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Paul McCartney Live in Tokyo Dome 2017.4.27

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ポール・マッカートニーの東京ドーム初日へ行ってきました!

ポール、やっヴァ★★★★★!!!

「A Hard Day’s Night」で始まるも実は最初30分は"こんなものか"と想っていたのが本音の処でした。

私自身の人生初ライヴも東京ドームでのイエモンの活動休止ライヴで。米粒のTHE YELLOW MONKEYはまさに"ロックスター"でした。

そこから色々なフェスや、インストアライヴ、ライヴハウス、そしてビルボードやブルーノートのような音楽が鳴る場所で演奏が目でみえる距離でみるようになって。

ロックが主食だとしたら、前菜・デザートのような音楽に味蕾を刺激されるようになった今の耳で聴くと、"あぁビートルズでさえもこれくらいに聴こえるものなのか…自分のビートルズ体験はある意味クワトロでみたMANDO DIAOだったのかも…"と。

しかし「1985」から嵌ってきて!そうなるとどんどんポールとバンドの調子が尻上がりに!

「どうやって作曲してるのか?」というMCから爪弾いて小鳥がさえずるかのように歌を鳴らしたのが素敵でした。

「Love Me Do」のハモニカをみれて"おぉ!"と想ったり、カニエ&リアーナと2016年に出した「FourFiveSeconds」がすっごく好いのがとっても嬉しかった!!!!!!!!

そしてジョージに捧げたウクレレで弾き始めた「Something」はエクスクルーシヴな刺激も与えてくれて。そこから「Ob-La-Di, Ob-La-Da」、「Band on the Run」、「Back In The U.S.S.R.」!!

ポールのライヴが2h越えするのは、音楽すれっからしもにっかりしてしまうほど魔法の国へ連れてくほぐしを与えて呉れるからかも。もう最高だなこりゃ。

そして「Let It Be」から「Live And Let Die」そして「Hey Jude」!

「Let It Be」は聞き逃すまいと集中しすぎて瞬間に熔けて過ぎ去って、「Live And Let Die」の火柱と炸裂音に燃え、そして「Hey Jude」のシンガロング!!!!!あんな幸せな煙い空間ねーわ!今まで平間の焼肉北京がベストだったけれどポールがNo.1◎!

Enは「Yesterday」で始まりバンドメンバーを祝う「Birthday」からの「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」。THE YELLOWMONKEY以来の東京ドームの音楽ライヴ。初心に還ってロック少年に立ち戻る、音楽の綺羅星をみた一夜でした★★★★★★★!

cf.
ポール・マッカートニー、4/27の東京ドーム公演初日のセットリストが明らかに(NME)

by wavesll | 2017-04-28 00:48 | Sound Gem | Comments(0)

Timket(Ethiopia) & Fatele(Tuvalu)。 地域古来の原文化と西洋の混合聖歌想

Timket Celebration in Ethiopia


エチオピアというとÉthiopiquesシリーズを始めとする、ちょっと演歌にも似た濃さのある爵士の音楽文化があることで知られていますが、かの地で行われるTimkatという宗教祭の映像をみて、これはいいなと感じたのでした。
1月19日を挟んで3日間に渡り開催される、キリストの洗礼を祝う行事です。祭りは数々の教会の十戒を収めた「契約の箱」を象徴する「タボット」を僧侶が持ってくることからスタート。沢山のベルを鳴らし、トランペットを吹き、そして香を焚きながら、聖なる水または小川に近いテントへと運びます。そして祭りの本番となる翌日、豪華な衣裳に実を包んだ司祭や僧侶達は、タボットの周りに集まり水をまき、誓いを新たにします。

その後、タボットが収められていた教会へと帰る間、歌や踊りが続く中で司祭、長老、聖職者などの祝辞が続きます。そして最終日は、エチオピアで一番人気のある大天使「聖ミカエル」に捧げられます。アディスアベバでは町の北東に位置する「ジャン・メダ」に多くのテントが建てられ、2時に行われるミサにランプの火を灯して参加。暁には僧侶達が、近くの川に儀式用の十字架でセットされた蝋燭の火を消します。このお祭りは誰でも見学することができます。(from DTACエチオピア観光情報局)
この時に使われる鈴がエジプトのシストラムのような形状で、基督教とAfricaの文明の混血具合がなんともいえぬ聖性を生み出していると感じました。

その時に想起したのがツバルのFatele.

Fatele Vaitupu-Aku tama ke gali te aso, 2005


Fateleはツバルのミクロネシア文化の舞踊と音楽。ここに西洋からのメロディー等の影響が加わり、一時期西洋の支配者に禁止され、その後サモアの祝祭音楽舞踊が入る形にもなり、現在の形になったとされます。

先月リマに行ったとき、元々の精霊を祭る聖壇が潰され、カテドラルが造られている様がガイドされました。

ガイドさんに「西洋の征服者の建物が世界遺産として保持されているのは正直ペルーの人としてはどんな気持ちを持たれますか?」と聴くと、「リマの人たちは混血が進んでいるから色々あるけれど、地方の先住民の血が濃いところはやっぱり考えが違って」ということ。

ドラッカーもその著書で「世界は肯定的であれ否定的であれ西洋と関わらないと在れない時代になった」というようなことを言っています。我が国でも天皇陛下もスーツを着ているし、一般的な日本人も洋服だったり。アイデンティティ、血・文化の問題は誰もが得心行く姿は難しいもの。

西洋と向き合う形を考えるに、TimkatとFateleの聖歌はクレオール文化としての内発的な西洋の受け容れとして津々と響きました。

日本や韓国、台湾なんかのカフェをみると西洋よりも西洋らしいというか。『天空の城ラピュタ』であったり、Downyの青木裕のソロアルバムにも感じますがAsiaが解釈したEuropeが存在します。

一方でメドヴェージェワ選手のセーラームーンであったり、日本がみたものに更に影響を西洋が受けている時代であるのも面白い。それは日本がジャポニズムやクールジャパンの"海外が見るJPN"に逆に影響を受けたりするのに似ていて。

文化的な影響力の波は勿論移民と言ったような外発的な形もあるけれども、文化の持つ内発を誘発する形で"国際的な共棲"が起きたらいいなと。双方向の共棲の上で地域ごとに特別な色がくっきりと浮かび上がるような。血よりも濃い文明で生きる地球があっても良いかもしれない。TimkatとFateleの神なる響きにそんな祈りを持ってしまいました。
by wavesll | 2017-04-26 18:31 | Sound Gem | Comments(0)

初音ミク X 鼓童 Special Live Performance 耳形成

[HD720P] This is NIPPON Premium Theater, Hatsune Miku x Kodo Special Live Performance


音楽の話してて一番困るのが相手がダサい音楽好きな時とかないですか?

二重の意味で言えないというか。相手への気遣いという点もあるのだけれど、自分自身の好みも時と共に変わるし、『今はその音は熱く感じない』位が正確なところ。未来の自分が好きな音楽は今はわからぬものです。

逆に昔は好きだったけど今は…という場合もあり。大体数年前に嵌った辺りが個人的に逆にダサくなるというか。

音楽は変わらなくても生体としての自分が変容するのを実感し、過去・現在・未来の中で「その音楽ダサいっしょ」というのが憚られるというw

この初音ミクも数年前の自分だったら受け付けないものであったと想います。

初音ミクも発表から10年。ボカロ技術もこなれてきたのもあるし、アイドルチューンにも流石に段々慣れてきたのもあるし、EDM&ヴォコーダー耳が出来たというのもあるかもしれないし、洋楽主体に聴くと普通のJPOPよりこれくらいストレンジな方が逆に聴けるのかも。

とまぁ色々言い訳してますがw複雑で江戸エキセントリックな初音ミクチューンに鼓童がオーセンティックな風味を加えていて、私自身は先日NHKBSプレミアムで放送されたこのライヴ、楽しくみれました。

何しろ、音楽は好き嫌いが千差万別で。自分自身の中でも好みは変容することもあるし、音楽好きだからこそ異様に拘り強い人いたり、野球や政治、宗教並に世間話で出すと地雷踏む確率高い気も。

『これ最高っしょ!』『これはダサいよね…』の共通認識がまるで成立しないことが多いから、音楽好きは『他人は他人、自分は自分』という多民族共生に必要なお互いに個人主義を尊重する観念が鍛えられてると想う処。その分同じものが好きだと判明すると歓びもひとしおw
by wavesll | 2017-04-25 19:48 | Sound Gem | Comments(0)

SXSWでみたGlockabelleの指の箏爪で弾く鉄琴

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GLOCKABELLE | Lightbox Sessions | TIFF15


BS1スペシャル 「若者よ 世界を驚嘆させよ!大見本市SXSW」をみました。テキサス・オースティンで開かれる音楽や映画、IT技術のフェスティバル。

SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)にはJAPAN NITEという日があって、古くはNumbergirlなんかも参加していたのを覚えています。今年はおとぼけビ~バ~というガールズバンドが挑んでいました。

そんな気合の入ったパフォーマンス達の中で”おっ!”っと想ったのがこのGlockabelle。トイキーボードでのパフォーマンスも魅力的でしたが、目を引いたのは指に金属の爪をはめて鉄琴をプレイする姿。インディー・ミュージックに触れると今までみたことのないPLAY STYLEに触れられて嬉しかった。

"Keeping SXSW weird(SXSWは風変わりでいよう)"。Weirdであることを厭わない自由さが眩しかった。刺激を受けました。

また番組後編では日本の学生チームによるITガジェットでの挑戦が描かれていて。こうした他分野のショウケースも巻き込む試みもあってもいいなと。健康音楽なんかも多分野でしたが先進ピジネスと組むのが面白いしクール。

日本でも音楽フェスは飽和状態にあるというか、何かしたらの新味が欲しいと想う人もいるのでは?

こうした見本市とのコラボレーションのケースは"これから新フェス誘致するぞ"という自治体の人にも"何か面白いフェスを興したい"という人にもいい示唆になるなと想いました。
by wavesll | 2017-04-25 07:22 | Sound Gem | Comments(0)

『ジョンの魂』をYoutube Eraに聴く

John Lennon Plastic Ono Band (full album,1970)


鐘の音が響く、『Mother』が始まる。言わずと知れたジョン・レノンの名盤『ジョンの魂』。これに初めて触れたのは中高生の時期でした。まだロックというものが具体的になにかも分からず(今も"ロックって何か"って分かりませんが)、でも何かとても純粋な気持ちをこの音に感じたこの盤。

今聴くと、レノンのヴォーカルの魅力に驚かされます。声一つでこんなにも表現できる人がいるなんて。そして"メッセージ・ソング"であること。ロックが社会的な意味で娯楽だけにならない、気骨があって、宮台ではないですが今は『正義から享楽』になってきている気もする中、40年前ってこうだったんだなぁと。

ただそれ以上に感じたのはこの音源がYoutubeにあることのうってつけ感。このサウンド、言ってみるととても現代的というか、今のYoutubeの音に感じました。

それはベースが全然聴こえない、この音づくりがTake Away Showやアマチュアミュージシャンの弾き語りにも似た"低音が効いてない感触"をもたらしてるからかもしれません。

「21世紀は音楽の進化は止まってるよ、90年代の音を聴いてもまるで今と違和感ないじゃないか」という人もいますが、Mステとかでさんざんやってる90年代の音楽を聴くと、今の音楽と比べてベースの重低音がまるで効いてなくて。この20年でベース・ミュージック、リズムの進化・改良・創新は相当進んだと想います。

一方で、PCやスマホで音楽を弾き語り配信する人が本当に増えたのもこの10年。当然再生装置もPC・スマホであって。そこで鳴らされる音に、この『ジョンの魂』が呼応する気がしたのです。いわば最強のYoutuberというかYoutube Eraのフェティッシュを音像に感じました。

シンプルな構成だからこそ、歌の魅力が突き抜けていることも、そして楽器の音がまたジャストにいい音色。カットインやSEのエクスペリメンタルも。時を経ても色褪せないばかりか寧ろ現代性を持つような音。十代のあの頃も、今も、ジョンの魂に触れると純粋な精神に、陽光に触れた思いがし、改めて稀有な盤だなと想いました。
by wavesll | 2017-04-23 09:35 | Sound Gem | Comments(0)

原田仁の轟声とナスノミツルのベースドローンソロ @Dommuneに於ける深宵の闇の豊饒さ

原田仁(Hearts&Minds -from ROVO-)@ 黄金町 試聴室その2 2014 11/7


「Rain maker」  Nasuno Mitsuru ナスノミツル


iwamakiさんのDJ Playで幕を開けた「HARD CORE AMBIENCE」。その夜の深々とした静寂に異界へ這入っていく感覚。

iwamakiさんの次は"この音聴いたことある"と想ったらshotahiramaさん。POST PUNKなノイズにレゲエを挿入したりしてまた変容が起きていて。

そしてこの日の最大の新領域は原田仁さんのソロ。
轟声とでもいうか、発声でノイズを撒く様は初めてエレファントカシマシ「ガストロンジャー」をみた時のような鮮やかなサプライズがありました。

そしてその次のナスノミツルさんの演奏はベース・ソロとは思えないような出音!ベース自体が新インターフェイスとして次元を開いていて。逆に"今キーボードでPCに打ち込んでいるけど文字入力をギターでやったり、逆にこのQWERT鍵盤で音楽を演奏しても面白いかも"なんて想いが湧きました。

その後の純粋なノイズ・サウンドで入眠してしまいwで、夜明け前にこんな文章を書いてます。

DOMMUNEの5時間SPの時は夜の深みを感じれて好きで。TVみてると23時でも19時位の気分だけれど、今夜の始まりのiwamakiさんのplay聴いてたら19時台にもかかわらず22時~24時台の心持ちだったというか。グリニッジ的な時刻でなく心的に本当の深夜を味わう、深宵の闇の豊饒さに潜っていく夜でした。

cf.
nausea 3 - shotahirama chris watson Highrise -

Noisy 3 - 花電車, Jerzy Skolimowski / The Shout, Ametsub & shotahirama play @渋谷タワレコ
by wavesll | 2017-04-19 04:43 | Sound Gem | Comments(0)

Hans Zimmer Live at Coachella2017にみるフェスでの劇伴音楽奏演のエクスクルーシヴな可能性

Hans Zimmer - Inception - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Pirates - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Hans Zimmer - Lion King // Coachella 2017 Weekend 1


Hans zimmer live at coachella 2017 music from the gladiator


Hans Zimmer - The Dark Knight - Live at Coachella 2017 Sunday, April 16th


Youtubeで放送されたCoachella2017、3日間とも早起き・夜更かし・寝落ちしながら愉しみました。

巻き戻しが可能だったため、初日のThe Lemon Twigs, Bonobo, Samphaのどれも好演を楽しめたし、Mac Demarco、Grass Animals辺りはこのライヴで好きになって。

ただどうにも時代の波とあってない人間なのかThe XXとBon Iver、Kendrick Lamar、Keytranadaも良さは分かるんだけどGrouploveLocal Natives、そしてかなりの掘り出し物だったJack Garrattなんかが良くて。Future Islandのおっちゃんは最高だったし、自分はロックが好きなんだなぁと。けれどもLady Gagaはチト古く感じて。逆にNew Orderの方が良かったり。

スムースエレクトロとでもいえばいいのかアレ系は若干食傷気味だったのですが、Francis and The Lightsは初日のベストアクトクラスに良かったし、exEDMのPorter Robinson & Madeonは琴線に触れました。

しかしそれらを素っ飛ばす断然トップに良かったのがHans Zimmer!!!!
上に掲載した『インセプション』の出だしでインディクラシカルをBeyondしたSteve Reich『Tehillim』並みのクラシカル・ミクスチャーをガツンと鳴らし、そこからの『パイレーツオブカリビアン』のチェロのお姉さんの熱演!更には『ライオンキング』の生歌!これにはテンション昂!

そしてあれよあれよという間にファレルまで出てきて反則技的な豪華さ!最後はハンス爺自らピアノも。素晴らしすぎたライヴでした。このライヴを観たという人とはゆくゆくまで美味い酒が飲めそう◎

映画音楽畑の人がフェスに参加するというのはスペシャルな感覚がありました。日本でもフジロックやTaico、RSR、荒吐等が川井憲次とか鷲津詩郎光田康典植松伸夫辺りをオーケストラ・セットで招いても面白い。一番可能性がありそうなのは東京JAZZだけど、ロックフェスの時空間でみてみたいなー。

映画音楽自体にも最近面白味を感じていて。劇伴という制約が寧ろ音楽の創造性を上げていて。以前DOMMUNEでエンニオ・モリコーネ特集とかやっていたけれど映画音楽縛りのクラブイヴェントとかあったら是非行ってみたいし、ハンス・ジマーが来日公演やるときは絶対馳せ参じたいなと想った次第でした。

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cf.
◆長谷川等伯『松林図屏風』X Silence (Original Motion Picture Soundtrack) 第27回音の貝合わせ

◆霧中行 American Beauty Original Soundtrack by Thomas Newman
◆『新幹線大爆破』 劇は世につれ男の色気は挑みにつれ
◆第十回 酒と小皿と音楽婚礼 - セルゲイ・パラジャーノフ / アシク・ケリブ & 余市12年 WOODY & VANILLIC
◆Grand Budapest Hotel Original Soundtrack
by wavesll | 2017-04-18 07:13 | Sound Gem | Comments(0)

Klein / ONLY -Cocktailの様に新しい知覚を呉れるVapor Rhythm & Blues

Kein / ONLY (bandcamp link)
c0002171_2193960.jpgele-kingのレヴュー
ソランジュがサイケデリックR&Bと呼ばれるなら、これはもうフリーク・アウトR&Bとでもいうしかない
と書いてあって興味をそそられた、ナイジェリアにルーツを持ちLAとロンドンとラゴスで活動するシンガー、Kleinのこの作品。

一聴しIsis Giraldo {aka.chiquita} / PADREの初聴きに比するようなその新味にまず心惹かれて。

無論音楽のジャンルとしては全然違い、あちらがクラシック声楽に達したジャズなのに対してこちらのサンプリングが無造作に、しかし調和を保ったようにカットインされる様はVaporwaveを経過したインディR&Bといった様相。

こういう新しい音を響かせる魅惑は、案外鯣にはなりずらかったりするのですが、少なくとも通しで4度聴いても鮮度は落ちませんでした。$6だから、カクテルでも洒落込んだ気になれば満足かも。少なくとも美味いカクテル4杯分くらいの快楽はもたらしてくれました。

語りとラップと唄がシームレスに流れゆくのは最近の潮流ですが、まだこの分野、新雪のフィールドが残されているのかも。そう感じさせてくれる名盤でした。USBとヴァイナルで出たらしいけどCDでも出してほしいなー無理かなー。
by wavesll | 2017-04-11 21:29 | Sound Gem | Comments(0)

Nuno Canavarro - Plux Quba X 花曇りの千鳥ヶ淵 第30回音の貝合わせ

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Nuno Canavarro - Plux Quba [Full]

トイエレクトロニカな、有機的で人の温かみがある、でもちょっと硬質な音の感触。しかし何とオリジナル盤がリリースされたのは88年。それから十年後にジム・オルークが再発したこのポルトガルのタイムリープしてる名盤を聴いて、"そうだ、花曇りをみるのもいいな"と千鳥ヶ淵へ行ってきました。

鮮度が高いのにノスタルジアを感じる音は、白曇の櫻の路の仄かな色彩にも似て。こんな卯月も悪くない。

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cf.
今月のお気に入り(2017年3月)(LL)


桜風
エリスマン邸の桜生卵プリンからスーパーフラット・コレクション展、そして六義園のしだれ櫻
『2001年宇宙の旅』at恵比寿ガーデンシネマ爆音映画祭と中目黒の桜
第5回音の貝合わせ 千鳥ヶ淵の花筏、上野の桜吹雪、なんだかそれは花見日和なんだ
吉野の山桜 晩春爛漫
山下公園と中目黒の桜 X Residents - Sokurha 第29回音の貝合わせ
by wavesll | 2017-04-09 15:58 | La Musique Mariage | Comments(0)

ジェローム・スピケ『ナディア・ブーランジェ』 クラシックからポップ領域まで20世紀音楽教育の女傑の生涯

c0002171_3535192.jpgナディア・ブーランジェの名を知ったのはエグベルト・ジスモンチを通して。

フランスでナディアに師事したエグベルトはナディアから"ブラジルの音楽を活かしなさい"と伝えられ、ブラジルに戻った後先住民と共に暮らしたりしてインスピレーションの背骨をつくったという逸話。

同時期にピアソラにも嵌ったのですが、ピアソラにタンゴの道を薦めたのも彼女だと知り、そこから色々検索してみると音楽教育を通して20世紀の音楽に巨大な結果を残したことを知りました。

そんな時に本書『ナディア・ブーランジェ』を知り、彼女の足跡や人となりを読みたいと手に取ったのです。

彼女に厳しく音楽を叩き込み大きな影響をもたらしたロシア人の母ライサと、彼女がコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽院)にて師事したフランス人音楽家のエルネストの間に生まれたナディア。夭折した妹のリリも稀有な音楽家でした。

ナディアの人生には輝かしい芸術人・文化人の交友関係がありました。
父エルネストの交友関係にはサン=サーンスやジュール・ベルヌなどがいたし、ナディア自身もフォーレに学び、モーリス・ラヴェルとも同じクラスで、後年は公私ともどもストラヴィンスキーと交友を持ったナディア。20世紀のパリにどれだけの才能が集まっていたかが鮮やかに描かれていました。

そして交友関係からもナディアの人となりが伝わるというか、彼女はセレブリティと睦まじくするのが好きで。野心を持っている人間が好きな印象。彼女自身も野心的に自分の才能で栄光へ向かって邁進しましたし、教え子には圧倒的な才能か圧倒的な金銭を求めました(圧倒的な富裕層のおかげで才能あるものに授業料免除を行えたという側面もあったようです)

彼女の教室は数多の音楽人を育てましたが、そのスタンスを表す言葉があります。

「あなたは自分自身でないといけません。いたずらに影響を受け、同調することは危険です。ドビュッシーの人格は強烈でしたから、周辺の人々に影響を及ぼし、多くの人たちの自己形成の妨げになりました。彼らは、自分たちが『ペレアス』の続きを書いているのだと思っていても、実際は並行和声を並べるだけでした。そして、他の人たちは『春の祭典』の反復和声を作ってばかりいました。つまり、二番煎じをしていただけなのです」

教え子たちのアイデンティティを認め、才能と個性を伸ばすことに一心に情熱を傾けたナディア。
アストル・ピアソラに「これこそあなたの分野です。交響曲などやめて、タンゴにあなたの力を注ぎなさい」と述べたのは有名なエピソード。

さらに『ラプソディ・イン・ブルー』などで稀有な才能を発揮していたジョージ・ガーシュインから教えを請われても、寧ろその教えが彼の個性の妨げになると"自分の音楽を書き続けるべきだ"と説得したことからも彼女の哲学が見て取れます。

彼女は20世紀の人物。世界大戦はやはり彼女の人生へ影を落としました。WW2中アメリカへ逃れた彼女が再びパリに帰ってきたとき、親交のあったサン=テグジュペリやポリニャック公爵夫人、ポール・ヴァレリーはこの世から消えようとしていました。

92歳で死ぬまで、音楽教室、指揮、講演など夥しい仕事をとてつもないエネルギッシュさで行ったナディア。Wikipediaには彼女の教え子が列記されています。クインシー・ジョーンズやフィリップ・グラス、レナード・バーンスタイン、ミッシェル・ルグランなど綺羅星のようなミュージシャンの育ての親。現代に続く音楽の龍脈が、そこにありました。
by wavesll | 2017-04-08 05:09 | 書評 | Comments(0)