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『不滅の男 エンケン対日本武道館』 at シネマリン 真の生命の炎が突き抜ける凝縮されたライヴフィルム

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『不滅の男 エンケン対日本武道館』を伊勢佐木町のシネマリンでみてきました。

無観客の武道館に富士山のように積まれたアンプ、そして枯れ芒と炬燵。圧倒的な熱量、迸る唄とギター。武道館が四畳半のようなエナジーの密度。熱い!最高に熱いライヴ映画でした。

最初の『不滅の男』からもうノイズの域のエレキギター、そこから『満足できるかな』の暴れまわるアコギ、かと想えば消え入るように繊細な『カレーライス』、そして心底の叫び『ド・素人はスッコンデロォ!』『東京ワッショイ』、真っすぐに透き徹る『夢よ叫べ』。

冷笑さや小賢しさ、忖度せねばならない空気など消し飛ぶ全存在を懸けて挑みかかる凄まじいライヴ。かっこつけでない、肚から湧く言葉、歌。“こりゃ凄ぇは”でした。

伝説はかねがね聴きながらも、私自身がエンケンさんをきちんと聴いたのは今年放送されたPARKという番組で。想えばあの出演は何かを予期したからだったのかもしれません。

上映後に、この映画の編集マン等によるトークがあったのですが、この映画、武道館を24時間借り切って撮影したのですが、リハで遠藤さんが全力で歌いすぎて声を使いすぎる等の話が聴けて。本当に火の玉のような歌。TVでみたのみでほぼほぼ初見・初聴だったのだけれども、本当に轟だった。感動へ持ってかれました。

このライヴ・セットにおいて一番印象的だった演出はミラーボールで宇宙のようになった瞬間でした。そしてもしかしたら予算がかつかつだったためかもしれないけれど、映像をヴィジョンに映しての演出がなかったのが、本当に良くて。ヴァーチャルでない、生身の炎がフィルムに焼き付いていて。

純音楽とはまさに的を射る名。こんな生命そのものの巨魁、真の星。海外の真似事ではない、日本人の、いや遠藤賢司にしかできない純粋な波動が弾き鳴らされて。年初にみた七尾旅人/兵士A at 渋谷UPLINKも凄まじい体験だったし、今年は怪物のようなライヴ映画を目撃した年となりました。

映画製作クルーが撮っていた「カレーライスを食うエンケン」の映像をみて散会。出口では奥さんが提供してくれたエンケンのギターの展示も。

私は昼の上映に行ったのですが、夜の絶叫上映会ならガンガンに歓声が沸いて楽しそうだなと想ったり。けれど夕方のシネマリンに湧いた拍手はなんとも温かいものでした。


by wavesll | 2017-12-10 20:49 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

『グーニーズ』が"家からゆける魔宮の伝説"で最高だった

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『The Goonies』をみました。
土地を取り立てられかけていて街を出なければならない主人公マイキーの家にはグーニーズ(間抜け団)の面々が。
屋根裏部屋に隠されていた海賊の宝の地図をみつけて。一方で悪名名高いフラテリーズ一家が脱獄し…というオープニング。

最初のグーニーズの悪ガキ達の悪戯をみていると「おいおい(汗 それやっちゃ迷惑になるじゃないか」と”あぁ、この映画は子供のうちに観ておかないと愉しみきれない奴なのかも…”と危惧したのですが、それは杞憂で。中盤以降のグイグイ引っ張る展開に心躍らされました。

”このワクワク感、インディージョーンズみたいだ”と想ったら製作総指揮はスピルバーグ。自分の地元での秘密基地感覚の探検から海賊の残したお宝へ、ワナを潜り抜けて怖い悪人に追いかけられながら最高の冒険を行う。手に汗握る感覚に”これ、TDRやUSJにアトラクションにして欲しい~!”と強く想いました。

『ゼロ・グラビティ』や『MADMAX怒りのデスロード』も最高のアトラクション・ムービーで、”もうこれを遊園地のアトラクションとして恒常展示してほしい”と想ったくらいでしたが、この『グーニーズ』も遊園地や或いは巨大室内プールでキャニオニング的なウォータースライダーと共に再現して呉れたら最高だなと。

今はディズニーランドでもフィルハーマジックで4Dxを駆使したりしてて、ノースポートモールのゲーセンのARゲーキャットストリートのGalaxyのVRアトラクションもそうですが、拡張現実がアトラクションになっていく流れがあると想います。それでもモンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”のように手触りが伝わるリッチな体験の強みが物理的なマテリアルにはあるなぁと。

藝大美術館「素心伝心ークローン文化財 失われた刻の再生」にてみた敦煌莫高窟 第57窟等のクローンもそうでしたが、空間も含めたミクストメディアなArtとして、遊園地や映画館はインスタレーションの最新系としてアトラクション的に発展していて。美術展も含めて”空間性”そして”双方向な運動性”がキーになるのではないか、なんて思ったりしました。

それにしても『グーニーズ』、こんなに夢の詰まった映画も中々ない。家から始まる冒険譚。子供心を刺激するプロットや演出は初期ドラゴンボールドラゴンボールや名探偵コナンの少年探偵団の原型がここにあるのだなぁと。いい映画をみました。

by wavesll | 2017-11-23 10:34 | 映画 | Trackback | Comments(0)

MAD MAX BEYOND THUNDERDOME ー FURY ROADへの一里塚

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マッドマックス 怒りのデスロード4Dx@新宿TOHOシネマズ感想&1・2観た後の追記からMAD MAX FURY ROAD BLACK & CHROME at 川崎チネチッタ LIVE ZOUNDを経てどっぷりと嵌ってしまったMAD MAXワールド。

そんなMAD MAXの三作目、『MAD MAX BEYOND THUNDERDOME』がBSフジで放送されていて今回映画全作をみることができました。

何でも『迷作』とも言われていると聴いていた『サンダードーム』。
確かにみてみるとマックスのいた1作目から繋がる非SF世界からの世界観と、バーターシティの輩たちの2作目的なヒャッハーな世界観に加え、オアシスで原始共同体を営むキッズ達の世界観があるため、ちょっと主題がぼやけてしまった感がありました。

またアクションの見せ場もMAD MAXの代名詞ともいえるいかついカーアクションは終盤にあっさりめに出てくる感じで、中盤のサンダードームでの格闘がメインのアクションの見せ場で、新しいことを試そうという気概は感じるものの、迷作とまでいかないまでも、TVシリーズの異色回のような実験作であったと感じました。

ただ、この三作目、特に『怒りのデス・ロード』に嵌った人にとってはそのプロトタイプとしての面白味にあふれていて。

ウォーボーイの原型となるキャラがいたり、甚大な砂嵐が登場したり。『FURY ROAD』はフェミニズム的な感性で創られたという論がありますが、既にそれは今回のラスボスがティナ・ターナーが演じる女支配者であるという点に萌芽があるようにも感じました。

この映画でのTry & ErrorがArtと言えるまでに突き抜けた会心の『FURY ROAD』に繋がったのだと想うと感慨深くて。

『ウォーターワールド』や、或いは『猿の惑星』もそうですが、現代の神話としての異世界構築モノが近年好きで。

ヨアキム・トリアー『母の残像』のように淡々と迫りくる演技の洋画は好きなのですが、今の日本のドラマのように戯画的な演技の現代劇はどうにも嘘っぽく感じて。それならば世界ごと造りこまれたSFが寧ろ本物らしく感じられるのです。

この『MAD MAX』シリーズの面白い所は第一作では実社会をベースにしたドラマだったのに、そこから2で核戦争後のヒャッハーな世界へBeyondしたところ。『Thunderdome』から『Fury Road』の間には三冊のアメコミのストーリーがあり、最新作の『FURY ROAD』も三部作構想の一作目だとか。拡大するMAD MAXワールド、さらなる跳躍がこれから起きるのではないかと、今から未来が楽しみです。
by wavesll | 2017-10-12 19:59 | 映画 | Trackback | Comments(0)

水墨動畫 -中国の水墨アニメの世界

水墨動畫片 鹿鈴


中國水墨動畫:鄉間童趣


小蝌蚪找妈妈


經典古琴水墨動畫片《山水情》 Feeling from Mountain and Water


拾黄金_水墨动画.mp4


水墨动画 题都城南庄


桃花源记


陶渊明 桃花源记


水墨动画 枫桥夜泊


LYRA_絕弦.flv


桃花仙中国风水墨动画


水墨动画京剧《贵妃醉酒》 梅葆玖 上海美术电影制片厂 2011


崂山道士


中国オタク「水墨アニメ?あれは社会主義的な環境でないと作れん。つまり現在の我が国では……」(「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む)で知った水墨アニメ。

高畑勲『かぐや姫の物語』山村浩二『頭山』渡辺信一郎『Kid's Story』などにも通じる表現技法は、中国国内でもオーパーツとなっているそう。

Art Animationの一潮流として水墨アニメが現代技巧でRebornしたらいいなぁと想います。失われた技術の再興ってロマンがありますね。
by wavesll | 2017-10-10 20:41 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

渡辺信一郎監督『BLADE RUNNER BLACK OUT 2022』&『ANIMATRIX』そして来るべき平成終期のSF

渡辺信一郎監督による前奏アニメ解禁!】「ブレードランナー ブラックアウト 2022」


animatrix - Animazione Film Completo in Italiano


友から教えてもらった『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の衝撃が相当に大きくて。
実写かと思うような炎の描写で始まったかと思えばデッサンのような筆致の戦場のシーン、そして戦闘アクションの小気味好さ!全体的な作画が緻密でそのハイクオリティ振りに”ヤーバイなハリウッド資本は”と。なんと音楽がFly-loだし!

近年『BLAME!』がNETFLIXでつくられたりしてアニメ産業への金の流れがまた変わりつつありますが、自分の中でハリウッド資本で創られた日本アニメというと『アニマトリックス』が思い浮かんで。で、調べると『アニマトリックス』内の短編2本が渡辺監督によるものだと。早速TSUTAYAで借りてみてみました。

9つの短編からなる『アニマトリックス』、その内の『Kid's Story』と『A Detective Story』が渡辺監督作だったのですが、それぞれラフ画の勢いを活かした、『かぐや姫の物語』『ピンポン』を先取りしたようなアートスタイルの『Kid's Story』と、銀幕の白黒映画のような輝きを放つ『A Detective Story』と、アニメ表現自体の素晴らしさ、工夫に心躍らされました。

『アニマトリックス』はこの他、『獣兵衛忍風帖』の川尻善昭監督や『REDLINE』をこの後に撮る小池健監督作であったり、日常とファンタジーが浮遊し融合した世界観が素晴らしかった森本晃司監督の作品であったり、日本のアニメーションの綺羅星が集う短編集でした。

こういうのをみるとついつい”やっぱりビッグバジェットがあったりカッコよさを追究する日本の90s的な海外の感性でつくられるアニメはいいな”とか思ってしまいます。

しかしそもそも私は国産アニメに知見が広くないし、寧ろ海外から日本のアニメファンの好みがまるで日本人が全米のHIPHOPの流行りをみるような目でみられてるとすれば、『けものフレンズ』『おそ松さん』の覇権がそうであったように、日常系や萌え、ヘタウマなど新領域を切り開き続ける”本場”はやっぱり敬意を持ちたいなと。

実際、『この世界の片隅に』『君の名は』はエポックメイキングでしたし、山村浩二 『右目と左目でみる夢』も素晴らしかったと感じました。

さて、日本人監督たちによる自由なMATRIXの世界観での遊びもある中で、3DCG映画版『Final Fantasy: The Spirits Within』の監督であるアンディー・ジョーンズによる『Final Flight of the Osiris』はかなり映画本編のサイドストーリーの感が強くて。

観ながら”あぁ『マトリックス』ってカンフー映画でもあったよな、Revolutionsなんかドラゴンボール化してたし”とか”この頃はRealとWebが完全に分かれた世界だったし第一作の頃は固定電話からしか向こうの世界に繋がれなかったくらいの時代だったけれど、今はWebに実社会や実企業、公権力が侵食したな”とか想ったりしました。

そして今の時代に『ブレードランナー』、取り分け”レプリカント”に関する物語をするに当たっては、勿論AIとロボットによる労働者の切り捨てやシンギュラリティという問題意識もあるのでしょうが、欧州における中東難民、米国における中南米移民といった、言葉は悪いですが”二級市民”と、”本国人”との間の軋轢への何らかの示唆が行われているのではないかと期待してしまいます。

その国で元々暮らしている人々からすれば、多文化共生社会の理想を実現するのはいいけれど、雇用のバッティングは兎も角、犯罪率があがったり、文化的に同化しない”バルバロイ”に対して、表には出せないはずの黒い意識が極右政党への支持としてあの英仏独ですら巻き起こっている。

日本においてもこの先発生しうるかもしれない北朝鮮難民への問題意識や外国人研修生問題、そして在日朝鮮・韓国人へのヘイト問題として、大枠での”移民問題”は他人ごとではありません。

構造的には、後進国が生産能力をキャッチアップしてきたために先進国が搾取できず、相対的に停滞に陥っていること、そしてグローバル化・トランスナショナル化によるヒト・モノ・カネの自由な移動によって、中間層以下が痩せ細ってきていることが、Webというメディアの因子から憎悪へ向かわせている、ということでしょう。

311、フクシマを経た後で、新たなる『宇宙戦艦ヤマト』的作品が待たれるように、移民・難民への憎悪と、逆に文化が破壊される恐怖に関して、何か叡智の営みとしてのフィクションからの解答が待たれると想ったりもします。個人的には日本人がディアスポラ化した世界を描く『日本沈没 第二部』のエッセンスのある作品なんかいいかなと想ったり。日本人が"イレヴン"という地位で神聖ブリタニア帝国において蔑まれるという世界を描いた『コードギアス 反逆のルルーシュ』などは中々面白かった。視点を変える"if"をフィクションでは起こせますからね。

何もフィクションの物語が必ずや黙示録的であらねばならないなんてことはありませんが、その時代時代の問題意識に応える、社会性を帯びたエンターテイメントの流れが日本のサブカルチャーにはある気がし、特にSFではそれは価値になると。そしてヴィジュアルのイマジネーションがアニマを持たせる。

平成が終わりを告げる現代に、先見的で脳に訴えかける作品が生まれたらいいなぁとメガロシティの片隅で想う神無月の夜長です。
by wavesll | 2017-10-05 00:58 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra Live in Buenos Aires X Pale Ales 第105回酒と小皿と音楽婚礼

Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra Live In Buenos Aires 2005.avi


最高に愉しいバルカン・サウンドを聴かせてくれるのはエミール・クストリッツァ / アンダーグラウンド - ユーゴスラビア民族叙事詩でも取り上げたクストリッツア率いるノー・スモーキング・オーケストラ!

実は9/2に9年ぶりの来日公演がZepp Tokyoであって、泣く泣く諦めたのですが、今朝未明に聴いたら最高すぎて!これね、真夜中の空間で聴くとトベますよ。

c0002171_16181061.jpgで、昼間にトボウとペールエールでドーピングしてみましたw最近はペールエールやIPAじゃないとビールの馨しさが感ぜられなくてw

Tiny Rabel Caliが今回飲んだ3本の中ではイチバンだったかな。(残りの2本はGO WEST! IPAとMazama Bremina)

このライヴ自体単独でも存分にトベルので、序盤は音で飛んで、ちょっと勢いが落ち着いた終盤でペールエールを加油して終盤でまたトブのが一番のお薦め。

「ウンザ!ウンザ!」とか「黒猫、白猫」とか、エミール・クストリッツァの映画を知ってると楽しみが倍増すると想います。『アンダーグラウンド』、mjd傑作でした!

欧州のトラディショナルな土の匂いのする響き、秋の豊饒さ、馨しさが華やぐ熱っぽいZoundに夢見心地になりました。

こーれほんとに生で味わったら最ッ高の奴じゃないか!ベッドルームで情熱と楽しさが炸裂!次にもしも来日があれば、是が非でも馳せ参じたいです★
by wavesll | 2017-09-03 16:25 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

forever friends | REMEDIOS

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DAOKO × 米津玄師『打上花火』も話題のアニメ映画、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のオリジナル実写、今までそのキャッチーな題名は良く聴いていたのですが、いざTSUTAYAで借りてみて50分のTVドラマだったと知りました。

夏休みの或る花火の日、少女と少年の思春期の儚い一日が描かれていました。

同級生のはずの奥菜恵と山崎裕太、そして少年グループの役者間には年齢差も感じさせられましたが、映像効果も相まって、御伽噺的な抒情性の強い物語となっていました。

あの年頃は女の子の方が精神年齢が高くて恋愛を意識する一方、小学生の少年は男同士でつるむ方が楽しかったり恋愛なんて恥ずかしいと想っていたなぁとか、1993年発表のドラマ内ではスーファミのスーパーマリオが遊ばれていたり、丁度自分と同世代でノスタルジーに襲われて。

敢えて言えばインターネットに汚染されていなかった頃の少年少女の世界。例えば「花火は横から見たら丸く見えるか平べったくみえるか」なんか今は検索すればすぐわかってしまいます。

さらに大きいのは、昔は少年・少女だけの世界があったけれども、今はネットで”大人”にすぐ触れてしまう。それも罵詈雑言や大人の汚い所にも。

勿論、今の子どもたちならではの、例えばYoutuberみたいな世界が今もあることは分かっていても、三十路としてはついつい”あの頃、良かったなー”と想ってしまうなぁと。

”少年の目からみた少女”があまりに鮮やかに描かれていて、今の視点からすれば”この少女の描き方はあまりに男のファンタジーに過ぎるな”と想ったり。勿論現実にこういう神秘的な女の子もいるかもしれないけれど、”こんな少女妄想じゃねか”とw

そして、男は異性と付き合うことでしか精神的に成長できない領域があるなぁと。女の人のライフサイズな強さ、弱さを知ってからみた感想は多分小学生の時にこのドラマを観ても想えなかっただろうと思います。

物語のエモーショナルな鮮やかさ。時を経てまた新たな輝きを放つFantasicな名作でした。50分のドラマでちょっと時間余る位のボリュームの物語をアニメで90分でどう調理したのか気になります。

またいつかの8月にレンタルして観てみようと思います。8/31のロスタイムに夏休みの残り香を嗅ぎました。
by wavesll | 2017-09-01 01:34 | 映画 | Trackback | Comments(0)

山村浩二 『右目と左目でみる夢』@渋谷ユーロスペース

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山村浩二 右目と左目でみる夢 “怪物学抄” 予告編


山村浩二 右目と左目でみる夢 “サティの「パラード」"予告編


数々の映画賞を総なめにした『頭山』で著名な山村浩二さんのアートアニメ短編集、『右目と左目でみる夢』を渋谷ユーロスペースでみてきました。

終映後真っ先な感想は”あー楽しかった!”

アートスタイルが埋没的でないから多様なヴァリエーションでも一貫性があって、それでいてきっちり“楽しい”のがいい。高尚だけど退屈なのとは違ってエンタメとしての分かり易さの匙加減がハオでした。

予告編が公開されている『怪物学抄』や『サティの「パラード」』もそうですが、音楽にも感性を感じるのが好い。ジブリなんかもそうですが、名作には名曲がありますから。

そして勿論映像が素晴らしい。アニメって実写と違って描いたものしか写らなくて。だから抽象表現でも面白味の意図が出やすくて、そこで如何に偶然的なファンタジーを達成するかが腕の見せ所なのでしょう。

石川九楊氏が『書は筆遣いの軌跡、書する姿が立ち上がる』と映像的な楽しみを話してくださっていたけれど、山村さんのアニメはまさに筆のアニマというか、描書の姿が立ち昇る感覚で。

線と線の"間"が絶妙。短編には古事記や俵屋宗達などを題材としたものも。温故知新というか、本当にユニバーサルな価値は時の流れに淘汰され残ったものに在るのかもしれません。

盆の時期、私には認知症の祖母がいるのですが、祖母の妹であるおばさんが昨年亡くなってしまって。眠る祖母を訪ねると、目を開けて「今妹と話しているから」。心霊といいますが、霊魂というのは心の現象として実在しているのではないかと想ったり。私も昔の知己が夢見に出ることがあります。

imaginationが, REMの事象としてでなく、目が覚めている状態でめくるめく映像体験。真っ暗な劇場は現と夢の間にある空間なのかもしれません。

すっくと立ったARTとしてのフィルムを大変愉しく拝見しました。
by wavesll | 2017-08-14 17:33 | 映画 | Trackback | Comments(0)

『Particle Fever』”神の粒子”の意味を伝える、ニュースの裏の真実を映したドキュメンタリー・フィルム

PARTICLE FEVER - Official Trailer (2014) HD


BSプレミアムで放送されたのをHDに録っておいてみなかったままだった映画『パーティクル・フィーバー』を漸く観ました。

ヒッグス粒子を確認したCERN(欧州原子核研究機構)のLHC(大型ハドロン衝突型加速器)での実験を通した数年に渡るドキュメンタリー。

コメンタリーによると、この映画を企画したのはCERNの科学者で、だからこそ完全協力によってその内幕が赤裸々に映されていました。

ともすれば変人、あるいはお堅い白衣の人々と想われがちな科学者。この映画ではCERNの人達が人間臭く、そして遊び心を持ちながら、しかし真摯にこのプロジェクトにチャレンジする姿が描かれていました。

ヒッグス粒子が発見されて、ノーベル賞を獲得したというニュースはみていたけれども、こうしてそれに関わった人々の姿を知ると、ただのニュースが実際的な物語として伝わります。

そして、人間ドラマというだけでなく、ヒッグス粒子発見がいかに人間の歴史の中で位置づけられるかの「意味」が描かれていたのが大きくて。

この世界を成り立たせる素粒子。まだ未発見の素粒子の中で存在が予見されていたヒッグス粒子が実在することを証明できたことは勿論それだけで偉大な業績なのですが、実はヒッグス粒子の「重さ」が重要で。

と、いうのも物理学者の中で、この宇宙の成り立ちについて、2つの大きな視座が近年唱えられていて、どちらが正しいかがヒッグス粒子の質量によって示されるだろう、ということがあったのです。

一つは「この世界は超対称性によって美しくデザインされている」という視座。これは重力、電磁力、弱い力、強い力の統一理論にもつながる物理学者が追い求める、「世界は何故こうなっているかにはワケがある、それを解き明かしたい」という視座。

もう一つは「宇宙自体が無数にあって、こうしたマルチバースの中で、この宇宙はたまたま成り立ったものにすぎない」という視座。これは宇宙定数の不可解さからも予測されるところですが、完全な偶然、完全なカオスを認めなければならないことになる視座です。

ホモ・サピエンスという種が宗教という大きな物語を得たのは太古の昔ですが、ニーチェが「神は死んだ」といってから数百年、今心の底から信じられる大きな物語は"科学"であろうと私は思います。

人間の愚かさは数千年前から大して変わらなくても、科学は進んできた。そして宇宙を解明してきました。それは云わば神の御業を解き明かしてきた軌跡ではないか、私はそう想うのです。

神は自然を美しく創ったはずである、こうした予見は多くの物理学者に通ずるドグマだと思います。しかし、もしマルチバースだとしたら、この宇宙は偶然こうなったにすぎず、幾らでも他の宇宙は成り立ち、物理法則ですら”絶対的なもの”ではなくなる。そしてヒッグス粒子の実験は、この試みを左右する実験だったのです。

ヒッグス粒子が115GeV(GeV=ギガ電子ボルト)だったら超対称性理論で予測されていた数値、逆に140GeVだったらマルチバース理論が予測する数値。

HLCでの実験で得られたデータ分析から、当初「140GeVの結果が出ている」との報が洩れ聴こえてきました。しかし段々データが集まってくるとそれは有意な結論ではないと判明してきて。

そして、いよいよ実験報告の場。そこで明らかにされたヒッグス粒子の質量は約125GeVとのことでした。"自然"は超対称性とマルチバース、どちらの道も明確には示さなかった。科学の徒の径は、いまだ未知の荒野を進んで行く。

LHCでの実験で、一度大規模な破損が出たり、人生をこれにかけたポスドク、また自分の人生を丸ごと捧げた理論が正しいかどうかが審判が下される教授たち、これらのドラマ、さらに上に述べたような宇宙全体の真理、人類存在の意味すらがこの"神の粒子"の実験にかかっていたとは…!全然知らなかった!

報道メディアは賤業というか、無関係者への見世物として心のない"客観的なニュース情報"を日々届けます。それは毎日毎日新しい情報を矢継ぎ早に出さなくてはいけない”News(新聞)”が抱える構造的な問題でもあります。しかしその数分のニュースの内実にはこんなにも重要なドラマがある。

それをこうして半ばインサイダーから届けられるドキュメンタリーが補完するのは素晴らしいなと想いました。アーカイヴとして意識した”作品”であることも大きくて。

これを流したBSプレミアムでは、副音声として東京大学数物連携宇宙研究機構の機構長の村山斉先生と東大物理同期のNHKプロデューサー井手真也の解説があって。"放送"でありながら録画(アーカイヴ化)を前提としたつくりは、ネットでオンデマンド配信もしているNHKならでは。

この映画は、現在はNHKでは配信されていませんが、Netflixで「粒子への熱い想い」というタイトルで配信されるようになったそうです。私はNetflixは契約していないので確認はしていないのですが、もし良ければ。

また英語のリスニングが出来る方はYoutubeにフィルムがまるまる上がっているので、是非是非どうぞ◎

Particle Fever (Documentary Filmz 2013)

by wavesll | 2017-08-10 21:28 | 映画 | Trackback | Comments(0)

Hans Zimmer Live at Coachella2017にみるフェスでの劇伴音楽奏演のエクスクルーシヴな可能性

Hans Zimmer Live 2017 - Pirates Of The Caribbean Medley - Leipzig - 24.05.2017


Hans Zimmer - Lion King // Coachella 2017 Weekend 1


Hans zimmer live at coachella 2017 music from the gladiator


Youtubeで放送されたCoachella2017、3日間とも早起き・夜更かし・寝落ちしながら愉しみました。

巻き戻しが可能だったため、初日のThe Lemon Twigs, Bonobo, Samphaのどれも好演を楽しめたし、Mac Demarco、Grass Animals辺りはこのライヴで好きになって。

ただどうにも時代の波とあってない人間なのかThe XXとBon Iver、Kendrick Lamar、Keytranadaも良さは分かるんだけどGrouploveLocal Natives、そしてかなりの掘り出し物だったJack Garrattなんかが良くて。Future Islandのおっちゃんは最高だったし、自分はロックが好きなんだなぁと。けれどもLady Gagaはチト古く感じて。逆にNew Orderの方が良かったり。

スムースエレクトロとでもいえばいいのかアレ系は若干食傷気味だったのですが、Francis and The Lightsは初日のベストアクトクラスに良かったし、exEDMのPorter Robinson & Madeonは琴線に触れました。

しかしそれらを素っ飛ばす断然トップに良かったのがHans Zimmer!!!!
上に掲載した『インセプション』の出だしでインディクラシカルをBeyondしたSteve Reich『Tehillim』並みのクラシカル・ミクスチャーをガツンと鳴らし、そこからの『パイレーツオブカリビアン』のチェロのお姉さんの熱演!更には『ライオンキング』の生歌!これにはテンション昂!

そしてあれよあれよという間にファレルまで出てきて反則技的な豪華さ!最後はハンス爺自らピアノも。素晴らしすぎたライヴでした。このライヴを観たという人とはゆくゆくまで美味い酒が飲めそう◎

映画音楽畑の人がフェスに参加するというのはスペシャルな感覚がありました。日本でもフジロックやTaico、RSR、荒吐等が川井憲次とか鷲津詩郎光田康典植松伸夫辺りをオーケストラ・セットで招いても面白い。一番可能性がありそうなのは東京JAZZだけど、ロックフェスの時空間でみてみたいなー。

映画音楽自体にも最近面白味を感じていて。劇伴という制約が寧ろ音楽の創造性を上げていて。以前DOMMUNEでエンニオ・モリコーネ特集とかやっていたけれど映画音楽縛りのクラブイヴェントとかあったら是非行ってみたいし、ハンス・ジマーが来日公演やるときは絶対馳せ参じたいなと想った次第でした。

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cf.
◆長谷川等伯『松林図屏風』X Silence (Original Motion Picture Soundtrack) 第27回音の貝合わせ

◆霧中行 American Beauty Original Soundtrack by Thomas Newman
◆『新幹線大爆破』 劇は世につれ男の色気は挑みにつれ
◆第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
◆Grand Budapest Hotel Original Soundtrack

by wavesll | 2017-04-18 07:13 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)