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うつらうつらと雅楽 武満 徹:秋庭歌一具 & ヴェトナム雅楽:Nhã nhạc cung đình Huế

正月二日目は気を抜いてたらぐっすりと寝正月やっちまいました。正月睡眠のお供だったのは雅楽でした。

武満 徹:秋庭歌一具

**♪武満徹:秋庭歌 一具 / 東京楽所(伶楽舎)

ノヴェンバー・ステップス等で名高い日本の現代音楽の巨匠、武満徹さんが本格的な雅楽を作曲していたことを年末のETVで知って。

この2本の映像、共に伶楽舎によるもので、上の演奏映像付きはノイズも乗っていたので、下の音楽のみのものもつけました。

現代的なセンスによって編まれた雅楽。なんと宮廷でも演奏されるという"本物の雅楽"でありながら、その調べは幽玄なる彼岸に霊魂が解き放たれるような美がありました。

夜半にあう音楽でもあり、白昼夢に視た幻のようでもありました。
クラシックが好きな人やエクスペリメンタルが好きな人、ドローンやエレクトロニカが好きな方にもお薦めできるような雅な音でした。

さて、夜の帳が下りた後聴きたくなるのが秋庭歌一具だとしたら、かたわれ時の前、日の時間に聴きたいのがヴェトナムの雅楽であるニャーニャック。
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KING RECRDS『ベトナム古都フエの雅楽(ニャーニャック)』は年末年始に代官山蔦屋書店で10枚1000円レンタルやってたので聴いたもの。ニャーニャックの他ニャックレーという儀礼音楽も棚にあり、かなりよかったのでした。

Nhã nhạc Cung đình Huế-(Full)


これがベトナム古都フエの雅楽:ニャーニャック。まったりとした味わいを愉しんでもらえたら幸いです。

2016年香港四川奈良台北と旅し、Asiaの中の日本の姿をみた年でもありました。今年は朔日のサントゥールを始めとしてもっと見聞の範囲を拡げ、Asia大陸・島嶼を識っていけたらいいなぁなんて想っております。中東の他、東南アジアもかなり魅力的。

一介の旅人として、風に狂えたら、こんな幸運なことはないかもしれない。その為にこの日本の地で、地道な働きをしていく所存です。
by wavesll | 2017-01-02 18:46 | Sound Gem | Comments(0)

1月1日に漱ぐ 清冽なイランのサントゥール

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

2016/2017の瞬間は渋谷スクランブル交差点にいました。物凄い騒やかな年越しで。「HAPPY NEW YEAR!」で主に外国の人たちとHi5等のボディコミュニケーションしてました。こんなハッピーニューイヤー言ったの人生初かもw

25時前位まで渋谷でぷらついて、帰路。家で朝生みながら寝て、起きたらゆく美 くる美や録画してた紅白とか見ながら過ごして。

気が付けば日も傾く中で初詣に行ってきました。

正月の清冽な空気が好きで。もう心なしか空気が柔らかかったけれど、元旦の空は『悲しみの果て』が似合います。



部屋を飾り珈琲を淹れ、花を飾って新しい日を歩みたい。

新年の抱負というか、今年は"親しき仲に礼儀あり"をやっていきたいです。

どうも私は自分を下にみせる割にはそこをいじられるとやり返してしまって友人関係に諍いを起こす事が多くて。人にに突っ込むときは孔2つだと想うのですが、相手は別に悪意アリアリでやってるわけでもないし、最初から呼び水みたいなことはしないのが吉かなと。

あと昨年に今さら学んだ教訓は“黙らないと現実が回らないこともある”。

言葉を吐くときはそれが引き起こす摩擦を覚悟しないと。秘することを維持するのも成熟なのかも知れません。裏表なくゲレゲレといたいものですが、本年からは舌禍は意識して行こうと。

本音2.0も含めて、社会への姿勢が変わってきたのかもしれません。幼稚性を失うのは自由が失くなる気もするけれども。フリーダムな場はもうWebにはなく、それこそ馴染みの飲み屋等のリアルな倶楽部にあるのかな。

とは言え、現在の"本音"はWebでも誠実な正直さでやっていければいいなと想います。コミュニケーションに於いて傾聴することの大切さや有難さも近年とみに感じるところで。発信PUSHはWebで行いRealでは語りを相手から引き出せるようになれたらいいなというのも目標です。

さて、元旦の清冽な空気に音楽をかけたいなと想った時、ペルシャのサントゥールはどうだろうと。世界最古の音楽文化を持つイラン。ここから世界各地に楽器の系統樹が伸びていきました。そんなイランの楽器の一つ、サントゥール。

サンは百という意味で、沢山の弦が張られ、3オクターヴの音域を持ち、真鍮製の弦とスティール弦がクルミ製のボディに張られ、メズラブと呼ばれる軽量の木の撥で叩いて演奏します。これも西へ渡ってツィンバロムやダルシマーに、東では揚琴、ヤングム等になりました。

Classical music from Iran - Great masters of the santur - Hossein Farjami


決定盤!!イランの音楽 サントゥールの響き
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このサントゥールを名手ホセイン・ファルジャミの演奏で楽しめる盤を代官山蔦屋書店で借りてきておりまして。

透徹した金属の響きが期せずして1月1日にうってつけの音。どうやら今年も音楽狩猟の勘はかなり良さそうです^^
by wavesll | 2017-01-01 17:47 | 私信 | Comments(0)

平成28年のListening Experience

本日は大晦日。毎日この時期になるとベストアルバム企画などをやるものですが、自分のリスニング記録として去年に引き続き音楽体験の2016年回顧を記そうと想います。

Best Album
Chance the Rapper- Coloring Book


Noname - Telefone (Full Album)


Andrés Beeuwsaert "Andrés Beeuwsaert"
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Best Song
Rihanna - Work (Explicit) ft. Drake


毛玉 - ビバ!


入江陽 - おひっこし (Lyric Video)


最初に挙げるのは、今年リリースされた音源たち。
今年の最も印象に残る音楽ムーヴメントはTLに流れてきたシカゴでのフリーライヴから米大統領選挙投票所へのパレードでシンガロングされるChance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne - No Problemでした。

今年はBrexitとTrump勝利で大きく世界の軋みが顕在化した政治的転換の年。結局現実に政治的勝利をリベラルは出来なかったのですが、これから締め付けが厳しくなるにつれてどんどん音楽が力を増していくことを予見させる瞬間でした。

今年はフィメール・ラップの年だったとも思います。NONAMEも素晴らしかったのも勿論、DAOKOMoe and Ghosts & 空間現代 も素晴らしい作品をリリースしてくれました。一方漢のHIPHOPではBuddha Brand Live @柏まつりは得難い体験でした。

今年はHIPHOP以外もフィメールミュージシャンの勢いを物凄く感じた年でもあって。ベストソングに選んだリアーナの『Work』はとてつもない楽曲だし、サマソニでみたSavegesもロックの勢いを感じました。

去年に引き続きベストソングとして挙げた入江陽はBon Iverに匹敵するくらいの楽曲で。そしてまだレヴュー書けてないのですが毛玉の2ndは日本の音楽の高い到達点な作品だと想っています。エルメート・パスコアルにも通ずる浮遊感と展開。

そしてアンドレス・ベエウサエルトは一度見てみたくて。八月に根津教会でLIVEを観る機会があり、改めて一番未来を感じる音楽だなと想ったというか、クワイエット・コーナー的な潮流と南米のエッセンスが究めて"今の感性"に感じたのでした。

J Dilla・ビートの浸透
ここからライヴも交えての個人的音楽潮流の感想を。

今年日本の音楽でJTNC的なセンスでのバンド達が大きな潮だったと想います。
私自身年始に見たMark Guiliana Jazz Quartet @Cotton Clubのドラムには度肝を抜かれて。David Bowie 『★』で一気にこの感覚が伝え拡がった気がします。

その後で色々興味深く足を赴かせたのですが、段々J Dillaなビートのもたれをするだけではレッドオーシャンになってしまっているなぁとも想ったのでした。マークジュリアナの衝撃があまりにも凄すぎたのもありました。

その上で"このプレゼンテーションは凄いな"と感じたのがROVO live at 代官山UNIT。私は2日とも行ったのですが、最終日のアンコールでリズムの撓みを感じ。それはビートの揺らぎでなく上モノを撓ませていて。飛び切り洒脱に感じたのです。2013年のロザリオス活動休止ライヴでガレージ・ジャズロックにディジュリドゥを入れることでダブステップ的な音像を体現したのを目撃した以来の、最新モードに対するヴェテランの技を感じたのでした。

ROCKの揺り戻し
さて、私にとっての2016年はROCKが再び面白くなった年でもありました。

今年のBEST LIVEはArca@Womb
夥しい人塊に圧縮されながら、まさに狂乱のライヴ体験。Arcaは本物のロックスターだと圧倒され、今一番ROCK的な破壊力をもったActはこの表現なのかもしれないと開眼させられました。

そして、これは旧譜になるのですがJulian Casablancas + The Voidz - Tyrannyのダーティーで混沌とした音にロックの革新を感ぜられて。ここ数年は"無難なロックじゃ楽しくない"と想っていたのですが"ロックまた面白くなってきた"という嬉驚を感じました。

上で女性ミュージシャンが活躍した年だったと書きましたが、Frankie Cosmos - Much Ado About Fuckingラブリーサマーちゃんインストアライヴ at 新宿タワーレコードでみたエレキギターでの弾き語りは純核音楽としてのROCKを鮮やかに鳴らしていたと想います。


ライヴでもROVOも良かったし、Godspeed You! Black Emperor's live at Shibuya DUO MUSIC EXCHANGEは今年描いた音楽の感慨で最も感動が現れた文章だなと想います。

そしてRadiohead live at Summer Sonic2016には圧倒されました。『A Moon Shaped Pool』の冒頭、Burn The Witchのストリングスの気持ちよさ。『AMSP』は一時期一番聴いていたアルバムで、このクラシック方向のアプローチは、個人的には今年題名のない音楽会が一番楽しみな音楽番組になってきたりFreiburger Barockorchester concert at Toppan Hallに感動したりしたので、とても共響したのでした。

初夏の辺りはSpinettaの『KAMIKAZE』と共に『The King Of Limbs』に嵌っていたし、今年はレディヘに(漸くw)本格的に嵌った年だったかもしれません。

アルバムとしてはKING CRIMSONの高松のLIVE盤Bunkamuraで生で見たのを超えるような凄味があったし、今年のライヴ納めも笹口騒音&ニューオリンピックス/タテジマヨーコ/水中、それは苦しい インストアライヴ@錦糸町TOWER RECORDSで〆、"やっぱROCKいいな"と想った壱年でした。

後、これからどうなってしまうかは分からないけれど、ゲスの極み乙女の新曲"シアワセ林檎"、今の邦ロックでは頭一つ抜けた境界を交えていく美曲だったので、このまま消えないでまた浮かんで来ることを期待します。

日本の音楽を求めて
今年は個人的には日本の音楽を聴き深めた年でした。


深めるのに二つの方向性があって。
一つは自分より世代が上の人の音楽を聴いたこと。
はちみつぱいJAGATARAINUFlower Travellin' Bandジャックスetcetc...

私は20前後の頃は"90年代後半が日本の音楽では最高"と想っていたのですが、全然そんなことないなと驚嘆の体験でした。特にはちみつぱいの今年出たライヴ盤はフィッシュマンズの新ライヴ盤にも迫るクオリティで、それは相対性理論に受け継がれているとも感じました。

そしてもう一つは日本の伝統的な音楽の面白味をDigった年で。
主にタワレコ渋谷店のカツオさんプレゼンツの熱い音ライヴのおかげでとっても音楽充が出来ました。

OKI & 沼澤尚インストアライヴ at 渋谷タワーレコード
MAREWREW インストアライヴ@渋谷タワーレコード
朝崎郁恵 with マブリ インストアライヴ@渋谷タワーレコード
これらレジェンドの他、現代に民謡をアップデートしたという流れで
アラゲホンジ LIVE at 渋谷タワレコ!!!!!馬喰町バンド インストアライヴ@渋谷タワレコそしてすみだ錦糸町河内音頭大盆踊りも素晴らしかった。

そして…ジャパニーズトラディショナル音楽体験で一番大きかったのは△Animal△Vol.8 ~アニマル民謡 at Bar Bonoboでの俚謡山脈民謡DJ Set。
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完全に民謡がゴロっと回されて、それでグルーヴが凄くて!これには仰天しました。俚謡山脈さんプレゼンツでSoi48 Vol.20 神弓祭 - 弓神楽 Release Party! at 新宿Be-Waveにも行ってきたりXmasにオラショを聴いたりもしました。

今年の日本のバンドのライヴで特徴的だったのが特殊な楽器を使ったアクトが結構あって。相対性理論や馬喰町バンドもとても面白いリスニング体験だったのですがBand of Eden インストアライヴ at 渋谷タワーレコードで鳴らされたダクソフォンという楽器は衝撃的でした。海外勢ではオレカTXのチャラパルヤという楽器が面白く、海外のヴェテランの活躍でいう点ではPaul Simonのclap! clap!等をフィーチャリングした新譜が素晴らしかったです。

WORLD音楽
今年も世界中の数多の音楽で楽しい聴験が出来ました。

音体験という意味でもBunkamuraでみたヤン・リーピンのシャングリラは破格の体験で。四川で蔵謎をみれたのも嬉しいサプライズでした。

Asiaの音楽では、中東シリアの伝統音楽を演奏したAFRICA EXPRESS PRESENTS THE ORCHESTRA OF SYRIAN MUSICIANS WITH DAMON ALBARN AND GUESTSと電化ダブケの雄、Omar Souleyman live at Studio Coastは音の刺激に大いに高揚しながらも祈る気持ちにもなりました。

そしてジャマイカでイマ一番熱い男CHRONIXX JAPAN TOUR @川崎クラブチッタとパキスタンmeets爵士Sachal Jazz Ensemble@東京JAZZ、ウルグアイの巨匠Dos Orientales (Hugo Fattoruso & Tomohiro Yahiro) インストアライヴ @ディスクユニオンJAZZ TOKYOはずっとみたかった星群で。本当に目撃できたことに幸運を感じて。エグベルト・ジスモンチ ソロ ~ナナ・ヴァスコンセロス追悼コンサート~@練馬文化センターも胸を打ちました。

2016年は世界のSSWも素晴らしい音楽体験を与えてくれました。

エストニアの吟遊詩人でありmulti奏者:Pastacasイ・ラン (이랑 / Lang Lee)インストアライヴat 渋谷タワーレコードには心の深いところを奮わされました。


そして広義のワールドミュージックという意味ではLes BaxterのExoticaも楽しかった。桑田佳祐 - ヨシ子さんのゴッタ煮・ムジカ・デ・エル・ムンド振りも嬉しかった。

さらに今年の最後を飾ったのはタイの音楽でした。
Soi48関連からのMonaural mini-Plugも素晴らしかったし、アピチャッポン・ウィーラセタクン 『光りの墓』―現実と霊性の間を描くまこと見事な手腕は今年の中で飛びぬけた音楽体験でもあって。

『光りの墓』のタイ語柔らかな響きと自然音のハーモニーは、年始に訪れた香港・バードガーデンで「このチャイ語と鳥声をフィーレドレコーディングしたいなぁ」と想ったものをさらにエッセンシャルにしたマリアージュだったし、今年は『新幹線大爆破』『夕陽のガンマン』を始めとして映画音楽に愉しませられた年でもあって。さらにはこの『光りの墓』の柔らかな明かりは、アンドレス・ベエウサエルトにも通じる10年代後半のモードを鮮やかに響かせている気がし、今年を象徴する特別なフィルムでした。

今年のフィールドレコーディング・エクスペリエンス
香港旅行で味わった鳥声とチャイ語の交わりと急かすような信号音とチャイ語の混ざりは今年の録音したいNo.1でした。

また尾瀬歩きでのオーバルな鳥声と愛知トリエンナーレでのChris Watsonによる彼の故郷イギリス北西部シェフィールドから愛知県鳳来寺山に至る最短コースの円周上にある9地点の音を20数個のスピーカーで鳴らした42分の作品そして東京藝大音環 卒展・修了展のサラウンド作品は360°を超え球形の音響体験で、VRとか4DXのような"これからの音響のフロンティア"を感じさせてくれました。

フィールドレコーディングでいうと
Sports Fieldrecording スポーツ音響楽曲群
The Vegetable Orchestra・おみそはん・Yosi Horikawa・NANTAのお料理音楽
鉄道音楽III両集
なんて企画もやったりしました◎Chassol食品まつりのように採音的なセンスを持ったPLAYも出現し、来年あたり愈々一気に爆発するかも。

そして、今年最も心に残ったリスニング体験は
宇多田ヒカル / 忘却 featuring KOHH を聴く海景

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由比ガ浜の夜半、海の響きが染み渡るイントロとアウトロ、音楽と酒や絵をマリアージュしようと色々試行錯誤しているのですが此の波音から楽曲が立ち昇り、そして波音へ還っていく体験はこの曲の本来の姿はこうなのではないかと想う位の特別な体験となりました。

また来年も素晴らしい音楽に出逢えることを期待して。そしてすべての音楽家に感謝を。
ceroのサルサや鳥声なライヴでの音像には2017年へのNEW MODEがもうキックオフしているのだと感じます。
この星でまた365日鳴り響く音楽がとっても楽しみです◎

皆様、本年もありがとうございました。良いお年を^^
by wavesll | 2016-12-31 17:59 | Sound Gem | Comments(0)

笹口騒音&ニューオリンピックス/タテジマヨーコ/水中、それは苦しい インストアライヴ@錦糸町TOWER RECORDS

晦日にライヴ納めで錦糸町へ行ってきました。
笹口騒音とニューオリンピックス、タテジマヨーコ fromハラフロムヘル、水中それは苦しいの合同インストアライヴ。

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タテジマヨーコ - お外はつらいよ / Feb.5 2012 @世田谷ものづくり学校


タテジマヨーコさん、初めて知ったのですが、物凄く良くて。Linda Perhacsの様な聖性の憂いがある歌声、素晴らしかった。宝籤を買うならアルコールを一缶買う、みたいな曲では賑やかな感じも。彼女をみれたのは嬉しい驚きでした。

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笹口騒音&ニューオリンピックス!これ好きだなー。笹口騒音さんはホント信頼をおける表現者で、ROCK!ぐるぐるTOIRO 2015以来のギグ、楽しかった!フリースタイルラップのような矢継ぎ早なポエトリーリーディング/ラップロックの歌や、星野源・SMAPいじりもMCともども面白かった◎

笹口騒音&ニューオリンピックス - NO! 2016.12.11 ぐるぐるTOIRO


笹口騒音&ニューオリンピックス - NO MUSIC, NO DANCE(MV)


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水中、それは苦しい「仕上げはおじいさん」PV


水中、それは苦しい。名前は知ってたけど生は初めてで。ジャンル的には青春ロックなのだと想うけどヴァイオリンが新味があって。そしてジョニー大蔵大臣さんのシャウト、この感覚いい!個人的には今年はロックの揺り戻しがあった年で。最後にこんなイカした合同インストアライヴ聴けて幸せでした◎
by wavesll | 2016-12-31 13:09 | Sound Gem | Comments(0)

台湾年の瀬

25日夕に羽田を発ち27日夕まで台湾へ行っていました。
台湾は数年前に行ったのが初めてで、今回は二度目。前回は台北→花蓮→高尾→台北と回ったのですが、今回は台北に二泊三日で行ってきました。
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今年は一月の香港を初め、三月の秩父小旅行、四月の吉野山桜、八月の四川・九塞溝/黄龍、九月の愛知旅、十月の熊野古道奈良・正倉院展と、私の人生でもこんなに旅尽くしだった年は中々ないという位の年で。身の丈を越える運だなと想いながらもこの年の瀬にひょんなことから台湾へ赴いたのでした。



機内でみた『君の名は。』、少年少女過ぎて序盤はノリ切れなかったけれども最後は涙ぐんでしまった。新海さんらしいうじうじも思ってたより入ってた。ただ新海さんの作品の女の人は、ほんとに男からみた女の人。俺は男だからめっちゃ分かるけど。思春期の頃みてた女の人の感覚がフィルムに焼き付いてる。

松山機場からみた光景。遠くに101がみえる。
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MRT(電車)の駅には公共の図書館スペースも。洒落てる。
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大戸屋、はま寿司、MUJIにユニクロ、セブンにファミマにフォルクス吉野家はてまたスクールIEまであるw台北アリーナはでかかった。こちらは夏の様な陽気なのに台北の人達は冬の装いだから、ロシアから東京に来た人みたいな気分だw
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ホテルに荷物を置いて夜道を歩く。まだ知らぬ街区を歩くのはいとをかし。
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マンホール探訪@台北
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カレーおでんのポスター。何でもマカオなんかでも人気だと聴いた。
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ホテルの近くの夜市。前回は大きな夜市しか行かなかったけどこういう夜市は地元サイズって感じで好い◎
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台北では赤モス
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一日目はもうこれくらいでベッドへ。台湾行きを決めるまでは旅に出る意義自体にも靄々もあったのだけれども、海外に来ると本当に気持ちが軽くなる。日本を覆う重苦しさから解き放たれるというか。恐らくは日常の営みの負荷が大きな割合なのだろうけど、高齢化と放射能と経済問題と地震、結構ヘヴィだもんなぁ。日本は。

翌朝。昨日の夜市の通りの屋台で担仔麺。優しい味。
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MRTを乗り継いで北へ。
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!?
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MRT車内のヴィジョンにもアイツがw
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一時間程MRTに乗って島の最北部にある町、淡水へ。
景勝地なのだけれども、思った以上に煙っていて。中国から来たPM2.5だろうか???正直ちょっときついものあった。街自体は綺麗な場所だけに><
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マンホール探訪@淡水
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こういう公共物にペインティングされてるの、いいなー!
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街のちょいカオスな感じがAsiaの畝りを感じて好きだ。GIANTの店舗を結構見掛けるなと想ったら台湾の会社だったんだね、GIANT。
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エレベーターは電梯、プラットホームは月台。
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MRTですぐの北投温泉へ。水着を買って露天風呂にも入りました。日差しも強くてちょい日焼けしたかも。気持ちえがったwお爺さんが湯船に浸かりながらしてた鼻歌も風流だった◎
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物凄いお洒落な建造物があって、どんな高級ホテルかと想って覗いたら何と図書館!この台北市立図書館北投分館は世界で一番美しい図書館ともいわれているらしい。
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昼は牛肉麺。ほんとにやさっしい味。

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北投駅のモニュメント。北投温泉の地区では北投石という宝石も採れて、放射線か何かで健康にもいいとか。
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台湾でも人気なのだな。そういえばこの日はスマスマの最終回の日だった。
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南京復興駅の辺りで見かけためちゃかっこいいポルシェ。
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この旅の最大の目的地、九份へ向かおうと忠孝復興駅のそごうの辺りのバス停へ行くと、タクシーの運ちゃんに「200元でどうだ」と言われ、バスで行っても100元だからタクシーで200元はリーズナブルだと乗り込む。他のお客さんと共に九份へ爆走、というか、超爆走w1.4倍速みたいな感じでどんどん高速でクルマをすり抜けるw対向車線も走るwスリルがあったが、海外ではこんな感じもアリかなw

九份着。前回の台湾旅行でも来たけれど、今回の目当ては夜景。夜になるのを待つ。
物凄い人出で。日本人ぎっしりだったw
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商売の神様のお寺。ここ空いてたけど、中々に見ものな寺だった。台湾の寺ってオーラ迸ってて好きだ。
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これがうまかった。紅豆や緑豆、餅や果物が温かく、かき氷の上に乗っている。かき氷でなく温かいスープのヴァージョンもあった。
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この店。行列できてた。
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そして九份の夕べ。
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アーケードの中では臭豆腐の店も。何度嗅いでもこの匂いは激烈で。これは正直きついなー、それでもそれを越えてくる魅力が台湾にはあるけれど。メルカドの賑わいはほんと凄かった。試飲した阿里山のお茶が美味かった◎
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帰りはバスで。凄い行列だけれどもどんどん捌けていくからそこまで待たなかった。
バスの窓から檳榔のネオンサインや中規模な夜市、OKというコンビニを眺めました。行きの爆走Taxiは1時間もかからなかったけれどバスでは100分くらいはかかったかな。
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MRTで士林駅へ。やっぱ行くでしょ、士林夜市は^^
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台湾の人は美味い店に並ぶと聴いて行列が出来てる店に並んだら九份のスイーツ屋で隣で食べてた子が並んでたwみな同じコースを行くのかとウケたwこの肉のソーセージを米のソーセージで巻いた奴、めっさ美味かった◎なんでも映画かなんかに取り上げられた店だとか。
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ザリガニ釣りかな?
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地下の屋台街へ。がっつり喰ったw蛤炒めがめさめさ美味かった!
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士林夜市には"日本で人気"という食べ物屋台も多かった。ゲーム屋台には路上2人麻雀も。市場を抜けると士林駅の隣駅に着いた。というかこの剣潭駅の方が士林市場に近い感じ。
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ホテルへ帰路。MRTのロゴって営団ぽい。
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伊達の薄着は俺もしたことがあったけど"伊達の厚着"というものがあることを年の瀬の台湾で知った。明らかに暑いのにダウンやファーで着飾る台北の人々。ファッションとはげにをかしきもの。でも流石に昼にもなると暑すぎてみんな薄着になってたのがまたをかし◎

最終日の朝飯はホテル傍の饅頭屋で。肉の饅頭も野菜と春雨の饅頭もめっちゃ美味い!しかも15元くらい。安!この日はとても肌寒くて。あったかい饅頭が嬉しかった。
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MRTのチケットはコインで。RFIDでスイカみたいに使える。しかも回収されるからエコ。これはとても良いと思った。
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佐々木希がいた
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台北101へ。
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開店30分前から並んで鼎泰豐。普通の小籠包は横浜店と同じだけど海老焼売と蟹小籠包が超美味!
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空港へ向かう直前にフットマッサージ。これがマジで効いて。結構痛かったのだけれどもその分老廃物の詰まりとか筋の凝りがほぐされたのだと想。終わった後の脚の軽さに吃驚◎
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飛行機の窓からみたウユニ塩湖の様な空。
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帰りの機内で観た『スーサイドスクワット』は、“詰めが甘すぎだし悪の快楽も描けてない”という指摘は分かるけど、あのあまっちょろさが不良っぽい気もした。チンピラの弱さというか子供っぽさというか。本当に怖いのは大人ですな。が、あの酒場のシーンはダサかった。ハーレイクインはえろかった。

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台北→羽田と来て新宿タワレコのDOTAMAインストアライヴみてきたw
正直今朝101へ行ってた時はその気力はないかなーと想ってたけど足裏マッサージでかなり快復したから出来た芸当w

フリースタイル良かったなー!ヒップホップはアドリブが重要なのがジャズと共通すると菊地成孔も行っていたが、生はいいっすね!ライヴ前に音源流れてたけど、生だと言葉の刺さる強度が増す増す!

WOWOWぷらすとで宇野さんが日本の芸人界はアメリカのヒップホップみたいな西と東のトライブ感があると言っていたけれど、PPAPといい、岡崎体育といい、HIPHOPやPOPミュージシャンと芸人のネタはとてもマージナルなものになってきていて面白いと想。

横浜への帰り。東京の電車は驚くほど静寂で。台北の列車は婆さんがゲームを爆音で鳴らしたり、レズビアンカップルがめっちゃイチャイチャしたり、携帯通話は当然OKだし、相当にカオスで。それは空いてるのもあるのだろうけど、どちらかというと東京の方が車内環境は怖い感じがする。

“別の形でも成り立つ社会がある”ことを端的に知れるのは海外旅行の美点ですね。まぁ、海外に被れて汚点を見ずに礼賛しちゃそりゃアレですが。例えば台湾ってXmas当日が終わってもXmas気分が残ってたり。すぐに正月へ切り替わる日本と違うのは旧正月がメインだからかもしれません。

日本の店が大量にあるから台北と香港は東名阪福札に並ぶ同一文化圏感がありました。チャイ語勉強したくなった。中国語が分かると日本語の理解も相当に深まりそう。Asiaという広いエリアで視座を持てると西洋への向き合い方やアイデンティティの面でもまた腰が据わるかもしれない、"Altarnative"ってそういうことからも編まれるのかも、なんてことを想った年の瀬でした。
by wavesll | 2016-12-29 03:46 | 街角 | Comments(0)

聖日に長崎・生月島のオラショ

生月島 オラショ


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Xmas、いかがお過ごしでしょうか?
今年のXmasはちょっと特別なことをしたいと想って。前にイヴにミサに行ったりとかはしたのですが、それとは違った形で聖なる日らしいことをできないかなと思ったときに、"そういえば代官山蔦屋書店にオラショがあったな"と。

長崎のかくれキリシタン達が幕府の弾圧から身を潜めながら継承した信仰の唄、オラショ。
CDを聴いてみると念仏の様な暗誦が始まり、聖歌的なものを期待していた自分はかなり吃驚したのですが、語りと歌が交じり合い、呪文が詠唱されるような音像は神聖な気持ちが引出されました。

極めて日本化されたキリスト教の形がそこにありました。ラップの輪唱・ハーモニーだと考えると、ちょっと先端の音の試みにも感じて。語りと謡のあいだ、静謐な時間がありました。

今年のXmas/Xmas Eveは個人的にも特別なものになりました。愛と祈りと共に、パンとワインを。笑顔を創れるような、そんな人間になれるよう、一つ一つ大切に日々を積み重ねていきたい。日が伸びていく日々にそう想います。
by wavesll | 2016-12-25 14:00 | 私信 | Comments(0)

Steady&Co. / Only Holy Story Xmas前々夜に

only holy story steady&co.


Xmasは名曲が多く生まれた日。今年は山下達郎より稲垣潤一をよく聴いた気がします。
この歌がXmasソングのスタンダードになって欲しいなぁなんて想う楽曲がSteady & Co.の『Only Holy Story』で。

絶頂期にあったDragon AshのKJがスケボーキングのSHIGEO、RIP SLYMEのイルマリ、そしてBOTSと組んだクルーで、春夏秋冬STAY GOLDが入った『Chambers』は当時のインタヴューで「時間がたっても聴けるようなアルバムをつくれた」と語っているのが印象的で。

そして、あれから十数年が経って、Spotifyで『Chambers』を聴いてみたのでした。

『VIVA LA REVOLTION』直撃だった自分は、Dragon Ashは格好良くて惚れたんだけれども、パクリ話とか、イケてる感じがいけ好かなかったりしてRIJFでアースのDAの裏のレイクのSFUみたりとなかなかに捩子くれた思い出があったのですが、改めて聞くKJ達のラップは"今聞くとちょっと平板だな"と感じつつも爽やかなグッド・ミュージックとして響きました。

その中でも『Only Holy Story』は白眉で。まずメロがキラーだし。
今回初めて歌詞を読んだのですが、付き合っていた彼女とのXmasから、もう別れかけるXmasに湧いてくる想いまでが描かれているのですね。日本のXmasソングはひとりぽっちのクリスマスからこれまで寂しい想いでの切ない曲が多い印象がありますが、これもそんな伝統に連なる一曲なのだなと想います。本当にXmasソングのスタンダードナンバーにならないかな。時を越える魅力がある歌だと想います。

素敵な曲でイヴの24時が回ったら、Merry Xmas.
by wavesll | 2016-12-24 00:57 | Sound Gem | Comments(0)

アピチャッポン・ウィーラセタクン 『光りの墓』―現実と霊性の間を描くまこと見事な手腕

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『光りの墓』予告編


季節外れのぬるい風を感じながら、渋谷イメージフォーラムで行われているアンコール! アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ 2016にて上映された『光りの墓』をみました。
『ブンミおじさんの森』でカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いたタイの天才、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督新作。

タイ東北部。かつて学校だった仮設病院で原因不明の“眠り病”にかかった男たちが眠っている。
幾層にも重なる土地の記憶と愛の記憶。
素晴らしい映画体験でした。

まず序盤からフィールドレコーディングとして素晴らしくて。
年始に行った香港旅行でバードガーデンを訪ねたとき、「この鳥の声とチャイ語の柔らかな交ざり方が素晴らしい」と想ったのですが、タイの田舎の鳥や虫の声と、タイ語の真に柔らかな音感のマリアージュがまっこと好くて。セルゲイ・パラジャーノフの『アシク・ケリブ』を観たときの様に"BGMとしてこれを流したい"と強く想いました。

そしてこの映画にはタイという国の霊性が深く記されていて。
私は今までタイというとバンコクとかプーケットとかサムイ島のような、エネルギッシュな都市かリゾートの快楽や猥雑性を良くみていたもので。この映画に描かれていたタイの貌は初めてみたものでした。

実際にタイに住んでいた子の話を聴くと実際のタイはこんなにもスピリチュアルが平在する場でもないそう。

それを聴いてますます"この映画の様にタイを霊性的にタイの監督が描いたのが凄いな"と。更に凄いのがその描写がエキゾチックというのはあまりにもさりげない、ほとんど作為を感じないような演出の妙で顕在している点でした。

冒頭に書いた"フィールドレコーディング的"という演出は、音楽をほとんど流さずその場の音で映画を作っている点。さらにカメラワークが固定されていて、普通なら写すであろう人物の顔が映らない場面も数度あったり、途中で"これはドキュメンタリーをみている気分になる"と想いました。

時々挿入されるシーンでは舞台的な動きの演出があったのも面白い。アピチャッポン監督の舞台挨拶をみた子から聴くと、挿入シーンは「これは映画なんだよ」と伝えるために入れたそうです。

そういった静かな演出から、途中私は眠りに入りかけてしまいましたwアピチャッポン監督の映画は眠くなると言われているそうですが、この映画の「眠り病」はそれをメタ的に遊んでいるのかとも思いました。
その静的な映画の中で、しかし巧いなと思ったのは排泄や勃起というようなちょっとタブーに触れるような描写が、しかし品を壊さずにさりげなく入れてくること。これで映画の中で刺激を入れると共に異なる価値観へ這入るのに心を解いてゆく効果があると想いました。

この映画はかなり霊性的、というか見ようによってはかなりスピリチュアルな描写があるのですが、その霊性/スピリチュアルの扱いが本当に上手くてとても感心しました。
ともすれば"なんだこのスピ映画はwww"と言われそうな物語を成り立たせているのは現実と幻想のかなり技術的に高次元な捌き方にあったと想うのです。

この映画で出てくる「アフガン戦争で米兵を癒した器具」も幻想的ながら"本当に意味はあるのかはわからない"し、「FBIにもスカウトされたという霊能力者」と眠り病にかかった人との交信の内容が合っているかどうかも兵士からは語られません。つまり"全部嘘かもしれない"。でも、霊性の世界が心の中に存在していることが、ありありと描かれているのです。それが上手い。

スピリチュアルが"Evidence"を持つことなく、しかし現前している。非常に巧みな、おそらく高度な計算に裏付けられた演出だと想います。こうして顕わされることで、科学的現実と霊性的幻想の間が現れていたと感じました。

映画の中で瞑想のシーンがあるのですが、私はその場面で薄目で字幕を読みながら指示通り瞑想をしてみると、確かに霊性的に精神が感応した気がしました。

ヨガなんかもそうですが、スピリチュアルで括られる事柄って"体感的な効果"があるものが多くて、理性というより身体で感ぜられるところもあると想います。だからこそカルト宗教が悪用すると阿呆なインテリがコロっといったりして恐ろしいのですが。しかし"体感"は"存在する"。そんな部分もこの映画にはありました。

現在は科学万能であったり、年を重ねてくると"想像"の部分より"リアル/実際/物理的なハイクオリティ"を求めるようになってくる気がします。それは舌が肥えたり、"実際はこういうものだ"と知ることもあるかもしれません。ただ同時に、想像力の豊饒さを失っているのかもしれない。それは残念だ。そんなことを昔書きました。

等と言っている私も、フィクションよりノンフィクションが好きになったり、"現実に存在しているものしかみなくなる"ようになっていました。或いは数字を拠り所にしたり、"口だけなら何とでも言える"とかwBloggerがそれ言ったらおしまいだろw

確かに言葉はヴァーチャルかもしれません。だからこそ自由が存在するとも言えます。そこに"物語"のレゾンデートルがある。しかし、現存する最大の物語は『聖書』だと想いますが、現在の科学の見地を知ったうえで聖書の記述を全肯定するのはかなり無理があると想います。聖書を信じるのは"自然でない"。

一方でレヴィ・ストロースの『野生の思考』ではないですが、人間の等身大な身体の感覚と、現在の科学的見地が合っていなくて、心的作用として無理が生じているところが現在進行形で起きている気がします。科学が進んで幸福になるはずだったのに、寧ろ機械に人間が圧迫されてしまっているような。

そんな時に『次代の物語』に、例えば現代理論物理学の宇宙論がなれるかも、などと考えたりもしましたが、この態度は"エセ科学"扱いされかねないし、難しいところだ…と想っていたのです。

そして視る『光りの墓』に、"この現実と霊性の取り扱い方の誠実さは俺が欲していたものかもしれないな"と想ったのでした。

目に見えない、しかし"あると感じられる大切な/大切だった世界"、その宇宙の淵に触れられる、閉じた扉が開けられた映画体験でした。

ラストシーンでおばさんが目を見開いていたのは"目覚めようとしていたから"だと想いますが、<どの夢から目覚めようとしているのか>は私はまだ理解しきれていません。氷解するまで時を重ねられる、長い付き合いになる名画に出会えた気がしました。

今年はThe Paradise Bangkok Molam International BandだったりMonaural mini-Plugであったり、タイ音楽に興味がそそられた年でもあって。そんな年の瀬に、素晴らしいタイの映画であり21世紀の飛びぬけた感性を味わえたのは嬉しいことでした。

映画の中で映画館で起立し何も写されない画面に敬礼したりとか、王家との政治的なゴタゴタから『光りの墓』はタイでは公開されていないそうです。アピチャッポン監督の次回作も海外で撮られるそう。飛びぬけた表現者が政治の力で母国にいられなくなるのは悲しいことです。芸術の豊饒さはその国の精神の自由を現前させるなと思いました。
by wavesll | 2016-12-23 16:48 | 映画 | Comments(0)

ザ・ペンフレンドクラブ インストアライヴ@新宿タワーレコード

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The Pen Friend Club "Tell Me (Do You Really Love Me?)" / ザ・ペンフレンドクラブ


新宿タワレコにThe Pen Friend Clubを観に行ってきました◎

凄好!横浜タワレコの試聴機で気になってたからみれて嬉しかった◎“この音楽を愛してる!”って気持ちが伝わる好パフォーマンスでした。それにしてもインストアライヴで15曲+アンコールの1時間超えって大盤振る舞いは初めてみたw!

60sのオールディーズと初期ロックという音楽の一番弾けた魅力に噛り付けました。山下達郎のカヴァーや洋楽の名曲のカヴァーとオリジナル曲でたっぷり一時間。陽るく快い時を過ごせました。The Beach Boysを感じるなと想ったら、公式サイトでも音楽性は主にThe Beach Boys Phil Spector周辺の60年代中期ウェストコーストロックとのこと。超王道だけどこの感じは逆に今なかなかない。フレッシュな気持ちにさせてくれました。

Sound Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ


Spirit Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ


Season Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ 【3rd Album Trailer】


Wonderful World Of The Pen Friend Club / ザ・ペンフレンドクラブ 【4th Album Trailer】

by wavesll | 2016-12-17 15:48 | Sound Gem | Comments(0)

怪聖歌 入江陽 『SF』 & Bon Iver 『22 A Million』

中目黒のイルミネーション、『NAKAMEGURO JEWEL DOME 2016』を観にいきました。
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真っ直ぐに寄り添いながら金色の道が目黒川に伸びていくのは観ていて心持ちが好いもので。Xmas具合が12%~23%くらいにはなってきました。

ここ数年街の空気はハロウィンの方が盛んで、イマイチXmasの高揚がないような気もしますが、クリスマスソングが流れ電飾が灯り始めると、徐々に年の瀬になってきたのだなぁと、寒冷になっていく日々に想います。

Xmasというとキリストの誕生日というイメージがありますが本来の誕生日とされる日は別らしく、何でも12月25日は「イエスの生誕を記念する日」とのこと。バブリーな"恋人たちの夜"として消費されてきた日本でも、オーセンティックな"聖夜"として慈愛のある日になっていけばいいなぁ。今年のミュージックソンは斉藤由貴がパーソナリティだとか。

入江陽 - おひっこし (Lyric Video)


Bon Iver-22 A Million Full Album


それとは別に今年は"聖歌"が鳴り響いた一年でした。Chance The RapperとKanye Westが"ゴスペル・ラップ"を創り上げたのも達成点でしたが、個人的には九月にドロップされたBon Iver 『22 a million』は個人的は下半期のかなり大きな一枚になりました。

これまで私はBon Iverにはピンとこなかったのですが此の"ベースミュージック化した聖歌"ともいうべきアルバムには撃ち抜かれて。過去作も聴き漁っているところです。

そしてタワレコでキラートラックとして紹介されていた10 d E A T h b R E a s T ⚄ ⚄を聴いた時"こっれは凄いぞ"と想いながらも"でも入江陽のおひっこしも同じくらいの衝撃だったな!"と感じたのでした。

2015年の個人的ベスト・ソングに選んだ入江さんのやけど [feat. OMSB (SIMI LAB)]を含む名盤『仕事』に続き、2016年もやってくれました。バークリーのジャズ作曲科を中退して去年日本に帰ってきたTeppei Kakudaのドープなトラックに乗せて先端歌謡が唄われているのがすっごく好くて。

この『SF』は大谷能生プロデュースによる『仕事』からするとかなり緩めに感じたのですが、ele-kingのインタヴューだとそれは狙ったものだそう。ある意味、期待していた『SF』の音像は『22 A Million』だったかもしれません。その上でインタヴューを読むと次の一手が気になる。同インタヴュー中にライヴ盤の話が出ていて。3月の新宿タワレコのインストアライヴでのJAZZな『わがまま』が物凄く好きな人間としては是非ともライヴ・アレンジ・アルバム出してほしいなぁ。自分の中ではceroと入江陽は今の邦楽のブラックミュージック系というかD'angelo-J Dillaから伸びた枝では2トップな感◎来年からの動きも楽しみな限り★★★★★

cf.
◆cero MODERN STEPS TOUR at Tokyo Studio Coast

◆入江陽インストアライヴ@渋谷タワレコ & 『仕事』 ― 今最も優れたポップスとして街の営みに寄り添う音
◆新世紀リズム歌謡伝──入江陽、インタヴュー(ele-king)
◆緋色の豊饒 Chance the Rapper- Coloring Book (Chance 3) X 秋味 第80回酒と小皿と音楽婚礼
by wavesll | 2016-12-16 21:19 | Sound Gem | Comments(0)