クノップフ≪蒼い翼≫と≪アラム百合≫もコラージュな感性を感じて。

ジャン・デルヴィル≪レテ河の水を飲むダンテ≫に描かれる忘却の輝かしさと、同≪ステュムパーリデスの鳥≫の土埃と黒の対比も印象的でした。

ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク≪運河≫の、赤錆び窓が割れている工場?の前を流れる川と等間隔に立つ木々の侘しい風景が沁み、ヴァレリウス・ド・サードレール≪フランドルの雪≫ブリューゲル(父)≪雪中の狩人≫に比肩する上質で落ち着いた静謐な質感の絵画でした。

また面白い画家だったのがジェームズ・アンソール。彼の絵画は暗い情念が込められてるのにユーモラスで明るい色彩なのが面白い。燃えるような、でもどこか滑稽さのある≪愛の園≫。ユーモラスな醜さのある≪ソフィー・ヨテコと話すルソー夫妻≫。明るい色彩とテーマの意外さが印象的な≪キリストの誘惑≫。あふれ出る自意識が爆発している≪オルガンに向かうアンソール≫。そしてエッチングの≪天使と大天使を鞭打つ悪魔たち≫はユーモラスな百鬼夜行といった趣でした。

そして遂に奇想の系譜は20世紀へ。
ポール・デルヴォー≪スケッチブック「赤い帽子の裸婦」≫のきれいさ。デルヴォーの女性画では骸骨と同じポーズをする≪女性と骸骨≫もコンクリートな歪みのある近代絵画で印象的でした。

そしてルネ・マグリット。≪大家族≫の荒天に青空が鳥形に抜かれるこのマグリットの代表作は20世紀ならではのファンタジックな絵画に感じました。≪マグリットの孤児たち≫よりIX、≪マグリットの孤児たち≫よりXIのコラージュ感。≪9月16日≫≪オールメイヤーの阿房宮≫の幻想。

この奇想の系譜を一つ貫くのはコラージュの感覚だと思います。コラージュというのは異なるものが組み合わされる、違和感と調和のせめぎ合いのアートスタイル。”奇想”の怪物的でファンタジックな芸術を行うには、現実と非現実を融合するコラージュの感覚が顕れるのだと感じます。

そしてマルセル・マリエン≪神秘の国ベルギー≫はまさしくコラージュ作品。森の中に魚が浮かび、青林檎に突き刺さる。マルセル・マリエンの単眼のメガネ作品≪見つからないもの≫も面白かった。

そしてリュック・タイマンス≪磔刑図≫の白輝にはちょっと吉岡徳仁 / スペクトル at 資生堂ギャラリーを想起しました。

この展覧会もフィナーレ、21世紀のベルギーが辿り着いた奇想は立体物が多くありました。
レオ・コーベルス≪ティンパニー≫は筆を咥えた画家?の骸骨がティンパニーに落下して音を鳴らす作品。死後も作品があり続けることの隠喩かもしれません。

ウィム・デルヴォワ≪プレッツェル≫は磔刑になったキリストがよじられ繋げられメビウスの輪のようになっている作品。キリストが永続的に苦悩を負い続けてくれることのメタファーでしょうか。

パナ・マレンコ≪スコッチ・ギャンビット原型≫は謎の水空両用船。頭が強大化しすぎて首からぐがんと曲がったトマス・ルルイ≪生き残るには脳が足らない≫も面白いし、金にひずむ髑髏に黒犬のトマス・ルルイ≪無限≫も魅力的でした。

ミヒャエル・ボレマンス≪The Trees≫は何の演技もない表情の絵画。奇想の中にあると、寧ろその閑けさが引き立ちます。そしてよく見ると手に持つ本が本でなく白い板物体だという。

冒頭にも作品があったヤン・ファーブルの≪第14章≫と≪第16章≫の金ぴかのイケイケ親爺の像に消費社会の栄華と虚栄を感じて、展示室を抜けました。

この展覧会、ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝ーボスを超えてーをみていても価値あるし、さらに面白く感じれると想いました。また展覧会のヴォリュームが”もうちょいみたい”ってくらいの丁度良さで、仕事帰りなんかにサクっとみてもいいと思います。来週日曜9.24まで。


cf.
奇想天外なベルギー美術500年の旅へと誘う、『ベルギー奇想の系譜』展速報レポ!(Vogue)

# by wavesll | 2017-09-15 21:25 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

秋晴れにExplosions In The Sky - All Of A Sudden I Miss Everyone 第34回音の貝合わせ

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Explosions In The Sky - All Of A Sudden I Miss Everyone ( Full Album )


夏季の最後の名残の九月晴れ、天高く、蒼穹に映える轟きが澄明な空を輝かす。宇宙の黒が透けるような藍空に、白光が爆ぜる。
# by wavesll | 2017-09-14 19:55 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)