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「怖い絵」展 at 上野の森美術館 画の背後にある物語性と劇的瞬間の美しさ

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上野の森美術館で休日には2h待ちの行列をつくっている「怖い絵」展。今は連日20:00まで開館が延長されているこの展覧会に並んできました。

中に入っても物凄い人で。正直ビックリというか、”このラインナップでこんな混む!?”とw 逆に普段見てる歴史的な銘品揃いの展覧会凄いなとw

『怖い絵』シリーズは何でもかなりの重版出来らしく、世界一受けたい授業にもキュレーターの中野さんが出演しているとかで、普段展覧会をみに行かない方々にかなりリーチ出来たのかもしれません。

なので、多くの人が館内で正攻法でみようとするので、ちょっと絵を通り過ぎてから逆側からみたり、2列目からみたりサッと隙間からみたりするとかなりスルスルと見れる感じです。というかこの混み方では覇道じゃないと。箱が狭いこともあり体感は北斎展@あべのハルカス国宝展@京博並みでした。

先程”このラインナップでこんな混む!?”と書きましたが光る作品は幾つもあって。

特に女神、妖女、ファム・ファタールが描かれた作品に惹かれました。

一番美女だと感じたのはハーバート・ジェイムズ・ドレイパー≪オデュッセウスとセイレーン≫のセイレーン達。若い女の子の官能性の極致。セイレーンだと美女でなく妖獣ですがギュスターヴ=アドルフ・モッサ≪飽食のセイレーン≫も良かった。


この展覧会では作品と同じくらいキャプションが主役となっていて、背景や意味が語られていて。怖い絵といってもスプラッターではなくてじわじわと怖いものが多く、中には”「死にたい」と言っていたら髑髏が現れてしまい「この荷物を運ぶの手伝ってくれ」と翻意して言う様子”が描かれたジョセフ・ライト≪老人と死≫なんて作品も。

『サロメ』の挿絵画家ビアズリーの暗澹さが滲むチャールズ・シムズ≪ワインをたらふく飲む僕と君にこれらが何だというのだ≫やこれもチャールズ・シムズの≪そして妖精たちは服を持って逃げた≫なんてのは小人がきらゆらと描かれて。著名人やその時々の風俗・迷信という題材の面白い作品が多いのも「怖い絵」展の特長と言えるでしょう。

そしてチャールズ・シムズ≪クリオと子供たち≫は戦争で死んでしまった子供たちが血を流す女神の元で聴き入っているという、どこまでも明るいヴィジュアルなのに死が描かれている作品で、確かにこれは怖い絵だと感じました。

一方で昏いヴィジュアルの怖い絵の代表がウォルター・リチャード・シッカート≪切り裂きジャックの寝室≫。切り裂きジャックに強烈な関心を示したシッカート。実は彼自身が切り裂きジャックだったという調査が発表されていて。解説も含めて絵を見た時の負のエナジーというか、正に本展の狙い通り鳥肌が立ちそうになりました。

またその隣のニコラ=フランソワ=オクターヴ・タサエール≪不幸な家族(自殺)≫は今まさに練炭自殺をしようという場面が描かれていて。これもしみじみと恐ろしい絵。

本展はいわゆる”綺麗目”な画が多く、ヴィジュアル表現としては同じようなテイストが多い印象でしたが、中には”おぉ!”と想わされる絵もあって。凶悪な笑みを浮かべるピエロ達が舞台上?のキスする男女を眺めるジョン・バイアム・リストン・ショー≪人生はこうしたもの≫なんかはかなり好きでした。

そして展示の中に何気に有名画家の作品もあったり。エドヴァルド・ムンク≪森へ≫はまるでデジタルな森淵へ歩んでいくような心象風景が近現代な感覚。ギュスターヴ・モロー≪ソドムの天使≫は神々しく光り輝きながら殺戮をつくす天使が印象的。パリ初期の不遇な時代の鬱々とした絵が意外なポール・セザンヌ≪殺人≫やヒエロニムス・ボス風の作者不詳(オランダ派)≪聖アントニウスの誘惑≫なんてのも。

モチーフの面白さでいうとウィリアム・ホガース≪ビール街とジン横丁≫は溌溂と生きるビール街と、アルコールに冒されたジン横丁の悲哀が。今だとその内ストロングゼロ文学な絵画が出てくるかもしれません。

絵画の物語性でいうと死体を出廷させて有罪を言い渡した場面を描いたジャン=ポール・ローランス≪フォルモススの審判≫や噴火という大災害を描いたフレデリック=アンリ・ショパン≪ポンペイ最後の日≫、そして後に運命が暗転する前の栄華を描いたフレデリック・グッドール≪チャールズ1世の幸福だった日々≫も「怖い絵」でした。


王位継承権をめぐって反逆の汚名を着せられ処刑された若き乙女の白く透明な美しさ。それぞれの登場人物がきちんと素晴らしい演技が込められていて、劇的な場面の物語性と絵画表現としての圧倒的な美しさが。正に真打。これは観れて良かった。

なんだかんだで結構楽しい展覧会でした。そして物語性や意味性の解説がこれだけの需要を喚起するとは。これに味をしめられてこんな感じの展覧会をやられまくったら困りますが、寧ろ他業種、洋楽PRや翻訳書PRの人達にとってはかなり刺激を受けるプロジェクトなのではないかと想いました。

12月17日まで。最前列で全て見たいというのでなければ平日仕事終わりにサクっとみるのがお薦めです。

by wavesll | 2017-12-07 21:36 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

師走の上野で和楽器バンドフリーライヴ@東博をみる

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和楽器バンド / 千本桜

東京国立博物館にて和楽器バンドのフリーライヴを観てきました。普段使わなかった東博の西門から入ったのが楽しかった。

和楽器バンド、ロックサウンドの中「千本桜」のイントロの三味線とか尺八もよく聴こえて。ライヴでのサウンドワークにかなり”おぉ!”と想いました。

個人的にはもっとソリッドでソウルフルな渋み苦みを演ってくれたらより好きになれそうです。


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by wavesll | 2017-12-04 06:39 | 街角 | Trackback | Comments(0)

東博常設展にて好い写楽や好い月岡芳年、そして刀や絵師の仕事をみる

東洲斎写楽 ≪中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と中村此蔵の船宿かな川やの権≫
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東洲斎写楽 ≪紀伊国屋納子 三代目沢村宗十郎の孔雀三郎≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 古手屋八郎兵衛≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 笠森お仙≫
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月岡芳年 ≪英名二十八衆句 福岡貢≫
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歌川広重 ≪名所江戸百景・蓑輪金杉三河しま≫
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寺崎広業 ≪秋苑≫
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≪小袖 染分綸子地若松小花鹿紅葉模様≫
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岸連山 筆 ≪猪図≫
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喜多川月麿 ≪相州江の島巖屋の図≫
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荻生徂徠 ≪文語≫
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徳川綱吉 ≪和歌≫
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三井親和 筆 ≪詩書屏風≫
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円山応挙 ≪波濤図≫
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≪熊毛植二枚胴具足≫
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≪紅糸威二枚胴具足≫
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≪白糸威二枚胴具足≫
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≪瓶形四君子図七宝水柱≫ ≪瓶形梅桜文七宝水滴≫ ≪重丸瓶形花文七宝水滴≫
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≪火事羽織 紺木綿地刺子人物模様≫
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≪火事装束 猩々緋羅紗地波鯉模様(抱き茗荷紋付)≫
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≪太刀 長船景光(号小龍景光)≫
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≪太刀 備前元重 銘 備前長船元重 観応二二年十二月日≫
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≪刀 関兼元≫
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≪刀 相州正宗(名物 石田正宗)≫
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≪刀 長曽祢興正 銘 東叡山於忍岡辺長曽祢興正作之≫
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≪刀 堀川国安 銘 国安≫
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≪刀 来国光≫
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≪脇指 畠田光守≫
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≪脇指 相州貞宗(号 石田貞宗)≫
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≪黒漆小脇指 無銘 貞宗(号 石田貞宗)の拵≫
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≪獅子造鱗文兵庫鎖太刀≫
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≪沃懸地葵紋蒔絵合口≫
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≪沃懸地葵紋蒔絵螺鈿打刀 銘 助真の拵≫
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≪梨地笹龍膽車紋蒔絵糸巻太刀 銘 貞真の拵≫
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この写楽とか芳年とか、かなり好きな感じでした。

最近の刀剣ブームでかなり見る機会が増え、段々と「この刀いいねぇ」と想うようになったりw

ここには載せていませんが国宝室には万葉集が。また信長の肖像画の掛け軸なんかも。常設展と言っても結構な頻度で展示替えしているので、特別展を見るたびに新鮮に楽しめて満足感高しです◎

by wavesll | 2017-11-28 19:07 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

フランス人間国宝展 at 東京国立博物館 表慶館が素晴らしかった

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東博・表慶館にて開かれたフランス人間国宝展に最終日に行ってきました。

日本の通称人間国宝(重要無形文化財の保持者)認定を基に、フランスにおいて認定されたメートル・ダール/Maître d' Artの保持者たちの作品群。日本伝統工芸展とか好きな人にはかなり響きそうな展覧会でした。

まず入ると陶芸家ジャン・ジレルの≪Tennmoku(天目)≫が。
曜変天目の再現としては瀬戸の陶工の長江さんの方が見事なように感じましたが、ジャンさんの作品もメタリックな天目として愉しめました。

そして奥に入ると鼈甲細工、革細工、金銀細工の部屋が。

クリスティアン・ボネによる鼈甲が光に透ける≪花瓶≫はアールヌーヴォー的な卵にもみえて。セルジュ・アモルソによる革鞄≪クフ王≫シリーズは品の良さと格好良さを非常に感じさせられました。

そして≪グラス チューリップ≫がメインヴィジュアルにも使われたロラン・ダラスプの金銀細工。
ファンタジー世界の砦のような≪パンチボウルとレードル≫、銀の枝が伸びる≪枝付き燭台≫、≪キャビア船≫、≪トレイ≫、≪ゴブレット≫も好いし、コップで表現された≪ドン・キホーテとサンチョ・パンサ≫なんてのも。≪一輪挿≫も粋でした。

階段を上に上がると麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工の一室。

フランソワ=グザヴィエ・リシャールによる和紙の壁紙≪オービフォールド≫が明暗の変容をするライティングに映えて。

その中に包まれるナタナエル・ル・ベールの真鍮細工が何しろ素晴らしい。

アーク・ノヴァのような≪マヨルカ≫と≪無限≫。臓器のような身体性を感じさせる≪灰色≫。≪トルソー≫というなの壺。肺がイマージュさせられる≪呼吸≫。金と黒の須恵器 子持高坏のような≪テーブル オペラ≫、緑・黄緑、そして木の茶の≪テーブル シャイアン族≫。そして本展随一の印象を受けた黒孔雀のような≪テーブル 春の月≫が美事でした。

リゾン・ドゥ・コーヌの≪ルクソール≫という家具もシックとゴージャスが両立していて素晴らしかった。

第四室は 傘、扇。これがまた素晴らしく良くて!

ミシェル・ウルトーによる傘たち。椿姫な≪日傘 日本≫やレースがひらりとする≪花嫁≫、≪イシス:豊饒の女神≫の舞う赤。老婦人が持ってたら凄くイイ感じの≪パゴダ≫、確かにアール・デコな≪アール・デコ≫や確かにアフリカな文様の≪アフリカ≫。

跳ねるデザインの≪突風≫や植物な白岩感のある≪フォンタンジュ嬢≫、淑女のスカートの中を覗いてしまったようなコケティッシュさのある≪土星≫、赤が映える≪日傘 スペイン≫、本当に上品な落ち着きのある≪銀杏≫、どれも素晴らしかった。

そしてシルヴァン・ル・グエンによる扇がまた好くて。日本で生まれた扇子が現代フランスの感性でリファインされていて。

”こんなのありかよ!”というようなボウボウが出た≪イソギンチャクの夕べ≫や、立体の羽根の≪香り立つポップアップ≫。そして透明な”トゲ”がでた≪ウニ≫、≪ホワイト・ウェディング≫も立体的で。前衛扇子。

四角と丸のカタチの≪非対称なスルタン妃≫や畳むと三角形になる≪ピラミッド≫。珊瑚の様な柄の≪ゴルゴン≫、抽象画な≪セルジク≫にそれが折り目で立体的になっている≪セルジク 折り紙≫、空に風に流れる雲が描かれた≪風の神アイオロスに捧ぐ≫や、≪マラルメに捧ぐ≫も美がありました。

菱形の折り目達がついた≪ダイヤモンド≫や広告が織られた≪200%≫、PSのゲーム『IQ』のようなヴィジュアルの≪格子(ピックに捧ぐ)≫や人の顔とグラスのだまし絵が描かれた≪ジュリエット・グレコ≫。≪孔雀の太陽≫も美しかった。

対になる白鶴が表現された≪鶴≫、立体裁断な≪星々のきらめき≫、木の感じがいい≪秋の夕暮れ≫にクリスタルも使われた≪カロリーナ≫。柄の部分が蓮な≪蓮(黒/革)≫にまさに黒蓮が表現された≪蓮(黒)≫。

ヴェールがついた≪霧氷の花びら≫に広げた時逆三角形になる≪トライアングル≫、マジシャンのような≪ホワイト&ブラック≫といい、非常にアヴァンな扇、大変愉しめました。

そして吹き抜けの空間を抜けるとピエトロ・セミネリの折り布が。

まず目に飛び込んでくる≪トレーン≫が凄い!黒い鳳凰の尾のよう!圧倒され、思わず”すげぇな”と呟いてしまいました。

そして≪権力者≫、≪強さ≫、≪義務≫はどことなく東洋というか、スルタンな感じを思わせる作品。≪力の荘厳≫は鎧のようで、≪隠遁者≫は恐竜の鱗のよう、≪深き淵より≫も美しい黒の連なりでした。

第6室は銅盤彫刻、紋章彫刻、エンボス加工(ゴブラージュ)

ジェラール・デカンの紋章彫刻による≪明日≫はガラスに動物たちを浮き上がらせる連作。金の円柱の≪方舟≫とこれも動物が彫られた≪陶印≫も良かった。

ロラン・ノグのエンボス加工による≪構造と動き≫はミニマムな複雑性というか、白地に立体的な構造が編まれていて、”こんなの家に飾ったら最高の空間になりそう”と想いました。

≪ITO≫は細い糸のような線で幾重にも円が重なる作品。紙に死神などがエンボス加工で画かれた≪黙示録≫も。

リアルな大和絵のような金色の空を見上げる≪雲1≫、≪雲2≫や≪三連作 風景≫も素晴らしかった。

さらにファニー・ブーシェの≪継承≫は神域の空間が広がっていて。白いふわりとした布の花の上に銅の球が浮かんで。感銘を受ける、非常にシンボリックな逸品でした。

そして階段を降りるとネリー・ソニエによる羽根細工が。

花を中心に植物が羽根で形づくられる≪沼地のはずれで 蜜採集≫や羽根で竜魔がつくられた≪ドラゴン≫、木のウロが羽根によってつくられて金の虫が這う≪窪み≫の感じなんかアルチンボルドに通じるものを感じて。

アクアリウムのような≪ツグミと鯉 分け与える≫や実際の林檎の木に羽根を飾った≪夏の盛り 思いがけない樹木≫なんて作品も。

そして最後の部屋はエアニュエル・バロウによるガラス作品。ガラスの巨大な波があらわれている≪探究≫には金沢国際ガラス展でみた作品群を想い起しました。

この展覧会、フランスの現代工芸を観ることが出来てなんか世界が広がった気がしたし、表慶館の建築も凄く雰囲気があって行って良かったです。今後も表慶館で開かれる展覧会、ちょくちょくチェックして行こうと想いました!

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by wavesll | 2017-11-27 21:28 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

藝大美術館「素心伝心ークローン文化財 失われた刻の再生」にて敦煌莫高窟 第57窟等のクローンをみる

敦煌莫高窟第57窟
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敦煌莫高窟 第57窟南壁≪部分≫再現模写
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高句麗古墳群江西大墓≪四神図≫
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江西大墓≪四神図≫再現模写
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新疆ウイグル自治区 キジル石窟 第212窟
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アタカマイト
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壁画断片 仏陀坐像
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バーミヤン東大仏天井壁画
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バーミヤン石窟K洞 壁画 仏坐像
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パキスタン 仏伝浮彫 占相・祝宴・勉学
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パキスタン 仏陀説法図
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ストゥッコ 仏陀像頭部
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タジキスタン ペンジケント遺跡発掘区VI 広間1壁画≪ハープを奏でる女性像ほか≫
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ミャンマー・バガン遺跡 ミンカバー・グービャウッヂー寺院壁画(部分)
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法隆寺釈迦三尊像
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法隆寺金堂壁画
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東京芸術大学大学美術館のシルクロード特別企画展「素心伝心」クローン文化財 失われた刻の再生に先日行ってきました。

Q)文化財は唯一無二の存在であり、その真正性は本来、複製が不可能です。その一方で、文化財の複製の歴史は古く、文化財の記憶をより広く長く継承したいという思いは、普遍的・根源的なものであるといえます。

東京藝術大学は、劣化が進行しつつある或いは永遠に失われてしまった文化財の本来の姿を現代に甦らせ、未来に継承していくための試みとして、文化財をクローンとして復元する特許技術を開発しました。本展では古代シルクロードの各地で花開いた文化を代表する遺産がクローン文化財として甦ります。

絹の道シルクロードは仏教の道でもあります。インドで生まれた仏教は、シルクロードを通ってギリシア・ローマ、イランなどの文化と融合し、グローバルな文化様式が育まれ、さらに中国において大きな変容を遂げ、東アジア仏教美術の古典様式が形成されました。シルクロード各地の文化財は、それぞれに関係性をもちながら多文化・多様性を体現しており、極めて今日的な意義を有しているといえましょう。

しかし、シルクロードの文化財は現在、様々な危機に面しています。2001年に爆破されたバーミヤン東大仏天井壁画、流出後に第二次大戦の戦火で失われたキジル石窟航海者窟壁画、保存のため一般公開が困難な敦煌莫高窟第57窟、模写作業中に焼損した法隆寺金堂壁画など、この度、再現する作品はいずれも唯一無二の歴史的・芸術的価値が認められながら、惜しくも失われていたり、実物を鑑賞することが難しい作品ばかりです。

クローン文化財の制作にあたっては、オリジナルの精細な画像データを取得し、三次元計測や科学分析を行って、空間・形状・素材・質感・色を忠実に再現します。また、クローン文化財に加えて、生涯にわたりシルクロードを歩き、撮り続けた並河万里の写真や、本展のために現地で撮影した映像、臨場感のある音など、五感でシルクロードの世界を体感いただけます。
(UQ

クローン藝術の面白さを愉しめました。
特に敦煌莫高窟は四方が完全に再現されていて、まるでVRで石窟に迷い込んだような気になりました。

欲を言えば天井も床も再現してほしいし、もし敦煌莫高窟を全窟完全再現したテーマパークとかが出来たらかなり行ってみたいと想いました。大塚国際美術館みたいに街おこしになるかも。

"それは流石に費用が"ということもあるでしょうし、取敢えずはいつかGoogleがストリートヴューで公開して呉れたらいいなぁと思います。

またクローン藝術として現在はもう失われてしまったものを記録から再現するという試みもしていて。新疆ウイグル自治区 キジル石窟やバーミヤン東大仏天井壁画等、本当に意義深いなと感じました。

東千仏洞石窟のミニスカートの女神といい、中国西域のエメラルドグリーンの麗しさには目をみはるばかりでしたが、今回その顔料がアタカマイトだというのを知って。本当に、根源を刺激する発色だなと。

360°の空間展示と言う意味ではインスタレーションや例えばチームラボが宇宙と芸術展で披露した空間映像作品などもそうですが、クローン文化財もその一角に大きなプレゼンスをこれから成していく感覚がありました。

さらに
Q)本展終了後、クローン文化財の一部は、故国に「帰還」する予定です。シルクロード美術の伝統は残念ながら多くの地域で途絶えてしまいましたが、終着点の日本では幸運にも今日まで継承してくることができました。クローン文化財の「帰還」をとおして、シルクロード美術の道が円環を描き、新たに脈動することを願ってやみません。(UQ

とのこと。未来への遺産としてこの手法は普及、発展してほしいですね。
by wavesll | 2017-11-02 07:51 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

運慶展で彩色の仏像に開眼す+東博常設展・マジカルアジア展

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特別展「運慶」@東京国立博物館へ行ってきました。

運慶や父の康慶、息子の湛慶を初めとした慶派の作品展示。運慶の仏像の表情のなんと訴えかけてくることか。繊細な表現は特に小品に素晴らしいものがありました。

また父の康慶の豪壮さがまた絶品で。そして慶派の作品は極彩でも凄い!今まで色付きの仏像でいいと思ったのは少なかったのですが運慶・湛慶の≪聖観音菩薩立像≫(愛知・瀧山寺)や京都・海住山寺の≪四天王立像≫の素晴らしさには色彩仏像の感性が開かれました。

運慶・快慶というけれども、快慶展@奈良博&法隆寺大宝蔵院で観仏記 + Extra Tracksでみた快慶の作品と運慶の作品はかなり異なっていて。快慶の方が筋骨隆々としたダイナミズムと優美があり、運慶は端正で剛健。ここら辺ミケランジェロとダ・ヴィンチのような対比がありました。

会場に入ると先ず現れるのが運慶のデビュー作、奈良・円成寺≪大日如来坐像≫。丸みを帯びた顔やしっとりした体つきが印象的でした。

次の部屋にあった奈良・長岳寺≪阿弥陀如来および両脇侍坐像≫のしなやかな脚。そして≪毘沙門天立像≫(奈良・中川寺十輪院由来)の截金が美しくて。

そして次の間では早くもハイライトの一つ、康慶による奈良・興福寺≪四天王立像≫。これが凄かった!勇壮な武将天達の凄みを帯びた巨躯に目を見張りました。そしてその手前の同じく興福寺の康慶≪法相六祖坐像≫の表情の妙、侘び寂びの美がありました。

運慶≪毘沙門天立像≫(静岡・願成就院)は玉眼による実直な顔つきで。ドカベン的に安心できるフォルム。運慶≪不動明王立像≫(神奈川・浄楽寺)の木の肌の艶。運慶≪毘沙門天立像≫(神奈川・浄楽寺)は中国風のゴツい顔がコンパクトに締まって纏まってました。

そして本展の一つのピークが運慶≪八大童子立像≫(和歌山・金剛峯寺)!表情豊かな童の像X8!!!!
運慶は小品が殊に素晴らしい印象。本当に魅力的な表情をさせるのが上手い!ぷっくらした童子達の顔が可愛い。特に恵光童子と矜羯羅童子が好きでした。

そして奈良・興福寺の≪四天王立像≫はまるで巖のような荘厳さ。厳しい目と体躯の硬質さはギリシア彫刻の様。また運慶による≪無著菩薩立像 世親菩薩立像≫(奈良・興福寺)は人の悟りの先にある悲しみへの眼差しというか、泣いているような玉眼がとても印象的でした。

また東京・真如苑真澄寺≪大日如来坐像≫の心安まる金色と運慶≪地蔵菩薩坐像≫(京都・六波羅蜜寺)のたおやかな黒の対比も良かった。

その次のスペースにあった運慶・湛慶による≪聖観音菩薩立像≫(愛知・瀧山寺)はこの展覧会の中でも特筆すべきインパクトで。

源頼朝の三回忌でつくられた本立像は、白い肌に色彩豊かな衣をまとった菩薩像で、頼朝と同じ身長で、内部には頼朝の歯が収められているとか。彩色は明治時代に塗りなおされたそうです。言われてみると確かに明治的な感性を感じました。色味のある仏像でこんなにしっくりくるのが今までなくて。素晴らしい仏像でした。

京都・清水寺の≪観音菩薩立像 勢至菩薩立像≫のしなやかなボディー、京都・東福寺の≪多聞天立像≫は青い冠が綺麗でした。

そしてこの展覧会随一に心を打ったのが、康慶の四天王像を受けて作られた、≪四天王立像≫(京都・海住山寺)。数十センチの仏像で、最密な彩を為されていて。極彩と風化で木がみえるバランスが最高に格好良くて。もしこのクローン・フィギアがあったら4点セットで10万でも欲しくなっちゃいそうな出来でした。

そしてその後運慶の息子たちの作品が並んで。特に三男・康弁がつくった≪龍燈鬼立像≫(奈良・興福寺)がユーモラスにイイ顔をした鬼が良かった◎鬼たち、四天王に踏まれてばっかりだったからw同時に展示してあった≪天燈鬼立像≫(奈良・興福寺)もいい顔&いいケツしてましたw

そして最後に展示されていたのは≪十二神将≫(京都・浄瑠璃寺伝来)。十二支の干支の神将が全部一度に揃うのは42年ぶりだとか。子神、丑神、巳神、午神、申神、酉神、亥神が好きでした。

その後本館の常設展をみたのですが、湛慶による三十三間堂の千手観音菩薩立像や、運慶の孫・康円による愛染明王坐像などの作品が見れたので、運慶展に行かれた方は是非本館もチェックされてみてください。

そして刀剣ブームで水龍剣や三日月宗近には行列が。刀剣女子を始めて生でみました。

本館をみたあと東洋館へ。今「マジカル・アジア」という展示を行っていて。
通常の展示の中に特別なキャプションのついた「マジカル・アジア」モノがあるという展示構成。

エジプトのコーナーにはミイラや木乃伊を巻いた布、死者の書が展示してあったり、中国コーナーではウルトラアイみたいなアスターナ・カラホージャ古墳群の≪アイマスク≫やキルラキルLIKEなフォントの≪隷書六言詩横披≫があったりして中々面白くて。
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見逃せないのが地下一階の東南アジアフロアにあった異形な神仏像。

SDガンダムのガチャのような≪チャクラサンヴァラ父母仏立像≫
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ビックリマン的、モンスト的な3頭身の≪ヴァジュラバイラヴァ父母仏立像≫。
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≪八臂十一面観音菩薩立像≫、ラスボス感ある。
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最後は本館にあった可愛い奴、石川光明≪野猪≫。
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特別展「運慶」、本館常設展、そして東洋館のマジカル・アジアとじっくりみて、なんと4時間も眺めてしまいました。東博は一日楽しめるヴォリュームでほんと嬉しい。フードトラックなんかももっと入れてくれたらほんと8時間位いそうですw
by wavesll | 2017-09-29 00:02 | 展覧会 | Trackback | Comments(2)

アルチンボルド展@国立西洋美術館 "寄せ絵"のアイディアだけでない、極上の画の技量

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アルチンボルド展に行ってきました!素晴らしかった◎

ジュゼッペ・アルチンボルド。ミラノ出身で神聖ローマ皇帝のハプスブルグ家3代に仕えた宮廷画家である彼の"寄せ絵"のヴィジュアルはあまりにも有名で、私はアイディアの人かと思っていたのですが、直にみる絵からびんびんとアウラを感じて。デッサン力、そして質感の描写の卓越さに驚きました。

先ず展示室に入るとすぐにある≪四季≫が素晴らしくて。木のこげ茶の土台に、赤い林檎、黄緑のマスカット、緑の葉、黄色い麦…鮮やかな色彩がインテグレートされ、美しいフォルムとなっていて。魅了されました。

≪自画像≫の端正な壮年の表情、そして≪紙の自画像(紙の男)≫というユーモラスな表現も楽しくて。ベルナルディーノ・ルイーニ ≪ビアージョ・アルチンボルド≫の親父さんとジュゼッペは似てました。

アルチンボルドはレオナルド・ダ・ヴィンチとほぼ同時代、入れ替わりくらいの時代の人で。アルチンボルドもかなり人体の構造やデッサンの技術を鍛えたそうです。展覧会ではダ・ヴィンチの≪植物の習作(表:ミクリ 裏:ホソバヒメガマ)≫や≪鼻のつぶれた禿頭の太った男の横顔≫なんかも展示してありました。

アルチンボルドが仕えたマクシミリアン2世などのハプスブルグ家の人々の肖像画の後にはオッターヴィオ・ミゼローニ、ディオニシオ・ミゼローニ ≪玉髄製の蓋付きの鉢≫やオッターヴィオ・ミゼローニ、HCのマイスター ≪大きな貝形の鉢≫・≪ネプトゥヌスをともなう巻貝形の鉢≫・≪碧玉製の貝形の鉢≫、そして作り手不肖の≪水晶製の平皿≫が展示されていて宮廷の栄華を想わせました。ちょっとインペリアル・エッグを想ったり。

また宮廷でのアルチンボルドのアート・ディレクションも展示してありました。ルドルフ2世に献じられた馬上試合の装飾デザイン集は、まるでRPGの設定本を眺めるような面白味がありました。

さて、そして次の空間がこの展覧会のクライマックス、≪春≫≪夏≫≪秋≫≪冬≫≪大気≫≪火≫≪大地≫≪水≫の部屋。この絵画達のクオリティが凄まじく群を抜いていて!

アイディア、デザインが優れているのは勿論、質感描写が本当に卓越していて!≪水≫の水生生物のぬめるような質感、≪春≫の花弁の質感、≪大地≫の動物の毛並みの質感、≪冬≫の木の幹の質感、≪夏≫の野菜の溌溂さ…マグニフィコ!!!!!

また面白いのが制作年が春夏秋冬の通りでなく、≪春≫と≪冬≫が1563年、≪夏≫と≪秋≫が1572年に描かれたこと。そして≪大地≫と≪水≫は1566年の作品で、その制作の流れも興味深かったです。

この展示室の後に大きく拡大複写された8枚が並んで展示されていたのですが、もう全然質感が違って。この絵画たちは生でみた価値を大変に感じました。この技量に裏打ちされて寄せ絵という発想が飛翔したのだなと。

他の画家の寄せ絵のコーナーもあったのですが、それをみることで如何にアルチンボルドの筆が見事か、質感描写・デッサン力が凄いかが照らし出されていました。

この時期は博物学的な画が流行りだったそうです。作者不詳 ≪アンコウ≫の化け物感やヤーコボ・リゴッツィ ≪タイ科の魚≫の色味、作者不詳 ≪椰子の実形のゴブレット≫、参考作品のヴェンセスラウス・ホラー ≪蝶々とさまざまな昆虫≫の連作なんかいいなと想いました。

さて、博物学的美意識と、人権を考えさせられたのが多毛症で見世物にされた一族が描かれた絵画のコーナー。アゴスティーノ・カラッチ ≪多毛のアッリーゴ、狂ったピエトロと小さなアモン≫南ドイツの画家 ≪エンリコ・ゴンザレス、多毛のペドロ・ゴンザレスの息子≫には胸の痛みも感じた一方で、サヴァイヴしたことに強さも感じました。

またこの時期は職業絵とカリカチュアの誕生があり、単に端正な人物画でなく、その人間の本質を描き出すムーヴメントが起きました。人物の本質を寧ろ寄せ絵の比喩で顕わしたという点でジュゼッペ・アルチンボルドの≪ソムリエ(ウェイター)≫≪司書≫≪法律家≫は興味深かった。

またアルチンボルドの寄せ絵は人物画と静物画のフュージョンとも捉えられます。上下さかさまに見ると捉えられる意味が変わる≪庭師/野菜≫≪コック/肉≫は展示の最後に彩を与えていました。

そしてこの展覧会のお楽しみが展示室に入る前にあるフォトコーナー。顔認識で、ヴィジョンの前に立った人を野菜の寄せ絵で顔をつくってくれるというシステムw私もやってみましたw
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さて、私的にお薦めの観方は一周観た後に半券で再入場し、野菜顔フォトをとって、最後に展示の初っ端の≪四季≫をみること。実は≪四季≫は1590頃という最晩年の作品。アルチンボルドが辿り着いた瑞々しさに心打たれて、展覧会を後にしました。
by wavesll | 2017-09-11 06:51 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

藝祭2017Photographs

藝祭2017へ行ってきました。超ヴォリュームの展示から抜き出した写真たちをお楽しみください◎

髙橋瑞稀 ≪夢の残滓≫
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只野彩佳 ≪グレープシャーベット盆地の夏≫
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齋藤巧美 ≪神話の救済≫
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山内望起子 ≪Life And Death≫
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井元紗奈恵 ≪感情移入≫
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大小田万侑子 ≪天香具山紋様≫
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大小田万侑子 ≪天鈿女と春の宴会文様≫
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倉科尚明 ≪止まる男≫
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香取輝 ≪狙う≫
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溝口さつき ≪床をたつ≫
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白井雪音 ≪空喜び≫
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金森七海 ≪星に願う(布)≫ 青木夏海 ≪星と祈りの服≫
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木村和史 ≪旋≫
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李菲菲 ≪瓦の記憶≫
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那須佐和子 ≪僕の歌を罵声に変えたい≫
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真島柊 ≪アボカド1/2(新鮮即ち死死んで間もない)≫
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宮腰衛 ≪黄色い樹木≫ ≪升鬼≫
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大橋いくみ ≪MAKE #6≫
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矢野佑貴 ≪潮騒≫
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齋藤詩織 ≪暴走族感謝祭≫
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武藤紗緒里 ≪かげ≫
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岡路貴理 ≪雪解け≫
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北野沙羅 ≪窓辺≫
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冨永明義 ≪歩き疲れた≫
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山崎優姫 ≪無題≫
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澤田燈 ≪遠く慮る≫
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砂長正宗 ≪灯台と小さな光≫
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水島篤 ≪盲亀の気まぐれ≫
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恵羅由紀 ≪木≫
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君塚みふゆ ≪広がる≫
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中條亜耶 ≪Lurk≫
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木南玲 ≪しぼうのかたまり≫
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柴谷真理絵 ≪dear≫
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齋藤愛未 ≪色なき風≫
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細渕すみれ ≪沈む≫
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佐久間仁 ≪あのひ≫
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村田茜 ≪窓辺の像≫
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古川倫太郎 ≪榎に花≫
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山崎結以 ≪プランテーション≫
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曽根美咲 ≪ゲレザ≫
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星野明日香 ≪untitled≫
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横山由起 ≪♀♀♀≫
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大澤志乃 ≪アカイハナ-cactus-≫
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中村光美 ≪come beside≫
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堀江瑠奈 ≪石の花≫
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原口久典
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山縣瑠衣 ≪Symbol≫
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吉田樹保 ≪盗み聴き ~春 コンソレーション第3番 フランツ・リスト≫
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山田和樹 ≪「罪」≫
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奥山鼓太郎 ≪めもりー1≫
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大友秀眞 ≪顔力≫
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野澤梓
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大澤晴美 ≪神様のいうとおりー天使が見てるー≫ ≪神様のいうとおりーカップルー≫
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原田楓居 ≪sculpture works≫
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岩崎拓也 ≪寅、二匹≫
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島田萌 ≪AFTER HOURS≫
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石井陽菜 ≪Scene I≫
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石井陽菜 ≪Scene II≫
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石井陽菜 ≪Scene III≫
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吉澤有香 ≪天蓋のドローイングI・II・III≫
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羽藤ゆうゆ ≪mantis≫
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Kei Idetsuki ≪sparking≫
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内村覚 ≪犬≫
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髙木彩佳 ≪保身≫
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竹山美紀 ≪そのとき、≫
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中風森滋 ≪光合成の事≫
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本多桃佳 ≪宙≫
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都築拓摩 ≪手作りの運動会~組体操と積乱雲~≫
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多田恋一朗 ≪赤い夜のBEAT≫
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川田龍 ≪真折鬘≫
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坂本周 ≪まるまる≫
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森泉春乃 ≪となりの人≫
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ジョニー ≪マナガーム≫
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阪田里都子 ≪もっと一緒に≫
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阪田里都子 ≪ひとつずつ≫
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阪田里都子 ≪よくみて≫
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ユウキユキ ≪三貴子ーユキテラス大御神ー≫
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新井毬子 ≪あら、立派になったのね≫
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野田怜眞 ≪円≫
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仲鉢聖波 ≪hot dog≫
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岡田守弘 ≪鳳凰≫
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上野泰武 ≪無題≫
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小林茉莉 ≪シルバーカップ≫
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宇都宮龍
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岡崎龍之祐 ≪Favor Fiber Dress≫
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木下裕司 ≪わがままPET≫
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門脇康平
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Yuma Matsumoto
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井東ひかり ≪花器≫
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隆アリア ≪GeoCharm≫
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高田潤 ≪eagle≫
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石川真悠 ≪旅≫
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佐藤果林 ≪Blue shade≫
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實滿瑛梨伽 ≪アンカー≫
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金原由美 ≪布の固定A・B≫
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河野鉱幸 ≪色欲≫
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島方晧平 ≪かれはとてもめだつ≫
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呉聆雪 ≪銀河≫
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スクリプカリウ落合安奈 ≪One≫
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岡ともみさんには公衆電話と電話ボックスの制作話やZEN-NOKANのWebサイトの話を聴かせていただけました。光の反射の話が興味深かった◎
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最後にもう一度、イチケン展でも素晴らしかった髙橋さんの≪夢の残滓≫がみたくて絵画棟の4F405へ再度行きました。

そうすると高橋さんが在廊されていて。作品について色々と会話出来ました。
この絵画、墨の黒と精霊のような青が印象的ですが、当初は墨の下にある台湾の寺が薄紫に描かれていたそうです。

そこから紆余曲折と極限までの追い込みを経て、一旦完成した絵に墨とエポキシ樹脂を乗せてブレイクスルーを果たして。

中央のカバラの生命の樹のような青いアウラは、台湾の寺のデザインをフォトショップで加工して絵画に描いたとのこと。その他に右下の墨の下から香港の夜景が滲んだりとか見どころを教えていただいて。

闇の奥に虹色が透けて輝くのが何とも魅力的で、とても好きな画でした。藝祭は来るたびに刺激を与えて呉れ、さらに大好きなトポスとなりました。

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by wavesll | 2017-09-10 00:49 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

書だ!石川九楊展@上野の森美術館

書だ!石川九楊展@上野の森美術館に行ってきました。
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≪歎異抄(全文)No.18≫
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藝大へ行った帰りにみかけたこの展覧会。がっつり書の展覧会へ来たのは初めてだったのですが、こーれは大変に格好良い展覧会でした。

初っ端≪エロイ・エロイ・ラマサバクタニ≫から薄墨に太く書かれた文字群!あふるる心情がみてとれます。≪言葉は雨のように降り注いだー私訳イエス伝≫の強烈な文字の詰め方、書き込みに、自分自身が中高時代に執拗なまでに英単語を連打でぎちぎちに描き込んだノートを想いだして。

≪生きぬくんや≫もマンガの吹き出しのような勢いが炸裂、≪エロイエロイラマサバクタニ又は死篇≫は82mに及ぶ超大作で、作品の途中で轟風が吹くかのように巨大な文字が出てくるのが印象的。この時期は≪世界の月経はとまった≫のように灰色の地に書かれた作品が多いですが、そこから白の世界へ戻って≪はぐれ鳥とべ≫が書かれて。白に言葉が配置されると、文字がビートになる感覚がありました。

それは李賀詩シリーズにも顕著で。黒で塗りつぶされて奥にうっすら文字が書いてある≪李賀詩 將進酒 No.2≫をみると、昔"自分がMステに出るなら各国語が入り混じったわけわかめなライムをして、その言葉とは無関係に歌詞として日本国憲法がスクロールさせたい"と考えたのを想いだしたというかw

言葉のフォルムと意味が展開、転化しそれ自体がオリジナルな輝きになるというか。個人的には水カンをみたときに”やられたー”とか思ったものでした。あっちの方が実装能力が高すぎておみそれなんだけどw

さらに≪李賀詩 感諷五首(五連作)≫は何というか将来のHIPHOPを感じたというか、言葉をビートにした先に、ラップをPCで加工して引き延ばして拡大延長したテクノミュージックのような、巨魁な作品でした。

そして次の部屋に入ると更に石川氏の書は飛躍して。≪徒然草 No.22≫はもう電子的な草叢のような書画だし、≪徒然草 No.16≫はもはやポストロックな山海。

そして≪歎異抄(全文)No.18≫は図形楽譜化のような、音楽の理性と身体としての文字フォルムが止揚していました。

一方で≪無間地獄・一生造悪≫のような極太のフォントや≪逆説・十字架・陰影≫のような神代文字化した様な漢字フォントの作品もあって。そして本当に方形の、地図のようにもみえる≪方丈記 No.5≫も素晴らしかった。

2Fへ上がるとそこには何と源氏物語の各帖をモチーフにした書が。もう、どれも良くて。桐壺、帚木、夕顔、若紫、葵、花散里、明石、蓬生、松風、少女、玉鬘、常夏、篝火、野分、真木柱、梅枝、若菜 上、若菜 下、柏木、匂宮、竹河、橋姫、椎本、総角、早蕨、宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋…好いの上げようとしたら上げすぎてしまったw

これを視ながら感じていたのは、ともすればこういう"現代的なセンス"は”西洋的”と捉えられがちだけれども、こういった感性は日本人、日本文化の中の内在していたのだなと。梅棹忠夫『文明の生態史観』を読んだのもそうだし、数年前京都旅行でみた角屋のモダン・デザイン性にもその想いの萌芽がありました。

そこから中2階へ降りると、≪カラマーゾフの兄弟 III≫などの作品が。文学を題材にするときに、言語での味わいと訳文の解釈の問題をどうするかとかの意見が出ました。興味深い。

≪生涯は夢の中径≫も良かったし吉本隆明に捧げた≪もしもおれが死んだら世界は和解してくれと書いた詩人が逝ったー追悼吉本隆明≫も素晴らしかった。

そこから、社会的な問題意識を持った作品群が続いて。≪二OOO一年九月十一日晴ー垂直線と水平線の物語I (上)≫や≪9/11事件以後II≫、≪戦争という古代遺制≫、≪領土問題≫、≪敗戦古希 其一≫、≪敗戦古希 其二≫。敗戦期に誕生した石川氏ならではの筆致でした。

そして、器に四文字熟語をかいて沢山つくった≪盃千字文≫も愉しいし、最後に展示してあった≪五十年を語るー妻へ I≫、≪五十年を語るー妻へ II≫も理知的な中に温かい愛情を感じる素敵な作品でした。

この日は石川氏による≪歎異抄≫解説がありました。
石川氏は計20作の歎異抄を書いたのですが、No.18でようやく全文ヴァージョンまで完成して。
隷書を横に延ばしていく中で、縦の画を横の画が突っ切るスタイルが生まれたことがブレイクスルーだったとのこと。

質疑応答コーナーでは、"無心で書いているのか?"との質問に”徹底的に有心”と答えていて。評論家もやっていたから、相当に綿密な計算のもとでかかれていると想ったのですが、やはり。

手癖で書かないようにどんどんスタイルを変えて行ったり、時に左手で書いてみたり。歎異抄では文字の滲みすら起きないようにインクと紙を選んだとのこと。

また”読めない文字も書なのか”との質問には”書を視る上でいけないのは『上手い・下手』とか『読めるかどうか』を考えること。書は『書くこと』であり、書く姿があればそれは書。絵画との違いは一点一画を書いていくリズム、自分はあくまでも文章を書いている”とのことでした。

梅棹さんもそうだし、吉田博展@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 日本人にしか描けない洋画、その探究でも"凄腕の旅人だ"と想ったものですが、文学の海へダイヴし自らとケミストリーを興して作品として発火する石川さんも、本当に素晴らしい旅人だと想いました。

本当の未知は、有心の先の、完璧なコントロールの先にある偶然天地に。刺激的な展覧会でした。なんと今日まで。是非是非お薦めです。

cf.
石川九楊の「書」だ。(ほぼ日刊イトイ新聞)

by wavesll | 2017-07-30 09:47 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

藝「大」コレクション展と東京藝術大学ゲーム学科(仮)展

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Monaural mini-Plug live at 不忍池を観てタイの音楽快楽に浸った後、タイ展へは行かず東京藝大へいきました。

いざ藝「大」コレクション展へ!

お目当ては高橋由一 / 鮭でした。そこでちょっと意外だったのが結構描写が荒く感じて。黒田清輝展@東博 もう一つの坂の上の雲の時も感じましたが絵画技巧ってやっぱ進化を続けてるんだなと逆に感銘を受けました。

展示された品々はさすが銘品揃い。会場に入るとすぐ出てくる「月光菩薩坐像」の、胴体が崩壊して空になったその姿は一際印象的だったし、「弥勒来迎図」の青緑の配置の美しさ。

狩野永徳「唐子遊図」の子どもたちの戦争ごっこには微笑ましさも感じ、若杉五十八「鷹匠図」の江戸時代の油彩という面白さ。

柴田是真「千種之間天井綴織下図」のレトロボタニカル、狩野芳崖「悲母観音」の金緑青の美。

橋本関雪「玄猿」の瑞々しい墨絵も、前田青邨「白頭」の消えゆく肖像画、高野松山「静動文庫」のエジプトの壁画のような蒔絵も素晴らしかった。

この展覧会のサウブタイトルは「パンドラの箱が開いた!」なのですが、その匣と同じ種類だと言われる彩文幾何学文ピュクシスもあり、同じコーナーにあったマルセル・デュシャン「トランクの中の箱(シュバルツ版)」はこの展覧会でみれてよかったものの一つ。小型インスタレーションといった趣で素晴らしかった。

「平櫛田中コレクション」のコーナーでは田中太郎「ないしょう話」が内向きトライアングルで内緒話するフォルムが新味があって面白かった。平櫛田中「活人箭」のきびきびした風貌、「灰袋子」と「禾山笑」の泰然とした大笑いにも明るい気持ちにさせられました。また大内青圃「像柱」は仏師の洋像で興味深かった。

「卒業制作ー作家の原点」では特に立体作品が素晴らしくて。

松田権六「草花鳥獣小手箱」は近未来の奈良とでもいうような金黒の美は物凄く良かった。山脇洋二「置物(犬)」のデフォルメされた超古代感、松田禾堂「香炉」は地球だし、坂井直樹「考・炉」はメカニカル。窯の地層がみえるような前沢幸恵「憧憬」、柴田鑑三「山寄りの谷 谷寄りの山ー富士山ー」の逆転空洞富士に吉野貴将「~森~ (cosmos)」の仏具のシシ神のようなフォルムも良かった。そして地村洋平「Herald」のソフトコーラルのようなガラス立体も素晴らしかったです。

勿論絵画も逸品ぞろいで。和田英作「渡頭の夕暮」の夕虹の水面、レトロフューチャーな砂浜のセーラー服の高山辰雄「砂丘」、三味線娘が可愛い白滝幾之助「稽古」、白青灰が炸裂する吉田侑加「景しき遠く」も良かったです。

また変わったところでは町田美菜穂「首都っ娘~首都高速擬人化プロジェクト~」というミクストメディアもありました。

「現代作家の若き日の自画像」コーナーでは文庫本4冊は貼り付けた会田誠のが面白かったwその他キレイめな村上隆や頼朝風にかいた山口晃の他、ヴィジュアル的にかっこいい齋藤芽生や松井冬子、モノクロの綿密な書き込みで動植物に包まれた冨谷悦子、自撮りが表示されたガラケーの山のインスタレーションの渡辺篤も面白かったです。

「石膏原型一挙開陳」コーナーでは日蓮が彫られた高村光太郎「獅子吼」、力強い北村西望「男」、聖性すら感じる生命感の石川光明「猪」、能楽師のフォルムが迫力があった後藤良「能野口兼資師黄石公」も素晴らしかった。

「藝大コレクションの修復ー近年の取り組み」コーナーではラグビー服で安まる小磯良平「彼の休息」、原撫松「裸婦」も魅力的だったし、葛揆一郎「外科手術」は不思議な空気の絵画でした。そしてトランプの絵柄のような仏画の長谷川路可「二菩薩半身像」も面白かった。

この他藤田嗣治の資料とか、結構みるもの多くて面白かったです。一期は8/6までで、二期には尾形光琳や曾我蕭白、伊藤若冲などが出てくるのでこちらも気になるなぁ。あ、ちなみに高橋由一「鮭」は二期も展示されるそうです。800円。二回分見れるお得なチケットもあり。

そしてその後寄ったのが同時開催の東京藝術大学ゲーム学科(仮)展、VR等の色々なゲームが置いてあって、私は「鞍馬の火祭り」というのをやったのですが、VRの没入感が凄くて!前にやったVRゲームでは酔ってしまったのですが、映像がこちらの動きと同期し勝手に動かないタイプだと酔わないことが分かって良かった◎

その他「Z」という、実際のブロックを積み上げると、投射されるキャラがブロックに合わせてアクションする作品もやりました。面白かった!

この他幾つもゲームが展示してあって。並べばそんなに待たずにやれそうなかんじでした。2Fではファイナルファンタジーの企画も。無料だし、お薦めです◎30日まで。
by wavesll | 2017-07-22 17:21 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)